清明上河図(せいめいじょうかず):隠された暗号 2024年 全26話 原題:清明上河图密码
第17話あらすじ
――死者の遺品、隠された身世、そして“白条”が示す新たな暗号
第17集は、物語の軸が「連続殺人」から一段深いところへと沈み込み、
人物たちの過去・身世の秘密・罪と贖いが交差し始める重要回である。
趙不尤と温悦は、単十六の足取りを追って一軒の荒れ果てた古屋に辿り着く。中には強烈な異臭が漂い、壁や梁には数多くの装身具や武器が掛けられていた。
温悦はすぐに気づく。そこにある武器の一部は、かつて師兄・萧逸水が使っていたものだった。
――つまり、この場所は単十六が**殺した者たちの遺品を収集する“巣”**であり、萧逸水も確実に彼の手にかかっていたのだ。
趙不尤は、単十六の異常な嗜好――
「殺した相手の所持品を戦利品のように集める」行為に、言いようのない嫌悪感を抱く。
屋内をさらに調べる中で、趙不尤は**董大哥の“摇牌”**を発見する。
それを手にした瞬間、彼の脳裏に若き日の記憶が蘇る。
かつて趙不尤は、若さと功名心から他国の密偵を捕らえようとし、逆に命の危機に陥った。その時、自分を制圧し、さらに命まで救ってくれたのが董大哥だった。
傷だらけの身体でありながら、焼き物屋台に誘い、酒を飲み、世の不公や弱き者の苦しみを語った董大哥。
彼は趙不尤にとって、恩人であり、道を示してくれた存在だった。
その董大哥までもが、単十六の“標本”として扱われていた現実に、趙不尤の胸は深く抉られる。
一方その頃、趙瓣儿は別の場所で、小さな悲劇に直面していた。
ある院子で、子どもたちが一人の少女を「野孩子」と罵り、寄ってたかって暴力を振るっていたのだ。
その光景は、趙瓣儿自身の幼少期の記憶を強く刺激する。
彼女は迷わず間に入り、少女を庇って子どもたちを追い払う。
少女の両親・阿慈と宋莹莹は深く感謝する。
しかしこの出来事は、趙瓣儿の心に**“自分はなぜ野孩子と呼ばれてきたのか”**という、消えない疑問を再び呼び覚ます。
その夜、趙墨儿は官府で自分と妹の身分が曖昧だと調査されていることを知り、不安に襲われる。
科挙を志したことで籍貫を調べられ、どうやら自分が「旁支」に属しているらしい――という事実が浮上したのだ。
趙墨儿は真相を問い詰めようとするが、趙瓣儿が必死に止め、ひとまず休むよう諭す。
同じ頃、趙不尤は泥酔して帰宅する。
趙瓣儿は大哥の様子がおかしいことに気づき、そっと声をかける。
その中で彼女は、幼い頃から胸に抱えてきた疑問を口にする。
「お母さんは、どんな人だったの?」
「どうして私は、ずっと“野孩子”って呼ばれてきたの?」
趙瓣儿は、兄が自分を抱いて泣いた記憶を語る。
本当はすべてを分かっていた。でも、兄が嘘を重ねてでも守ろうとしてくれたことも、痛いほど分かっていたのだ。
ついに趙瓣儿は涙を流し、趙不尤に抱きつく。
言葉にしなくても、二人の間には血縁を超えた絆が確かに存在していた。
翌朝、趙墨儿はついに問いを口にする。
「俺は……父さんの実の子なのか?」
父は病を装い、答えを避ける。
趙不尤も真実を隠そうとするが、温悦にはすべてを打ち明ける。
――趙瓣儿と趙墨儿は、かつて命を狙われた親友の子であり、守るために趙家の子として育てたのだと。
温悦はその選択を責めない。
それがどれほど重い覚悟だったかを、彼女は理解していた。
物語の終盤、舞台は一転する。
趙瓣儿は父に連れられ、青楼へ向かう。
そこで現れた歌姫・池了了の声に、趙瓣儿は強い違和感と魅力を感じる。
だが、歌が終わる前に惨劇が起きる。
客たちが次々と死体となって発見され、全員の身体には“白条”が縛られていたのだ。
万福と役人が現場を封鎖。
顧震は、そこに集まっていたのが達官貴人ばかりであることを理由に、一時解放しつつ検死を進める判断を下す。
そして万福は、ある死体の口の中から**“令牌”**を見つけ出す。
その瞬間、全員が悟る。
――この事件は、これまでとは次元が違う。
白条、令牌、達官貴人。
それらが示すのは、個人的な復讐ではなく、
国家と権力に関わる巨大な闇の存在だった。
第17集は、
「人の命を弄ぶ盤上の手」は一人ではない、
という冷酷な真実を突きつけながら、
物語を次なる血塗られた局面へと押し進めていく。
第18話あらすじ
――飛魚令の正体、権力の壁、そして“消える女たち”
第18集は、前話で浮上した飛魚令を咥えた死体という衝撃的な手がかりから、
物語が一気に権力中枢と闇の組織へ踏み込んでいく回である。
万福は雅園(がえん)へ踏み込もうとするが、門前で家僕たちに阻まれる。彼らは棍棒を手にし、役人相手にも一切引く気配がない。
両者が今にも衝突しそうになったその時、雅園の主人が自ら姿を現し、場を収める。
この時点で、雅園が単なる私邸ではなく、裏に相当な権力を持つ場所であることが明白になる。
顧震は奥へ進み、**栾回(らん・かい)**と対峙する。
しかし栾回は極めて傲慢で、「開封府が何をしに来た」と嘲笑う。
府尹(上司)が現れ、顧震は正式に跪いて報告する。
「数名の死体が発見され、全員の口に飛魚令が詰め込まれていました」
万福も補足する。
死者の口内には毒があり、偶然ではない――と。
ところが栾回は府尹を差し置いて大笑いし、
「くだらぬ」「余計な詮索をするな」と一蹴。
さらに圧力をかけ、即刻立ち去るよう命じる。
顧震は愕然とする。
自分が仕えてきた上司が、ここまで露骨に闇の側に立つ人間だったとは。
その直後、現場に現れたのが王云裳。
追い返される顧震たちと、威張り散らす雅園の家僕を目にし、ただならぬ空気を察する。
万福は機転を利かせ、
「府尹殿は中におります」と王云裳に告げる。
王云裳は即座に馬を進め、強引に雅園へ踏み込む。
家僕たちは一斉に青ざめ、慌てて奥へ通報に走る。
この瞬間、顧震は悟る。
官の権威よりも、王家の力の方が強いという現実を。
一方その頃、趙家でも別の角度から事件が動いていた。
趙瓣儿は大哥に、「父に連れられてここへ来た」と言い、
この場で検食(毒見・検分)をしたいと申し出る。
しかし趙不尤は父の姿を見かけず、不審に思って探すと、
なんと父は床の下に隠れていた。
父は多くを語らないが、芝居や噂話から独自に情報を集めており、
この事件が「ただの殺人ではない」と察していた。
温悦はその洞察力に驚き、
「なぜそんなことまで知っているのか」と疑問を抱くが、
父は「芝居の中に全部ある」と語る。
趙不尤は雅園の中で、赤い布を腕に巻いた雑役に注目する。
温悦も、その男の手にある怪我を見逃さなかった。
ただし問い詰めても、今のところ決定的な証拠は得られない。
一方、趙瓣儿は「ここを離れたくない」「この中に真実がある」と感じていた。
場面は大理寺へ移る。
趙瓣儿は趙墨儿を待ち、二哥が家に戻らない意思を固めていることを知る。
趙墨儿は身世の真実に囚われ、前に進めずにいた。
趙瓣儿は静かに告げる。
「真実でも、向き合えないことはある」
「私はこの家を失いたくない」
その言葉には、血縁よりも今ある絆を選びたいという切実な想いが込められていた。
同じ頃、街では不穏な出来事が起きていた。
素素が慌てて駆け込んでくる。
宋阿娘、自分の母、そして他の“阿娘”たちが一斉に姿を消したのだ。
趙瓣儿は素素を落ち着かせ、一旦帰宅するよう促すが、
違和感を拭えず、後から密かに後を追う。
その家では、住人の態度が異様だった。
追い出すような口調、不自然な沈黙。
趙瓣儿は「何かを隠している」と直感し、尾行を続ける。
一方、別の線でも手がかりが出る。
樊楼の阿丰が捕らえられ、ついに口を割る。
彼は暗渠(地下水路)で何者かに脅され、
足を踏みつけられて怪我をしたと証言する。
暗くて顔は見えなかったが、確かに背後に黒幕がいる。
趙不尤は、
死んだ三人が皆「位の高い官に関係する人物」だと知り、
事件の規模が想像以上であることを確信する。
温悦は暗渠の調査を自分が引き受けると言い出す。
趙不尤は止められない自分に歯がゆさと罪悪感を覚える。
危険な役割を、いつも妻に背負わせている――その無力感が胸を締めつける。
その夜、趙不尤の家を素素が訪ねてくる。
不安は、さらに現実味を帯びていく。
一方で、王云裳は顧震の元を訪ね、
半ば脅迫まがいの態度で協力を迫る。
「もし手を貸さないなら、父に“軽薄された”と告げる」と。
こうして第18集は、
飛魚令=皇城司の影
雅園=権力の温床
消える女たち=新たな犯罪構造
という三本の闇を同時に提示し、
「この都では、正義だけでは生き残れない」
という現実を、登場人物たちに突きつける。
事件はもはや個人の復讐ではない。
国家・権力・裏組織が絡む巨大な暗号へと変貌していく――
それが、第18集の核心である。
第19話あらすじ
― 冤罪の連鎖と、暗渠に埋められた過去が動き出す ―
第19集では、これまで点として散らばっていた事件の手がかりが一本の線につながり、**連続殺人の「動機」と「構造」**がはっきりと見え始める重要な回である。同時に、趙家の兄妹が抱えてきた「身世の秘密」も、いよいよ避けて通れない段階へと進んでいく。
冒頭、温悦は冷静な分析をもとに、これまでに殺された三人の共通点を突き止める。彼らは単なる官僚ではなく、数年前に起きた冤罪事件の主審官だった可能性が高いというのだ。つまり今回の連続殺人は、金銭目的や偶発的な犯行ではなく、過去に理不尽な裁きを下された者、あるいはその関係者による復讐である可能性が濃厚になる。
この指摘により、事件は単なる猟奇殺人ではなく、「官が生んだ罪」が巡り巡って返ってくる物語へと姿を変える。
温悦はさらに一歩踏み込み、趙不尤に対して「もう弟や妹に身世を隠し続けるべきではない」と告げる。これ以上真実を伏せることは、彼らを守るどころか、かえって危険にさらすことになると判断したのだ。趙不尤もその覚悟の必要性を理解し、大理寺にいる弟・趙墨儿のもとへ向かう。
趙不尤は弟に自分の武芸や心得を託しながらも、肝心の身世については言葉を飲み込んでしまう。趙墨儿は「ついに兄が真実を話してくれる」と期待するが、兄は動揺を隠せず、その場を後にする。この場面は、真実を語る勇気と、家族を失う恐れの葛藤を象徴している。
一方その頃、温悦は単独で暗渠(地下水路)へ向かう決断を下す。暗渠は単なる捜査対象ではなく、彼女自身の幼少期の記憶と結びついた、最も戻りたくなかった場所である。師匠に連れられて初めて入った時の光景、厳しい規矩、そして恐怖――それらが次々と蘇る。
しかし暗渠潜入は思わぬ混乱から始まる。趙不尤が用意した合図用の炮仗が誤作動し、外部からの侵入と誤解されてしまったのだ。その結果、暗渠の人間たちは敵襲と判断し、殺意をもって動き出す。
それでも温悦は卓越した武芸で相手を制圧し、怒りと恐怖を押し殺しながら進む。この一連の場面は、彼女が単なる聡明な女性ではなく、過去を背負いながらも前へ進む強さを持つ人物であることを強く印象づける。
暗渠の奥で現れたのが、地下世界を束ねる存在・无忧将军である。彼は温悦の正体を即座に見抜き、「この場所では規矩がすべてだ」と告げる。温悦は恐怖に直面しながらも逃げず、死体の運搬ルートを求める。
无忧将军は彼女に一粒の薬を渡し、「それを飲めば、向き合えなかった過去と向き合える」と語る。温悦は自分自身の恐怖を受け入れ、ついに暗渠を通じた死体輸送ルートを聞き出すことに成功する。ただし彼は「この事実は官府に知られるな」と念を押し、地下と官の危うい均衡を示唆する。
地上では、趙瓣儿と姚禾が独自に調査を進め、墓を掘り返すという危険な行動に出る。彼女は素素の阿娘が殺人犯だとはどうしても思えず、真実を確かめようとしたのだ。
その結果、墓の中から現れたのは、素素の阿娘ではなく宋莹莹の遺体だった。この事実は、被害者の入れ替え、身分の偽装、そして事件が想像以上に周到に仕組まれていることを示している。
温悦が暗道から戻った時、ちょうど趙瓣儿たちと鉢合わせになり、夜行姿を解いて姿を現す。三人の繡娘の関係も再検討され、彼女たちが「仲の良い姉妹」ではなく、複雑な利害関係で結ばれていた可能性が浮上する。
終盤、趙不尤はかつて親交のあった董大哥との思い出の酒館を訪れ、失われた友情と、正義を信じた代償に涙する。
そしてラスト、井戸の上で顧震が事件を整理している最中、王云裳が現れ、思わぬ事故で再び井戸へ落下する。この一幕は緊張の中に不安定さを残し、次話への強い引きとなって幕を閉じる。
第20話あらすじ
― 復讐の連鎖と、沈黙で守られた家族、そして罠 ―
第20集は、連続殺人事件の「復讐」という構図がさらに明確になる一方で、趙家が必死に守ろうとしてきた日常が音を立てて崩れ始める回である。事件の核心に近づくほど、登場人物たちは「真実を語るか」「黙って守るか」という選択を迫られていく。
井戸から引き上げられた王云裳(王娘子)は、泥だらけで狼狽した姿をさらすが、顧震はまるで気づいていない様子で、淡々と手にしていた証拠を彼女に渡す。そこには、宋莹莹の遺体がいかに凄惨な状態で発見されたかが記されていた。王娘子は「なぜ一人の女性にここまで残酷な仕打ちをするのか」と疑問を抱くが、顧震は「これは私怨ではなく、過去への報復だ」と断言する。
つまり、犯人は単に殺しているのではなく、恨みを刻み込むように命を奪っているのだ。
顧震は王娘子の持つ影響力を借り、関係者を広く動員して捜査を進めようとする。そこへ万福が新たな重要情報をもたらす。死者の身に付けられていた刺繍は、樊楼で使われているものと完全に一致していたのだ。さらに、樊楼で見つかった男の死因もまた「私刑のような報復」である可能性が高いと判明する。
王娘子が提供した「失踪者の名簿」を照合すると、すでに殺された者たちは皆、過去の冤罪事件と何らかの形で関わっていた人物だった。顧震は、これ以上犠牲者を出さないためにも、名簿にある人物を先回りして保護・捜索する必要があると考える。王娘子への感謝を伝えつつ、帰路を心配する顧震だったが、王娘子はあっさりとそれを断り、万福に送らせて立ち去る。その姿からは、彼女がこの事件に深く関わる覚悟を決めていることがうかがえる。
一方、趙不尤は独自に黒衣の女を追い、宿屋で重要な手がかりを得る。店主は、かつてその女が「ある人物」を待っていたことを覚えており、趙不尤に**信嚢(しんのう)**を手渡す。中を確認した趙不尤は、言葉を失う。
そこには、温悦の一族が皆殺しにされた真の理由、そして今回の連続殺人と直結する、あまりにも危険な秘密が記されていたのだ。
趙不尤はその証拠を人知れず整理し、心を失ったような状態で家へ戻る。しかし家では、弟妹や妻、皆が穏やかに食卓を囲んでいる。その光景を見た瞬間、趙不尤は胸を締め付けられる。この平凡で温かな日常が、どれほど脆く、守るのが難しいものかを誰よりも理解しているからだ。
温悦は、改めて弟妹に身世を明かすよう促す。趙不尤はついに、陳叔・陳婶も同席する中で、弟妹が実の父の子ではないことを伝える。ただし、肝心の「なぜそうなったのか」「誰が狙われていたのか」という核心部分は伏せられたままだった。
食後、温悦は「いつまで隠すつもりなのか」と問いかけるが、趙不尤は答えられない。彼は、手にした証拠があまりにも危険で、家族を巻き込む覚悟が持てなかったのだ。
趙墨儿は妹・趙瓣儿の迷いを察し、身世についてどう思っているのかを尋ねる。趙瓣儿は「知りたい気持ちはある。でも、知ったら今の幸せが壊れてしまうかもしれない」と正直な胸中を語る。兄妹は、大哥が沈黙を選ぶ理由を理解し、これ以上追及しないと決める。
その夜、趙不尤は涙を流しながら、あの信嚢にあった証拠をすべて焼き捨てる。真実を闇に葬るという選択は、臆病さではなく、家族を守るための決断だった。
だが、その静かな覚悟を嘲笑うかのように、悲劇は動き出す。
趙瓣儿は素素の話から、行方不明になった母親の存在を気にかけ、独自に探し始める。しかしそれは巧妙に仕組まれた罠だった。彼女は誘い出され、後院で襲われ、意識を失ってしまう。
異変を察した顧震は捜索を命じるが、手がかりは見つからない。趙不尤は床下で妹の持ち物を発見し、顔色を変える。
目を覚ました趙瓣儿がいたのは、婦女を拐売する闇の施設だった。そこには謝八嫂も囚われており、ここが迷宮のような構造になっていると知らされる。二人は脱出を試みるが、すぐに捕らえられてしまう。
その裏で、栾回を中心とした権力者たちは金と人を取引し、命を玩具のように扱っていた。栾回は「見せしめが必要だ」と言い放ち、最も役に立たない者を殺すと宣言する。八嫂は恐怖で震え上がり、趙瓣儿もまた、これまでにない絶体絶命の状況に追い込まれる。
清明上河図:隠された暗号 21話・22話・23話 あらすじ
















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