七夜雪 2024年 全32話 原題:七夜雪
第1話あらすじ
薬師谷の谷主・薛紫夜は、摩家村が皆殺しにされた悪夢にうなされ目を覚ます。村を滅ぼした真相を追い続けているが、いまだ手がかりはない。一方、七剣の霍展白は六剣の徐重華と崖上で激闘を繰り広げる。重傷の長老を連れ帰り裁きを受けさせようとする霍展白に対し、徐重華は自ら崖へ身を投げ、妻・秋水音と息子・沫児を託して命を絶つ。
やがて鼎剣閣では霍展白の新閣主就任式が控えていたが、彼は“義兄を殺した”という汚名を背負い、その件を忘れられず継承を避ける。そんな中、徐重華の息子・沫児が重い病に倒れ、唯一救えるのは薬師谷の谷主だけだと判明する。だが診察には「回天令」と莫大な診金が必要だった。
霍展白は今年最後の回天令を手に入れ、除夕の雪夜に薬師谷へ駆けつける。しかし薛紫夜は新年を迎えたことで無効だと拒絶。焦る霍展白は命懸けで風雪石陣を突破し想いを訴える。その必死さと幼い沫児の存在に心を動かされた薛紫夜は、ついに治療を引き受ける決意をする。
第2話あらすじ
沫児の容体は急激に悪化し、薛紫夜は命を賭す極限の治療法を選ぶ。未熟児として生まれ、もともと体が弱かった沫児は、ここまで生き延びただけでも奇跡に近いと母・秋水音に告げ、三日間は誰も薬庐に近づいてはならないと厳命する。
その頃、薛紫夜は氷下に眠る「雪怀」に心の内を語りかける。霍展白の必死な姿が、かつて命懸けで自分を救おうとした雪怀の姿と重なって見えたのだ。しかし霍展白は、彼女が治療の最中に“無根水”を集めているのを見て、沫児を軽んじているのではないかと誤解を抱く。
三日後、沫児は一度呼吸を失い、事情を知らない霍展白は薛紫夜に怒りをぶつける。だが彼女は秋水音の様子から、禁を破って水を飲ませたことを察する。陰の気が体内に入り、治療は台無しになっていたのだ。
薛紫夜は自らの寒疾を顧みず、沫児を氷窟へ連れて行き、冷気を利用した“以毒攻毒”の針治療で命を繋ぎ止める。その姿に霍展白は彼女の真意を知り、冷酷だと思っていた認識を改める。
しかし無理が祟り、今度は薛紫夜が命の危機に陥る。霍展白は温泉で一晩中内力を巡らせ彼女を救い、二人の間の壁は確実に薄れていく。だが薛紫夜は悟っていた――沫児の病は根深く、いずれ再び命を脅かすであろうことを。
第3話あらすじ
薛紫夜は霍展白に、沫児の命はあと数年しかもたないと告げる。それでも霍展白は決して諦めないと誓う。しかしその会話を盗み聞きした秋水音は、自分の過ちが子の命を縮めたと絶望し、崖から身を投げようとする。霍展白は身を挺して彼女を救うが、自らは深い谷へ転落し重傷を負ってしまう。
薛紫夜の懸命な治療で命は取り留めたものの、霍展白は昏睡から目覚めない。秋水音の口から、亡き夫・徐重華が鼎剣閣の剣士であり、霍展白の無二の親友だったことが明かされる。半年前、徐重華は長老暗殺の罪を犯して裏切り、霍展白は自らの手で彼を討ったのだった。死の間際、妻子を託された霍展白は、義兄を斬った罪悪感と責任に苛まれ続けていたのだ。
薛紫夜は彼の心の傷を理解し、外見の豪放さの裏にある深い情義を知る。彼を目覚めさせるため、沫児を救えるかもしれない古方を見つけたと告げると、霍展白は再び生きる意志を取り戻し目を開く。
一方、昆仑山の元一宮では殺し合いの試練が行われていた。生き残った瞳と猎星に、教王は「明朝まで生き残った者のみが第一の殺手」と告げる。夜明け前、瞳はためらいなく猎星を殺す。純粋な者は生き残れない――それが彼の答えだった。
第4話あらすじ
霍展白は、沫児だけでなく秋水音、そして自分自身の命までも救った薛紫夜に深く感謝する。翌日、薛紫夜は沫児を救う唯一の望みとして「五味薬方」を明かす。しかしそれは古書に記された仮説に過ぎず、実際に効くかどうかは誰も試したことがないうえ、五つの薬材は各地に散らばり、入手は極めて危険だった。それでも霍展白は、命を懸けて必ず集めると迷いなく誓う。
霍展白と秋水音は薬師谷を後にし、彼はまず侍月派にある霊薬「七葉明芝」を求める旅へ出る。一方、秋水音は沫児を連れて瓜洲の屋敷で静養することに。見送った薛紫夜は、いつも通り龍門村での無償診療へ向かう。その姿を偶然目にした霍展白は、彼女が“金を取る医師”と誤解されながらも、実は多くの民を救うために尽くしていることを知り、胸を打たれる。
旅の途中、霍展白は足を痛めた少女・楚児を助けるが、名も告げず立ち去る。
一方、元一宮では修羅場を生き抜いた瞳が教王に拝謁し、第一の殺手に任じられ、沥血剣を授かる。教王は彼に、修行突破の鍵となる七葉明芝を奪って来るよう命じる。
同じ頃、侍月派掌門・阿菁が病を理由に薬師谷を訪れる。かつて村を滅ぼした際に使われた毒と侍月派特有の毒蟾砂が一致していたことから、薛紫夜は彼らを黒幕と疑い、真相を探るため密かに策を巡らせる。
第5話あらすじ
度重なる探り合いと緊迫したやり取りの末、薛紫夜は阿菁の口から真実を聞き出す。侍月教は摩家村滅村事件に関与しておらず、以前阿菁に起きた体調不良も毒ではなく、滋養薬の過剰摂取による副作用だった。誤解が解けたことで、阿菁は薛紫夜の過去と目的に深く同情し、二人は姉妹の契りを結ぶ。阿菁はしばらく薬師谷に留まり、体を整えることを決める。
その頃、霍展白は七葉明芝を巡って元一宮の殺手・瞳と死闘を繰り広げ、辛うじて勝利する。深手を負いながらも聖薬を持ち帰るが、谷で阿菁と鉢合わせしてしまう。薛紫夜の指示で教派の聖物を奪ったと知り、阿菁はそれが雪怀を救うためだと誤解する。教衆への示しをつけるため、薛紫夜と霍展白に三杯の毒酒を飲めば不問にすると告げる。
霍展白は迷わず三杯すべてを飲み干す。薛紫夜が必ず救ってくれると信じていたからだ。その覚悟に心を打たれた阿菁は約束を守り、七葉明芝を谷に残すことを許す。だが霍展白は重い中毒に陥り、薛紫夜はやむなく七葉明芝の一葉を使って命を救う。
第一の薬を得るだけで命を落としかけた霍展白を見て、薛紫夜は胸を痛める。だが寧婆婆は、この薬方が三人を支えてきたと語る。希望があったからこそ、霍展白は生死の境を越えられたのだと。
一方、妙水は妙風が山中で薛紫夜と棋を打っていることを知り、長く宮を離れている彼に、氷蚕毒の発作を警告する。

















この記事へのコメントはありません。