南城宴~乱世に咲く宮廷の恋~ 2024年 全24話 原題:南城宴
第1話あらすじ 拂暁、記憶を失い太監として宮中へ
武門「万事閣」で最強と称される弟子・拂暁(ふつぎょう)は、師の命を受けて山を下りる。標的は、辺境で悪名高い郭振将軍。そしてもう一人、重兵を握り民を苦しめている千羽衛統領・晏長昀(あん・ちょういん)である。特に晏長昀は武芸に秀でた危険な人物だと、師は強く警告する。
拂暁はまず郭振暗殺を果たすが、その裏には晏長昀の思惑があった。彼は郭振をおとりに、かつて一族を滅ぼした「関酉の変」の黒幕を突き止めようとしていたのだ。だが郭振の死により手がかりは断たれてしまう。
一方、拂暁は晏長昀に近づくため青楼に潜入。名妓・初月になりすまし、美人計で仕留めようとするが、正体を見抜かれ激しい戦いに発展。力及ばず逃走する。さらに荒れた屋敷で再び晏長昀と遭遇し、自らが郭振を殺したと認めるが、ここでも敗走。追われる身となる。
逃亡中、客船で宮中の小強子という宦官に襲われ、とっさに返り討ちにしてしまう。だがその直後、頭を打った衝撃で記憶を失ってしまう。自分が誰なのか、なぜ男装しているのかも分からないまま、小強子の腰牌を頼りに南国城へたどり着く。
医師から「失魂症」と診断されるが金がなく追い出され、途方に暮れる拂暁。そんな折、宦官の刀哥に目を付けられ、小強子の代わりに宮中へ戻るよう仕向けられる。連れて行かれた宮中で、彼女は本当に去勢されそうになるが、本能的な反撃で逃亡。迷い込んだ先は、よりにもよって晏長昀の宮殿だった。
晏長昀は彼女の腕の傷から疑念を抱くが、刺客の報せにより確認は中断。拂暁は難を逃れる。その後、後宮で偶然出会ったのは、なんと市井に変装していた皇帝・趙沅。以前、芝居小屋で出会った“兄弟”同士だと気づいた二人は意気投合し、宮廷を抜け出そうとする。
しかし小強子の遺体が発見され、晏長昀は太監名簿から捜索を開始。拂暁は窮地に立たれる。晏長昀は彼女を盗みの罪で処断しようとするが、そこへ趙沅が現れ、自ら皇帝であると明かして彼女を救う。さらに「小強子は本物の宦官であり、金は朕が与えたもの」と宣言し、晏長昀の追及を退ける。
こうして記憶を失った女刺客・拂暁は、「小強子」という太監の身分で宮中に残ることになる。
皇帝、そして宿敵・晏長昀のすぐそばで――彼女の新たな運命が静かに動き始めるのだった。
第2話あらすじ 晏長昀、拂暁の記憶を探る
宮中に残ることになった拂暁は、「小強子」として生きるよう刀哥から念を押される。しかも今や彼女は皇帝の側近として寵愛を受ける“紅人”。周囲の見る目も一変する。だが拂暁自身は、自分がなぜ宦官として通ったのか腑に落ちない。検身の太監は形だけ確認して「問題なし」と言い放ったのだ。その裏では、覆面の女から多額の報酬を受け取っていたことが明らかになる。
一方、朝廷では郭振の後任を巡り議論が白熱する。蕭権は晏長昀こそ適任だと推すが、群臣は強く反対。晏長昀はその“擁護”を素直に信じない。かつて秦家が忠義を尽くしながら滅ぼされた記憶があるからだ。彼は和三元を拷問し、郭振の玉の指輪に秘密があると吐かせる。真相はすぐに拂暁へと向かう。
晏長昀は小強子を呼び出し、指輪の行方を問い詰める。命の危機に直面した拂暁は、自らが「失魂症」で記憶を失っていると告白。御医の診断でも回復は不確かだとされる。晏長昀は彼女の記憶を試すかのように、回転盤に縛り付け、針を頭に近づける荒療治に出る。恐怖に耐えかねて「思い出した」と嘘をつく拂暁。しかし晏長昀は、彼女が本当に記憶を失っていると見抜き、「最後まで裏切らなかった」と意味深な言葉を残す。そして彼女がかつて自分の暗衛だったと偽りを語る。拂暁は嘘に気づきながらも、表面上は“旧主との再会”を装う。
晏長昀に連れ出されるのを恐れた拂暁は、皇帝・趙沅に助けを求める。晏長昀に拷問されたと訴え、そばに置いてほしいと懇願。趙沅は彼女を守ると約束する。孤独な皇帝は、小強子と食事を共にし、胸中を語る。広大な国土を持ちながら、自分は太后や丞相に囲われた“籠の中の帝王”。奏折も決裁済みのものしか届かない現実に、無力さを滲ませる。
その頃、後宮では皇后に子がないことが問題視される。丞相は娘である皇后を叱責し、魏大人は廃后を提案。権力争いは静かに火種を広げていく。
晏長昀はなおも拂暁を疑い、郭振暗殺の場面を再現して刺激を与えるが、彼女は恐怖で気を失う。さらに御医は、彼女の腕の赤い線が毒の証であり、百日以内に解毒しなければ命はないと告げる。
記憶を失い、命の期限を抱え、二人の男――皇帝と晏長昀の間に立つ拂暁。
それぞれの思惑が交錯する中、彼女の存在は宮廷の均衡を少しずつ揺らし始めていた。
第3話あらすじ 拂暁、千羽衛へ送られる
皇帝・趙沅は皇后の寝宮を訪れ、珍しく優しい言葉で謝意を伝える。そして絵を描くことを口実に同衾を避けようとするが、これは小強子――拂暁の入れ知恵だった。皇后を横たえ、眠らせてやり過ごすはずが、先に眠ってしまったのは皇帝の方。外で待つ拂暁の前に、あの覆面の女が現れ、皇帝に盛るよう薬を渡す。腕の毒も迫っていると脅され、拂暁は追い詰められる。
御医に問い詰めると、毒の件を隠していたのは晏長昀の指示だと判明。渡された薬を調べると、致死毒ではなく精神を衰弱させるものだった。皇帝に子ができぬよう仕向ける意図を察した拂暁は、板挟みに苦しみつつ“少量だけ”混ぜることを選ぶ。ところが刀哥が誤って飲み、感極まって泣き出す騒動に。宮中には、皇帝の子を望まぬ勢力がいると確信する。
晏長昀は趙沅に拳の相手を申し出るが、容赦なく投げ飛ばす。拂暁は皇帝を勝たせようと晏長昀の水に薬を入れるが、見抜かれて逆に飲まされてしまう。その後、皇后特製の強壮湯を皇帝から賜った拂暁は異様な熱に襲われ、朦朧としたまま晏長昀の宮殿へ。彼に抱きつこうとして打ち倒される。
晏長昀は、皇帝と小強子の親密さを太后に流し、拂暁の立場を揺さぶる。思惑通り太后は激怒し、小強子の処刑を命じる。白絹が首にかけられた瞬間、拂暁の脳裏に断片的な記憶がよみがえり、本能で反撃。そこへ晏長昀が現れ、小強子は千羽衛の暗衛だと証言する。趙沅は命を救う代わりに、彼女を千羽衛へ預ける決断を迫られる。
こうして拂暁は皇帝のそばを離れ、晏長昀の配下となる。夜、趙沅は夢にうなされる。太后や丞相に縛られ、目の前で小強子を失う悪夢だ。皇后は皇帝の病を案じ、拂暁を呼び戻そうとするが、晏長昀は彼女を手放さない。
晏長昀は解毒薬を与えつつ、皇帝を恨まぬのかと問う。拂暁は、皇帝もまた権力に縛られた存在だと語り、同情を示す。その言葉は晏長昀の胸にも響く。
逃げ場を失った拂暁は、夜陰に紛れて逃走を図るが捕らえられる。やむなく解毒薬を探して寝所を探るも見つからず、気づかれてしまう。とっさに布団を掛けるふりをしてやり過ごす拂暁。
皇帝の庇護を失い、太后と皇后を敵に回した彼女に残る道は、晏長昀のもとで生き延びることだけ。
だがその距離は、思わぬ形で二人の運命を絡め始めていた。
第4話あらすじ 晏長昀、拂暁のために罰を受ける
千羽衛へ送られた小強子(拂暁)は、初日から同僚に嘲笑される。背も低く華奢な体で、この精鋭部隊に務まるはずがないと言われ、過酷な負重走の訓練に放り込まれる。だが彼女は隙を見て森から逃げ出し、皇帝のもとへ戻ってしまう。
趙沅は、見捨てたことを恨まれていると覚悟していた。ところが小強子は逆に、皇帝もまた立場に縛られた存在だと気遣う。趙沅は自分が信頼できる友を得たと感じるのだった。
しかし晏長昀が現れ、逃避行為を理由に小強子を連れ戻す。彼女は訓練方法に問題があると主張し、団結力を高めるべきだと提案するが、結果は全員分の洗濯係という罰に。洗濯中、無邪気に泡で遊ぶ姿を見た晏長昀は、幼い頃、重傷を負った自分を救ってくれた民家の少女を思い出す。泡で遊ぶ小さな背中――忘れられぬ記憶が胸をよぎる。
それでも拂暁は千羽衛を抜け出そうと悪目立ちを繰り返す。食事を吹きかけ、虫入りの茶を出し、菓子を散らかし、さらには入浴中の晏長昀に取り入ろうとする始末。太監が自分に色目を使うかのような態度に、晏長昀はさすがに動揺する。
一方、魏国公の周辺では朱銀粉密売の疑惑が浮上。千羽衛は飲馬巷から大量の朱銀粉と庫銀を押収する。魏国公は冤罪を主張し、丞相はかつての定国公府事件との関連を示唆。皇帝は調査を晏長昀に一任する。
晏長昀は軍餉未払いを口実に魏国公府を揺さぶる策を立て、小強子を前面に立たせる。皇帝の後ろ盾がある彼女なら、最悪でも命は守られると踏んだのだ。小強子は賞金目当てに三招を受け、軍餉回収の先頭に立つ。魏国公府では侮辱を受けるが、騒動の隙に配下が帳簿を入手。しかし帳簿に朱銀粉の記録はなく、真相はさらに混迷する。
騒ぎは宮中に波及し、太后は首謀者として小強子の処刑を命じる。趙沅が必死に弁護し、晏長昀も監督不行き届きを認める。そして自ら百叩きの刑を受けると申し出る。重い杖刑に背は血に染まるが、彼は一言も弱音を吐かない。
その姿に宮中の空気は変わる。皇帝は千羽衛の監督役として小強子を任命し、内部を正す役目を与える。
こうして拂暁は、追い出されるどころか千羽衛の中枢へ近づくこととなる。
そして晏長昀の背に刻まれた傷は、二人の間に見えぬ絆を生み始めていた。
南城宴~乱世に咲く宮廷の恋~ 5話・6話・7話・8話あらすじ















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