星漢燦爛(せいかんさんらん)

星漢燦爛

星漢燦爛(せいかんさんらん)13話・14話・15話・16話 あらすじ

星漢燦爛(せいかんさんらん) / 2022年 (星漢燦爛 全27話 + 月升滄海 全29話) 原題:星汉灿烂 /月升沧海

13話あらすじ

程止一行が骅県の県令府に入ると、そこではすでに程老県令が子や孫とともに城と運命を共にしたことが知らされていた。乱世の中、国を守るために一族で殉じたその最期に、程止も程少商も言葉を失い、深い悲しみに包まれる。程止は、もし自分が清県に寄らず急いで戻っていれば、老県令を孤立させずに済んだのではないかと、強い自責の念に苛まれる。

一方、骅県の別院では文帝が凌不疑の容体悪化を前に落ち着かない様子を見せていた。文帝は凌不疑の舅父と幼少期から兄弟同然に育ち、その一族が国のために命を落としたことを今も悔いている。その思いから、霍家の栄光と期待をすべて凌不疑一人に背負わせ、せめて娶妻し子を成し、家を存続させてほしいと願ってきた。しかし凌不疑は縁談を拒み続け、戦場に出ては傷を負う。その姿に文帝は憤りつつも、心配せずにはいられない。

凌不疑が「再び裕昌郡主との婚姻を迫るなら戦場で死ぬまで戦う」と口にすると、文帝は不孝だと叱りながらも、医師には「くれぐれも丁寧に治療せよ」と念を押す。やがて護衛から、凌不疑が程少商の危機を知って駆けつけ、彼女に矢を抜いてもらった一部始終を聞かされると、文帝は一転して上機嫌となり、程少商の人柄や様子を詳しく尋ねるのだった。

その頃、程少商は程老県令の孫娘・程小妹が見つかったと聞き、楼垚とともに医館へ向かう。重傷を負った幼い少女は、亡き家族の名を呼び続け、「本当はただ一緒にいてほしかっただけ」と呟く。その言葉は、幼い頃に両親と離れて育った程少商自身の記憶と重なり、胸を締めつけた。程小妹が差し出した一片の饴糖(あめ)に、程少商は失われてもなお残る“温もり”の大切さを思い出す。

医館には、家族を失い生きる意味を見失った人々が溢れていた。脚を失った男、辱めを受け将来を悲観する女――彼らの姿に、程少商は涙ではなく怒りを見せる。「生き残ったのは偶然ではない。あなたたちは、家族が命を懸けて残してくれた“未来”を生きる責任がある」と訴え、血脈を絶やさず、生き抜くことこそが亡き者への弔いだと語る。その言葉は人々の心を打ち、次第に治療を受け入れる者が増えていく。楼垚は、程少商の強さと優しさに改めて心を打たれる。

復興に向け動き出した程少商は、資金不足という現実に直面する。楼垚は迷いなく私財を差し出し、「名声ばかり追ってきた自分が、初めて人の役に立てた」と語る。そこから着想を得た程少商は、寄付者に官からの表彰を与える募金策を考案し、見事に資金を集める。程止や桑舜華も、その才覚に舌を巻く。

瓦礫の町で、程小妹が未来の家を夢見て絵を描き、笑顔を取り戻していく姿は、程少商と楼垚の心を温かく満たす。楼垚は献身的に程少商を支え、彼女もまた彼の細やかな気遣いを評価する。何気ない言葉の行き違いから、楼垚は「ついに程始に会えるのか」と早合点し、喜び勇んで走り去る。その背を見送りながら、程止と桑舜華は静かに微笑む。

一方、文帝は程止の奏折を手に、あえて凌不疑の前で骅県復興と程少商の名を口にする。案の定、凌不疑は即座に反応し、殉国した程老県令への褒賞を自ら申し出る。文帝はその真意を見抜きながらも、彼に再び程少商と近づく機会を与えるのだった。さらに骅県に届けられた匿名の多額の寄付――それは凌不疑が密かに差し向けたものであり、彼は「助けになればそれでいい」と名を明かさない。

そして袁慎もまた、夫子とともに骅県へ向かう決意を固める。表には出さぬ想いを胸に秘めながら、彼もまた程少商の安否を案じていた。

復興の中で芽生える希望と、それぞれの胸に秘めた想い。
凌不疑、楼垚、袁慎――程少商を巡る運命の糸は、骅県で再び交錯し始める。
次回、戦乱の傷跡の中で“恋”と“覚悟”が大きく動き出す。

 

14話あらすじ

程老県令の葬儀の日、骅県には重苦しい空気が漂っていた。そこへ凌不疑が黒甲衛を率いて現れ、文帝の聖旨を読み上げる。程老県令はその忠義と犠牲を称えられ、「関内侯」に追封されたのだ。程止は骅県の百姓を率いて棺を見送り、城を守るため命を捧げた老県令への感謝と哀悼が、町全体を包み込む。民は号泣し、乱世における“為政者の覚悟”を、その背中で教えられた思いだった。

葬列の中、程少商は楼垚と並んで跪いていた。楼垚はこの出来事を通して、なぜ父や兄が自分に功名を求め続けたのかをようやく理解する。官として一地を治め、人々の暮らしを良くし、その感謝を受け取る――それこそが学問を修めた者の本分なのだと悟ったのだ。楼垚は程少商に、これからは程老県令のように民のために尽くし、共に一方を照らす存在になりたいと誓う。

一方、袁慎の夫子は、程止が桑舜華を思いやり深く支える姿を目にし、ようやく胸のつかえが下りたように感じる。かつての因縁に区切りをつけ、静かに都へ戻る決意を固め、袁慎もそれ以上は引き止めなかった。

しかし悲しみは続く。重傷を負っていた程小妹は、ついに息を引き取る。程少商は深い自責と悲嘆に沈み、彼女を家族と同じ墓に葬る。雨が降りしきる中、程少商は墓前で笛を吹き、幼い命と、叶えられなかった未来を弔う。その姿を見て凌不疑は声をかけようとするが、楼垚が先に彼女の傍に寄り添った。

程少商は、自分は何一つ守れなかったと涙を流す。人を救えず、父や兄のように剣を取って戦うこともできない――そんな自責の念に、楼垚は真っ向から否定する。骅県を再建し、農具を改良し、人々の心を奮い立たせたのは誰なのか。今や骅県で程少商の名を知らぬ者はいない。彼女は剣ではなく知恵と心で人を救ったのだと、楼垚は力強く伝える。その言葉に、程少商の心は少しずつ救われていく。

凌不疑はその様子を遠くから見つめ、静かに立ち去る。彼は「血に塗れた自分は、今の彼女が最も会いたくない存在だ」と呟く。部下は、彼らの殺戮は守るためのものだと諭すが、凌不疑は「それでも血を流させた事実は消えない」と、深い孤独を抱えていた。

やがて楼垚は家に書状を送り、程少商への想いを正式に伝える。楼家から程家へ聘礼が届けられ、程始は急ぎ骅県へ駆けつける。最初こそ慎重だった程始も、楼垚が心から程少商を称える姿にすっかり機嫌を良くし、この縁談を前向きに受け止める。しかし萧元漪だけは強く反対する。楼家二房の立場の弱さを理由に、娘が将来苦労するのではないかと案じたのだ。

程老太太は聘礼に執着して反対せず、母娘の対立はさらに深まる。ついに萧元漪は聘礼を返すと宣言し、老太太を強引に部屋へ戻させる。

一方、朝廷では樊昌の処遇を巡り意見が分かれていた。文帝は旧友として情を見せようとするが、凌不疑は彼に悔悟の色はなく、同党をかばっていると断言する。最終的に文帝もその意見を受け入れ、樊昌は都へ送られることとなる。そこへ程少商と楼垚の縁談の話が及び、文帝は凌不疑の無表情な顔を見て、静かにため息をつくのだった。

骅県では、萧元漪が楼垚を厳しく問い詰め、程少商を庇う彼女と激しく衝突する。夜、密かに会った二人は再び見つかり、母娘の口論は決定的なものとなる。程少商は「母は自分を見下している」と言い放ち、萧元漪は「愛のない婚姻では共に苦難を越えられない」と譲らない。互いに譲れぬ想いがぶつかり合い、桑舜華はただ見守ることしかできなかった。

縁談は進むのか、それとも破談か。
楼垚の真心、凌不疑の沈黙、そして母娘の深い溝――
程少商の“選択”が、物語を大きく動かし始める。
次回、恋と家族の狭間で、彼女は何を選ぶのか。

 

15話あらすじ

程少商は、自分と楼垚の関係が「男女の情」と呼べるものなのか分からず、そもそも恋愛とは何なのかを知りたいと考えるようになる。そこで彼女は符登を半ば脅すようにして、男女の情事や恋愛を描いた小人書を大量に集めさせた。最初は人目を気にして読むことをためらっていた少商だったが、ちょうど楼垚が訪れ、彼が「書院では皆こうした本を読んでいたし、孔夫子も“食色性也”と言っている」と平然と語るのを聞き、少商は「聖人の言葉なら間違いない」と妙に納得し、二人で一緒に読むことになる。

しかし読み進めるうち、少商は次第に苛立ちを募らせる。どの話も、女性が控えめで従順であることを求められ、男性に寄り添い尽くす姿ばかりが描かれており、男女が対等に並び立ち、共に生きる関係はどこにも見当たらなかった。少商は「男女はどうしてこうも不公平なのか」と疑問を抱き、結局、男女の情とは何なのか分からないままだと嘆く。すると楼垚は笑いながら、「今こうして共に過ごし、語り合っていること自体が、すでに情なのではないか」と語り、少商はその言葉に目を見開き、ようやく肩の力を抜くのだった。

一方その頃、桑舜華は蕭元漪に対し、程少商と楼垚の縁談を過度に妨げないよう諭していた。蕭元漪は楼垚の人柄や誠実さは認めているものの、楼家二房の立場が弱いこと、娘が嫁いだ後に不利な扱いを受けるのではないかという不安を拭いきれずにいた。さらに、姉である程姎より先に少商が婚約することにも抵抗を感じている。桑舜華は、親が強く反対すればするほど若い男女は結束を強めるものだと指摘し、むしろ自由に任せた方が、互いに本当に相応しい相手かどうかを見極められるのではないかと提案する。

やがて少商と楼垚は馬車で郊外へ出かけ、景色の良い場所で少商は即興で笛を吹く。その音色に引き寄せられるように現れたのが、袁慎の師であり桑舜華のかつての許婚だった皇甫儀であった。彼はこの車架が昔、自分が桑舜華に贈ったものだと気づき、雨を避けるために上骅別院へ招く。そこには偶然、療養中の凌不疑と袁慎が滞在しており、少商と楼垚の姿を見た二人の胸には、複雑な感情が広がる。

雷鳴が轟く中、楼垚が自然と少商の耳を塞いで守る姿を見て、凌不疑と袁慎は何も言えず視線を逸らす。その後、袁慎は意図的に二人を引き離し、楼垚を呼び出して学問を口実に拘束するが、話題はいつしか少商との婚約理由へとすり替わる。袁慎は少商と凌不疑の過去を仄めかし、彼女を信用するなと忠告するが、楼垚は「程少商はそのような女子ではない」と強く否定し、少商への信頼を揺るがせなかった。

宴の席で皇甫儀は、自身と桑舜華の過去を語る。若き日の自分が彼女の容姿に迷い、動乱を理由に七年も離れたこと、そしてその間、桑舜華が一途に待ち続けたにもかかわらず、再び彼女を失望させたことを悔やむ姿に、少商は「想いがあるなら選び続ける覚悟を持つべきだった」と厳しく指摘する。もし愛する人と他人が同時に危機に陥ったら誰を救うのかという問いに、凌不疑は迷いなく「心から愛する者を救う」と答え、少商の考えを支持する。楼垚も同調し、皇甫儀は深い後悔に沈むのだった。

夜更け、凌不疑は外で少商と再会し、寒さを案じて外套を差し出すが、少商はそれを辞退する。凌不疑は「人生百年、誰と道を共にするかがすべてだ。今の選択は本当に正しいのか」と問いかけるが、その答えを聞く前に楼垚が現れる。少商は迷いなく楼垚のもとへ向かい、二人は手を取り合って去っていく。凌不疑はその背中を見つめながら、言葉を失うのだった。

 

16話あらすじ

前夜、上骅別院では皇甫儀が酒に溺れ、泥酔したまま桑舜華の名を何度も叫び続けていた。かつて自分が手放した想いの重さを、今になってようやく思い知ったものの、すでに取り返しはつかない。悔恨に満ちた叫びは夜空に虚しく響き、彼の後悔の深さだけが際立っていた。

翌朝、程少商と楼垚は別院周辺に狼が出没するのかを凌不疑に尋ねるが、凌不疑は意味深な笑みを浮かべるだけで答えを濁す。やがて二人は骅県を離れることになり、少商は凌不疑に別れの挨拶をする。凌不疑は彼女のために車架を密かに修繕しており、その心遣いに少商は素直に感謝するが、その距離感はどこか微妙なものでもあった。

一方、袁慎は皇甫儀に叩き起こされ、昨夜自分に縋りついて泣き叫んでいた姿を思い出し、言葉を失う。皇甫儀は「桑舜華に謝罪に行く」と言い出すものの、いざ出発しようとすると足がすくみ、結局また天を仰いで嘆くだけだった。その優柔不断さこそが、彼がすべてを失った理由であることを、彼自身が最もよく分かっていた。

程少商は帰宅後、桑舜華の過去を思い、理不尽な別れに胸を痛める。すると桑舜華は、少商に静かに語りかける。「これからどんな人に出会っても、決して男のために自分を犠牲にしてはいけない。それは決して値しないことだから」。その言葉は、少商の胸に深く刻まれる。

やがて程始夫婦は程少商を連れて都城へ戻ることになる。別れの際、少商は桑舜華に何度も身体を労わるよう念を押し、程止にも彼女を大切にするよう頼む。その様子を見て、蕭元漪は複雑な思いを抱く。かつて娘が家を離れた時、振り返りもせず去っていったことを思い出し、思わず不満を漏らすが、程始に鋭く問い返され、言葉を詰まらせてしまう。

その頃、凌不疑は桃花別院で母・霍氏を見舞っていた。夫の裏切りによって心を病んだ霍氏の記憶は嫁入り前で止まり、実の息子である凌不疑のことさえ覚えていない。彼を遠縁の親戚として扱う母の姿に、凌不疑は静かに耐えるしかなかった。そこへ城陽侯が現れると、霍氏は恐怖に取り乱し、凌不疑は人を下がらせる。城陽侯は軍械事件の追及をやめるよう忠告するが、凌不疑は真実を知ることだけを求め、決して退こうとしない。

程家の馬車が城門に差しかかると、重要犯人が逃亡中だとして検問で足止めされる。楼垚は終始少商を気遣い、蕭元漪はその親密さに眉をひそめるが、程始はむしろ好ましく思っていた。そこへ黒甲衛を率いた凌不疑が現れ、程家を城内へと護送する。程始が礼を述べると、凌不疑は「我々は生死を共にした仲であり、恩義では語れない」と語り、少商は思わず緊張を覚える。

帰宅後、萧元漪は程少商を呼び出し、凌不疑との関係を問いただす。程始は凌不疑が少商に想いを寄せていると率直に告げるが、少商自身は意に介さず、すでに楼垚と婚約していると答える。萧元漪はなおも不安を口にするが、少商は「今の自分を受け入れてくれる人は楼垚しかいない」と本心を語る。

かつて占いによって娘を手放した過去を突きつけられ、萧元漪は心を抉られる。それでも彼女は涙をこらえ、「これからは反対しない。自分の人生をきちんと生きなさい」と告げる。少商は喜び勇んでその場を去り、残された萧元漪は程始の胸にすがり、静かに涙を流すのだった。

 

星漢燦爛(せいかんさんらん)17話・18話・19話・20話 あらすじ

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