17話 あらすじ
裴行倹(はいこうけん)が厳しく追及したことで、関係者たちはついに真実を告白し始める。
■ 庫狄琉璃(こてきるりと王君孟(おうくんもう)の対話
庫狄琉璃(こてきるり)は、王君孟(おうくんもう)が一人になったタイミングを見計らい、事件に臨海大長公主(だいちょうこうしゅ)が関わっているのかを問い詰める。王君孟(おうくんもう)は最初否定するが、庫狄琉璃(こてきるり)の鋭い推理に驚き、ついに事実を打ち明ける。
彼によれば、臨海大長公主(だいちょうこうしゅ)は自分の妻子を盾に脅されており、やむなく命令に従ったとのことだった。麴崇裕(きくすうゆう)には何も話しておらず、衝動的な性格の彼が都に戻って騒ぎを起こすことを恐れていた。
庫狄琉璃(こてきるり)は「心配はいらない。すべては陛下に報告し、我々の安全は守られる」と告げる。王君孟(おうくんもう)は深く感謝し、その場を去る。
■ 牛泥棒事件の真相
その頃、裴行倹(はいこうけん)の捜査により、張元山の不正が暴かれ、現場に連れて来られた牛泥棒も自白。実は張元山が子牛を欲しがって仕組んだことであり、庶民からの窃盗だったことが明らかになる。
さらに、張元山に雇われた実行犯・韓四(かんし)も名乗り出て、自分が罪を犯した理由を説明。彼は庶民に無償で薬を施していたが、その代償を誰も払ってくれなかったため、仕方なく家畜を盗んで薬草を試していたという。
裴行倹(はいこうけん)は、韓四(かんし)の行為を全面的に肯定はしないが、「彼のような人物をこのまま埋もれさせてはいけない」とし、彼に正義を返す形で庶民の前で処遇を決定。周囲の人々は拍手喝采した。白三(はくさん)もこの正義に心を打たれ、裴行倹(はいこうけん)に忠誠を誓うことを決意。
■ 麹家をめぐる新たな対策
王君孟(おうくんもう)がすべてを庫狄琉璃(こてきるり)に話したと知った麴崇裕(きくすうゆう)の父は激怒。「きっと庫狄琉璃(こてきるり)が仕組んだに違いない」と疑う。
一方庫狄琉璃(こてきるり)は、臨海大長公主(だいちょうこうしゅ)が麹家を脅すために、麹家の妻子を都に留めていることを理解し、裴行倹(はいこうけん)と共に「麹家の家族を救い、皇帝に受け入れられるようにする計画」を立てる。
庫狄琉璃(こてきるり)はその後、麴鏡唐(きくきょうとう)に絵を渡しつつ、「もし麴崇裕(きくすうゆう)が自分の妻子が都で苦しんでいると知れば、きっと命懸けで奪還しようとする。それが戦火を呼びかねない」と警告。平和のために一手を講じる必要があると強調する。
■ 柳婦人との再会
庫狄琉璃(こてきるり)はかつて助けた柳婦人を再び訪ねる。柳婦人はいとこを見つける手助けはできなかったが、それでも庫狄琉璃(こてきるり)に深く感謝し、別れ際に「死を偽装できる薬」を手渡す。これは将来的に何かの切り札になる予感がある。
18話 あらすじ
◆ 上層部の無責任と庶民の怒り
裴行倹(はいこうけん)は上院議員から「この問題はお前に任せる」と押し付けられたが、議員は最初から乗り気ではなく、責任逃れをしていた。裴行倹(はいこうけん)自身も内心では苦しんでいたが、引き受けざるを得なかった。
その夜、市内に徴税の通知が張り出されると、生活に余裕のない庶民の不満は一気に噴き出し、大規模な抗議が始まった。裴行倹(はいこうけん)は事態の深刻さに気づき、私財を投じて補助金を出そうとするが、周囲の不安は収まらない。さらに、麹家が派遣していた警備隊も突然撤収され、庶民は裴行倹(はいこうけん)の邸宅に怒りの矛先を向け始める。
庫狄琉璃(こてきるり)が庶民に説明に出るが、「未来のために良いことをしている」との訴えは通じず、民衆は「今が苦しい」と拒絶。裴行倹(はいこうけん)が急いで戻ると、庫狄琉璃(こてきるり)が暴徒に押し倒されて負傷していた。彼はすぐに韓四(かんし)を呼び、応急処置を施させる。
◆ 麴鏡唐(きくきょうとう)の決意と、麹家との対話
そのころ、麴崇裕(きくすうゆう)は警備の撤退を知らされ、自室に監禁されたような状態に置かれていた。彼は父が何かを隠していると感じ取る。
一方、麴鏡唐(きくきょうとう)は「父が裴行倹(はいこうけん)と庫狄琉璃(こてきるり)を殺す計画を立てている」と知り、ショックで自殺未遂に至る。彼女にとって庫狄琉璃(こてきるり)はもはや親友であり、彼女に危害が加えられるのは絶対に許せない。
緊急に駆けつけた麹家の父子が部屋に入ると、そこには麴鏡唐(きくきょうとう)ではなく、庫狄琉璃(こてきるり)と裴行倹(はいこうけんが待っていた。彼らはあえて麹家の父に交渉の場を作ろうとしていたのだ。
裴行倹(はいこうけん)と庫狄琉璃(こてきるり)は、「争うつもりはない。正直に話し合いたいだけだ」と訴えるが、父は「脅迫を受けている」として、二人の抹殺を命じようとする。麴鏡唐(きくきょうとう)はこれに激怒し、「もしそのようなことをしたら、麹家は完全に破滅する」と言い放ち、都に戻ると言い出す。
庫狄琉璃(こてきるり)は「あなたの妻と息子を救いたい。協力すれば道はある」と説得する。父は渋々ながらも、庫狄琉璃(こてきるり)が呉皇后と近しい関係にあることを利用できると判断し、交渉に応じる。
◆ 市政の混乱、再び
一方、裴行倹(はいこうけん)は再び庫狄琉璃(こてきるり)の助けを借りながら、混乱を極める市政の対応に追われていた。呉鎮の都市では、庶民が税金の支払いに抗議して騒ぎを起こしており、王君孟(おうくんもう)も義父に報告を入れる。
裴行倹(はいこうけん)は大臣たちを連れて現地に赴き、張議員に処理を一任するが、張議員は責任逃れの態度を取り、「自分は重傷を負っていて対応できない」とまで言い出し、最終的には全責任を裴行倹(はいこうけん)に丸投げしてしまう。
◆ 民の声に向き合う覚悟
その後、村人たちが「裴家に裁きを受けたい」と言って押し寄せてくる。衛兵がこの情報を急いで庫狄琉璃(こてきるり)に報告するが、彼女は恐れずに答える。
「来たからには、私たちは真剣に向き合うしかありません。」
庫狄琉璃(こてきるり)のこの言葉には、もはや単なる家政の補佐という立場を超え、庶民の声を真正面から受け止めようという強い覚悟が感じられる。
19話 あらすじ
混乱の街、燃える帳簿と偽装された犠牲
◆ 税の帳簿を焼いた男、裴行倹(はいこうけん)
裴行倹(はいこうけん)は部下の報告を聞きながら、市民に本日より税の支払いを命じた。しかし庶民は、官僚たちが自分たちの生活をまるで考えていないと強く反発した。
そのとき、意外にも裴行倹(はいこうけん)は突然命令を出し、徴税の帳簿をすべて焼き払わせた。これは庶民の信頼を得るための大胆な策だった。庶民はこの行動に大いに歓喜し、彼の味方に傾き始める。
張議員は、この行動に驚きつつも、もともと病に苦しんでいた裴行倹(はいこうけん)が、まるで生まれ変わったかのように毅然とした態度をとるのを見て、ただ茫然とするしかなかった。裴行倹(はいこうけん)は「庶民の安心こそが最優先だ」と考え、役人たちには食糧を分け与えるよう命じる。彼の信念は、明らかに民に向けられていた。
◆ 偽装された刺傷と麹家との衝突
しかし混乱のさなか、何者かが庫狄琉璃(こてきるり)の腹に短刀を刺そうとする事件が発生。白三(はくさん)とその部下は、裴行倹(はいこうけん)にどう説明すればよいか途方に暮れる。この事態は命に関わるものであり、非常に深刻だった。
裴行倹(はいこうけん)はすぐに帰宅し、まず妻のもとを訪ねる。その目には怒りが宿っており、この襲撃が麹家の仕業だと直感し、一人で麹家へ向かった。
しかし、麹家の屋敷は兵士で埋め尽くされていた。彼が「麴崇裕(きくすうゆう)を出せ!」と叫ぶと、ついに家の者たちが出てくる。麴崇裕(きくすうゆう)はその場で衛兵に裴行倹(はいこうけん)の殺害を命令し、彼は必死に応戦するが、一人では多勢に敵わず、門前で打ち倒される。麴崇裕(きくすうゆう)は自分の妻が襲われたという“怒り”を装っていた。
裴行倹(はいこうけん)は門の外に追い出され、麴崇裕(きくすうゆう)の父も「妻が危険にさらされている」と言い訳しつつ、当面裴行倹(はいこうけん)には関わらない方針を決めた。
◆ 庫狄琉璃(こてきるり)の奇策、そして“死”の演出
一方、宮中では臨海大長公主(だいちょうこうしゅ)が「庫狄琉璃(こてきるり)が本当に死んだのか確認したい」と不穏な気配を見せる。だが、将軍の妻は庫狄琉璃(こてきるり)の姿を見て安堵する。庫狄琉璃(こてきるり)は自分の義母にすべての経緯を話し、麹家の妻子を西国に送り届ける使命を明かす。
さらに、彼女は出発前に裴行倹(はいこうけん)の筆跡をまねて書状を残し、武皇后に「将来必ず武皇后を助け、武家の敵にはならないと伝えた」と伝えるよう手配していた。最初こそこの偽造を知って裴行倹(はいこうけん)が怒るかと心配されたが、彼は逆に庫狄琉璃(こてきるり)の覚悟に感銘を受け、すべてを受け入れた。
その後の演説によって麹家の心も動き、ついに両者は合意に至った。そして次に起こったのが、庫狄琉璃(こてきるり)の“刺された”という偽装事件だった。これは意図的なもので、負傷は偽物。しかも周囲は事前にこれを隠していたため、ほとんどの者は彼女が本当に意識不明だと思っていた。
◆ 麹家の妻子救出、そして女王の不安
正義の母(皇后)は庫狄琉璃(こてきるり)にこう言う。「今、麹家の妻子は長女である王女と共におり、彼女は非常に温かく接している。しかし、心が優しすぎるゆえに、適切に処理できるか心配だ」と。
庫狄琉璃(こてきるり)は今回、麴崇裕(きくすうゆう)の軍令符(トークン)を自ら持っていき、妻子に「私はあなたたちを救いに来た」とはっきり伝える予定だった。
一方で、臨海大長公主(だいちょうこうしゅ)は、庫狄琉璃(こてきるり)が生きていたことを知って激怒する。しかも長女・王女は意識不明のふりをしているものの、何かが引っかかっている様子で、庫狄琉璃(こてきるり)の存在に対して不安を感じ始めていた。
20話 あらすじ
◆ 大妃を欺いた策士、庫狄琉璃(こてきるり)の逆転劇
◆ 不穏な気配を察した大妃、増派される監視
臨海大長公主(だいちょうこうしゅ)は「何かがおかしい」と常に感じていたため、最近になって部下を増やし、宮中の監視体制を強化する。そんな中、麴崇裕(きくすうゆう)の妻子は河東府から脱出していた。馬車の中で思いがけず受け取ったのは、かつての夫婦の思い出の品。それを見て、妻はついに西州へ向かう決意を固めた。
◆ 慕容儀(ぼようぎ)と庫狄琉璃(こてきるり)の再会、動き始める陰謀
屋敷では、慕容儀(ぼようぎ)はすでに臨海大長公主(だいちょうこうしゅ)に利用されていることを自覚していたが、子どもを守るためにやむなく従っていた。そこへ姿を現したのが、**死んだはずの庫狄琉璃(こてきるり)**だった。
庫狄琉璃(こてきるり)は慕容儀(ぼようぎ)に「何もするな。私が大妃に加担しないようにすればいい」と言う。さらに、「大妃と武皇后を引き合わせたい」とも提案した。しかし、そこへ長姫が兵を率いて急襲。密かに慕容儀(ぼようぎ)が外に出たことが発覚したのだ。
長姫は庫狄琉璃(こてきるり)の行動を「自分の舞台を壊すもの」と非難。庫狄琉璃(こてきるり)は「慕容儀(ぼようぎ)には説明させない。彼女を信じている」と応じ、対立は頂点に。
◆ 衛兵の襲撃、母子への脅迫
大妃は冷笑しながら、「ここで殺せば誰も気づかない」と言い放ち、衛兵たちは庫狄琉璃(こてきるり)を取り囲み殺そうとするが、慕容儀(ぼようぎ)に命を狙われる形に。慕容儀(ぼようぎ)は懇願する。「庫狄琉璃(こてきるり)を殺せば、夫・麴崇裕(きくすうゆう)があなたを殺すでしょう」と。
すると大妃は逆に「子どもを殺す」と慕容儀(ぼようぎ)を脅迫し、慕容儀(ぼようぎ)はついに沈黙する。庫狄琉璃(こてきるり)は、自分が誰にも助けられない状況に置かれたことを理解していた。
◆ 二通の手紙、起死回生の切り札
庫狄琉璃(こてきるり)はまだ麹家が自ら書いた2通の手紙を持っていた。これを義父母に託し、「聖人(皇帝)」に渡させれば、大妃はもはや公には反論できなくなると踏んでいた。
そのとき大妃は言った。「慕容儀(ぼようぎ)の母子を生かしておきたいなら、明日その手紙を持って私の屋敷に来い」と。大妃は、庫狄琉璃(こてきるり)が一人で長安に来ており、さらに麹家の妻子を助けねばならないことも把握していた。内心では、麹家がここまで尽くしてくれたことに驚きと感謝すら覚えていた。
◆ 偽装された手紙、聖女の謀略
大妃はすでに慕容儀(ぼようぎ)の周囲にスパイをつけており、庫狄琉璃(こてきるり)はそれを承知の上で動いていた。また、大妃は「庫狄琉璃(こてきるり)が慕母子を守るために、手紙を使って自分を脅すだろう」と警戒していた。
庫狄琉璃(こてきるり)は屋敷に乗り込み、大妃に会おうとするが、衛兵に止められる。しかし、「聖人からの謁見」と偽った使者が現れ、手紙を掲げると、誰も庫狄琉璃(こてきるり)を止めることはできなかった。その手紙は麹家のものを装っていたが、実は裴行倹(はいこうけん)の筆跡を模倣した偽造書状だった。
この時点で、大妃は事態を飲み込むも、既に動けなくなっていた。悔しさから、ただ庫狄琉璃(こてきるり)を解放するしかなかった。
◆ 最後の逆転と、大妃の崩壊
この騒動は、実は王侍従が長姫を騙し、聖人はあえて庫狄琉璃(こてきるり)を使って動かした一幕だった。庫狄琉璃(こてきるり)は見事に慕母子を長安から脱出させ、約束を果たす。
そして後に、大妃は自分が庫狄琉璃(こてきるり)にまんまと騙されたことを知る。その怒りと屈辱は凄まじく、なんと口から血を吐くほどの憤怒に襲われた。
風起西州~烈風に舞う花衣~ 21話・22話・23話・24話 あらすじ
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