マイ・ラブ♡スーパースター 2022年 全24話 原題:我的愛与星辰
第9話 あらすじ
ついに迎えたコンサート当日。声を失った安小屿(アン・シャオユー)が歌えるのは、せいぜい二曲だけだった。辛辰(シンチェン)は残りを艾路威(アイ・ルーウェイ)に任せる案を提案するが、マネージャーの艾奥萨(アイ・オーサ)は真っ向から反対。口パクで全公演を乗り切るよう命じる。しかしプロとしての矜持を捨てられない安小屿は、口パクを断固拒否する。艾奥萨(アイ・オーサ)は契約違反をちらつかせ、五千万元の違約金を払えと迫る。追い詰められた安小屿は、やむなく屈辱的な選択を受け入れ、ステージに立つ。華やかなパフォーマンスに観客は熱狂するが、その裏で艾路威(アイ・ルーウェイ)は真実に気づいてしまう――彼が歌っていないことを。
艾路威(アイ・ルーウェイ)は納得できず、舞台上で安小屿のマイクをわざと落とし、口パクは白日の下に晒される。観客は騒然、SNSは瞬く間に炎上し、「安小屿は引退すべきだ」という過激な声まで飛び交った。辛辰は艾路威(アイ・ルーウェイ)の故意を疑うが、時すでに遅かった。
世論が渦巻く中、ホテル前には安小屿を励ますファンの姿もあった。しかし、艾路威(アイ・ルーウェイ)の過激な支持者が液体をかけようと襲いかかり、辛辰が身を挺して守る。実はその水にも毒が仕込まれており、犯人は安小屿の声を奪った張本人だった。ルーウェイはファンと会い説明しようとするが、「真実を明かせばお前の未来は潰える」と脅され、苦悩の中で沈黙を選ぶ。その一部始終を、周茉(ジョウ・モー)が写真に収めていた。
一方、セラミュージックは危機管理を放棄し、口パク問題を放置。広告主は次々と契約を解除し、代役としてルーウェイを起用する。辛辰はアイオサに抗議するが、「お前は臨時アシスタントに過ぎない」と突き放される。心折れる安小屿に、辛辰はなお寄り添い、救いを模索するが――彼を救うはずの新契約書も、既に価値を失っていた。
ネット世論は安小屿への同情に転じ、毒を盛ったのは辛辰だとする悪質な噂が広がる。非難の矛先を一身に受けた辛辰は、自らを責め、安小屿の前から姿を消す決意をする。
その頃、全てを失った安小屿は、艾路威(アイ・ルーウェイ)のコーラスとして舞台に立たされ、ファンの歓声を浴びる彼の背中を見つめていた。もはや耐えられず、全ての公演を断る決断を下す。違約金二千万元――重い代償を背負ってでも、偽りの歌手であり続けることだけはできなかった。
失墜したスター、安小屿。
彼の歌声と誇りは、果たして再び取り戻されるのか。
第10話 あらすじ
巨額の違約金と訴訟に追い詰められる安小屿(アン・シャオユー)のもとを、父・安父が訪れる。栄光の絶頂期には距離を置いていた父だが、転落した今、彼を見捨てることはできなかった。父が差し出した条件は二千万の違約金を肩代わりする代わりに、記者会見で芸能界からの永久引退を宣言すること。突然突きつけられた「終わりの選択」に、安小屿は深く苦悩する。歌こそが彼の全てだったからだ。
迷いを抱えたまま、彼は辛辰(シンチェン)を誘いスターライト広場へ。スケートを楽しむ若者を眺めながら、デビュー当初、何も持たなかった頃の思い出を語る。困難続きだったが、その日々は確かに幸福だった――辛辰は初心に立ち返るような彼の言葉に胸を打たれる。やがて安小屿は父の提案を受け入れる決意をするが、その代わりに一つの願いを託した。――辛辰を再び舞台に立たせてほしい、と。
一方、セラ・ミュージックは安小屿を切り捨て、与えられた別荘の返還を要求。艾奥萨(アイ・オーサ)は冷酷に「今後は艾路威(アイ・ルーウェイ)を中心に推す」と宣言し、辛辰に彼のアシスタントを務めろと命じる。しかし彼女が安小屿の傍にいたのは決して偶然ではなかった。その役割を放棄することはできない。渋々別荘の整理を始めた辛辰は、親友・柯有容(コ・ヨウロン)の助けを借りながらも、心を痛めていた。
一方の路昕(ルーシン)は、日々馮微涼のスケジュールに同行する中で彼女から想いを寄せられていた。ある日、彼女は眠る路昕に衝動的にキスをしてしまう。しかしその直後、彼が口走ったのは「辛辰」の名前――微涼の心は深く傷つく。
安小屿は故郷・安遠鎮に身を寄せ、歌から距離を置こうとしていた。辛辰は彼を追いかけ、声帯の療養を気遣いながらも「この世界は待ってくれない」と必死に説得する。結局、宿を取れなかった辛辰は、安小屿の実家に泊まることになり、二人は忘れかけていた温もりを分かち合う。壁に飾られた写真には、かつて安小屿を支えた最初のファンたちの姿があった。彼はバンド活動を経て夢を掴んだが、同時に幾度も挫折を味わってきた。
食卓を囲み、カクテルを酌み交わしながら交わす会話は、かつてないほど素直で温かい。辛辰は「諦めないで。必ず私が君を芸能界に連れ戻す」と誓い、安小屿は「本当に君はまだ愛されているのか?」と問いかける。辛辰は微博でファンの反応を試すが、返答はなく深く落ち込む。その姿に安小屿は「裏切った人々など気にするな」と慰めるのだった。
夜更け、二人は互いの距離を縮めていく。酔った辛辰を休ませようとする安小屿だったが、些細な口論の末、思わず心が揺さぶられるほど近づいてしまう。動揺した安小屿は辛辰を突き放し、逃げるようにベッドの下へ――。
栄光を失い、再出発を模索する安小屿と、彼を必死に支える辛辰。二人の絆は新たな局面を迎えようとしていた。
第11話 あらすじ
馮微凉(ホン・ウェィリィャン)と艾路威(アイ・ルーウェイ)は人気の頂点に立ち、連日のようにイベントで脚光を浴びていた。そんな彼女のもとに届いた差出人不明の花束――それが路昕からだと悟った瞬間、胸中は揺れ動く。柯有容のインタビューでは「辛辰に似ている」と指摘され、不快感を露わにする薇涼。「私は誰かの代用品じゃない。私は私よ」と強く主張するが、その孤独な叫びは胸の奥に沈み込む。
一方、辛辰が目覚めると、隣で眠る安小屿の姿に大声で悲鳴を上げる。昨夜、暗闇を怖がってベッドに潜り込んだのは安小屿に違いないとからかうが、彼は照れ隠しに辛辰へ「今日中に出ていけ」と突き放す。それでも辛辰は動じない。「私が帰るなら、一緒に来るのよ」と食い下がる。だが安小屿は「もう諦めた」と言葉を繰り返し、心を閉ざしてしまう。
撮影現場で温良を訪ねた辛辰は、代役と間違われて口論に巻き込まれる。食事に誘った温良は、安小屿の大好物であるケーキを前に、彼の過去を語り出す。母を深く愛していた少年時代、離婚後の父の暴力、暗闇に閉じ込められる恐怖。それでも歌を諦めず、貧しい暮らしの中で夢を追った若き日の安小屿――辛辰は「本当は彼が諦めるはずがない」と確信する。温良は家の鍵を手渡し、「自信に満ちた彼を取り戻してほしい」と託した。
辛辰は再び安小屿のもとへ。「私を追い出すなんて考えないで」と念を押し、彼の手にした歌詞に目を止める。それはかつてファンのために書いた曲で、結局は市場原理に押し流され、別の歌手に渡ってしまったものだった。辛辰は強く言う。「誰に否定されても、あなたの価値は消えない」。
その頃、柯有容は馮薇涼のインタビュー記事が高く評価され、編集長に抜擢される。かつて彼女を見下した上司を部下として迎え、運命は逆転した。慈善酒会では艾路威や路昕に辛辰の行方を問われ、彼女は苛立ちを隠せない。
一方、路昕を想う馮薇涼は地下駐車場で彼を待ち伏せするが、返ってきたのは「心にはまだ辛辰がいる」という残酷な言葉だった。
その夜、辛辰は安小屿の枕元にナイトライトを置き、彼の幼い恐怖をそっと和らげる。翌朝、目覚まし時計や録音人形に驚きながらも、安小屿の胸には温かな光が灯っていた。そんな折、辛辰が山中で足を滑らせ落下。薬草を摘んでいたのだ。駆けつけた安小屿は必死に助け出し、二人は再び心を通わせる。
嵐に見舞われ、山中のあずまやで一夜を過ごす二人。理想を語り合い、安小屿は自作の曲を披露する。辛辰は初めてその旋律を聴き、「繁星」と名付ける。夜が明け、救い出しに来た温良と再会した二人の姿には、かすかな未来への希望が差し込んでいた。
第12話 あらすじ
奪われた居場所、始まりの契約
辛辰(シン・チェン)は安小嶼(アン・シァォユー)にもう一度夢を取り戻してもらうため、彼に内緒でかつてのファンを呼び集め、サプライズのファンミーティングを仕掛ける。だが、突然の舞台を前に安小屿は「失望させるだけではないか」と不安に苛まれる。辛辰は強く背中を押した。「あの日、私を支えてくれた人々がまだいるように、あなたを待っている人も必ずいる」。勇気を得た安小屿は、自らの声に問題があることをファンに正直に打ち明け、それでも一曲を歌い切った。歌い終えた彼は、辛辰が与えてくれた勇気に深く感謝し、再起を決意する。
だがその矢先、契約違反の賠償問題が再び立ちはだかる。安父は記者会見による芸能界引退を迫り、拒めば一銭も援助しないと突き放した。安小屿は「父は一度も自分を認めなかった」と失望し、家を追い出される。辛辰は彼をセラ・ミュージックに連れ戻し、違約金分割の条件を取り付けるが、巨額の頭金600万元が必要だと知る。彼女は自宅を売却してまで資金を用意し、安小屿を守ろうと奔走する。
しかし、事務所は冷酷だった。新たな看板スター・艾路威(アイ・ルーウェイ)を推すため、安小屿に公開謝罪を強要する。辛辰は真っ向から拒み、「安小屿は宝物、艾路威はただのゴキブリ」と言い放つ。その一方で路昕は辛辰に詰め寄り、かつて彼女が用意した婚約指輪をめぐって激しく衝突。辛辰は「あなたが大切にしなかったおかげで、私は新たな一歩を踏み出せた」と告げ、過去に終止符を打った。
辛辰は正式に安小屿のマネージャーとなり、新人アーティストとして彼と契約を結ぶ。だが住む家を失った彼女に残されたのは、安小屿の質素なアパートだけ。寝室は一つしかなく、安小屿が譲った部屋で辛辰は暮らし始める。さらに生活費を稼ぐため、ホテルのジムで「生徒兼コーチ」として働くことに。スターの輝きを失った安小屿と、全てを投げ打って彼を支える辛辰。二人はようやく同じ場所から再出発するのだった。
一方、セラ・ミュージックでは艾路威のスケジュールが半年先まで埋まり、彼の天下が確立されつつあった。そんな中、辛辰は古くからの知己・温良(ウェン・リャン)と再会する。温良は自ら購入していた店舗の鍵を差し出し、「先に君が使えばいい」と告げる。新しい舞台の幕開けを予感させる出会いであった。
絶望の淵から再び立ち上がるための誓い、そして新たな絆。第12話は、辛辰と安小屿が夢を取り戻すために踏み出した、苦難に満ちた第二章の幕開けを描く。
マイ・ラブ♡スーパースター 13話・14話・15話・16話 あらすじ
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