輝ける宝珠の如く 2022年 全24話 原題:珠玉在侧
第1話あらすじ
第1集 「玉と嘘と、最悪の再会」
名門・綺裴閣が新たに侍女を募集するという知らせに、小商人の少女・単単単(たんたんたん)は意気込んで門を叩く。だが、彼女を迎えたのは、まさかの“因縁の相手”——綺裴閣の若様・裴沛(はいはい)その人だった。昨日、雲翠城で最悪の形で出会ったばかりの二人が、まさか主と侍女として再会するとは、互いに知る由もなかった。
一日前、裴沛は雲翠城で酒を楽しんでいた。名家の坊ちゃんらしく、客の身につける玉佩を一目で見抜く鋭い目を持つ彼は、単単が客に玉佩を売り歩く姿を見つけると、綺裴閣の名を騙った詐欺だと決めつけて追及する。単単は必死で逃げ切るが、裴沛は彼女の玉佩をすべて買い取ると条件をつけ、芸人のふりをして踊りを披露させる始末。さらに彼女の玉佩を偽物だと暴き、裏で蘇宇軒が関わっているのではと疑いを深める。
だがその時、裴家の長輩・裴秦氏が裴沛を探しに現れ、裴沛は慌てて隠れる羽目に。窮地に陥った彼を見た単単は、ここぞとばかりに“恐喝”して玉佩を買わせ、ようやく場を切り抜けた。この騒動を陰から見ていた裴秦氏は、単単の気骨ある姿に若き日の自分を重ねる。
商売を終えた単単は、姉・双双(しゃんしゃん)が働く蘇玉軒へ。苦難の場で働く姉は、妹だけは平穏に暮らしてほしいと願うが、単単は待遇の良さと自立心から働きたいと懇願。しかし姉に断られたため、彼女は裏口から小掌柜を探し込み、なんとか紹介を得ようとするのだった。
一方、裴沛が帰宅すると侍女・翠柳が世話を焼くが、その甘やかす態度を裴秦氏が叱責。裴沛には玉の競売会への参加が勧められるも、本人は乗り気ではなかった。しかし会場では彼の宿敵・蘇鈺、そして単単までもが現れ、さらに状況は混迷する。
裴沛は雲翠城での仕返しとばかりに、単単が狙う白玉に競り合いを仕掛ける。しかし単単は機転を利かせ、銅鏡で反射光を作り出して玉の光沢を乱し、裴沛の目利きを誤らせる。結果、価値に見合わぬ五百両という高値で裴沛が落札してしまい、激怒した裴沛は単単を追うが、人混みに紛れた彼女に逃げられてしまう。
打ちのめされた単単は蘇鈺に自分を売り込むが、「学歴なし、経験なし、資金なし」の“三無の人間”に玉鑑定師は務まらないと冷たく拒絶され、心が折れたまま街をさまよう。そんな彼女の孤独な姿を裴秦氏が見つけ、胸に秘めた思いが動き出す。翌日、裴邸に貼り出された“侍女募集”の告知を手に、単単は豪華な裴邸を訪れ、翠柳に泥棒扱いされながらも気丈に反撃。裴秦氏の前で玉鑑識の知識と経験を披露し、自らの可能性を訴えた。
裴秦氏は彼女の才覚を見抜き、まずは侍女として様子を見ることを決める。そして単単が案内されたのは——最悪の再会にして、運命が再び交差する部屋。そこには裴沛がいた。互いに眉をひそめ、瞬時に口論に発展。二人は揃って裴秦氏の元へ“告げ口”に向かうのだった。
だがこの反発だらけの出会いこそ、二人の人生を大きく揺り動かす序章にすぎない。
次回、第2集——裴邸で始まる同居生活は、波乱か、それとも…?
第2話あらすじ
第2集 「揺らぐ玉、揺らぐ心」
裴沛は単単を連れて裴秦氏の前へ赴き、彼女が蘇宇軒のスパイだと断言する。しかし二人は芸能館で遭遇していた事実を互いに口にできず、裴沛は苛立ちを抱えたまま沈黙するしかなかった。裴秦氏はその態度を受け、単単を裴沛の専属侍女として仕えさせるという大胆な決断を下す。さらに、暇があれば綺裴閣で玉の鑑別を学び、玉鑑大会への挑戦も許可するという破格の待遇を与えた。
裴沛は当然反発するが、裴秦氏は「単単を外すなら、お前を玉闘大会に出す」と告げ、彼の弱点を突く。裴沛が大会を拒む理由は父・裴楚風が生前、彼に鑑玉の世界へ踏み込むことを固く禁じていたからだった。裴秦氏はその胸の痛みを抱えながらも、沈み込んだ裴沛を再び奮い立たせるため、あえて単単をそばに置く決断を下したのだった。
一方、蘇家でも動きがあった。双双が金銀錯の技法に触れたことで、かつて争点となった「輝月鳳冠」の秘密が再燃。蘇珏は西山で新たな玉石鉱脈が見つかったと聞き、裴家に先を越されることを恐れて動きを急ぐ。その言葉を偶然耳にした双双は、蘇家が綺裴閣を必要以上に警戒する理由を測りかね、不安を募らせた。
裴邸では、単単が裴沛の部屋を徹底的に片付け、生活ペースを大きく乱していた。裴沛は倍の報酬で辞めさせようとするが、単単は意に介さず工房へ向かってしまう。工房で協力者を探すも誰からも相手にされず、玉器店では誤解され、さらに蘇玉軒で綺裴閣の新作が売られているという衝撃の事実も判明。謎は深まり、単単の胸には不穏な違和感が残った。
やがて単単は裴沛に料理を届けた際、残飯から彼の好みを読み取り、翠柳の料理を軽くあしらう。さらに競技用材料を交差させる新しい手法を試みるも失敗し、追加資金を断られ窮地に立たされてしまう。しかし裴秦氏が麻雀を持ちかけ、二百両を勝ち取ることに成功。状況が好転したかに見えたが、その情報を知った裴沛は「彼女を追い出す好機」と考え、老夫人を利用した策略を思いつく。
翠柳は裴沛の命を受け、単単を呼び出し侮辱する。さらに裴沛は単単に「風呂の世話」まで指示し、彼女を屈辱的な立場に追いやろうとした。二人の溝は深まるばかりだが、その裏には裴秦氏の願いと、裴家・蘇家の見えない確執が渦巻いていた。
裴沛の策略に巻き込まれた単単は、この難局をどう乗り切るのか?
そして綺裴閣に流出した新作の謎、蘇家との確執、玉鑑大会の行方——
物語はさらに複雑に絡み合い、三家の思惑が動き出す。
次回、第3集。単単と裴沛の距離は、憎しみのまま遠ざかるのか、それとも…?
第3話あらすじ
第3集 「砕かれた原石、揺れ始める心」
裴沛の策略により、単単は彼の入浴の世話を命じられる。屈辱的な指示に心底うんざりした単単は翠柳に代役を頼むが、翠柳も若様の命令には逆らえず怒りだけを残して去ってしまう。やがて部屋へ呼ばれた単単の前で裴沛はわざと服を脱ぎ、「なぜ薄手の紗衣で来ない」と挑発。しかし単単は強気に裴沛の服を脱がせ返し、逆に裴沛が赤面して入浴を諦める。代わりにマッサージを頼むと、単単は裴沛が横になった隙に力持ちの楊玉環を呼び込む。楊玉環の容赦ない力に裴沛は悲鳴を上げ、さらに老夫人が部屋に近づくと、裴沛は咄嗟に単単を抱き寄せて誤解を避けようとする。老夫人は噂話には耳を貸さなかったが、単単は裴沛の策略を悟り憤然と去った。
その後、単単は楊玉環が南紅の石材に悩む姿を見て、弾力性のある和田玉を探しに奔走する。玉石閣で良質な原石を見つけるが、すでに蘇珏の手に渡ってしまっていた。そこへ双双が現れ、店主を説得し原石の譲渡を願う。店主は躊躇するが、蘇珏が双双を支援したことで単単は原石を手に入れる。蘇珏の寛大さに単単は感服するが、その場面を目撃した裴沛は嫉妬と誤解に囚われ、単単をスパイ呼ばわりし原石を叩き割ってしまう。
傷ついた単単を心配し、双双は密かに後を追う。一方、裴沛がふらつき歩いているところを双双が暗器で襲い、裴沛は倒れ込みながら通行人の女性を抱きかかえてしまい、軽薄な男と誤解される羽目に。汪咎は蘇珏が綺裴閣と関わる様子を見て疑念を深めるが、実際は蘇珏が綺裴閣の出場用原石を独占し、玉石大会への参加を阻止しようと暗躍していた。
そんな中、楊玉環は職人の李兄から求婚されたことを単単に告げ、一ヶ月の婚約休暇まで与えられるという喜びを語る。単単は祝福しながらも、裴沛が自分の出場を潰そうとしていると確信し、裴沛に真っ向から対峙する。単単は「私はスパイではなく鑑玉師になりたいだけ」と訴え、さらに「若様でありながら役立たず」と痛烈に批判。老夫人が一人で綺裴閣を支える姿を引き合いに出し、「協力者がいなくても一人で大会に出る」と宣言する。去り際の彼女の真剣な瞳は、裴沛にも深く刺さった。
単単の言葉に触れ、裴沛は自分が怠け者として生きてきたわけではないこと、ただ父の死と禁忌の影が彼を縛ってきただけだったことに改めて気付かされる。翌朝、単単が雨に濡れて風邪を引いたと聞いた裴沛はそっと見舞いに行き、彫っていたイヤリングに助言まで与える。単単がそのイヤリングを老夫人に献上すると、彫りは粗いながらも発想の良さを評価され、新たな素材を準備するよう郝掌柜に指示が飛ぶ。しかし和田玉の確保は難しく、単単は闇市場へ向かうことに。専門用語を理解していた単単は巧みに交渉し原石を入手するが、帰ろうとしたところで裴沛と遭遇。闇市場の流儀を知らない裴沛は、役人と誤解されるという危険な状況を招いてしまう。
第4話あらすじ
第4集 「闇市場の嵐と心の解放」
裴沛は闇市場のルールを知らず、役所から贈られた玉のペンダントまで見せびらかしてしまう。これを見た闇市場の人々は、彼を役人と誤解し一斉に武器を手に取る。危険を察知した単単は即座に行動し、裴沛を引っ張って逃走する。偶然その場に居合わせた双双も仮面をつけて様子を見に行き、追われる二人を見つける。単単は冷静に危機を切り抜け、やがて阿六が裴家の家来を率いて駆けつける。裴沛は傷を隠しつつ、単単に包帯を巻かせ、その真摯な態度に胸を打たれる。
裴秦氏は裴沛が負傷し単単に看病されていることを知りながら、知らぬふりを続ける。裴沛の行動で蘇玉軒の闇市場は混乱し、郊外の玉石鉱山まで裴家に奪われてしまう。蘇珏は激怒し、裴家とは決して和解しないと誓う。一方、単単は工房で裴沛を観察し、彼の才能を知りながらも釣りに没頭する姿に疑問を抱く。裴秦氏は過去、裴楚風が裴沛に才能を発揮させず安全を守ろうとした経緯を明かし、今こそ単単が裴沛を変えることを期待する。
蘇珏は双双に玉石大会の素材を選ばせ、碧水の鴛鴦の置物制作を宣言する。一方、単単は裴沛の過去を知るため阿六に事情を尋ねるが、口を閉ざされる。双双は両親の墓参りを通して、鳳凰冠の琥珀が薬に使えず、復讐を控えるよう父に言われていたことを思い出す。裴沛は単単の言葉に触れ、心のわだかまりを抱えながらも玉彫刻に挑む。夜、裴沛は酒に溺れ昔の苦しみを吐露する。幼少期、裴楚風の疑惑のはけ口となり手首を折られた過去。裴秦氏が一人で綺裴閣を支えてきた過去。単単は彼の非凡な才能を目にし、励ましの言葉で裴沛を勇気づける。
二人の心は互いに通じ合い、指切りで約束を交わす瞬間、裴沛は単単の額にそっとキスをし、肩にもたれかかり深い眠りに落ちる。安堵と信頼の微笑みを浮かべたその姿は、長く閉ざされていた裴沛の心が少しずつ解放され始めたことを示していた。
裴沛の才能と情熱が徐々に目覚め始める一方、蘇家の策略や玉石大会の緊迫した準備が迫る。単単の機転と勇気は裴沛を救うだけでなく、二人の関係にも新たな波を起こす。
次回、第5集。「閉ざされた心を破る試練――二人の運命は、玉石大会で試される」。

















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