大唐狄公案 神探、王朝の謎を斬る

大唐狄公案 神探、王朝の謎を斬る

大唐狄公案 神探、王朝の謎を斬る 17話・18話・19話・20話 あらすじ

大唐狄公案 神探、王朝の謎を斬る 2024年 全32話 原題:大唐狄公案

第17話あらすじ

焼け落ちた県衙の廃墟に、狄仁傑は自ら公堂を設け、太鼓と鑼を鳴らして「告状あらば出よ」と民に呼びかける。人々は大勢集まるものの、ほとんどが様子見で、真剣に訴え出る者はいない。県丞は早々に引き揚げるよう進言するが、狄仁傑は下衙まで待つと譲らない。やがて一人の男童が現れ、父の脚が折られたと訴える。しかし父は告発を拒み、転んだだけだと言い張って、男童を連れて立ち去ってしまう。その背中を見送りながら、狄仁傑は、恐怖が人々の口を封じている現実を痛感する。

群衆の中では、蘭坊が幇派や有力者による割拠の地となった現状が囁かれていた。狄仁傑は、焼け焦げた旗竿を引き抜き、「ここは官の地である」と宣言する。無謀とも思えるその行動に洪亮は心配を隠せないが、曹安だけは狄仁傑の覚悟を理解し、その真意まで見通していた。洪亮は、狄仁傑にこのような理解者がいることを心から喜ぶ。

曹安は文書を整理する中で、狄仁傑の父・狄知逊の死がかつて黒焰と深く関わっていたことを知る。皇帝により名誉は回復されたものの、人は戻らず、その影は今も狄仁傑の胸に重く残っていた。狄仁傑の表字「怀英」が幼少期の木剣に刻まれていることを不思議に思った曹安は洪亮に尋ねるが、洪亮は「時が経ちすぎた」と語を濁す。

蘭坊随一の仵作であり名医でもある胡仵作が李陶の検視にあたるが、彼は首元の赤い点を無視し、手首の傷だけを見て自殺と断じる。狄仁傑は胡仵作が肝心な点を避けていることに気づき、毒の可能性を問うが、胡仵作は話を逸らす。さらに、薬を渡した後に帳簿へ記録する様子を狄仁傑に見られ、胡仵作は動揺を隠せなくなる。

狄仁傑は紅亭子の人数を改めて調べ、秋月を呼び出す。李陶の手の血は乾いていたのに、机の墨は乾いていなかったことから、現場が動かされたと推理し、秋月を追及する。秋月は否定しつつ、自身の過酷な過去を語る。幼い頃、砂漠で商隊が壊滅し、彼女だけが生き残った。助けを求めても誰も救ってくれず、最後に碧玉だけが手を差し伸べてくれた――それ以来、紅亭子で生きてきたという。

狄仁傑は、生きるための行為自体は責めないが、嘘は許されないと告げる。秋月はついに、遺書を探すために現場を荒らしたこと、そして李陶の死を利用して自分の価値を高めようとしたことを認める。李陶が蘭坊で唯一善人と呼べる存在で、秋月に求婚して拒まれて以降、態度が冷たくなった事実から、怨恨の線も浮かぶが、秋月は涙ながらに潔白を主張し、信じられぬなら捕らえよと言い放つ。

その折、洪亮が紅亭子の護院・魏城の失踪を報告する。碧玉は些細なことだと片づけ、県尉や県丞も同調するが、馬栄は以前、碧玉の命で金を持って出て行く男を見たことを思い出し、狄仁傑に伝える。全城捜索の末、魏城の家はもぬけの殻だったが、負傷した魏城本人が発見される。彼は銭灝に襲われたと告げ、李陶殺害を否定する。賭博癖はあったが、盗みが発覚した際、逆に銀を渡してくれた李陶に感謝していたという。

さらに魏城は、銭灝もまた真犯人を探していると証言する。狄仁傑は、誰かが「暗花」を出して殺し屋を雇ったと悟り、李刺史に法を犯さぬよう諫めに向かう。しかし李刺史は病に侵され、息子の仇を討つため暗花を出した事実を隠そうとしない。

ほどなく胡仵作の家が放火され、狄仁傑は内部に内通者がいると確信する。そこで馬栄と芝居を打ち、胡仵作が目覚め重要な証言をしたと噂を流す。案の定、誰かが銭灝に報せに走り、その人物を捕らえることに成功する。
こうして狄仁傑は、蘭坊を覆う闇の奥に、さらに大きな陰謀が潜んでいることを掴み、決定的な一手へと踏み出していく。

 

第18話あらすじ

狄仁傑は一人で玄虎帮の首領・銭灝を訪ね、李陶殺害に関わる「暗花(懸賞殺人)」を受けるべきではないと諭す。しかし銭灝は聞く耳を持たず、その場で何者かに襲撃される。間一髪、狄仁傑が銭灝を救い、銭灝は反撃して刺客を殺害する。死体から独狼帮の首飾りが見つかり、銭灝は独狼帮の残党による犯行と断定し、額に十字の花刀を刻んで「自分が殺した」と誇示する。命を救われた恩から、銭灝は狄仁傑を見逃そうとするが、狄仁傑はなおも暗花を断るよう迫る。そこへ配下が集結し、銭灝は本性を露わにする。蘭坊では自分が法だと豪語し、狄仁傑が調べる者はすべて殺すと言い放つ。その言葉は、秋月の命が危険にさらされていることを意味していた。

狄仁傑は急ぎ紅亭子へ戻るが、秋月はすでに一日行方不明だった。部屋を調べると、貴重品はすべて持ち去られており、逃走の可能性が高い。地図を広げ、距離と状況から逃走先を推理した狄仁傑は、紅柳村に目星をつける。しかし現地で秋月は見つからず、地窖で彼女の簪だけが発見される。狄仁傑は違和感を覚え、この一件が偽装である可能性を考え始める。

一方、狄仁傑は李路の忠誠心を試すため、あえて封書を預ける。李路は門を出た途端に中身を盗み見し、馬栄と喬泰に現行犯で押さえられる。内部に信用できない者がいることは明白となる。さらに、廃墟の臨時県衙で升堂しようとすると、卓の脚が切断されていた。狄仁傑は、蘭坊が長年黒焰の影響下にあり、官の威信が完全に失われている現実を改めて突きつけられる。

狄仁傑は紅柳村の簪の位置関係を思い返し、秋月は実は蘭坊から出ていないと推理する。碧玉が簪を地窖に置き、玄虎帮の旗を添えて偽装したのだと見抜く。だが、銭灝が人命を弄ぶ性格である以上、もし秋月が捕らえられていれば、必ず暗花を受けた者が現れるはずだ――それがない以上、秋月はまだ匿われている。狄仁傑は碧玉に真実を語るよう迫るが、碧玉は恐怖に震えつつも否定を繰り返す。失望した狄仁傑はその場を去る。

やがて李刺史は、秋月が蘭坊にいるとの情報を得て、紅亭子を捜索し、息子の仇として秋月を殺そうと動き出す。狄仁傑は曹安に胸中を打ち明け、推理を整理する。秋月と李陶は互いに想い合っており、秋月は李陶にとって最後に会った人物で、部屋に入った唯一の存在だった。しかし現場の状況から、他者が侵入して殺害する余地はなく、狄仁傑は大胆にも「李陶は自殺した」と結論づける。ただし、それは口にできない理由を伴う自殺だった。

そこへ、意識を取り戻した胡仵作が狂ったように絵を描き始める。描かれたのは「沙蚤」。狄仁傑は、李陶が沙蚤に噛まれ、解毒不能の毒に侵され、耐え難い苦痛の末に死を選んだことを悟る。李陶は秋月の潔白を示す遺書を残したが、それは風に飛ばされ、彼女は疑いを背負うことになったのだ。

紅亭子で秋月はついに見つかり、李刺史は刃を向ける。狄仁傑は自らの命を賭して、秋月が殺人犯ではないと断言する。真相を知った李刺史は、李陶を蘭坊へ追いやった自分の過ちを悔い、沙蚤を呼び寄せた郁金香を植えた責任も自覚する。彼は匕首を下ろし、秋月に詫び、最後は自らを閉じ込めて火を放ち、命を絶つ道を選ぶ。

その後、城防軍が到着し、蘭坊を支配していた勢力は一掃される。銭灝は馬栄と喬泰に捕らえられ、最後まで凶暴さを失わぬまま連行される。井戸の独占は解かれ、人々は秩序正しく水を汲み、街には活気が戻る。県衙再建が始まり、百姓たちは自発的に瓦礫を片付け、狄仁傑と官の裁きを信じる意思を示す。
こうして蘭坊編は幕を閉じ、狄仁傑の「法で闇を切り拓く戦い」は、新たな地へと続いていく。

 

第19話あらすじ

県衙の法廷では、母・金氏が豪商の韓咏南を相手取り、娘の趙望蕊が強姦されたとして訴えを起こしていた。だが韓咏南は罪を真っ向から否定し、逆に「三千銭で娘を買った」と主張する。その証拠として、金氏の手印が押された売買文書を提出するが、金氏は文字が読めず、何に手印を押したのかも分からなかったという。狄仁杰は、識字できない者につけ込む卑劣なやり方だと韓咏南を叱責するものの、実際に金氏の家から三千銭が見つかってしまい、法的には韓咏南を拘束し続けることができない。

大唐律では、明確な証拠がない限り十二刻(十二時間)以上の拘留は禁じられている。そのことを熟知していたからこそ、韓咏南は終始余裕を崩さなかった。釈放された韓咏南を見た民衆は、狄仁杰が権力者を庇ったのだと誤解し、怨嗟の声を上げる。さらに怒りに駆られた兄・望東が短刀を手に韓咏南へ襲いかかろうとし、馬栄に取り押さえられる。韓咏南はこれを逆手に取り、「公然と人を殺そうとした罪」で望東を処罰せよと迫り、狄仁杰はやむなく望東を投獄する。民衆の怒りは頂点に達し、「狗官(悪徳役人)」という罵声が狄仁杰に浴びせられた。

法に従っただけで、弱き者にも強き者にも等しく刃が向く――その現実に、狄仁杰自身も深く傷つく。馬栄は金氏一家の困窮を知っているだけに、望東を解放してほしいと懇願するが、狄仁杰は「自分が法を曲げれば、この国の正義が崩れる」と静かに拒む。怒りと無力感に苛まれた狄仁杰は、曹安に命じて韓咏南に関する過去の記録をすべて持ってこさせ、自らの判断が誤りでなかったかを確かめようとする。

その頃、城内では不穏な事件が続いていた。女色に溺れていた男・雲岡が城外で首を吊った死体となって発見され、同様の事件は今月ですでに三件目だという。喬泰は買凶殺人の可能性を指摘するが、確証はなく、事件は謎を残したままだった。一方、狄仁杰は銀鉱周辺の村で起きている人口失踪事件の資料に目を通し、これらが偶然ではないと直感する。

釈放された韓咏南は反省の色もなく、妓楼から女伎を二人呼び寄せ、五石散に溺れながら放蕩の限りを尽くす。しかし翌朝、その女伎たちは無惨にも殺されて発見される。狄仁杰は即座に韓咏南犯行と見抜き、現場から犯行の手順を推理するが、肝心の韓咏南はすでに姿を消していた。

捜索の末、狄仁杰は銀鉱へ向かうが、「国の命脈」であることを理由に門を閉ざされる。馬小屋に残された外套や壊れた箱から、韓咏南が馬車で逃走したと推測し、村人たちに協力を求めるものの、返ってくるのは罵倒の言葉ばかりだった。望東は「官に頼るより黒焰に頼むべきだった」と吐き捨て、その言葉は狄仁杰の胸を深く刺す。金氏もまた、もはや彼を信じようとはせず、灰を投げつけて追い返す。

それでも狄仁杰は諦めない。銀鉱から馬車が出城したとの報告を受け、地図を広げて進路を推理し、馬栄と喬泰を率いて驿站へ急行する。だがそこは不気味なほど静まり返り、思わぬ刺客・刁小官の待ち伏せを受ける。互角の戦いの末、武器を下ろして話を聞くと、刁小官は「斯文な男と馬を交換した」と語り、韓咏南追跡の困難さが浮き彫りになる。

さらに驿站では、人身売買が行われている実態が発覚する。怯えた少女たちを前に、狄仁杰は自らの私財を投じて彼女たちを買い取り、驿丞に二度と同じことをするなと厳しく警告する。その背中は、罵られ、疑われながらも正義を捨てない狄仁杰という人物の覚悟を静かに物語っていた。

 

第20話あらすじ

流寇が跋扈する荒野で、狄仁杰と馬栄は数で勝る敵に囲まれ、命の危機にさらされる。本来なら無謀な戦いを避けるはずの刁小官は、二人が命を懸けて戦う姿を見過ごすことができず、姿を隠していた場所から突然現れ、神業のような弓術で奇襲を仕掛ける。放たれた矢は狄仁杰と馬栄の頬をかすめるほど危険なもので、助けられたとはいえ、馬栄はそのやり方に不信感を隠さない。やがて辺防軍が到着し、流寇の小隊は殲滅される。指揮官の霍怀礼は、流寇の本隊が近くにいる可能性を警告し、狄仁杰に早急な退避を勧めた。

黄沙が舞う荒野を駆け抜け、狄仁杰と馬栄は集鎮へ向かう。刁小官も黙って後を追い、ついには二人の前に割り込むようにして同行する。馬栄は彼を敵か味方か測りかねて警戒するが、狄仁杰は深く気に留めず、ただ同じ目的地へ向かっているのだろうと受け止める。集鎮では、刁小官が異国の言葉で商人と交渉し、匕首と引き換えに「狼を引き寄せる薬」を手に入れる。その様子を不思議に思う狄仁杰の前に、「塔里」と繰り返す老人が現れる。刁小官が通訳すると、砂漠で鷹を失った話は、いつの間にか「娘を韓咏南に殺された父の悲嘆」へと変わり、老人は狄仁杰に仇討ちを願う。こうして一行は鎮西堡へ導かれる。

鎮西堡を守る兵の一人・霍怀礼は、狄仁杰の身分を知ると、韓咏南の似顔絵を見て「見覚えがある」と語り、軍営へ案内する。だがそこで目にしたのは、すでに死体となった韓咏南だった。彼は流寇に遭遇しながらも生き延び、軍営に助けを求めて潜り込んだものの、瘟疫にかかって死亡したという。狄仁杰が確認しようと尸布に手を伸ばすと制止されるが、刁小官が素早く矢で布を跳ね上げ、無残な死体が露わになる。実は韓咏南は越境のため馬を盗もうとし、周长义を殺していた。霍怀礼は、周长义が死んだことで「一人分の食糧が浮く」と淡々と語り、刺史には巡察使を送らないよう伝えてほしいと頼む。その言葉から、軍営の窮状が透けて見えた。

兵たちは粗末な乾粮をかじり、活気はない。馬栄が事情を探ろうとしても口は重く、刁小官は酒で兵を酔わせ、わざと長槍を倒させる。その拍子に露わになった兵の腕には、痛々しい鞭打ちの痕が残っていた。狄仁杰は、今日表に出された死体が本物の韓咏南ではないと確信し、夜陰に紛れて文書を調べる。霍怀礼が三節鞭を好んで使うこと、兵の多くが周村出身であること、そして周长义には共に従軍した弟がいたことを知り、疑念は深まっていく。

刁小官の導きで隠された部屋に入ると、そこには棺と一具の遺体、そして三節鞭が置かれていた。その瞬間、霍怀礼と兵たちが現れ、三人を取り囲む。霍怀礼の正体は周长义であり、彼は虐待の末に殺された弟・周长勇の仇を討つため、同じく虐げられてきた兵たちと共に反乱を起こし、本物の霍怀礼を殺してその地位を奪っていた。巡察使を恐れたのも、その罪が暴かれるからだった。

狄仁杰と馬栄は捕らえられ牢に入れられる。外で聞き耳を立てる刁小官の前で、馬栄は兵たちの境遇に深く同情し、「自分が同じ立場なら同じ選択をしたかもしれない」と語る。一方、狄仁杰はあくまで法を説く。韓咏南も、霍怀礼も、どれほど憎まれる存在であっても、大唐の律によって裁かれるべきであり、私怨で命を奪えば、やがて法そのものが崩れ去ると訴える。その信念に、刁小官は「百里を駆けてまで悪を追い、今こうして囚われて後悔はないのか」と問いかけるが、狄仁杰は一切の後悔を否定する。

やがて軍営は敵襲を受け、混乱に陥る。周长义は狄仁杰を殺すこともできたが、そうはせず、彼と馬栄を解放し、佩剣を返す。狄仁杰は、周长义と兵たちが命を賭して城を守る姿を目の当たりにし、胸を強く打たれる。最期を迎える周长义は、すべての反乱の罪を自分一人に背負わせてほしいと願う。国を守ろうと戦った兵たちは、決して悪ではない――その言葉を胸に、狄仁杰は法と人情の狭間で揺れながらも、正義とは何かを深く考えさせられるのだった。

 

大唐狄公案 神探、王朝の謎を斬る 21話・22話・23話・24話 あらすじ

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