相思令(そうしれい)~君綺羅(くんきら)と玄烈(げんれつ)~2025年 全30話原題:相思令
第11話あらすじ
第11集 狼主の誓いと、策略の交錯
君钰珏(くんよくけつ)は宰相を訪ね、君家を掌握できれば、必ずやその恩を忘れないと強く誓った。宰相は君非凡(くんひぼん)が戻らない保証を求めるが、君钰珏は冷静に答える。「三不管(さんふかん)は盗賊が横行する危険な地。君非凡が無事に戻れるはずがありません」と。しかし、その言葉の裏には、他の深い計略が隠されているようだった。
一方、君綺羅(くんきら)は玄烈(げんれつ)に問いかける。「もし狼主となったら、次は焱南(えんなん)を攻めるつもりか?」と。玄烈はしばらく沈黙した後、真剣な眼差しで答える。「私も戦いたくはない。しかし、もし私が狼主になれば、三地域が通商できる地を築き、戦乱を終わらせる。そのためには戦う時が来るだろう。だが、それを実現させる方法があると信じている」。君綺羅はその言葉に心を動かされ、戦乱の苦しみを後世に繰り返させたくないという願いを共感する。玄烈はその後、「もし私が狼主となった暁には、必ずその道を実現する」と誓う。
その頃、孫大人(そんだいじん)は羅執舟(らしつしゅう)を訪れ、玄烈の失踪について質問を投げかけた。羅執舟は「すでに捜索を命じたが、未だ発見には至っていない。明日には狩猟大会が控えており、もし玄烈が戻れなければ、私が狼主の座を支持する」と語った。孫大人は「私にはその力はない」と断りつつも、玄烈と羅執舟は親友同士であるため、もし玄烈が戻らなければ、羅執舟を支持すると約束した。
君綺羅と玄烈は帰路につくが、その途中で刺客に襲われ、玄烈が負傷してしまう。君綺羅は急いで家を見つけて玄烈を休ませ、ひとりで外に出て刺客たちを引きつける。玄青蔻(げんせいこう)と邵祁民(しょうきみん)は別の道で戻ることに決め、玄青蔻は「邵祁民が君綺羅を連れ去ることはあり得ない。彼も私のそばを離れられない」と言い放つ。しかし、刺客たちは君綺羅を追い詰め、彼女が玄烈ではないことに気づくと、彼女を捕らえれば玄烈が必ず助けに来ると予想した。君綺羅は冷静に告げる。「無駄な努力だ。玄烈が自分を助けに来るはずがない」と。だが、彼女は吊るされ、足元には釘板が置かれた。絶体絶命の状況の中、玄烈は間一髪で駆けつけ、君綺羅を救い出す。
君綺羅は驚きと疑念を交えた声で問う。「なぜ私を助けに来たのか?これで狩猟大会には間に合わず、狼主になれないではないか」。玄烈は静かに答える。「たとえ狼主になれなくても、王上に過去の事件を再調査させる別の方法がある。だが、君を助けなければ、自分を許せないんだ」。
翌日、狩猟大会の開始日がやって来た。奚長昆(けいちょうこん)は時間が迫っていると指摘し、予定通りに開始しないことは不敬だと主張するが、羅執舟は「まだ余裕がある。もう少し待とう」と返す。王上は大会の開始を宣言しようとしたが、その時、玄烈が駆けつける。王上は嬉しそうに迎え、「ようやく来たか」と笑顔を見せた。太后は玄青蔻の様子を尋ねると、玄烈は「彼女は無事、すでに陣営に戻っている。身支度を整え次第、参上する」と答える。
狩猟大会がついに始まろうとしていたその時、邵祁民は「君綺羅をいつ連れ出すのか?」と尋ねられ、王城で命令を待つようにと指示し、自ら王上に報告すると伝えた。奚部の郡主は玄烈に思いを寄せ、彼を追いかけていた。奚莫(けいばく)はそれを見て不機嫌になり、「玄烈との結婚など、絶対にあり得ない」と断言する。しかし君綺羅は奚莫を訪れ、商談を持ちかける。「玄鉄晶石が今、奚部にあると知っている。これを手に入れれば、最大の価値を発揮し、美しい装飾品に加工して高値で売ることができる」と説明する。
奚莫はその提案に疑念を抱きつつも、「この晶石を欲しがる者は多い。既に取引がまとまり、契約も交わされそうだ。しかし、君綺羅がなぜそれを私に売る必要があるのか?」と反論する。君綺羅は冷静に返す。「奚莫は若き族長だ。長期的な取引を望むのであれば、当然あなたと話すべきだ。あなたも父親の前で、存在感を示したいのではないか?」と。奚莫は一瞬黙り込むが、次第にその言葉に耳を傾ける。
こうして、君綺羅は一歩一歩、彼女が求める目的に向かって着実に進んでいく。だが、その道の先には数多の試練と裏切りが待ち受けていることを、まだ誰も知らない…。
第12話あらすじ
第12集「交錯する矢と運命の罠」
狩猟大会の火蓋が切られ、狼主の座を懸けた戦いが始まる。羅奇は玄烈に、君綺羅が彼の弓を持ち去ったと告げ、「彼女はあなたに自分を気にかけてほしいのだ」と推測する。その頃、冬銀は君綺羅に「もし玄烈が狼主となれば鬼女と結ばれねばならない」と告げるが、君綺羅は動揺を押し隠し、「私と玄烈には何の関係もない」と言い放つ。しかし、冬銀はその言葉の裏にある感情を見抜いていた。
一方、太后は玄青蔻の側仕えに焱南の奴隷がいると聞き、その出自を調べさせる。狩猟大会は三つの関門に分かれ、最も多く令牌を集めた者が次期狼主となるという厳しい戦いだ。玄烈たちは森の狩場へ向かい、弓矢で敵を撃ち抜き、自軍の色を残す競技に挑む。しかし、その森には伏兵が潜んでいた。
奚莫の陣営は卑劣な罠を仕掛け、孫昭敏の父が矢を受けて倒れる。激怒した孫昭敏は不正を訴えるが、奚莫は「規則に伏兵禁止とは書かれていない」と嘲笑う。孫大人は倒れながらも、「小細工は長くは続かぬ」と戒め、息子に真の誇りを忘れるなと諭す。玄烈たちもまた伏兵に襲われ、羅奇が負傷。奚長昆との対峙の中、玄烈は冷静に「玄部は第三位でよい」と告げ、その高潔な態度に周囲は静まり返った。
その頃、宮中では懿世子が君綺羅に近づき、李側妃が取り持とうとするも、君綺羅は毅然と距離を保つ。そこへ彼女の父が現れるが、突然の襲撃により重傷を負ってしまう。混乱の中、君綺羅は奚莫を訪ね、事件の裏を探る。奚莫は「玄烈を倒し、羅奇を傷つけたのは君綺羅だ」と皮肉るが、その言葉の端々から、彼が真犯人でないことを悟った君綺羅は、焱南への鉄晶石輸送を条件に協力を申し出る。
やがて郡主が現れ、「玄烈を傷つけるな」と命じる。君綺羅が「あなたは玄烈を愛しているの?」と問うと、郡主は静かに認める。奚莫は冷笑し、戦場と愛情の狭間に緊張が走る。
一方、王上は君綺羅の父の負傷を彼女の陰謀と決めつけ、粛清を命じようとするが、玄烈が立ちはだかり、彼女の身分を明かして無実を証明する。「今回の一件は五部の仕業。君綺羅は関与していない」と断言した玄烈に、王上は激昂しつつも手を出せず、「狼主となれば、誰もお前に逆らえぬ」と諭す。
その頃、羅執舟は密書を受け取り、君綺羅と奚莫が翌日森に入ると知ると、ためらいなくその文を焼き捨てた。古傷が痛む中、彼は冬銀に「余計なことは考えるな」と告げ、すべてを胸に秘める。
──矢が放たれるたび、運命の糸はさらに絡み合い、愛と権力の狭間で、誰もが譲れぬ想いを抱えていた。
第13話あらすじ
第13集「毒酒の杯と揺れる忠誠」
森の朝靄の中、君綺羅と奚莫は再び相まみえる。君綺羅は「約束は果たした。次はあなたの番」と冷ややかに告げ、奚莫に玄鉄晶石の輸送を急がせる。奚莫は「明日には第一便を焱南へ送る」と応じるが、官印が必要だと指摘されると「父に報告が必要だ」と言い訳をする。君綺羅は「少族長がそれすら決められぬのか」と皮肉り、奚莫は屈辱に顔を歪めつつ「必ずやり遂げる」と誓った。そのやり取りを偶然見た孫昭敏は驚愕し、玄烈に問いただすが、玄烈は「関わるな」とだけ答える。納得できない孫昭敏は君綺羅を詰問し、「奚部に寝返ったのか」と怒りをあらわにする。君綺羅は冷静に「永遠の友も敵もいない。私は利益のために動く。ただし、あなたを友と見なしている」と告げるが、孫昭敏は「二枚舌の友など要らぬ」と言い残し去った。
帰路についた君綺羅を襲ったのは、まさかの冬銀の刃だった。背後から短刀を突き立てようとした冬銀は、誤って罠を踏み、逆に傷を負う。君綺羅は彼女を救い出し、背負って帰ろうとする。冬銀は「私はただの下僕」と拒むが、君綺羅は「私は冬銀を下僕と思ったことはない」と優しく返す。その夜、君綺羅は冬銀に薬を塗りながら「これまでの世話の礼だ」と微笑み、敵味方を越えた絆が静かに芽生える。
一方、宮中では太后が玄青蔻を訪ね、「一緒に食事を」と穏やかに誘う。しかしその裏で、邵祁民を酒の口実に閉じ込め、暗殺を企てていた。邵祁民は死闘の末に脱出し、玄青蔻は母の残酷さを知って激しく動揺する。「なぜあなたはいつも大切な人を殺そうとするの」と叫ぶ玄青蔻の涙が、母娘の亀裂をさらに深めた。
逃れた邵祁民は君綺羅を訪ね、晶石の件を話す。君綺羅は「すでに輸送は始まったが、不安が残る」と語り、彼に監視を頼む。その頃、玄烈は玄青蔻を慰め、「邵祁民は無事だ。自分が探しに行く」と約束。玄青蔻は幼い頃、誘拐から救われた際に太后の逆鱗に触れ、侍女たちが皆殺しにされた記憶を抱えていた。その心の傷が、邵祁民への深い執着を生んでいたのだ。
やがて玄烈は君綺羅のもとを訪れ、「これ以上危険なことはやめろ」と警告するが、君綺羅は「今が正念場。見つかれば全てが終わる」と反論する。実は二人の不仲は演技であり、君綺羅が奚部に入ったのも、晶石を得るための策略だった。だが、互いの胸にはもう別の感情が芽生えていた。
同じ頃、李側妃は羅執舟を訪ね、かつての駆け落ちの記憶を懐かしみながら膝当てを手渡す。「その古傷、大切にして」と穏やかに微笑む。過去の逃避行で羅執舟を逃がし、自ら追手に捕まった彼女の瞳には、消えぬ想いが宿っていた。
その夜、奚長昆は君綺羅を呼び出し、「この酒を玄烈に飲ませよ」と命じる。毒酒の杯を前に、君綺羅は葛藤しながらも杯を差し出す。「飲むも飲まぬも、あなた次第」と言い残すと、郡主が駆けつけ、「私が玄烈に私印を押した」と叫ぶ。奚長昆は私印は無効だと怒鳴るが、郡主は「それでも失敗したなら、この酒は私が飲む」と宣言。奚長昆が慌てて杯を払い落とすと、毒が泡立ち、真相が露わとなる。
玄烈は静かに奚長昆を見据え、「これが狼主を決める戦だというのか」と問い詰める。奚長昆は狼狽しつつも、「ここで私を殺せはしまい」と虚勢を張る。玄烈は黙って背を向けた──その瞳には、怒りではなく、哀しみが宿っていた。
第14話あらすじ
第14話 「満開の花の誓い」
奚莫(けいばく)と君綺羅(くんきら)は密かに再会し、君綺羅は以前仕掛けた罠の状況を確認する。奚莫は罠の位置を素直に伝えたが、その様子を見ていた孫昭敏(そんしょうびん)は不審に思い、君綺羅を問い詰める。奚莫は君綺羅が自分たちの謀士であると弁明するが、孫昭敏は納得せず、君綺羅の真意を探るため直接対話を求める。君綺羅は冷静に応じ、奚莫と手を組むのは晶石を得るためだが、目的を果たせば玄烈(げんれつ)のもとへ戻ると明かす。孫昭敏はその言葉に安堵しつつも、二人の間に漂う距離感を察し、かつての絆を取り戻してほしいと願う。
孫昭敏の計らいで玄烈と君綺羅は再び顔を合わせる。玄烈は彼女を強引に連れ出し、混乱する孫昭敏を後に残した。道中、奚府別邸が爆発した知らせが届く。玄烈は以前、奚長昆(けいちょうこん)の令牌を奪い、渥山に託していたことを明かし、爆破は奚長昆の仕掛けた火薬によるものだと語る。君綺羅は衝撃を受けながらも、玄烈に導かれるまま静かな丘へ向かう。そこには北泫にしか咲かぬ、数十年に一度の希少な花が一面に咲き誇っていた。
「私たちは運がいいね」と微笑む君綺羅に、玄烈は「満開の花の前で願えば、必ず叶うという伝説がある」と告げる。そして、彼は真剣な眼差しで誓う――「天地を証人に、君綺羅は必ず私の妻となる」。
一瞬の静寂の後、君綺羅は伏兵の位置を玄烈に知らせ、危険を避けるよう促した。だがその直後、奚莫が君綺羅を訪ねてくる。冬銀(とうぎん)は機転を利かせ、「君綺羅は入浴中」と偽り、孫昭敏が身代わりを演じて危機を逃れる。
翌日、奚莫は別府が爆破されたと報告に現れるが、君綺羅は「昨夜は休んでいた」と無関係を装う。そのころ第二関の試合――狩猟対決が始まる。各部族が獲物の重さを競い合う中、奚莫は密かに伏兵を潜ませていた。だが、君綺羅は罠の位置が不自然であることに気づき、急いで玄烈へ知らせに走る。追ってきた奚莫は彼女の行動に気づき、罠を作動させるが、玄烈が君綺羅をかばって回避。その反動で奚莫自身が罠にかかり、命を落とした。
玄烈は「自らの罠に嵌まったのだ」と呟き、君綺羅に口外を禁じた。奚長昆は息子の死を知り、慟哭する。王上は事件の報告を受け、再び君綺羅への疑念を深めるが、玄烈は「彼女は私を守るためだった」と庇い通した。
一方、邵祁民(しょうきみん)は君綺羅を訪ね、「もう帰れる」と告げる。しかし君綺羅は「今はまだその時ではない」と拒む。邵祁民はやむなく彼女を気絶させ、連れ去る。失踪を知った玄烈は直ちに追跡。目を覚ました君綺羅は状況を悟り、邵祁民を制止しようと叫ぶが、彼は「君をここに残せない」と譲らない。
ついに玄烈が二人を追いつめる。君綺羅は短刀を自らの胸元に当て、「彼を解放して」と訴える。玄烈は怒りと悲しみの入り混じる表情で彼女を抱きしめ、連れ戻すのだった。
──愛と忠義、策謀と誤解が交錯する中、満開の花の誓いは果たして運命を変えるのか。
第15話あらすじ
第15話 「紅の願い、凍てつく運命」
夜が明け、君綺羅(くんきら)は静かに目を覚ます。玄烈(げんれつ)の腕の中で過ごした夜を振り返りながら、彼に別れを告げて屋敷を後にした。彼女のいない寝所で、冬銀(とうぎん)は玄烈の想いを悟っていた。玄烈は誰にも避妊薬を命じず、彼女に子を授けようとしていたのだ。だが、王の正妃を迎える前に子を持つことは掟に反する。しかも、もし生まれた子が焱南(えんなん)の血を引けば、爵位を継ぐことは許されない。
君綺羅はすべてを理解しながらも、自ら冬銀に避妊薬の調合を命じた――それが、愛する人と彼の未来を守る唯一の手段だった。
そのころ、玄烈は珍しく上機嫌だった。側近の羅奇(らき)が「何か良いことでも? 正旦の佳節を皆で祝いたい」と冗談めかして問うが、玄烈は笑みを浮かべるだけで何も答えなかった。
一方、冬銀が薬を煎じていると、当帰を取り忘れたことに気づき席を外す。その隙に奚姫秀(けいきしゅう)が現れ、碗を覗き込む。そこには避妊薬。彼女は怒りに震えた。兄・奚莫(けいばく)を殺した女が、今度は玄烈までも奪おうとしている――。侍女が「薬に雷公藤を混ぜれば、二度と子を宿せなくなる」と囁くと、奚姫秀はためらいながらもそれを実行してしまう。
やがて冬銀が戻り、何も知らぬまま薬を仕上げる。途中で羅奇とすれ違い、彼はその異変を察知し、玄烈に報告した。医師の診察により、薬には避妊効果のほかに「雷公藤」が混ざっていることが判明。服用すれば不妊どころか、最悪の場合は大量出血で死に至るという。
その瞬間、君綺羅が薬を口にしようとした。玄烈は碗を叩き落とし、怒りと恐怖に満ちた目で彼女を見つめる。
「なぜこんなものを?」
君綺羅は静かに答える。「まだ準備ができていないのです」。
彼女の胸には、愛と恐れがせめぎ合っていた。もし自分が玄烈の子を産めば、その血が再び二つの国を争わせるかもしれない。
「父の部族が、母の部族を討つのを見届けることになるのですか?」
その問いに玄烈は言葉を失う。「焱南は攻めないと約束した」と彼は言うが、君綺羅はそれが空約束であることを感じ取っていた。
「私は君に子を産んでほしいのではない。君の心が欲しいのだ」――玄烈の言葉には痛みが滲んでいた。
その後、冬銀が尋問を受けるが、無実を主張。羅奇も「冬銀ではない」と証言し、疑いは奚姫秀に向けられた。
玄烈は彼女を問い詰め、「なぜだ」と叫ぶ。奚姫秀は涙をこぼしながら、「私はただ兄の仇を討ちたかった」と言い放った。
王上はこの件に介入し、「奚姫秀はお前たちを常に疑っていた。これ以上関わるな」と玄烈に命じる。
その頃、邵祁民(しょうきみん)が帰還。玄青蔻(げんせいこう)は彼に冷たく告げる。「君綺羅はもう玄烈のもの。彼女を見張りたいなら、私の傍にいなさい」。
一方、奚姫秀は兄の死から立ち直れず、街が正旦を祝う中で孤独と怒りを募らせていた。父・奚長昆(けいちょうこん)は娘を諭し、「外で余計なことを言うな」と叱責する。
やがて玄烈は君綺羅を連れ出し、祭りの賑わいへと誘う。彼は飴細工の狼を買い与え、「狼は愛に忠実な獣だ」と店主が語ると、君綺羅はその言葉を胸に刻んだ。
夜、木々の下。二人は赤い札と願い紐を結びつけ、静かに祈る。
君綺羅の願いは――「たとえ敵国であっても、愛する人と同じ空を見上げられますように」。
紅い灯籠が空を漂い、冷たい風に揺れる中、二人の運命は再び交錯していく。
愛が血の宿命を超えることなど、果たしてできるのだろうか──。
相思令~君綺羅と玄烈~ 16話・17話・18話・19話・20話 あらすじ
















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