錦嚢風月譚(きんのうふうげつたん) 清光が照らす真実 2025年 全36話 原題:錦囊妙錄
目次
第25話 あらすじ「善意の仮面、毒菓に潜む真実」
羅疏はついに、自らの過去を斉夢麟に語り始める。彼女がかつて身を置いていたのは、秦家五番目の側室――五姨娘のもとだった。五姨娘は羅疏を買い取り、下働きをさせることもなく、琴・棋・書・画のみを教え込んだ。その待遇だけを見れば、誰もが「善人」と称しただろう。斉夢麟もまた、話を聞きながら五姨娘を徳のある人物だと評する。しかし羅疏は、かつての自分もそう信じていたと静かに語る。
だが真実は違った。五姨娘にとって羅疏は、慈しむ対象ではなく、いずれ使うための“駒”に過ぎなかった。五姨娘が秦家から追い出されるとき、羅疏もまた道具のように連れ去られる。鳴柯坊へ行くことを拒み、正妻に助けを求めても、返ってきたのは冷たい拒絶だった。かつて命を救ったことのある秦熠でさえ、当時は何もできず、手を差し伸べることはなかった。羅疏はその瞬間、誰も頼れない現実を悟り、「生き抜くには自分しかいない」と心に刻む。
鳴柯坊にいた頃、秦熠が訪ねてきたこともあったという。彼は当時、権勢を持たず、耐えるしかなかったが、今や秦家当主となり、迎えに来たと告げた。しかし羅疏ははっきりと拒絶する。今さら何もしてほしくない――それが、彼女が長い年月をかけて辿り着いた答えだった。
過去の真相を探るため、羅疏は荷をまとめ郭家を訪ねる。郭叔は、あの火事の前後に確かに奇妙な出来事があったと語る。羅疏の父は賭場に通い、ある日突然大金を勝ち、多くの品を買って帰宅したという。その賭場が今も存在すると知り、羅疏は自ら足を運ぶ決意をする。一方で郭家もまた、得体の知れない圧力に怯えていた。郭叔母の口から漏れた言葉は、羅疏の胸に重くのしかかる。郭家の息子を人質に取られ、逆らえぬ事情があったのだ。
賭場を訪ねると、店主は当時の事件を覚えていた。人死にが出て役人が調べに来た――だが証言を始めようとした瞬間、店主は役人に連行されてしまう。斉夢麟は事態の異常さに憤り、次兄や友人・孫乾の力を借りて動き出す。山西布政司の理問役である孫乾の調べにより、数名の役人が犯行を認め、背後には趙推官の名が浮かび上がる。金を受け取り、私情で動いた腐敗が、少しずつ暴かれていく。
間一髪で店主は救出されるが、話はさらに不可解さを増す。連行されたはずの店主が、なぜか山賊の手に渡っていたのだ。店主は、問題の客が誰かに連れられて来たこと、異様なほど勝ち続けていたことを語るが、その正体は依然として闇の中にある。
そんな中、羅疏のもとに、かつて好んでいた酥油菓子が届けられる。斉夢麟が口にしようとした瞬間、羅疏は咄嗟に制止し、銀針で毒を確かめる。結果は明白――菓子には毒が仕込まれていた。自分の屋敷にまで手が及んでいる事実に、斉夢麟は愕然とし、羅疏の過去の事件が斉家と無関係ではない可能性を強く意識する。
羅疏は動揺する斉夢麟を静かに慰める。たとえ斉家が関わっていたとしても、当時の彼は幼く、罪を背負う必要はないと。その言葉は、彼女自身の強さと優しさを映し出していた。
一方、塩引を巡る秦熠の動きも続く。斉夢麟の次兄は依然として同意せず、義兄も関与を否定するが、そのやり取りを秦熠は外で全て聞いていた。疑念はさらに深まる。
危険が及ぶことを恐れた羅疏は、これ以上迷惑をかけられないと宿屋へ移ろうとする。その報せを受けた秦熠は動揺し、思わずその場を立ち去る。斉夢麟の兄は、羅疏の身分と弟の覚悟を案じながらも、「自分が調べる」と約束する。
そして秦熠は、再び羅疏の前に現れ、手助けを申し出る。善意なのか、贖罪なのか、それとも別の思惑か――。毒菓が示したのは、過去と現在をつなぐ陰謀の存在だった。羅疏と斉夢麟は、もはや後戻りできない真相の深淵へと踏み込んでいく。
第26話 あらすじ「暴かれた罪と、すれ違う想い」
秦熠は静かに、しかし確実に手を打っていた。彼は徐彪を密かに訪ね、重たい銀塊を差し出しながら、自分の指示通りの言葉を羅疏に伝えるよう命じる。徐彪は当初、嘘をつくことを拒むが、秦熠は淡々と「家族のことをよく考えろ」と言い放つ。その一言は脅しであり、逃げ場のない命令だった。
秦熠は羅疏を呼び出し、「ついにあの人物を見つけた」と告げると同時に、斉夢麟たちを信用してはならないと警告する。だが、その場に斉夢麟が駆けつけ、羅疏を連れて去る。直後、秦熠のもとに、斉夢麟の次兄がすでに徐彪を突き止めているとの報せが入る。
斉夢麟の次兄は羅疏たちを伴い、調査結果を明かす。かつて主簿であった徐彪は、親族のために石漆を横流ししていた人物だった。羅疏は自ら徐彪を問い詰め、ついにあの日の真相が語られる。徐彪によれば、当時、羅疏の父は金に困っており、自分が賭博場へ連れて行ったという。ところが予想に反し、父親は異様なほど勝ち続け、大金を手にした。その姿に嫉妬と欲が膨れ上がり、徐彪は夜中に金を奪おうと羅疏の家へ忍び込んだ。しかし父親に見つかり、追い詰められた末、放火を決意する。
大雨で火がつかない中、徐彪は水に濡れても消えない石漆に目をつけ、それを燃やして家を焼いたのだった。全ては自分一人の犯行であり、家族は無関係だ――そう言い残すと、徐彪は柱に頭を打ちつけ、自ら命を絶つ。そのあまりにも突然で悲惨な結末に、羅疏たちは言葉を失う。
だが、真相が明かされたはずの夜、斉夢麟はこの事件に漂う「不自然さ」を拭えずにいた。偶然が重なりすぎている。羅疏も同じ違和感を抱いていた。特に、徐彪が最期に「家族」について強調したことが気にかかる。二人は徐彪の家を訪ねるが、すでにもぬけの殻だった。隣人の話では、前夜のうちに徐彪の家族が連れ戻され、急いで馬車に乗せられて去ったという。
さらに不幸は続く。郭家を再訪すると、夫婦は火を囲んで暖を取っている最中に不慮の事故で亡くなり、息子も行方不明となっていた。あまりにも都合よく、証言者が消えていく現実に、羅疏の胸は凍りつく。その中で、彼女の脳裏に浮かんだのは金描翠の存在だった。かつて金描翠は、羅疏に「臨汾にも太原にも戻るな」と忠告していた。あの言葉は、すでに何かを知っていたからではないのか――。
羅疏は斉夢麟に、自身の過去をさらに語る。五番目の側室が亡くなった際、実は莫大な財産を自分に残していたこと。その財があれば、十分に出世できるはずだった。しかし、どれほど努力しても、いつも最後の一歩で何かに阻まれ、失敗に終わる。まるで見えない手に操られているかのように――今回もまた、成功したと思った矢先に、すべてが崩れ去った。
斉夢麟は、これからも羅疏と共に調査を続けたいと願い出るが、羅疏は彼に無駄遣いをやめるよう厳しく言う。自分の周りには使い切れないほどの物が積み上がっており、浪費を見るのが耐えられないのだと。斉夢麟は慌てて約束し、彼女が買うと言ったもの以外は決して手を出さないと誓う。
さらに羅疏は、斉夢麟に部屋を引き払い、家族と過ごす時間を大切にするよう勧める。自分とは違い、彼にはまだ帰る場所があるのだから。斉夢麟はその言葉を受け入れつつも、事件の調査が終わるまでだけは一緒にいさせてほしいと頼み、もし彼女に家族がいないのなら、自分がその代わりになると告げる。
迎えた元宵節。二人は連れ立って街へ出かけ、羅疏は珍しく多くの物を買い込む。夜、高台から花火を眺める中、斉夢麟はついに想いを告げ、羅疏に口づける。しかし、その直後、羅疏は何も言わず立ち去り、姿を消す。宿に戻ると、彼女の荷物もすべて消えていた。
斉夢麟は急ぎ車を用意させ、臨汾へ戻るが、待っていたのは父の激怒だった。上元節にもかかわらず家に戻らず、老祖宗を悲しませたと叱責され、跪いて許しを乞うも、父の怒りは収まらない。兄の仲裁でその場は収まるが、斉夢麟の心はなお羅疏を追い求めていた。
一方その頃、羅疏は鳴柯坊を訪れ、金描翠の身代金を払うと申し出る。しかし玉ママは、200両を積まれても頑として拒否する。その緊迫した場に、蔡捕頭のもとへ「金描翠救出」を求める使いが駆け込んでくるのだった。
明らかになった罪の裏で、なお蠢く黒幕の影。すれ違う想いと消えた羅疏の行方が、新たな波乱を予感させる。
第27話 あらすじ「乱葬崗に散った命、沈黙の代償」
羅疏が県衙へ戻ると、ちょうど蔡捕頭が部下を率いて外出しようとしている場面に出くわす。事情を聞いた羅疏は、胸騒ぎを覚える。かつて自分が鳴柯坊を去る際、金描翠に「何かあれば必ず県衙に助けを求めて」と言い残していたことを思い出したからだ。助けを求める使いが来た以上、金描翠の身に何か重大な異変が起きたに違いない。
蔡捕頭は、羅疏がすでに官を辞している身であることを理由に、「危険を伴うため同行は控えるべきだ」と告げ、自ら部下を連れて鳴柯坊へ向かう。現地に到着すると、蔡捕頭は金描翠が事件に関与している疑いがあるとして、取り調べのために連行すると宣言する。しかし鳴柯坊を仕切る玉ママは激しく反発し、正式な書類もなく人を連行することは許されないと主張する。蔡捕頭は書類を持たぬまま強行できず、やむなく一旦引き下がるしかなかった。
この一件を知った韓慕之は、書類を準備して蔡捕頭に渡そうとするが、県丞がこれを制止する。状況が不透明なまま書類を出せば、事態をさらに複雑にしかねないという判断だった。羅疏もその理屈を理解し、無理に動くのではなく、自分たちで別の道を探ろうと提案する。
一行はまず、客を装って内部に入り込み、様子を探る案を考える。しかし鳴柯坊には凶暴で知られる仵家の妻がおり、しかも蔡捕頭が昼間に顔を出したばかりで、見知らぬ者が入り込むのは難しい。誰も名乗り出ない中、斉夢麟が現れ、自分の小僧を使えば怪しまれずに済むと申し出る。
夜、小僧は鳴柯坊へ向かい、別棟へ案内される。案内役は「金描翠はここにいる」と告げるが、直後、血にまみれた人物が姿を現す。異様な気配に小僧は恐怖し、慌てて羅疏たちを呼びに走る。斉夢麟らが急行し、羅疏は我を忘れて中へ飛び込むが、そこにいたはずの人物はすでに消えていた。
羅疏は玉ママを問い詰めるが、玉ママは冷たく「もう死んだ」と言い放つ。その言葉に羅疏は愕然とする。金描翠は鳴柯坊にとって“金のなる木”のはずだ。そんな彼女を、なぜわざわざ別棟に移したのか。そこには必ず隠された事情があるはずだった。しかし玉ママはそれ以上何も語ろうとしない。
羅疏は、鳴柯坊周辺で亡くなった者は例外なく乱葬崗へ運ばれることを思い出す。斉夢麟は黙って彼女に寄り添い、共に探しに行こうと告げる。夜の乱葬崗で、羅疏はついに血まみれの金描翠の遺体を見つける。現実を前に、羅疏は膝が崩れ落ち、深い悲しみに沈む。
検死官が遺体を検分する間、斉夢麟は羅疏と共に門の外で待つ。羅疏は嗚咽を抑えきれず、涙を流しながら後悔を口にする。あの時、無理をしてでも金描翠を連れ出していれば――自分の判断が、彼女を死に追いやったのだと自責の念に苛まれる。その様子を見た斉夢麟は、ただ静かに彼女を支える。そこへ韓慕之が現れるが、二人の姿を見て声をかけることなく立ち去った。
検死官は、金描翠が死の直前まで激しく衰弱し、命が尽きかけていたこと、そして最終的な死因は絞殺であると告げる。さらに調べが進み、最後の客が郭興という男であることが判明する。羅疏たちは郭興を訪ねるが、彼は「自分が部屋に入った時には、すでに金描翠は吐血していた。自分は何もしていない」と関与を否定する。
羅疏は、なおも玉ママが真実を隠していると感じ、斉夢麟たちは彼女を連れてきて改めて尋問する。斉夢麟が玉ママの腕に残る傷を指摘すると、彼女は自分で引っ掻いたものだと答える。その不自然さが疑念を深める中、別の事件が起きる。
小棉袄が夜中に鳴柯坊を抜け出し、県衙で羅疏に会おうとする途中、何者かに飛鏢で刺され倒れるのだ。検死官は応急処置を施し、「今夜を越えられるかどうかが峠だ」と告げる。羅疏は付き添い、必死に看病する。
やがて意識を取り戻した小棉袄は、震える声で真実を語り始める。金描翠は彼女に密書を託し、届けるよう頼んだ。しかしそれは玉ママに見つかり、小棉袄は閉じ込められ、金描翠も激しく殴られて監禁されたという。さらに小棉袄は、玉ママがある男と密かに話しているのを聞いた。「手紙はまだ開かれていない。小棉袄は何も知らない」「金描翠は別棟に移したが、長くは持たない」――そんな冷酷な言葉だった。
小棉袄は、自分が唯一の証人であり、生き延びた以上、相手は決して手加減しないと悟る。羅疏は彼女の手を握り、必ず守ると誓う。
蔡捕頭は拷問で玉ママを追い詰めるが、それでも彼女は口を割らない。そこへ羅疏が現れ、「この件は玉ママとは無関係だ」と宣言し、あえて人前で彼女を解放する。李掌柜は納得せず玉ママを問い詰めるが、彼女は「本当に何も話していない」と言い張る。
しかしその夜――沈黙を守り通した玉ママのもとへ、何者かが忍び寄り、命を奪おうとしていた。
金描翠の死をめぐる闇は、さらに深く、危険な領域へと踏み込んでいく。
第28話 あらすじ「黒幕の名、そして燃え残る因縁」
玉ママはついに沈黙を破り、これまで胸の奥に封じ込めてきた真実を語り始める。鳴柯坊の裏で糸を引いていた黒幕――それは秦熠であり、すべては彼の指示のもとに動いていたのだという。羅疏の身代金が長年払われなかったのも、金描翠が逃れられなかったのも、すべて秦熠の意向だった。玉ママは、震える声で過去を回想する。
かつて彼女は五番目の側室と鳴柯坊での地位を争い、最終的に勝利した。しかし敗れた五番目の側室が迎えた結末はあまりにも惨く、玉ママはその最期をこの目で見て、心の底から恐怖を覚えたという。その恐怖が、以後の彼女を縛り続けていた。
当時、玉ママは李掌柜の命令で羅疏を連れ戻しに行った。しかし実際に連れ帰ったのは金描翠だけで、羅疏は逃してしまった。そのことに李掌柜は激しく不満を示したという。語っている最中、玉ママは誰かに話を盗み聞きされている気配を察知し、外へ出る。そこに立っていたのは木蘭だった。木蘭は「今来たばかりで何も聞いていない」と弁解するが、李掌柜は玉ママに「うまく調教できれば、まだ使い道があるかもしれない」と冷酷に告げる。玉ママは、その少女が羅疏によく似ていると感じたという。
さらに玉ママは、金描翠が密かに書いていた手紙を見つけたことで、盗み聞きしていたのが金描翠本人だと知ったと明かす。斉夢麟が、なぜ金描翠を別邸に移したのかを問いただすと、玉ママは「守り切れなかった」と力なく答えた。
羅疏が金描翠の死の瞬間について尋ねると、玉ママは事件後に部屋へ入った際、金描翠はまだ息があったと語る。李掌柜の側近が「始末しろ」と命じたが、玉ママは手を下すことができず、もみ合う中で逆に金描翠に首を絞められた。その直後、側近が現れ、金描翠を絞殺したのだという。玉ママは、自分も追い詰められていたのだと涙ながらに訴え、羅疏たちに助けを求める。
犯人の名を問われ、玉ママは「跛四児」だと告げる。その瞬間、羅疏はすべてを悟る。背後にいるのが誰なのか――もはや疑いようがなかった。深い悲しみに沈んだ羅疏は、何も言わず部屋を後にする。彼女の胸を支配していたのは、「自分が金描翠を死に追いやった」という耐え難い自責の念だった。
羅疏は韓慕之を訪ね、黒幕の正体はすでに把握したため、これ以上の調査は不要だと告げる。そして、せめて金描翠を盛大な葬儀で送りたいと願い出る。しかし県丞は慎重な姿勢を崩さず、「どの立場で葬儀を執り行うのか」と問い返す。羅疏は「姉妹として」と答えるが、韓慕之は反対する。そうすれば、羅疏が鳴柯坊の出身であることが世に知られてしまうからだ。だが羅疏は、「もともと泥沼から這い上がった身。今さら何を失うというのか」と譲らない。そこへ斉夢麟が現れ、「ならば私の名義で行おう」と申し出る。
通夜の夜、羅疏は金描翠の傍を離れず、まるで彼女の姿がそこにいるかのような錯覚に包まれる。金描翠は、夢の中で語りかける。自分はずっと背後に操る者の存在に気づいていたこと、木蘭が送り込まれ、自分が近づいたことで、その主人が秦熠だと知ったこと、そして羅疏の身代金が払われなかった理由も全て秦熠にあったこと――。金描翠は、羅疏と共に去らなかったことを、今も悔やんでいると告げる。
葬儀当日、金描翠は盛大に弔われる。しかし羅疏の身体と心は限界を迎え、吐血して意識を失ってしまう。二か月後、医師は回復は順調だが、まだ静養が必要だと診断する。斉夢麟が医師を見送ると、羅疏は起き上がり、「もう大丈夫だ」と微笑む。斉夢麟は、過去の事件について「斉家と全く無関係とは言えないが、必ず真相を究明する」と約束する。
その頃、各地で蝗害が発生し、民衆の食糧は深刻な被害を受けていた。人々は迷信に囚われ、金描翠の豪華な葬式が蝗神の怒りを招いたのだと信じ、墓を暴こうとする。知らせを受けた韓慕之は急行し、必死にこれを阻止する。だが群衆は耳を貸さず、「彼女を始末すれば災いは去る」と騒ぎ立てる。
斉夢麟が不在の隙を突き、ついに暴徒は羅疏を縛り上げ、生贄として焼こうとする。間一髪、韓慕之が駆けつけ、羅疏を救出する。彼は民衆に、蝗を駆除し、その死骸を持って穀物と交換する現実的な策を示す。遅れて戻った斉夢麟も、平陽衛での交換を呼びかけ、人々を説得する。
混乱の裏で、趙大人と劉巡撫は密かに協議し、今回の蝗害を「天が与えた好機」と捉えるのだった。
悲劇と陰謀、そして新たな策謀――運命の歯車は、さらに大きく動き始めていた。
錦嚢風月譚(きんのうふうげつたん) 29話・30話・31話・32話 あらすじ
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