漠風吟(ばくふうぎん) 偽りの公主、熱砂の愛 2024年 全26話 原題:漠风吟
第16話あらすじ
嵐の夜、霍擎雲は大胆な手腕で偽りの仮面を剥ぎ取り、厳重な警備をかいくぐり、老齢ながら尊厳ある容老を救出する。この作戦は皇北霜の綿密な計画によるもので、薬草知識を駆使した精巧な顔面皮と呉将軍の令牌の模造、さらには那戦の夜間習慣を利用したタイムリミット付きの大胆な救出計画だった。任務完了の合図として、二人は輝く花火を打ち上げることを約束する。
容老は霍擎雲の奮闘とその苦難への思いやりに感動し、那啓達の真の詔書を見つけ、大漠の民に正義を取り戻す手助けをするよう懇願する。しかし、詔書の行方を知る若伯は十五年前から行方不明であり、困難な状況が続く。呉将軍の厳重な捜索下、那戦は城門を閉ざし、秘密を知る者には容赦なく処刑を命じる。
一方、若問は黄天狂兵団を率いて麻随城外を襲撃し、城邦を築き南へ進軍する決意を固める。麻随城内では占別が援軍を求めるため単身で城外へ赴くが、和親の策により華羽将軍の娘たちが若問排除の機会を伺う。霍擎雲は容老を無事に安置した後、皇北霜と微妙な会話を交わすが、皇北霜は使命を果たすため雲沛に潜伏し続ける決意を固める。
祭酉節を迎え、皇北霜の正体を巡る策略が静かに動き出す。真渠幼佳は占別を利用し、皇北霜の九姫としての身分を暴露する計画を進める。一方、麻随の使者は華嬌と華婷を若問に献上し平和を交渉するも、若問は美色に惑わされず、逆に策略を見抜き一網打尽にする。祭酉節当日、大広間で皇北霜の正体が告発され、果児や占別を介して身分と忠誠を巡る対決が静かに幕を開ける。嵐夜の救出劇と祭酉節の策略が交錯し、物語は新たな緊迫の局面へと突入する。
第17話あらすじ
影と真実の交錯
祭酉節の祝宴は、静かなる緊張と激しい心理戦で幕を開ける。皇北霜は揺るぎなく自身の身分——雲沛霜夫人であることを宣言し、果児の混乱と非難を前に冷静さを保つ。しかし、宴会の主催者・那戦は事態を軽視せず、果児を連れ出して処刑を命じ、権力の冷酷さを示す。果児は真渠幼佳に助けを求めるも、彼女も自身の身を守るので精一杯だった。宴後、那戦は皇北霜に呼び止め、身分を問わず人としての価値を認めると告げる一方、占別は霍擎雲に皇北霜の母を人質に取る危険性を警告する。霍擎雲は冷静に対処しつつ、母親の救出を誓い、呉将軍は彼の特徴を注意深く記録する。
一方、若問は黄天狂兄弟を率いて麻随城を襲撃。城内に足を踏み入れると、微妙な細部から潜む危機を察知し、迅速に兵士たちを制圧する。乱戦の中で格心薇を庇い、互いの息遣いと心の触れ合いが静かに芽生える。若問は兵士を撃退し、麻随城を掌握するが、印章には興味を示さず、自由奔放な戦略で敵を翻弄する。格心薇は若問の力と度量に感銘を受け、互いの信頼と絆が戦場の中で静かに築かれる。
同時に、霍擎雲は皇北霜の安全確保に心血を注ぐ。彼は雲芳閣で皇北霜と密かに会い、彼女を守る決意を示すが、皇北霜は自らの使命を果たす覚悟を固め、霍擎雲を争いに巻き込むことを拒む。秘密の通路を呉将軍が発見し、状況は一層複雑化する中、皇北霜は霍擎雲に「共に生きるなら、雲沛と天都を敵に回す覚悟が必要」と告げ、二人は計画を練る。那戦は密かにその様子を観察していた。
やがて、皇北霜は荷物をまとめ居雲閣を去ろうとするが、偶然那戦と遭遇。彼は霍擎雲の正体を明かし、過去の陰謀と母の死に関わる衝撃の事実を突きつける。皇北霜の胸は張り裂け、霍擎雲への感情も複雑に揺れる。翌日、居雲閣で霍擎雲と皇北霜は対峙。皇北霜は短刀で彼を突き、北境領主としての正体を暴露するが、霍擎雲は弁解せず、むしろ心の重荷が軽くなったと感じる。しかし那戦は弓兵を潜ませ、緊迫の中で霍擎雲は負傷しながらも皇北霜を連れ出そうとする。皇北霜はさらに一刺しを加え、湖へ蹴落とすことで彼の行動を阻止。那戦は彼女の決断を称賛し、状況の安定を確認する。
麻随城の陥落と、雲芳閣の秘密通路の発見、そして霍擎雲と皇北霜の葛藤と決断──影と真実が交錯する舞台で、愛と忠誠、権力と策略が複雑に絡み合い、物語は次なる戦局へと静かに進む。果たして二人は互いの信念を守り、混迷の世界を生き抜くことができるのか。次集への緊張と期待が高まる、激動の第17話。
第18話あらすじ
誓いと裏切りの砂漠
麻随城に新たな秩序が訪れる中、格心薇は若問の部屋に居座り、これまでの約束の履行を迫る。若問は彼女の嘘を見抜き、ゲル・ジンチンが彼女を知らないことを指摘。正体を暴かれた格心薇は自らの名をナシュウと告白し、皇北霜が九公主の身分を放棄した今、麻随城への関心も薄れていたと語る。しかし若問はその思いを受け入れず、格心薇は彼にしがみつき、共に家庭を築きたいという深い願いを伝える。二人の絆は戦乱の中で静かに芽生え、互いの信頼と愛情を確認する時間となった。
一方、霍擎雲は沙曲の手で天都から救出され、危険な状況から離脱。皇北霜の手荒い行動による傷を知りつつも、霍擎雲はそれを自らへの借りと感じ、鎧を探し出させる。容老も負傷した彼を見舞い、過去の物語を語ることで霍擎雲に王家の使命と大漠の民の未来への責任を問いかける。かつて華明姫の助けを受けて『大漠奇巻』を完成させた計画が、母の死によって無残にも断ち切られたことを知り、霍擎雲は自らの行動と責任を深く考え始める。
その頃、雲沛と麻随では権力と戦略の嵐が吹き荒れる。若問は麻随を制圧し新政権「汾天」を宣言する一方、鸪劾部は厄娜泣を攻撃。霍擎雲は焦燥に駆られ援軍派遣を兄に願うも、冷たく拒絶され、二百鞭の刑を宣告される。しかし彼は怯まず、民を救う決意を貫くと宣言。皇北霜も那戦に正妻として認めさせ、厄娜泣救出のために積極的に出兵を要求する。二人はそれぞれの立場で民と使命を守る戦いに挑む。
同時に那戦は皇北霜の掌握を試み、彼女を跪かせるなど権力を誇示するも、皇北霜は『大漠奇巻』を巧みに用い、那戦に他の計略を許さない。霍擎雲は鞭打ちで極度に衰弱し、兄は密かに毒を盛らせる計画を企てるが、沙曲の阻止により実行は阻まれる。さらに那戦は呉将軍に霍擎雲への追撃を指示し、占別の母殺害の罪を彼に着せようと画策する。
その一方、若問は格心薇と街を歩きながら民衆の冷ややかな視線に直面。格心薇は優しく慰め、二人の未来を夢見るが、若問の胸には突如記憶の影がよみがえり、緊張が走る。蛮狐から厄娜泣の危機を知らされ、若問は事態の推移を注視するよう命じる。一方、占別は那戦に呼ばれ、母の遺体を葬った感謝を受けるが、同時に霍擎雲の居場所を告げられ、復讐の道具として短剣を託される。
愛と忠誠、策略と権力、そして裏切りが交錯する砂漠の物語。麻随城の新たな秩序、霍擎雲の覚悟、皇北霜の決意、若問と格心薇の絆──すべてが複雑に絡み合い、次なる運命の波へと導かれる第18集は、登場人物たちの心理と行動が緊迫感をもって描かれる、息をのむ展開の連続となる。
第19話あらすじ
策略と愛憎の狭間
天都の密偵は占別を利用して霍擎雲に近づかせる緊急任務を受ける。密偵の策略により、占別は劉啓の推薦で名医の助手を装い、霍擎雲の警戒を解かせようと接近する。しかし霍擎雲と沙曲は巧みにこの計画を見抜き、重傷を装って敵の注意を逸らす作戦を実行。占別は油断した隙を狙って霍擎雲を殺そうとするが、迅速な反応に阻まれ、激怒する。そこへ劉啓が割って入り、占別を刺殺。思惑は外れ、霍擎雲は那戦の陰謀を疑い始める。
同時に沙曲の調査により、鸪劾部の武器が雲沛から提供されていたことが判明。雲沛は北漠の混乱に乗じて部族を併合し、財宝の三割を独占する計画を密かに進めていた。霍擎雲は厄娜泣族を守るため、敵対勢力の排除を決意する。皇北霜は自身の身分を盾に軍を率いて天都へ向かい、厄娜泣族救出の先鋒を務めることを宣言。那戦は霍擎雲の首を持ち帰るよう命じ、密かに追跡者を配置して二人の行動を監視させる。
若問は格心薇が作った服を身に着け、民衆の前で笑顔を取り戻す。格心薇は彼を支え、二人の間に穏やかな愛情が芽生える。霍擎雲は一人で皇北霜に想いを告げるが、皇北霜は和平交渉に集中するため、感情に流されることを拒否。霍擎雲は感情を抑えきれず一瞬の行動に出るが、皇北霜を解放し馬で返すことで自らの愛を示す。
和平交渉では、皇北霜が遺書を手渡し、霍擎雲は愛の証を破棄して二度と会わない決意を表明。霍擎雲は酒に溺れ自らの無力を痛感し、皇北霜も独り思いにふける。容老は霍擎雲を慰めつつ、弱みを見せず民を守る覚悟を説く。さらに、過去に若伯が猫と太子をすり替えた事件に触れ、安児の存在に注意を促す。霍擎雲は安児の烙印から、彼がまだ生きている可能性を感じる。
物語の終盤、皇北霜は黄天狂兵団に包囲され拉致され、劉啓は焦燥の中で暗殺計画を立てるも、霍擎雲はそれを察知し、沙曲に慎重な指示を出す。策略と愛憎が交錯する中、霍擎雲と皇北霜、そして若問と格心薇の運命は、次なる激動の展開へ向かって動き始める。
第19話は、陰謀と愛情、策略と忠誠が交錯する緊迫の回。人間関係の複雑さと戦略の巧妙さが鮮明に描かれ、次の展開への伏線が緻密に張り巡らされている。
第20話あらすじ
真実と裏切りの交錯
霍擎雲は約束通り雲刺泉へ向かうが、そこには兄・霍言が待ち構えていた。表向きは休息を勧める兄だが、内心では霍擎雲の背中の傷を観察し、その状態を見極めていた。霍擎雲は自らの無力さを痛感し、兄への負担を分かち合えなかったことを悔やむ。霍言は幼少期に奪った玉のペンダントを返し、来世でも兄弟でありたいと告げるが、同時に剣を向ける。緊迫した瞬間、沙曲らが駆けつけて霍擎雲を護衛し、事態は収束する。
霍擎雲はこの機会に、衣服から劉啓と雲沛の共謀を示す重要な手紙を取り出す。霍言がその内容を確認すると、長年騙されていた事実に愕然とし、城主の座を譲ろうと焦る。しかし霍擎雲は、城主の座を狙ったことは一度もなく、兄を支えるだけだと断言する。その後、劉啓に厳しい尋問を行い、彼は那戦による脅迫や母の操られた事実を白状。さらに沙曲の調査で、那戦が麻随母娘を誅殺する計画を緻密に練っていた証拠も発見される。激怒した霍擎雲は即刻処刑を望むが、沙曲は証拠保持のため自白書作成を説得し、霍擎雲は劉啓に署名させることで確固たる証拠を得る。皇北霜への直接会見は避け、沙曲に自白書を届けさせることを決意する。
一方、皇北霜は若問に拉致され汾天へ連れ戻される。彼女の目的は建築篇を探すことであり、若問との取引で麻随の守備情報を提供していた。しかし若問は建築篇を見つける前に、ゲル・ジンチンを皇北霜に差し出す。傲慢なゲル・ジンチンに対し、皇北霜は躊躇なく短刀を突き立て、血の制裁を加える。若問はその勇敢さを称賛するが、格心薇は嫉妬の感情を抑えられず、二人の間で微妙な空気が流れる。
霍擎雲は汾天に潜入し、若問から皇北霜の真意を引き出そうと試みる。霍擎雲が皇北霜の前に現れると、彼女は背を向けて去ろうとするが、霍擎雲は九夫人を殺したのは自分ではないと必死に訴え、両親の位牌の前で誓いを立てて真実を明かす。皇北霜は劉啓の自白書を受け取り、那戦の策略による偽情報だったことを知ると、胸の痛みを抑えきれず跪いて声をあげて泣き崩れる。
第20話は、兄弟の絆、策略と裏切り、愛と責任が交錯する回。霍擎雲は重責を抱えながらも真実を追求し、皇北霜は深い悲しみの中で真実に向き合う姿が描かれ、物語は次なる激動の展開へと進んでいく。
漠風吟(ばくふうぎん) 偽りの公主、熱砂の愛 21話・22話・23話・24話・25話・26話(最終回)
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