国色芳華~牡丹の花咲く都で~

国色芳華~牡丹の花咲く都で~

国色芳華~牡丹の花咲く都で~ 33話・34話・35話・36話 あらすじ (※錦繍芳華1話)

国色芳華(こくしょくほうか)~牡丹の花咲く都で~2025年 全56話 原題:国色芳华 / 國色芳華 前半32話  / 锦绣芳华 後半24話

第33話あらすじ(锦绣芳华1話)

第1集「運命を変える花の決断」

病床の母を救うため、牡丹は自らの将来を犠牲にする覚悟を固め、劉暢との婚姻を受け入れる。若くして商才に長けた牡丹は、母から受け継いだ聡明さと不屈の意志を胸に、厳しい現実へと足を踏み出していく。そんな彼女の前途を大きく左右したのは、花鳥使として名高い蒋長陽との出会いであった。彼の助力は、牡丹が芳園を取り戻すまでの道のりに確かな光を与え、二人はやがて息の合った相棒のような関係を築いていく。

だが、牡丹の成功はやがて周囲の嫉妬を呼ぶ。県主は彼女を疎み、その身を貶めようと陰謀を仕掛ける。窮地に追い込まれた牡丹を救うため、蒋長陽はついに寧王へと直談判し、牡丹を妾として迎えることを申し出る。その見返りとして、劉暢を転運副使に任じるよう条件を突きつけた。寧王もまた一筋縄ではいかない人物で、自身の侍女・蓮舟を蒋長陽の側に送り込み、密かに彼を監視させることを企てる。

蓮舟の存在は牡丹にとって脅威となるはずだったが、二人はあえて協力し、蓮舟の目を欺く芝居を打つことに。同時に芳園は華やかに開業し、客足は途絶えることがないほどの繁盛を見せた。謝礼として従業員を食事に招いた宴席で、蒋長陽牡丹がまるで琴瑟の調べのように調和する姿に、周囲は自然と微笑ましさを覚える。

そんな中、牡丹はかつて賤籍にあった従業員たちの売身契を密かに買い戻していたことを明かし、彼らに良籍を与える。救われた命だと涙を流す従業員たちに、牡丹は高みへと共に歩む未来を語り、励ましの言葉を送る。

一方、蓮舟は嫉妬に駆られ、牡丹を陥れようと画策。大福を宝石泥棒に仕立て上げ、百叩きの罰を与えようとする。しかし騒ぎを聞きつけた蒋長陽が介入し、大福の手当を命じると共に、牡丹蓮舟の誣告を強く非難し、彼女への処罰を求める。蒋長陽は「好きにしろ」と告げ、蓮舟の背後にある浅ましい感情を黙認しない姿勢を見せる。

蓮舟蒋長陽の寵愛を得ようとさらに動くが、牡丹が浴槽に仕込んでいた花汁によって全身に発疹が現れ、計画は頓挫。医者に見放された末に牡丹の元を訪れた蓮舟は、過ちを認めて百回の平手打ちを自ら受け入れ、ようやく治療を施されることとなる。

その頃、蒋長陽は宴席で牡丹の到着を今か今かと待ち、彼女の姿を見つけると安堵と苛立ちを入り混ぜた表情を見せる。忙しさの中で彼との約束を忘れかけていた牡丹は、慌てて場へ駆け付けることに。

そして一方、小春のもとには思いもよらぬ人物が姿を現す――父親であった。忙しい診療所の日々の中、突然告げられた報せに牡丹もまた動揺を隠せない。物語は、各々の人生が大きく動き始める兆しを見せながら幕を開ける。

 

第34話あらすじ

第2集「父と娘、揺らぐ信念」

小春の診療所・清舒斎に駆けつけた牡丹大福が目にしたのは、花市の行商人であり小春の父でもある呂万栄が、娘を激しく叱責する姿だった。呂万栄は「娘が医術を振るうなど家門の恥」と断じ、女は外に出ず、良き妻として嫁ぐべきだと声を荒らげる。牡丹が止めに入ると、今度は彼女を“小春を悪道へ導いた張本人”と決めつけ、怒りを露わにする。だが小春は一歩も引かず、医術の道は自分の選択だと父に告げ、牡丹への誤解を強く否定した。牡丹もまた、小春の志を尊重するよう呂万栄に願うが、彼は頑なに「医術を続けるなら親子の縁は断つ」と宣言。小春は沈痛な面持ちのまま三度頭を地に擦りつけ、父に最後の礼を尽くすと、そのまま背を向け去っていく。牡丹小春の心を案じ、しばらく花満築に身を寄せて、嵐が過ぎるのを待つよう勧めるのだった。

一方、牡丹は埠頭の船長から商談の誘いを受け、贈り物を携えて訪問する。勝意の弟を実の弟のように世話していた牡丹は、彼の望みである「千船の集う大港の景色」を見せるため、蒋長陽と穿魚とともに埠頭へ向かう。にぎわう埠頭の陰で、蒋長陽はただならぬ気配を察知する。屋根に登って見下ろすと、高い塀の内側で多くの労働者が大型船を急造しているのが目に入る。「寧王が何かを企んでいる」――その不穏な気付きが胸に刻まれる。

牡丹が案内されて乗り込んだ船で待っていたのは、なんと劉暢だった。かつての夫は船長を装い、旧情を持ち出して牡丹を引き止めようとする。だが牡丹は毅然と「私たちに縁はない」と語り、既に互いに家庭を持つ身である以上、逢瀬は礼の道に背くと厳しく断る。さらに彼女は「県主を裏切って私を不義の立場に追い込む気か」と強く非難し、船を岸に戻すよう命じた。蒋長陽は二人のやり取りを知り、わざと牡丹に親しげに寄り添って見せる。嫉妬に駆られた劉暢の表情が、事態の複雑さを物語っていた。

その頃、県主は劉暢がなおも牡丹を忘れられないことに激しい嫉妬を募らせる。頭取の呂万栄に命じて牡丹の店「花満築」を閉鎖するよう圧力をかけるが、呂万栄は「商いに不正はない」と拒否。逆に彼は無能と罵られ更迭をちらつかされる。そこへ副頭取・曹遇迎が跪き「私が成し遂げます」と県主に取り入り、寧王府の令状を受け取ると、牡丹を陥れるため動き出す。

やがて曹遇迎は呉氏の遺体を清舒斎に運び込み、「牡丹たちが虎狼の薬を乱用し殺した」と大声で糾弾。小春牡丹は処方箋を示して必死に反論するが、県令は聞く耳を持たず、二人は牢に放り込まれ半殺しにされてしまう。小春を見舞いに来た呂万栄に対し、牡丹は涙を見せず、曹遇迎の背後関係を調べるよう静かに訴える。

蒋長陽牡丹の身を案じて駆けつけるが、牡丹は「今出れば官商癒着と疑われ、罪が深まるだけ」と耐える道を選ぶ。やがて調査の結果、呉氏は曹遇迎の愛人で、流産後に曹遇迎が勝手に買い与えた血行促進薬を服用したことによる出血死であったと判明。小春の処方とは無関係であることが明らかになる。

蒋長陽は寧王府の令牌を携え県令に会い、事を穏便に収め牡丹を釈放する策を示す。「応じなければ、聖人(皇帝)に直奏し、劉暢の任命も取り消されるだろう」と静かに告げられた県主はついに折れ、牡丹は解放される。曹遇迎はすべての罪を背負わされ、県主の命で処刑された。

嵐のような陰謀と誤解の中、牡丹の周囲では新たな火種が燻り始めていた――。

 

第35話あらすじ

第3集「揺らぐ忠誠、試される情」

蒋長揚の強硬な一言に震え上がった県主は、ついに牡丹小春を解放するしかなくなった。背後で糸を引いていた曹遇迎は、呉氏殺害の罪を隠すため杖刑で口封じされ、事件は強引に幕引きが図られる。牢を出た牡丹小春の前には、すでに穿魚が人を連れて待ち構えており、呂万栄もまたそこで娘を迎えていた。小春の姿を見た呂万栄は、これまでの非を悟ったように「無事でいてくれるなら、何をしていても構わない」と静かに告げ、娘の医術の道をついに認めるのだった。

そのころ蒋長揚の屋敷では、牡丹を迎えるための準備が整えられていた。湯が張られた浴室へ向かった蒋長揚は、そこで着物を脱ぎかけた蓮舟と鉢合わせる。蓮舟は幼い期待を込め「一緒に湯浴みを」と乞うが、蒋長揚は冷たく拒絶。肩を落とした蓮舟は寂しげに去っていく。後に戻ってきた牡丹が湯から上がると、蒋長揚は穏やかに彼女の髪を拭い、気遣いを見せる。しかしその優しさこそが牡丹を悩ませていた。二人は“演技”としての共演者であるはずなのに、いつしか距離は近づき、本気になれば彼の縁談に支障が出る――そんな思いが胸をよぎる。

ある日、牡丹は招財が鉢植えを手に蓮舟の部屋へ入るのを目撃する。招財は蒋長揚の腹心であるはずなのに、蓮舟との親しさは不自然だった。疑念を抱いた牡丹が虫除け薬を届ける名目で部屋を訪ねると、案の定、招財が不自然に鉢をいじっていた。さらに蓮舟は「花の世話が苦手で、もう手を出さない」と軽く言い放ち、その裏にある作為の匂いはますます強まる。

やがて蓮舟は「城外の寺で一夜を過ごし、蒋郎との縁を祈りたい」と言い出す。牡丹はすぐに大福とともに同行すると宣言し、蓮舟を牽制する形で三人はともに寺へ向かうことになった。その夜、侍女が「牡丹の部屋の灯が消えました」と告げると、蓮舟はこっそり侍女を連れて外出し、仲介人から一着の古い衣を買い求めた。かつて蓮舟の家は名高い刺繍工房だったが、父が権力者に逆らい殺され、一家は没落。今や彼女は、自らの手で刺した貴人の衣を買い戻すことで、わずかな誇りと記憶をつなぎとめていた。これを尾行していた牡丹大福は、蓮舟の意外な素性と孤独を知り、言葉を失う。

しかし蓮舟はその孤独の影で、なお陰謀を巡らせていた。絵を描くふりをして招財を呼び寄せると、「蒋郎の寵愛を得ねば、王爺の大業を助けられぬ」と焦燥をにじませる。招財は「牡丹を殺せ」と迫るが、蓮舟は即座に否定した。「殺せば蒋郎が徹底的に調べあげる。私たちが危険に晒される」――そこで彼女が選んだのは、牡丹の“声”を奪う毒だった。花鳥使が寵愛するのは牡丹の才覚と弁舌。それを奪えば彼女はただの障害に過ぎなくなる。

蓮舟は精巧に焼き上げた牡丹茶碗を手に牡丹の元を訪ね、「商いを学びたい」と殊勝な態度で近づく。茶碗に注がれた茶――その瞬間、大福蓮舟を呼び、三人は揃って茶を口にした。蓮舟は“成功”に安堵しながら帰宅するが、やがて侍女が駆け戻り「牡丹様が毒で昏倒した」と報告。蓮舟は胸を高鳴らせて真相を確かめようとするが、小春の存在に阻まれ、傍観するしかなかった。

その頃、蒋長揚は河東に赴き于将軍と会い、皇帝の直筆の手譴を授けていた。時が熟せば聖旨を携え京へ進み、皇室の大業を支える――その密命を背負う姿は、蓮舟が思う以上に遠い。

蒋長揚が戻ると、蓮舟は震える声で牡丹の容態を告げに駆け寄る。だが直後、背後から聞こえたのは牡丹の落ち着いた声だった。振り返った蓮舟は、恐怖に目を見開く。すべては牡丹の計略だった。招財の動向に気づいていた牡丹は、茶碗を巧妙にすり替え、蓮舟の真意を確かめようとしていたのだ。

怒りに燃えた蒋長揚が刀を抜き、蓮舟に斬りかかろうとする。しかし牡丹が止めた。「蓮舟にはまだ正義と良心が残っている。死罪には値しません」と。牡丹蓮舟に二つの道を示す――寧王府に戻り己の運命を受け入れるか、遠く知らぬ土地へ逃れて人生をやり直すか。蓮舟は深々と頭を下げ、結局、寧王府へ戻る決断をした。

揺れる忠誠、踏み外す寸前の情。
誰もが心の奥底で、何かを守り、何かを失いながら、生きようともがいていた。

 

第36話あらすじ

第4集「揺らぐ信義、絡み合う陰謀」

蓮舟が寧王府へ戻る決断を下したことで、蒋長揚は速やかに寧王へ謁見し、彼女を自邸に留めておくことはもう叶わないと申し出た。蓮舟寧王配下の者であり、彼女の処遇を自分が決めるのは不敬に当たる。そう述べる蒋長揚の声音は冷静でありながらも、心の底にわずかな疲労を隠していた。寧王蓮舟の軽率な行いを聞き、まるで取るに足らぬ失敗であるかのように「そうか」と一言。彼女が蒋長揚の寵愛を得るため焦った結果だと断じ、改めて適切な人材を選んで送り届けようと軽く言い放つ。
しかし蒋長揚は顔を曇らせ、「体調がすぐれず、美人を侍らせて世話を受ける余裕はない」と、遠回しに今後同じような配下を寄越す必要はないと告げた。寧王はその本音を悟り、それ以上追及せずに朝廷の職務や人事について語らい、二人の会談は穏やかに終わる。

屋敷へ戻った蒋長揚は、長く重い息を吐き出した。蓮舟と招財の陰謀により張り詰めていた屋敷の空気が、ようやく消え去ったのだと。牡丹はそんな彼に微笑み、「あなたの目の上のたんこぶを二つ、ちゃんと私が取り除いたんだから、感謝してよね」と冗談めかして言う。その言葉に蒋長揚は素直に頷き、どんな褒美でも望みのままに、と穏やかな眼差しで答える。しかし、蓮舟の毒計画がもし成功していたなら、牡丹は今ここにいなかったかもしれない――そう思うと胸の奥が鋭く痛んだ。
蒋長揚は危機を共に乗り越えた牡丹との絆を改めて自覚し、今後はいつ何があってもすぐに互いを確認できるよう、合言葉を決めようと提案する。牡丹はその慎重さを頼もしく思い、快く受け入れた。

その頃、河西節度使・蕭将軍の娘である蕭雪溪が都に滞在していた。彼女は長公主と親しい間柄であり、特別に別邸での滞在を許されている人物だった。寧王は彼女を名門・裴家の嫡子・裴中と結びつけようと画策し、都では静かに政略の波が揺れ動く。
そんな中、雪溪が開催する花宴の飾り付けを「花満築」に託され、牡丹は久しぶりの再会に胸を熱くした。かつて危機に陥った彼女を救ってくれたのは、ほかならぬ雪溪だったのだ。再会した二人は、過去の出来事を思いながらも再び心を通わせる。

一方、寧王の側近・劉暢は朝廷での勢力争いの動向を注視していた。老臣たちが次々と、淑妃が産んだ郎王を太子に立てよと上奏を続けており、寧王はこれを自身に不利な流れと捉えていた。しかし劉暢は、太子そのものよりも、太子を「誰が育てるか」が重要だと説く。もし寧王と懇意な恵妃が監督すれば、結局は寧王の勢力が強まるのだと。寧王はその深い洞察に目を見張り、劉暢がもはや単なる従者ではなく、政を支える一角へと成長していることを確信する。

花宴の当日、華麗な装飾が庭を彩り、名家の貴婦人たちが次々と姿を見せる中、雪溪はブランコ遊びを楽しんでいた。しかし突然、天から糸の切れたように縄が断ち切れ、雪溪の身体が地へ落ちようとした瞬間、裴中が現れて彼女を抱きとめた。その出来事に雪溪の頬は赤らみ、一方の裴中は彼女を見つめたまま視線を外せなかった。しかし、県主は彼に警告する。雪溪蒋長揚は幼い頃よりの縁であり、彼女の心にはすでに想い人がいるかもしれぬと。その言葉が裴中の胸に黒い影を落とした。

蒋長揚牡丹は、裴中の行動を探るため、遊覧船を装い彼の尾行を続けていた。やがて裴中が雪溪を港の料理屋へ誘い入れたため、二人も階上へ上がり様子をうかがう。しかし裴中は景色を見ようとしない雪溪に酒を重ね、やがて雪溪は強い頭痛と力の喪失に襲われる。薬を盛られたことに気づくも、抵抗する力はすでに残っていなかった。裴中が彼女の身体を抱え、不埒な行いに及ぼうとしたその瞬間、蒋長揚が姿を現し、怒りを抑えた声で裴中を糾弾する。目的を果たせず退いた裴中の背を睨みつけながら、蒋長揚牡丹は涙に震える雪溪をそっと支えた。

やがて淑妃雪溪をもてなす宴が開かれた。しかしそこで再び不穏な影が忍び寄る。牡丹は一品の点心の匂いに違和感を覚え、淑妃に手をつけないよう進言する。試しに与えた雪溪の飼い犬が、口にした瞬間息絶えたことで、宴は一転して騒然となる。県主は即座に蒋長揚を疑い、すべての食材と厨房を彼が準備したのだから、毒を仕込んだのも彼に違いないと主張し、淑妃へ拘束を命じるよう迫った。
蒋長揚は無実のまま牢に閉じ込められ、牡丹雪溪の助けを得て密かに面会する。彼は「すでに手は打ってある。県主と劉暢の動きには気をつけ、屋敷から出るな」とだけ告げた。外では信義が揺らぎ、内では陰謀が連鎖する中、牡丹は強い決意を胸に、蒋長揚の帰りを待つのだった。

 

国色芳華~牡丹の花咲く都で~ 37話・38話・39話・40話 あらすじ

国色芳華(こくしょくほうか)~牡丹の花咲く都で~ 全話あらすじ キャスト・相関図

 

 

 

 

 

 

 

 

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