第5話あらすじ
庫狄琉璃(こてきるり)は、裴行倹(はいこうけん)と共に陸家の母親の墓参りに出かける予定を立てていた。陸家の母親は過去に一族への迫害により憤死し、自ら命を絶ったという悲劇的な背景を持つ。庫狄琉璃(こてきるり)は雨奴(うど)にも同行するよう声をかけ、「自分はケチではないが、いずれ裴行倹(はいこうけん)と一緒に敬意を表するつもり」と語った。
帰り道、庫狄琉璃(こてきるり)は雨奴(うど)の「売渡証書(奴婢契約書)」について話を持ち出し、実際に河東府でそれを大妃に渡したことを伝える。これは雨奴(うど)を送り返すための布石であり、臨海大長公主(だいちょうこうしゅ)にとっても不本意ながら受け入れるしかない状況となった。庫狄琉璃(こてきるり)と裴行倹(はいこうけん)は、契約書を使って雨奴(うど)を合法的に追い出そうとしていたのだ。
臨海大長公主(だいちょうこうしゅ)はこれに激怒する。本物の契約書はまだ自分の手元にあると知っていながら、それを表に出すことができなかった。なぜなら、雨奴(うど)を屋敷に留めていたこと自体が、自分の策略の証拠になってしまうからだ。
この動きに対し、裴行倹(はいこうけん)は庫狄琉璃(こてきるり)を信じ、彼女の判断に全面的に協力する姿勢を見せた。庫狄琉璃(こてきるり)もこれに応えるように、今後は売渡証書を盾に雨奴(うど)を牽制し、事実上の追放を進める。
すると雨奴(うど)は、庫狄琉璃(こてきるり)が外出すると聞きつけ、彼女が留守の間に裴行倹(はいこうけん)を誘惑しようと企てる。だが、これは庫狄琉璃(こてきるり)が仕掛けた罠だった。雨奴(うど)の部屋からは土地の賃貸に関する証文が見つかり、それが臨海大長公主(だいちょうこうしゅ)からの便宜であることを庫狄琉璃(こてきるり)は見抜く。
庫狄琉璃(こてきるり)はこの証拠を使って雨奴(うど)を脅し、宮中へ送還すると告げた。雨奴(うど)はひざまずいて許しを請い、「長安を離れる」と約束する。庫狄琉璃(こてきるり)は、彼女が心から悔い改めるのなら、それを最後の慈悲とするとして見逃す。
この一件により、臨海大長公主(だいちょうこうしゅ)の思惑は失敗し、裴行倹(はいこうけん)も改めて庫狄琉璃(こてきるり)の聡明さに感心した。
第6話 あらすじ
臨海大長公主(だいちょうこうしゅ)は、庫狄琉璃(こてきるり)の評判を落とすため、わざと彼女に責任を押し付けようとしたが、庫狄琉璃(こてきるり)は皆に対して「祝福も苦労も共有するのが真の仲間」と語り、裴行倹(はいこうけん)とともに誠実な姿勢を示した。この姿勢は周囲の人々の心を動かし、臨海大長公主(だいちょうこうしゅ)の思惑はまたしても裏目に出ることとなった。
怒った臨海大長公主(だいちょうこうしゅ)は、「今度こそ庫狄琉璃(こてきるり)を徹底的に潰す」と誓う。しかしその後、庫狄琉璃(こてきるり)の元に数人がやってきて「出生証書(自由を証明するもの)を与える」と言いながら、実は臨海大長公主(だいちょうこうしゅ)に仕える者であることが判明。庫狄琉璃(こてきるり)は当然これを拒否した。
やがて、方将軍が凱旋し、その側には沛公(裴行倹(はいこうけん)の父)も付き従っていた。今、沛公の最大の懸念は、皇帝が「呉昭儀を皇后に立てようとしていること」だった。方将軍は沛公の師匠でもあり、優しく話すことで沛公の心を解きほぐすことができた。
大妃の娘婿は「もし呉昭儀が本当に皇后になれば、今後裴行倹(はいこうけん)が重用されることはないだろう」と語った。これを受けて、裴行倹(はいこうけん)は部屋に戻り、恩師に示すべき誠意ある文書を準備しながら、庫狄琉璃(こてきるり)にも「他人の目を気にせず、これからも一緒に歩んでいきたい」と伝える決意を固めた。
庫狄琉璃(こてきるり)もまた、「あなたがどんな決断をしても、私はあなたの味方です」と静かに応えた。
その後、沛公は官僚たちに称賛されつつも、帰宅後は服を着替えず、庫狄琉璃(こてきるり)に「西方に行く気はあるか?」と尋ねる。かつて庫狄琉璃(こてきるり)が西方を望んでいたのは、迫害され命を落とした母のために、静かに祈れる場所を探していたからだった。だが今は、母の名誉も回復され、どこへでも裴行倹(はいこうけん)と共に行けるという安心感がある。
その矢先、皇帝から急な召喚が入り、裴行倹(はいこうけん)は宮廷へ赴くことになる。理由は、呉昭儀の母が都入りしたためだった。
裴行倹(はいこうけん)が宮殿に着くと、皇帝の隣には呉昭儀がいた。その場で、以前裴行倹(はいこうけん)が「呉昭儀を皇后に立てるべきではない」と語ったという噂が持ち上がる。裴行倹(はいこうけん)はこれを否定しなかったが、呉昭儀は憤慨し、皇帝の怒りを買ってしまう。
結果として、裴行倹(はいこうけん)は西方(地方)への左遷を命じられる。彼は自ら処罰を求めてでも誠意を見せようとしたが、皇帝の決定は変わらなかった。
その頃、庫狄琉璃(こてきるり)は自宅の門前で、裴行倹(はいこうけん)の帰りをじっと待っていた。ふと、彼が出て行くときに「何があっても一緒にいよう」と言った言葉を思い出し、すぐに使用人たちに荷造りと出発の準備を命じたのだった。
第7話 あらすじ
裴行倹(はいこうけん)の西国左遷が決まり、庫狄琉璃(こてきるり)は出発前に呉昭儀に会いたいと望み、裴行倹(はいこうけん)もそれに同意した。一方で、臨海大長公主(だいちょうこうしゅ)はこの知らせを聞き喜ぶ。ついに裴行倹(はいこうけん)を排除できたとあざ笑い、これからは自分の思うままにできると考えた。
そんな中、呉昭儀の母・楊老婆(ヤン婆さん)が裴行倹(はいこうけん)のもとを訪れ、「皇帝の前で呉昭儀に感謝し、皇后への昇格を後押しすると約束すれば、今回の件はなかったことにできる」と取引を持ちかける。しかし、裴行倹(はいこうけん)はきっぱりとこれを拒否した。
また、大妃の娘婿は、庫狄琉璃(こてきるり)を「助ける」と称して裴行倹(はいこうけん)家の財産を奪おうと接触してきた。庫狄琉璃(こてきるり)はそれに応じず、裴行倹(はいこうけん)家の財産を叔父と叔母に託すと宣言。しかし、楊長老は庫狄琉璃(こてきるり)の安全を脅しに使おうとさえし、「西国での生活は非常に過酷だ」と暗に脅迫した。
一方、方将軍はこの状況を知り、庫狄琉璃(こてきるり)の同行を案じていた。西国は女性にとっては特に危険な地であり、方将軍は庫狄琉璃(こてきるり)の身を心配する。
庫狄琉璃(こてきるり)はそれでもなお、「何があっても裴行倹(はいこうけん)と共にある」と揺るがない決意を示した。裴行倹(はいこうけん)もまた、解決策が見つからないながらも、庫狄琉璃(こてきるり)の覚悟に心を打たれていた。
その夜、ふたりは一緒に散歩し、偶然見かけた土人形を庫狄琉璃(こてきるり)が気に入ると、裴行倹(はいこうけん)はすぐにそれを買って贈った。その後、庫狄琉璃(こてきるり)は安らかに眠り、裴行倹(はいこうけん)は彼女を起こさぬようそっと手紙を残し、静かに出て行った。
朝、手紙を見つけた庫狄琉璃(こてきるり)は、靴も履かずに外へ飛び出し、使用人に準備を命じ、呉昭儀のもとへ向かった。
その頃、裴行倹(はいこうけん)家の叔父と叔母は臨海大長公主(だいちょうこうしゅ)からの買収工作を受けていた。彼女は金の箱を持ち込み、土地の譲渡を求めていたが、庫狄琉璃(こてきるり)が間に入りそれを阻止した。さらに、王女は陸瑾娘(りくきんじょう)にも高額で買収を試みるが、ここでも庫狄琉璃(こてきるり)が介入。
楊老婆が親族と共に現れ、「長女に掘り出し物を与えるべきではない」と庫狄琉璃(こてきるり)を強く支持。結局、裴行倹(はいこうけん)はすでに荘園のすべてを戦争中の兵舎に寄付するよう決めており、周囲を驚かせた。
楊老婆はその誠意を高く評価し、庫狄琉璃(こてきるり)を呉昭儀の側仕えとして宮殿に留めるようすすめる。しかし庫狄琉璃(こてきるり)はこれを拒否。「すべては裴行倹(はいこうけん)と共に歩むため」と、彼を追って西国へ向かう決意を固めたのだった。
第8話 あらすじ
西国に向かった裴行倹(はいこうけん)のもとへ、庫狄琉璃(こてきるり)も準備を整えて追いかける。ヤン婆さんは今回の一件で庫狄琉璃(こてきるり)の手腕を称賛し、庫狄琉璃(こてきるり)の判断力と誠実さにより、裴行倹(はいこうけん)を追うことを控えた。陸瑾娘(りくきんじょう)もまた、姉の仇を討った庫狄琉璃(こてきるり)に感謝を表す。
庫狄琉璃(こてきるり)と裴行倹(はいこうけん)は互いを想いながらも、想いがすれ違っていた。裴行倹(はいこうけん)は庫狄琉璃(こてきるり)のためを思って距離を置こうとしていたが、庫狄琉璃(こてきるり)の中での彼の存在の大きさを過小評価していた。庫狄琉璃(こてきるり)もまた、別れはつらく、裴行倹(はいこうけん)を探す決意を固める。
一方、裴行倹(はいこうけん)は西国に到着後、謎の女性・阿紅(あこう)に出会う。阿紅(あこう)はトラブルに巻き込まれ、男に追われていた。争いの中で短剣が国務大臣・宏司崇裕を傷つけかける騒動に発展したが、裴行倹(はいこうけん)が彼女を救う。阿紅(あこう)はその場で自害しようとするが、彼に何度も助けられる。
そして運命のように、そこに庫狄琉璃(こてきるり)が到着。偶然にも裴行倹(はいこうけん)が阿紅(あこう)を助けている場面を目撃し、心を深く傷つけられる。彼女は自分の素性を隠し、「庫狄琉璃(こてきるり)ではない」と装ってその場を離れようとする。裴行倹(はいこうけん)は気づきながらも、なすすべもなくその場に立ち尽くす。
その夜、裴行倹(はいこうけん)は旅館での宴に阿紅(あこう)と共に出席するが、女中たちは彼の行動を噂していた。リューリもまた、それを見てさらに心を閉ざし、部屋に戻ってしまう。
裴行倹(はいこうけん)は庫狄琉璃(こてきるり)を追って2階の部屋を訪れ、彼女のために用意した温かい料理と共に、自分の非を素直に謝罪した。「自分の判断が彼女を傷つけた」と心から詫びた。
だが翌朝、裴行倹(はいこうけん)が再び庫狄琉璃(こてきるり)と出発しようとすると、すでに彼女は早朝のキャラバンで出発していたことを知る。ふたりはまたしても、心が通い合う直前ですれ違ってしまった。
風起西州~烈風に舞う花衣~ 9話・10話・11話・12話 あらすじ
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