素敵な恋の咲かせかた 2025年 全28話 原題:爱你
第15話 あらすじ
第15集:小豆の贈り物、愛する力を取り戻す
毎年正月になると、近隣の村々から患者が訪れるため、常駐医師として診療を続けてきた何蘇葉(ホー・スーイエ)。しかし今年は趣向を変え、自ら村人の家々を訪問して診察を行った。診察料を請求することはなく、村人たちは感謝の印としてささやかな贈り物を差し出そうとする。ある家で自家栽培の小豆を見つけた何蘇葉は、それを買い取り、自ら洗って天日干しにし、町の市場で見つけた美しい壺に詰めた。彼の手で丁寧に仕上げられたその小豆は、ただの食材ではなく、心を込めた贈り物へと変わっていった。
数日後、杭州市に戻った何蘇葉は沈惜凡(シェン・シーファン)を呼び出し、誕生日プレゼントとしてその小豆を渡す。さらに小豆を使った薬膳のレシピを数種類添え、「瘀血を解消し腫れ物を治す効果があり、気分を整えるのにも役立つ」と説明する。沈惜凡が自分の誕生日を覚えていてくれたことを知り、「最初は怒っていたが、許すことにした」と語る何蘇葉。その言葉には、彼女への信頼と温かな感情が込められていた。
何蘇葉は、自らも過去に別れを経験し、その時に薬膳を食べて心身の回復を実感したことを打ち明ける。そして「他人を愛する力が失われた時は、まず自分を愛すべきだ」と、自身の経験則を沈惜凡に伝える。彼女に内なる消耗を止め、真剣に体調を整えるよう促したのである。沈惜凡はその言葉に深く共感し、小豆を受け取り、彼の提案を承諾した。
その後、沈惜凡はスイスの大学から合格通知を受け取る。喜びに包まれながら、入学時期を2月か10月のどちらか選べることに気づく。慎重に検討した末、彼女は10月入学を選択する。そうすればホテルであと6年間働き、生活費もさらに貯めることができるからだ。未来への希望と現実的な選択を両立させた沈惜凡の決断は、彼女の人生に新たな光をもたらす。
小豆の贈り物は、ただの誕生日プレゼントではなく、心を癒し、未来へ進む力を与える象徴となった。互いの経験を重ね合わせながら、二人の絆はさらに深まり、沈惜凡の新しい一歩を優しく後押ししていた。
第16話 あらすじ
第16集:偽りの酔い、古傷の再来
休暇が明け、仲間たちがそれぞれの道を歩み始める。林憶深(リン・イーシェン)と許向雅(シュー・シャンヤー)、因縁深い二人はついに結ばれた。林憶深は辞職を一旦保留し故郷へ戻る決意を固め、許向雅は沈惜凡(シェン・シーファン)が海外へ旅立った後に辞職し、新たな人生の方向性を探す決心をする。方可歆(ファン・カーシン)もまた指導教官を変えることを考え始め、何蘇葉(ホー・スーイエ)への好意は完全に手放していた。
そんな折、沈惜凡のもとに何蘇葉から突然「会いたい」というメッセージが届く。心が揺れる沈惜凡は帰宅途中のベンチで彼を見つける。そこには空のビール缶が散らばり、何蘇葉は酔いつぶれていた。彼は「沈惜凡が遅れたせいで一人で全部飲んでしまった」と責める。本来は二人で酒を酌み交わしながら語り合いたかったのだ。酔いに任せて、何蘇葉は愚痴をこぼす。「沈惜凡は自分を釣り上げておきながら、釣った後で放そうとしている。責任を取ろうとしない」と。沈惜凡は混乱する。どうして自分が彼を振り回していることになるのか——。
それでも彼女は、風邪をひかせまいと心配し、何蘇葉を家まで送り届ける。だがドアを閉めた途端、何蘇葉は突然正気に戻る。彼は最初から酔ってなどいなかったのだ。沈惜凡が「厳恒(イエン・ハン)」という古傷を癒すのを待っている間に、その厳恒が現れる。
厳恒の到着は周囲に波紋を広げる。許向雅と林憶深は、彼が沈惜凡を再び狙っていることを即座に悟る。厳恒は地元科技園の入札に参加するため、わざわざ古南華庭に宿泊を選んだ。そして到着初日から大々的に沈惜凡を探し、マネージャー室に巨大な花束を届ける。その派手な行動はホテル中の噂となり、沈惜凡の心をさらに揺さぶる。
偽りの酔いで沈惜凡の心を試した何蘇葉、そして再び現れた厳恒。過去と現在が交錯し、沈惜凡の心は混乱の渦に巻き込まれていく。彼女はどちらの想いに応えるのか——新たな試練が、静かに幕を開けていた。
第17話 あらすじ
第17集:再来する影、逃げ場のない心
沈惜凡(シェン・シーファン)は再び厳恒(イエン・ハン)の存在に翻弄され、不安に駆られ始める。不眠症が再発し、ようやく眠りについても夢の中では厳恒を断固として拒絶する自分や、何蘇葉(ホー・スーイエ)が失望する姿ばかりが浮かび、心は休まらなかった。厳恒は父・厳父と電話で話しながら、沈惜凡を取り戻すことを「父の支配から脱する証」として位置づけていた。彼にとって彼女は愛情の対象であると同時に、父への反抗の象徴でもあった。
一方、沈惜凡は長い間「宿題」を何蘇葉に報告していなかった。何蘇葉はその異変を敏感に察し、彼女に豆乳飲料を一本送る。だがそれが手作りではないことを一目で見抜き、不合格と判断した同僚が沈惜凡を自宅に夕食へ招待する。沈惜凡は仕事を終えた夜、再び厳恒に待ち伏せされる。人前で強引に食事へ誘う彼の手口は以前と同じだった。さらに彼は昔よく通った場所へ彼女を連れて行き、懐かしい思い出を語りながら心を揺さぶろうとする。しかしその自己中心的な態度は、沈惜凡の怒りを再び呼び起こすだけだった。
その帰り道、沈惜凡は誤って漢方薬の袋を厳恒の車に置き忘れてしまう。息苦しさと頭痛に襲われた彼女は、何蘇葉に連絡して診療所を訪れる。だが厳恒は彼女を尾行し、診療所まで追いかけてきていた。車に残された香袋を通じて、彼は二人の関係をほぼ理解してしまう。
診察室で何蘇葉が沈惜凡に鍼治療を施そうとした瞬間、厳恒が乱入する。何蘇葉は冷静に「四月の茵陳(いんちん)」と皮肉を返し、厳恒を牽制する。沈惜凡は何蘇葉の助けで裏口から逃げ出し、厳恒を追い払った後、何蘇葉は彼女を追いかけ、心温まる言葉で慰める。沈惜凡の不安と混乱を包み込むように、彼の言葉は静かに彼女の心を癒していった。
厳恒という過去の影が再び迫り、逃げ場を失いかける沈惜凡。しかしその傍らには、彼女を守り、支えようとする何蘇葉の存在があった。二人の絆は試練を経て、さらに強く結ばれようとしていた——。
第18話 あらすじ
第18集:傲慢な帰還、家族の絆
契約式を無事に終えた厳恒(イエン・ハン)は、翌日アシスタントに多くの贈り物を持たせ、沈家の両親を訪ねさせる。自ら沈家に足を踏み入れた厳恒は、沈父と沈母に謝罪を口にする。しかしその言葉には傲慢さがにじんでいた。彼は「当時は会社での地位を確立するのに忙しく、沈惜凡(シェン・シーファン)が自分のキャリアを妨げていると感じたため別れを告げたが、基盤を固めた後すぐに戻ってきた」と説明する。だがその自己中心的な言い分は沈惜凡の怒りを買い、激しい口論へと発展する。
沈父と沈母もまた激怒し、厳恒を罵倒しながら追い出す。家族の怒りが渦巻く中、何蘇葉(ホー・スーイエ)が薬膳料理のテイクアウトを持って現れる。「一緒に食べましょう」と親しげに提案するその姿は、まるで婿候補のようであった。沈家の三人は厳恒を完全に拒絶し、礼儀すら示さず彼を追い出す。厳恒は得るものなく、仕方なくその場を去るしかなかった。
実は何蘇葉は帰宅途中、厳恒が沈家に入るのを偶然目撃し、この策を思いついたのだった。目的を果たした彼は長居せず、沈家の三人が気持ちを落ち着けるための空間を残して去る。その後、沈惜凡は部屋に逃げ込み、これまでの出来事を振り返る。積もり積もったプレッシャー、悔しさ、両親への申し訳なさが一気に爆発し、涙に崩れる。
そんな彼女を何蘇葉は抱きしめ、「君のせいじゃない」と優しく慰める。両親も「心配させまいと平気なふりをするな」と伝え、永遠に沈惜凡の最も確かな支えであることを告げる。家族と何蘇葉の言葉に包まれ、沈惜凡はようやく心を落ち着け、二日間の休暇を取る決断をする。
一方、厳恒はホテルに戻ると大騒ぎを起こし、スタッフや宿泊客に多大な迷惑をかける。その結果、ホテルのブラックリストに登録され、彼の居場所はますます狭まっていく。過去の栄光にすがる厳恒と、家族と支え合う沈惜凡——二人の道は決定的に分かれ始めていた。
第19話 あらすじ
第19集:率直な約束、過去の終焉
沈惜凡(シェン・シーファン)と何蘇葉(ホー・スーイエ)は、ついに周囲へ交際を始めたことを伝える。友人や同僚たちは二人の関係を心から喜び、温かな祝福の空気が広がった。こうして二人は、シンプルながらも甘やかな恋愛をスタートさせる。
仕事中にはこっそりと囁き合い、退勤後は一緒に食事や散歩を楽しむ。週末には家で映画を観ながら肩を寄せ合う——そんな日常のひとこまひとこまが、二人にとってかけがえのない時間となっていった。ある日、何蘇葉は沈惜凡から折り紙でカエルを折る方法を教わるが、不器用な彼はなかなか覚えられない。沈惜凡が「不器用だな」とからかうと、何蘇葉はわざと怒ったふりをして彼女に甘え、二人の間に笑いが生まれる。
会話の中で、何蘇葉は昨日の焦りを正直に打ち明ける。そして「これからは何でも率直に話す」と誓う。彼は沈惜凡に「感情のことは無理に押し付け合うべきではない」と伝え、もしこの関係に居心地の悪さを感じる日が来たなら、直接言ってほしいと願う。自分は努力して直すと約束し、それでも本当に無理なら、彼女に無理をさせたくない——そんな誠実な想いを言葉にした。
沈惜凡はその言葉に心を打たれ、彼の真摯さを改めて感じる。二人の関係は、ただ甘いだけではなく、互いを尊重し合う成熟した愛へと歩み始めていた。
一方、厳恒(イエン・ハン)の科技園入札が終了し、彼は古南華庭を去ることとなる。沈惜凡にとって、彼の退場は過去との完全な決別を意味していた。長く心を乱してきた影が消え、ようやく未来へと進む準備が整ったのだ。
率直な約束と、過去の終焉。沈惜凡と何蘇葉の物語は、新たな章へと静かに踏み出していく——。
素敵な恋の咲かせかた 20話・21話・22話・23話・24話 あらすじ
















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