掌心~宮廷に響く復讐の鈴音~

掌心~宮廷に響く復讐の鈴音~

掌心~宮廷に響く復讐の鈴音~ 26話・27話・28話・29話・30話(最終回) あらすじ

掌心~宮廷に響く復讐の鈴音~ 2025年 全30話 原題:掌心

掌心~宮廷に響く復讐の鈴音~ 2025年 全30話 原題:掌心

第26話 あらすじ

物語は一年前へと遡る。吏部侍郎・趙峰は、聖上の密命を受け、葉平安に一つの小箱を届けていた。彼女が聖都を離れる直前に手渡されたその箱には、用途も理由も告げられなかったが、それは後に運命を大きく動かす“鍵”となる。

一年後。再び聖都に姿を現した葉平安は、もはや医女でも女使でもない。彼女は私塩を扱う「牙人」として、伍顕児と元少城の前に現れる。葉平安は、自分が最大級の私塩商・黄義民と繋がっていると語り、その経緯を淡々と説明する。黄義民は脚が不自由だが、それは外傷ではなく、妻を亡くしたことによる心疾が原因だった。葉平安はその病を見抜き、まず配下の者を治療することで信頼を得、さらに黄義民本人の病も癒した。その恩に報いる形で、私塩取引を任されるようになったというのだ。

元少城は、この話を露骨に疑う。しかし伍顕児は違った。彼女はあえて私塩の購入を持ちかけ、成功すれば八百両を支払うと約束する。これは商談であると同時に、葉平安への挑戦状でもあった。元少城は伍顕児に、葉平安と争っても勝ち目はないと忠告するが、伍顕児は聞き入れず、「あなたは夫としての役目を果たせばいい」と突き放す。

その帰路、趙峰が突然兵を率いて現れ、私塩密輸の嫌疑で車を検める。荷の中から実際に私塩が見つかり、伍顕児と元少城は揃って投獄される。やがて羡将軍が現れ、伍顕児のみを保釈する。元少城も同時に保釈するかと問われるが、伍顕児は「彼には彼の道がある」と冷たく断る。

羡将軍は、かつて伍顕児に救われた男だった。軍営で一目惚れし、その後冤罪で投獄された際、ほとんど面識のなかった伍顕児が彼を救い出し、伍安康のもとで功績を立てる道を与えた。将軍として返り咲いた今も、その恩と想いは消えていない。伍顕児は「もう帳消しだ」と言うが、羡将軍は一生をかけて償うと誓い、彼女の手を握る。その仕草は、伍顕児の心に微かな揺らぎと、同時に新たな火種を残す。

伍顕児は帰宅後、父・伍由敬に葉平安と取引したことを報告する。伍由敬は即座に反対する。彼は娘が葉平安と張り合いたい一心で動いていることを見抜いていた。表向きは従順に振る舞う伍顕児だが、内心ではなお、葉平安との勝負を諦めていない。

その頃、葉平安は顧二娘とともに、采蓮と陸丹心の墓を訪れる。顧二娘は、なぜ自ら危険な取引に身を投じるのか理解できずに問うが、葉平安は静かに答える。「一人で碁を打ち続けていると、いずれ強い相手が欲しくなる。私は、伍顕児を引きずり出したい」。これは復讐ではなく、完全な“対局”だった。

やがて伍顕児は万国香の酒を携え、葉平安のもとを訪れる。葉平安は黄義民を同席させるが、伍顕児は用心深く、かつて黄義民の配下だった老三を牢から連れてきて真偽を試す。黄義民は即座に老三の名を呼び、過去の出来事を語り、伍顕児の警戒心を解く。こうして取引の日時と場所が定められる。

取引当日。葉平安は事前に趙峰と会い、一年前に渡された箱の中身――女使の令牌を取り出す。聖上は葉平安に、密かに私塩を調べる権限を与えていたのだ。葉平安は趙峰に、伍顕児を現行犯で押さえるよう示唆する。しかし伍顕児は一枚上手だった。私塩の中に甲胄を忍ばせ、「私蔵甲胄」という大罪を葉平安に着せ、逆に捕らえようとする。

絶体絶命の瞬間、山中から矢が放たれる。黄義民に率いられた一団が現れ、葉平安を救出する。趙峰も暗に撤退を促し、葉平安はその場を離脱する。伍顕児は激昂し、趙峰を職務怠慢で責め立てるが、混乱の中、元少城が兵を率いて到着し、「黄義民」を捕縛する。

だが、捕らえられた男は偽物だった。牢内での取り調べで、男の名は裘寅と判明する。彼は義理堅く、なかなか口を割らないが、弟を盾にされ、ついに真実を語る。伍由敬が私塩を必要としていること、黄義民とは面識がなく、名を騙っただけであること、そして伍由敬が塩田を独占し、多くの民を死に追いやってきたこと――裘寅は怒りを込めて告発する。

その直後、裘寅は突然毒に倒れる。飲んだのは水だけだった。元少城は即座に解毒を命じ、事件の背後にある“口封じ”の存在を確信する。

一部始終を近くで聞いていた伍顕児は、元少城に「葉平安がどこから私塩を手に入れたのか、必ず突き止める」と宣言する。葉平安が戻ってきた以上、争いは終わらない。

伍顕児が去った後、獄卒が元少城に接触し、過去に陸丹心の死後、元少城が葉平安と会っていた事実を盾に脅迫を試みる。元少城は冷静に見抜き、逆に曹州の黄義民を調べるよう命じる。成功の報酬として差し出したのは、伍由敬がかつて婚約の証として贈った、価値連城の瓢箪だった。

第26集は、
葉平安と伍顕児の直接対決が本格化し、私塩という経済犯罪が、王権そのものを揺るがす局面へ突入した回である。
この盤上で、誰が駒で、誰が打ち手なのか――その境界は、ますます曖昧になっていく。

 

第27話 あらすじ

一年前、葉平安の事件に関連し、独断で「龍鱗泣竹」という苛烈な刑罰を施したことで皇帝の逆鱗に触れ、厳罰を受けていた酷吏・厲俊。静思を命じられて以来、彼の胸中では葉平安への憎悪が消えるどころか、むしろ執念のように燃え広がっていた。そんな折、皇帝から突然、麗景門に新設された獄の管理を命じられる。これは明らかに再起の機会であり、厲俊は「再び権力を握り、必ず葉平安に報復する」と心に誓う。

その葉平安は、私蔵の鎧甲を隠していた罪により、すでに朝廷公認の重罪人として指名手配されていた。厲俊は彼女の行動様式を熟知しており、逃亡中であっても決して遠くへは行かず、聖都のどこかに潜んでいると断定する。こうして、彼の私怨と公権力が結びつき、再び葉平安包囲網が動き始める。

一方、聖都では官僚たちによる塩田の強奪が横行し、民衆は生活の糧を奪われ、家族を失う悲劇が相次いでいた。伍顕児はその惨状に心を痛めるが、兄・康平王伍由敬は冷淡で、「伍氏の田産と塩糧を守らねば一族の基盤は崩れる」と現実論を突きつける。理想と権力維持の間で、兄妹の価値観の隔たりはますます深まっていく。

葉平安を陥れるために用いられた鎧甲の出所について、伍顕児は曖昧な態度を崩さず、「ある将軍から借りた」とだけ語り、名前は明かそうとしない。伍由敬は、葉平安がすでに聖都に戻っているとの情報を掴むと、伍顕児に命じ、張尚書から人手を借り、三日以内に生け捕りにするよう指示する。

そんな中、黒市で葉平安を見たという噂が広まり、包囲網は一気に黒市へと収束する。厲俊の配下は医館、万国香、布坊を徹底的に捜索するが成果はなく、唯一手つかずだった延慶坊脇の黒市に狙いを定める。まさに踏み込もうとしたその時、伍顕児も中書舎人の身分を盾に現れ、先に中へ入ろうとする。

しかし黒市の門が開いた瞬間、現れたのは想定外の人物――素玄真人・韋玄敏であった。彼女は「探している人物はここにはいない」と静かに告げるが、その言葉はあまりにも意味深で、厲俊は追及する術を失う。さらに康平王伍由敬が到着したことで、身分の差を前にした厲俊は撤退を余儀なくされる。素玄真人の一言と存在感が、結果として葉平安一行を救う形となり、彼らはその隙に安全な場所へと移動する。

この一件を受け、康平王は葉平安が素玄真人を動かした事実に強い疑念を抱き、「王府内部に密告者がいるのではないか」と猜疑心を募らせる。元少城は率直に内奸の存在を認めるが、伍顕児は根拠もなく元少城こそ裏切り者だと疑い、二人は激しく対立する。元少城は盤上の勝敗を引き合いに出し、あくまで冷静に反論するが、王府内の空気は一気に張り詰めていく。

同時進行で、何茂山は黄義民の息子・黄祁を発見し、そこから黄義民本人へと接触することに成功する。黄義民は五万石もの塩を握る重要人物で、取引の条件として康平王本人との面会を要求する。伍由敬は慎重を期して替え玉を先に向かわせるが、老獪な黄義民は即座に見破る。最終的に、塩一石百文という破格の条件で売却が成立するが、その見返りとして、息子・黄祁を聖都で官職に就けることが条件となる。伍由敬はこれを快諾し、黄祁を市署の録事に任命する。

その裏で、伍顕児は羡将軍に命じ、雷火の製造を密かに進めさせる。完成まで二か月を要する大規模な計画であり、彼女が単なる防衛ではなく、より大きな動乱を見据えていることが示唆される。

元少城は伍顕児に書簡を送り、表向きには歩み寄りとも取れる内容を記す。伍顕児はそれを信じ、元少城を完全に味方とみなすが、その裏で黄祁は市署にいながら官塩の記録を正しく書き写さず、密かに別の思惑を巡らせていた。

そして物語は核心へと進む。元少城は邙溝へ戻ると、密道を開き、その奥に隠れていたのは――葉平安たちであった。彼女はすでに王府の過去と内情を見抜いており、あえてこの場所に潜伏することで、追跡を逃れると同時に反撃の機会を待っていたのだ。元少城の来訪は、葉平安にとって新たな可能性を意味する。敵と味方が錯綜する中、二人の協力関係こそが、今後の局面を大きく動かす鍵となっていく。

 

第28話 あらすじ

皇帝は依然として立太子の決断を下せずにいた。自身の血脈を正統に継がせるべきか、それとも朝堂の勢力均衡を優先すべきか――その狭間で揺れ動き、ついに梅閣老に意見を求める。梅閣老は簡潔ながらも重い一言を返す。「実子を立てれば、天子の後は太廟で祭祀を受けられる。しかし、甥を立てた場合、甥が叔父や叔母を太廟で祀る前例はない」。この言葉は、血統の正統性という根源的な問題を突き、立太子争いの本質を浮き彫りにした。

一方その頃、元少城は一か月前に偶然手に入れた鈴から、すでに葉平安の帰還を悟っていた。彼女が姿を消す時、必ず残す“合図”――それを見逃すほど、元少城は鈍くない。彼は急ぎ東郊へ向かい、采蓮と丹心の墓前で、予想通り葉平安と再会する。二人は短い言葉の中で互いの置かれた状況を理解し合う。康平王の野心と狡猾さは想像以上であり、元少城は王府に身を置きながらも、常に命綱の上を歩くような日々を送っていた。罪証を集めることは困難を極め、康平王もまた彼の出自を内心では軽蔑しつつ、利用価値のみを見出している。

それでも元少城には後戻りの道はない。葉平安はそんな彼の現状を見抜き、真正面から協力を持ちかける。彼女が示した計画は大胆かつ緻密だった。まず「偽の黄義民」を使い、伍顕児と康平王に対して、密塩の件が自分とは無関係であると誤認させる。その一方で、実際の黄義民の動きは、すべて葉平安の掌の上で制御される。これは単なる撹乱ではなく、後に致命的な証拠へと転化する布石だった。

さらに元少城には、康平王を黒市の九龍閣へと導く役目が課せられる。目的は、素玄真人が王府の秘密を暴露するのを阻止することにあり、これによって康平王の信頼を完全に勝ち取る算段だった。同時に、延慶坊の鬼宅から邙溝へ通じる地下密道を秘密裏に掘り進める必要もあった。これにより、葉平安が邙溝の密道に潜伏していた理由が明確になり、彼女の神出鬼没な行動の裏に、元少城の協力があったことが示される。

葉平安と黄義民の“偶然の再会”も、実は計画の一部だった。互いの利害を瞬時に理解した二人は、表向きは距離を保ちつつ、裏では密接に連動し始める。

朝堂では、湛露殿において改立太子の議題が再び持ち上がる。張尚書らは康平王を推し、伍由敬こそが太子にふさわしいと強く主張するが、反対派も根強い。議論が白熱する中、梅閣老は老獪な態度で「時期尚早」と提言し、皇帝もそれを受け入れて決定を先送りにする。梅閣老は元少城に対し、「忠臣でも孤臣でもなく、能臣であれ」と諭す。この言葉は、誰かに殉じるのではなく、国と理を見据えて動けという、重い警告でもあった。

康平王は塩を餌に名門貴族を懐柔し、民意など後回しにすればよいと考えていた。塩価を下げれば不満など自然と鎮まる――それが彼の政治観だった。しかし、市署丞と黄祁のやり取り、そして黄祁が異様なほど領収書に執着する姿を見て、康平王の胸には小さな疑念が芽生える。

その頃、元少城は厲俊が“決定的な証拠”を掴んだ後に動く算段で、準備を進めていた。だが、厲俊は功を焦るあまり、石獅子の下に置かれた偽の密書を信じ込み、独断で黒市・九龍閣へと向かってしまう。計画は徐々に狂い始める。

市署丞が意識を取り戻すと、黄祁と帳簿が消えていることに気づき、恐慌状態で康平王に報告する。康平王は表向き平静を装うが、内心では危機を察知し、密かに張尚書を探し出して帳簿を処分させようと動く。しかし、その矢先、北境で急変が起こる。朔丹が侵攻を強め、大豊軍は辺城へ後退。軍需を掌握する伍由敬の立場は一気に重要性を増す。

情勢の急変により、葉平安は一時的に計画の進行を断念せざるを得なくなる。今は内廷の争いよりも、国境の安定が優先だった。皇帝は伍由敬の軍需統制を評価する一方で、彼が私塩を官用に流用しているとの弾劾文にも言及する。伍由敬は当然これを否定するが、不安は確実に彼の心を蝕んでいた。

そんな中、素玄真人が康平王府へ戻る。伍由敬は表面上は喜びを隠さないが、韋玄敏のよそよそしい態度に苛立ちを覚える。彼は妻を責め、娘・伍顕児の将来を考えていないと非難するが、素玄真人は静かに言い切る。「すべては顕児のため」。その言葉の真意は、まだ誰にも見えていなかった。

 

第29話 あらすじ

葉平安は、邙溝の地下に身を潜めたまま、あえて動かずに局面を見極めていた。自らは表舞台に出ない一方で、霓裳や顧二娘らを使い、都の動静を細かく探らせている。その結果、伍由敬がすでに私塩に関する帳簿を完全に抹消したこと、そして厲俊による大規模な捜索が皇帝の耳にまで届き、伍由敬自身も軽率に動けない状況に陥っていることが明らかになる。今は誰もが息を潜め、相手の出方を待つ膠着状態だ。この局面で先に焦れた者が、負けを確定させる――葉平安はその本質を見抜いていた。

同時に彼女は、一年前、皇帝が自分を都から遠ざけた真意をようやく理解する。伍由敬の悪事を、皇帝が知らぬはずがない。ただし、当時はまだ「裁く時」ではなかったのだ。葉平安は、自分が追放されたのではなく、時を待つために盤上から一時退かされたのだと悟る。

やがて一か月が過ぎ、北境から吉報が届く。伍安康率いる軍が大勝を収め、皇帝は伍由敬を褒賞し、全軍に凱旋を命じた。この知らせに、伍顕児は心からの喜びを見せる。だがその裏で、皇帝は伍顕児を祖先を祀る偏殿へと密かに連れて行く。ここは皇帝が重大な決断を前に必ず訪れる場所だった。皇帝は、伍由敬の行いがもはや看過できない段階に達していることを、遠回しに伍顕児へ伝える。処刑はしないが、実権を奪い、太子の師という名ばかりの閑職に退かせる――それが皇帝の裁断だった。

伍顕児はその意向を父に伝えるが、伍由敬はこれを「一族の没落」と受け取り、恐怖に駆られる。自分だけでなく、伍顕児や伍安康の権力までも削がれるかもしれない。彼はついに決断する。反逆しか道はない、と。伍安康の帰還に合わせ、伍顕児が羡将軍率いる羽林衛を動かし、宮中で政変を起こす計画を練り始める。表向き伍顕児は反対しないが、彼女の胸中にあるのは「兄を補佐する」未来ではなく、「自らが玉座に立つ」野心だった。

一方、葉平安は霓裳を使い、過去に集めた伍由敬の帳簿を厲俊の前に届けさせる。これにより、厲俊の視線は完全に伍由敬へ向けられ、監視と圧力が強まる。

その頃、元少城も凱旋軍と共に都へ戻っていた。本来なら真っ先に葉平安と酒を酌み交わすはずだったが、門を出た瞬間、伍由敬の使者に連行される。これは罠だと察しながらも、拒むことはできない。王府の入口で素玄真人とすれ違った元少城は、あえて声をかけ、葉平安に危機が迫っていることを暗に伝える。

屋敷に入るや否や、伍由敬は扉を閉ざし、暗衛を動かす。そして元少城を「真の内奸」だと断じる。葉平安が自分の動きをことごとく先読みしてきたのは、内部に裏切り者がいるからだ、と。元少城は必死に否定し、葉平安の居場所を掴んだと主張して、功を立てる猶予を得ようとする。

その直後、葉平安は采蓮と陸丹心の墓前で会うよう呼び出されるが、突如現れた黒衣の者たちに拉致され、地下牢へと連れ去られる。

素玄真人は、伍由敬と伍顕児が反逆へ踏み出したことを察し、伍顕児に宮中へ赴いて罪を認め、平穏な暮らしを選ぶよう諭す。しかし伍顕児は拒む。母と過ごせたこの一年で十分だ、と語り、これ以上母を争いに巻き込みたくないと山へ帰るよう勧める。そこへ伍由敬が現れ、素玄真人を守るため、離縁状を突きつける。反逆が失敗しても、彼女だけは無関係だという形を残すためだった。

牢に入った伍顕児は、葉平安と向き合い、あえて命を奪わず、碁を打つ。自分が勝者となり、頂点に立つ姿を見せつけたいのだ。終盤、伍顕児は完全勝利を確信して立ち去る。しかしその直後、葉平安は盤の中心に一石を置く。その一手こそが、形勢を根底から覆す「致命の一手」だった。

伍由敬と伍顕児は反逆計画を詰め、伍安康にも密書を送る。伍顕児は兄が躊躇することを恐れるが、伍由敬は「御史案の時点で、安康は真実を知りながら伍家を守った」と信じて疑わない。だが伍安康は書を焼き捨て、武人としての名節を守れぬ己を恥じ、戦死すら望むほど苦悩する。

伍顕児はさらに、千秋楼の盛宴を取り仕切る役を願い出て許可を得る。皇帝は彼女を静かに見つめ、すべてを見抜いているかのような眼差しを向ける。

最後に伍顕児は羡将軍と密会し、密造した大量の煙花を宴に紛れて運び出す計画を語る。葉平安を陥れた甲冑も、元は羡将軍のものだった。羡将軍はついに引き返せぬ地点に来たことを悟り、「この都の天は変わる」と語る伍顕児に忠誠を誓う。反逆の歯車は、静かに、しかし確実に回り始めていた。

 

第30話(最終回) あらすじ

伍由敬の書斎には、常に千秋閣の精巧な模型が置かれていた。彼はその模型に火を放ち、千秋宴の夜に実際の千秋閣を焼き払う決意を固める。それは単なる象徴ではなく、反逆を開始するという彼自身への宣告でもあった。

千秋盛宴当日、百官は華やかな宴席に集うが、誰一人として、各卓の下に爆薬が仕掛けられていることを知らない。会場設営を統括する伍顕児は、龍椅をじっと見つめ、ついにこの場所が自分のものになると確信したかのように、静かな笑みを浮かべる。羡将軍から「すべて準備万端」との報告を受け、千秋閣も完全に掌握したと聞かされるが、二人の密談は、忙しく立ち働く工人たちの耳に密かに入っていた。

一方、厲俊は伍由敬の動きを執拗に追っていた。伍由敬が立ち寄った場末の小店に不審を抱き、彼が去った後に踏み込むと、倉庫には大量の食塩と秘密の地下通路が隠されていた。厲俊は部下に応援を呼ばせ、自ら地下へ降りるが、そこに充満していたのは硫黄の臭いだった。現れた伍由敬は、厲俊に寝返りを勧めるが、厲俊は忠義を貫き拒絶する。戻ってきた部下は援軍を呼んだと偽り、背後から厲俊を刺す。自分の部下すら買収されていたことを悟った厲俊は、重傷を負いながらも命を取り留め、追手を返り討ちにして真相を追い続ける。

同時刻、元少城の手配により、素玄真人を介した連絡網が動き出す。図面を頼りに地下牢を突き止め、葉平安を救出することに成功する。牢内で争う厲俊を見た葉平安は、彼が忠臣であると見抜き、共に脱出させ、傷の手当てまで施す。

伍由敬は元少城を解放し、伍顕児と共に千秋宴へ出席するよう命じる。そして「礼家が反乱を企てている」と虚偽を告げ、鎮圧に協力すれば、即位後に邙溝の民を贱籍から解放すると約束する。

葉平安と厲俊は、牢に残された硫黄と、すでに千秋閣へ運び込まれた煙花(火薬)から、反逆の全貌を確信し、大理寺卿・郭舆に訴え出ようとする。しかし伍由敬の配下に阻まれ、厲俊は葉平安と霓裳を逃がすために命を落とす。

千秋閣では、礼家の大臣たちが揃う中、伍由敬と聖上が現れず、不穏な空気が広がる。元少城は場を鎮め、到着を待つよう促す。やがて伍顕児は、外で「葉平安を捕えた」との報告を受け、さらに許昭の兵が動いているのを見て、勝利を確信する。

だが宮門では事態が一変する。羡将軍の軍は包囲され、立ちはだかったのは本物の許昭だった。千秋閣を囲んでいた許昭は偽物であり、こちらこそが邙溝の民を率いた真の防衛軍だったのだ。伍由敬が突入を試みた瞬間、素玄真人が現れ、伍安康の書簡を差し出す。伍安康は朝廷と一族の争いから身を引き、兵符を返上したという。素玄真人は、御史案で無辜の民を殺した伍由敬を「窃国の徒」と断じ、成王敗寇などという言い訳は通じないと糾弾する。すべてを悟った伍由敬は兵に武器を捨てさせ、自ら命を絶つ。

一方、千秋閣では煙花が夜空を彩る。伍顕児は成功を疑わず歓喜するが、それこそが葉平安と元少城の仕掛けだった。煙花を「勝利の合図」と誤認させ、霓裳の演奏で鈴の音を乱し、催眠を施す。伍顕児は幻の中で即位し、龍袍をまとい、百官の拝礼を受け、自らが理想の君主になると信じ込む。葉平安は、権力は人の心を必ず変えると告げ、今まさに龍袍を着ている姿こそ、その証だと突きつける。

覚醒した伍顕児の前には、すでに誰もいない千秋閣が残されていた。彼女は敗北を悟り、葉平安と元少城に立ち去るよう促すと、自ら爆薬に火を点ける。元少城は葉平安を抱えて河へ飛び込み、千秋閣は炎と共に崩れ落ちる。

後日、元少城は聖上に一連の顛末を報告する。叱責と褒賞を同時に受け、右相への就任を打診されるが辞退し、季先生を推挙する。そして塩の自由流通、邙溝の贱籍解除、土地の返還を進言し、すべてが認められた。聖上は元少城を戸部尚書に任じる。

葉平安について問われた際、元少城は「爆死した」と告げ、聖上も深く追及しない。実際には、葉平安は自ら姿を消し、自由な人生を選んでいた。彼女は誰かの掌の上で使われる“薬”ではなく、自分の心を自分で握る道を選んだのだ。掌心使の令牌を見つめる聖上は微笑み、すべてを理解した上で、静かに胸に収めるのだった。

 

掌心~宮廷に響く復讐の鈴音~ 各話あらすじ キャスト・相関図

 

 

 

 

 

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