似錦 ~華めく運命~

似錦 ~華めく運命~

似錦 ~華めく運命~ 21話・22話・23話・24話・25話 あらすじ

似錦 ~華めく運命~ 2025年 全40話 原題:似锦

第21話あらすじ

第21集 「交錯する宿命 ― 弓の記憶と姉妹の影」

姜似(きょうじ)が意識を取り戻すと、目の前には大師兄の姿があった。彼は姜似がなぜ全てを知っているのかと問い詰め、緊張が走る。そこへ余七が現れ、事態を見守る。龍旦は冷静に言い放つ――姜似がすでに南烏の者たちと接触している以上、もはや疑う余地はないと。そう言うと彼は弓矢を余七に手渡し、決断を迫った。

余七が弓を構えると、姜似の脳裏に前世の記憶がよみがえる。あの時も――この男が自分を狙っていたのだ。運命が再び同じ光景を繰り返そうとしているのか。だが今回は違った。余七は弓を置き、静かに言った。「前は殺せるかと問われたが、今はもうできない」と。彼は部下たちに命じて周囲を包囲し、賭博客たちを拘束させる。姜似は混乱の中、大師兄に裏口から逃げるよう促すのだった。

取り調べが始まる。姜似は「手紙を横取りされ、罠に誘い込まれた」と説明する。余七が「会うはずだったのは甄珩(しんこう)か?」と問うと、姜似は「あなたも知る人物――さっき私を弓で狙った男よ」と返す。その言葉に余七は驚き、「自分ではない」と否定した。姜似はさらに問い詰めた。「もし私が南烏と関係を持ったら、あなたは私を殺すの?」――余七は首を横に振り、「殺さない」と答える。

箱の中から見つかったのは、現政権の役人たちとの契約書の束。そして南烏語で書かれた紙片。大周では学習が禁じられているその文字を、余七は流暢に読んでみせた。甄珩が「なぜ読める」と問うと、余七は「姜似も知っているようだ」と意味深に答える。姜似は皇帝崩御の真相を語る――病死とされたが、実は南烏人の手による暗殺だった。日食の日、天が暗くなり蝋燭も灯せなかった――その忌まわしい記憶が、前世の罪と重なっていく。

姜似は秋の狩りへの同行を余七に問い、彼は即座に「行く」と応じた。彼らの間には、再び不思議な絆が芽生え始めていた。前世、南疆で共に過ごした日々――余七は敵国の言葉を学び、「敵を知り己を知れば百戦危うからず」と信じていた。だが姜似は、心の中で呟く。「真に戦わずして勝つ者は、剣を抜かぬ者だ」と。かつての悲劇を繰り返さぬよう、彼女はこの輪廻の意味を見つめ直していた。

一方、姜家では嵐が吹き荒れていた。三娘(さんじょう)は婚約を拒み、激しく反発する。二爺は「もう決まったことだ、まずは会ってみろ」と説得するが、三娘は心を閉ざす。姜似五娘を呼び出し、嫁ぎ先での生活を尋ねつつ、三娘を説得してほしいと頼む。乳母が五娘を連れて戻ると、三娘は「気分が悪い」と部屋に引きこもってしまった。

そのころ、余七甄珩を訪ね、礼部侍郎・周儀の取り調べを申し出る。甄珩は「彼も賭博師の一味に加担している」と語り、姜似が差し出した契約書を見て目を見張った。そこには、官と裏社会の癒着を示す決定的な証拠が記されていた。

一方、三娘は密かに家出を企てる。五娘が異変に気づき、乳母が止めに入るも時すでに遅し。祖母が激怒し、「家族を捨てて何をするのか」と叱責するが、三娘は涙ながらに言い返す。「家の印を押して私を売ったのは、あなたたちよ」と。二爺は激怒し、彼女を禁足処分に。さらに側室には躾の責任を問う。

三娘は部屋に戻ると、五娘を恨んだ。「あのことを告げ口したのね」と。側室は五娘を呼び、「あれはお前の姉だ、なぜ裏切るの」と詰め寄る。五娘もまた涙をこらえ、「皆がそう思うなら、私はこの家を出る」と言い放った。

それぞれの信念が衝突し、姉妹の絆に亀裂が走る。南烏との陰謀、皇帝暗殺の真相、そして姜似の前世からの宿命が交錯する中――再び、運命の弓が引き絞られようとしていた。

 

第22話あらすじ

第22集 「日蝕の下の真実 ― 隠された毒と父子の再会」

余七(よしち)甄珩(しんこう)は、礼部侍郎・周儀(しゅうぎ)を巧みに誘い出し、盃を交わしながら夜莺門(やおうもん)との関係を探る。酔いが回るにつれ、周儀はしだいに口を滑らせた。彼は賭博で大金を失い、借金返済のために夜莺門へ加担せざるを得なかったのだ。依頼内容は「秋の狩猟の際、蝋燭を壊す」という一見取るに足らぬ仕事。だが姜似(きょうじ)は静かに告げる――「小さな綻びが、国をも崩すことがある」と。彼女はさらに詰問する。「誰が同じことをしているのか」。周儀の記憶の底に、ある宮女の姿が浮かんだ。弟が賭博で身を滅ぼし、身代金を払うために金を差し出した宮女。彼女は“膳食”を司る役職にあり、必ずや皇帝の食膳に毒を仕込むだろうと。

余七周儀にその宮女の容貌を描かせ、捜索を命じる。一方、姜家では別の波乱が起きていた。三娘(さんじょう)が入浴後に体を冷やし、重い病に倒れたのだ。母の肖氏(しょうし)は怒りに震え、「三娘に息がある限り、婚家の蕭家に必ず会わせる」と強引に命じる。彼女は病の原因が阮姨娘(げんいじょう)の陰謀だと疑っていたが、阮姨娘自身も三娘が無理をして病を得たと知り、深く嘆いた。「もし知っていれば、絶対にそんなことはさせなかったのに……」と。乳母は宝石を届けて三娘を慰め、「五娘(ごじょう)も反対している」と告げたことで、初めて阮姨娘らは五娘が自分たちを害していなかったと悟る。

しかし、待ち望んだ蕭家の使いは一向に現れなかった。二爺は苛立ちと失望を隠せず、「これほど礼を欠く家とは思わなかった。縁談は終わりだ」と吐き捨てる。だがその裏には、五娘の秘策があった。彼女は密かに夫へ手紙を送り、関係者の伝書を差し押さえるよう働きかけていたのだ。その結果、蕭家は「姜家が縁談を断った」と誤解し、来訪を取りやめた。五娘は「これで三姉上は救われた」と安堵しつつも、「私はもうこの家を離れる」と決意を告げる。「私が去ったことにして。そうすれば後で知られても誰も疑わないわ」。その言葉には、妹としての覚悟と哀しみが滲んでいた。

一方、姜似桑奇(そうき)を訪ねる。彼は沈黙を守っていたが、姜似は穏やかに、しかし確かな意図をもって「すべてを話せ」と促した。だがその目的は別にあった――桑奇が隠していた“毒サソリ”の所在を突き止め、それを解き放つこと。彼女はもう、前世と同じ道を辿るつもりはなかった。敵対ではなく、理解と赦しの先に新たな運命を見出そうとしていたのだ。

やがて秋の狩猟の場が訪れる。皇帝と廷臣が集う華やかな一日に、暗雲が忍び寄る。余七は標的の宮女を発見し、静かに近づいた。「あなたの手ぬぐいを拾った」と声をかけるが、宮女は「私のではありません」と否定。そこへ甄珩と主事が駆けつけ、詰問が続く。ついに宮女は観念し、「確かに私のものです」と認めた。手ぬぐいには微量の毒が仕込まれており、甄珩の命令で即座に拘束される。

「証拠不十分のまま判決を下すのは、初めてだ」と甄珩が呟くと、余七は「それでも正しい」と答えた。だがその瞬間――空が暗転し、日食が始まる。神が怒りを示すかのように、大地が震え、皇帝の陣屋で爆発が起きた。余七は即座に飛び込み、炎の中から陛下を救い出すが、自身は刃に貫かれて倒れた。

太医が駆けつけると、余七の体には古傷が幾重にも刻まれていた。今回の傷はそれらを悪化させ、長期療養が必要と診断される。皇帝は静かに語る――「そなたが郁錦(いくきん)であること、とうに知っていた。毎年絵師に命じて肖像を描かせたのは、そなたに会いたかったからだ」と。失われた父子の絆が、血と炎の中でようやく交わる。

そして余七は、刺客の体に香粉を塗っておいたと告げる。水に触れれば浮かび上がる印――それが真犯人を暴く唯一の手掛かりだった。闇はまだ終わらない。日蝕の影が消える時、誰の罪が照らされるのか――。

 

第23話あらすじ

第23集 「聖女の道 ― 郁錦の誓いと揺らぐ均衡」

捕らえられた宮女は「ただ汚れた香袋を誤って身につけただけ」と必死に弁明したが、郁錦(いくきん)はその言葉に惑わされなかった。彼は姜湛(きょうたん)を呼び、即座に女を拘束させる。刺客を捕らえた功績により、皇帝は甄珩(しんこう)と郁錦の両名を「功臣」として讃え、後日に改めて褒賞を授ける旨を伝えた。だが宮中の祝賀の空気の中、微かな緊張が流れていた。姜湛は「今回の功績、どれほどのものか見せてやろう」と甄珩に誇らしげに語るが、甄珩は冷静に「主功は郁錦のものだ」と返す。その一言が、姜湛の心に嫉妬の火を灯した。

さらに彼の目に映ったのは、郁錦が持つ香袋――それはかつて姜似(きょうじ)から自分に贈られたものと全く同じだった。怒りを抑えきれず「それは俺の妹のものだ!」と食ってかかるが、甄珩は静かに「彼こそ、その香袋にふさわしい男だ」と言い放つ。姜湛は言葉を失い、胸の奥にわだかまりを残す。

一方その頃、街では「郁錦が重傷で危篤」という噂が広がっていた。買い物の途中でその話を耳にした姜似は顔色を変え、彼のもとへ駆けつける。彼女の問いかけに郁錦は「大丈夫だ」と微笑むが、龍旦(りゅうたん)が「太医は傷が深いと言っていた」と口を挟み、姜似の不安を募らせる。郁錦はその言葉を制し、ただ静かに姜似を抱き寄せ、唇を重ねた――言葉よりも確かな約束として。

一方、皇帝の前には崔将軍が呼ばれていた。皇帝は突然、「余七こそ、七皇子・郁錦である」と告げる。崔将軍は驚愕し、「陛下は毎年郁錦殿下の様子を見せよと命じていたのに、なぜ……」と問う。皇帝は目を細め、「彼は決して己を見せようとせず、ただ遠くから伝言を寄越すばかりだった」と静かに語った。父と子、互いに歩み寄れなかった歳月の長さが、言葉の隙間に滲む。

その頃、甄珩のもとに桑奇(そうき)が運び込まれる。医師の診立ては「サソリの毒」。種類は不明で、治療には命を懸けた試行が必要だという。甄珩は「彼のサソリは厳重に封じてあったはずだ。なぜ今になって出た?」と眉をひそめる。調べの中で、姜似が牢屋を訪ねた際に郁錦の令牌(れいはい)を持っていたことが判明する。郁錦はその話を聞き、かつて姜似が自分の衣を整えたとき、密かに令牌を持ち去ったことに気づく。甄珩は「まさか姜似を疑うのか」と問うが、郁錦は首を振り、「二度とそんなことはない」と断言した。

彼らは天香閣を訪ね、柳煙児(りゅうえんじ)という女を探すが、すでに姿を消していた。店主によると、彼女は「家庭に不幸があった」と言い残して転居したという。郁錦はその背後に大きな陰謀の影を感じ、真相を追う決意を固めた。

一方その頃、城外の廃寺。大師兄たちが密かに潜み、南烏からの使者・桑奇を待ち伏せしていた。桑奇は大長老からの竹筒書簡を携え、「すぐに戻れ」と命じられていたが、そこには見えざる策謀の匂いが漂っていた。

その夜、郁錦姜似を訪ねる。そこに現れたのは、かつて桑奇の診察を担当した医師だった。郁錦が問い詰めると、姜似は静かにすべてを明かした――「桑奇を逃がしたのは私です。医師にも口止め料を払いました」と。驚く郁錦に、彼女は理由を語る。

「大周と南烏は何十年も戦ってきました。勝敗はあっても、勝者はいない。死んだ兵の背後には、皆、家族がいる。私は桑奇を通して、憎しみではなく共存の道を見つけたいのです」

その言葉に郁錦は沈黙し、ただ彼女の覚悟を見つめた。遠く離れた南烏の大長老は、竹筒の書簡を見つめ「筆跡は確かに我が手によるものだが、これは私が書いたものではない」と告げる。偽書――何者かが両国を再び争わせようとしていた。

郁錦姜湛は宮中へ戻り、司天監の調査を進言した。「もし天狗食日の異変を予測できなかったなら職務怠慢、できたのに報告しなかったなら欺瞞だ」と。皇帝は司天監の報告書を差し出すが、郁錦はそこに南烏語が混じっていることに気づく。甄珩は即座に膝をつき、「この命を賭けて誓う。郁錦は決して二心を抱かぬ」と進言する。

皇帝は甄珩に退席を命じ、郁錦を静かに見据えた。「宴の準備が整った。そなたを母后に会わせよう」と。その言葉に、郁錦の瞳に一瞬の揺らぎが走る。

宮門の外では、甄珩が雨の中に立ち尽くしていた。豪雨が滝のように降りしきる中、一人の娘が足早に通りかかる。甄珩は思わず声をかけた。「ここへ、雨宿りを」。その瞬間、濡れた世界に新たな物語の幕が静かに上がろうとしていた――。

 

第24話あらすじ

第24集 「再会の宴 ― 秘められた真実と揺れる心」

雨上がりの宮門前。甄珩(しんこう)は、雨宿りを共にした一人の女性から「宮殿の外は、とても賑やかなのでしょうか」と尋ねられる。彼は穏やかに笑い、「ええ、とても賑やかです。花が咲き、子どもたちの笑い声が絶えません」と答えた。その声に、女性はしばし耳を傾け、雨の匂いの残る空気の中で微かに微笑んだ。雨が止むと、彼女は「大人様、ありがとうございました。私が宮殿までお送りしましょう」と告げる。その仕草に甄珩は違和感を覚え、やがて気づく――彼女の瞳は焦点を結ばず、光を映していなかった。そう、この女性こそ、宮中でも長らく姿を見せなかった盲目の姫・**福清公主(ふくせいこうしゅ)**であった。

公主の侍女たちが駆け寄り、心配そうにその身を支える。公主は「大丈夫」と静かに言い、甄珩を宮殿の外まで送らせた。その去り際、甄珩はふと振り返る。彼女の耳元に、雨上がりの風がかすかに流れ――まるで過去と未来を繋ぐ予兆のようであった。

その頃、姜似(きょうじ)は家で魚のスープを煮ていた。湯気とともに漂う香りに父親や家人たちは顔をほころばせ、「久しぶりに旨い」と声を上げる。だが、穏やかな家庭の温もりの裏で、宮中には新たな波紋が広がっていた。崔明月(さいめいげつ)郁錦(いくきん)のもとを訪れ、突然「親しくなりたい」と申し出たのだ。

郁錦は迷いもなく「お断りする」と答える。すると崔明月は口を歪め、「郁錦姜似を想っているのは知っている。でも彼女は身分の低い女。七皇子のあなたが一緒になれるはずがない」と言い放つ。そして、挑発するように「もし私を拒むなら、姜似に頼むわ」と迫る。

その瞬間、郁錦の目が鋭く光った。「以前、私が言った言葉を忘れたか?」――静かながらも威圧的な声音だった。その場に偶然、魚のスープを届けに来た姜似は、そのやり取りを耳にし、愕然とする。「余七……あなたが、あの“不運な七皇子”だったなんて。」信じられない思いで、彼女は立ち尽くした。

崔明月がなおも郁錦にすがりつこうとしたとき、彼は冷たく言い放った。「私はお前に興味はない。出て行け。」屈辱に震える崔明月が手を上げようとした瞬間、郁錦がその腕を掴んで止める。沈黙が流れ、崔明月は唇を噛みしめて去っていった。

残された姜似は怒りを隠せず、「あれほど恥知らずな人間がいるとは思わなかった。相手にその気がないと言われても、執拗に絡むとは。彼らの教養とは、そんなものなの?」と吐き捨てた。郁錦は言い訳を試みるが、姜似は聞かず、魚のスープを机に置いて去っていく。郁錦は何もできず、ただ彼女の背を見つめるしかなかった。

その夜、姜似は不機嫌なまま家に戻る。侍女が「お怒りなら、私が代わりに郁錦様を殴ってまいります」と冗談めかして言うが、姜似は首を振る。「郁錦に怒っているのではないの。自分に腹が立つのよ。どうして彼はあんなに上手く隠せるの?こんなに長く知っているのに……」と呟く。侍女が「でも、そんなに長くはありませんよ」と言うと、姜似は遠い目をして答える。「私にとっては――二生分くらい、長く感じるわ。」

その頃、郁錦もまた、眠れぬ夜を過ごしていた。真夜中の庭で、彼は黙々と薪を割り続けている。龍旦(りゅうたん)が見かねて「そんなことをするより、姜似に話をしてきたらどうだ。真夜中に薪を割る者などいない」と言うが、郁錦はただ首を横に振り、斧を振り下ろす。二人の心は互いを想いながらも、夜の静寂に隔てられていた。

一方その頃、斉王(せいおう)のもとでも緊張が走っていた。命じた任務を果たせなかった配下が、正体を見破られた上に処刑されたのだ。斉王は怒りを見せず、むしろ丁重に葬り、遺族には百両を与えた。「本当は誰にも金など渡したくない。ただ皆が無事で、生きていてくれればそれでいい」とつぶやくその姿には、冷徹さと優しさが同居していた。

斉王妃は七弟・郁錦の帰還を祝い、「せっかく戻られたのだから、贈り物を送り、宴を催しましょう。今後、兄弟として互いに助け合えるように」と提案する。斉王はそれを承諾し、姜似を招くよう命じた。さらに斉王妃は「七弟はまだ未婚と聞きました。陵安の貴女を招き、見合いを」と進言し、斉王は微笑を浮かべた。

郁錦のもとに斉王自らが訪れ、招待状を手渡す。「久しぶりに兄弟でゆっくり語ろう」と。郁錦は礼を尽くして受け取るが、その目には影が宿っていた――行くつもりなど、毛頭なかった。

一方、太子長公主を訪ね、「七弟が戻れば、四弟の力がさらに増す。私はますます窮地に立たされる」と漏らす。長公主は微笑み、「心配することはない。流れはまだ変えられる」と告げる。

姜似の祖母は招待状を見て大いに喜び、「お前が呼ばれるなんて光栄なこと」と浮き立つが、姜似の心は重かった。「高門大戸に嫁ぐ気はない」と拒むも、祖母の期待に押され、結局出席を決める。

季崇易(きすうえき)の妹と宰相の娘は何とか彼女を止めようとするが、姜似は伝言を残す。「行きたくないわけじゃない。ただ、止められているの」と。二人は諦め、夜風にその言葉が溶けていった。

やがて――すべての運命を変える“再会の宴”の幕が、静かに上がろうとしていた。

 

第25話あらすじ

第25集 「燕王封印 ― 愛と権力の板挟み」

宮中の宴は、序盤から混乱に包まれていた。太子が郁錦(いくきん)に酒を勧めると、郁錦は静かに刀を抜き、軍令状に従って酒を飲めないと答える。その態度に、斉王(せいおう)は微笑みながら「なら、この杯は私がいただこう」と手を挙げ、場を和ませる。斉王妃が汁物を運ばせると、宰相の娘が「これは珍しい品でございます。従姉も惜しみなく提供してくれました。冷めると味が落ちますから、皆様もお召し上がりください」と説明する。姜似(きょうじ)がスープを口にすると、思わずむせてしまい、相手は胡椒が入っていることを告げ忘れたと白状する。姜似はその場で皮肉交じりに反応した。

宴席では、太子が屏風を取り除くよう命じる場面もあった。郁錦は不適切だと考えるが、太子は「閨房の女子であり問題ない」と押し通す。姜似が礼をすると、太子は一皿の折耳根(ドクダミ)を渡すよう命じ、さらに言葉を浴びせる。これに怒った郁錦は太子に立ち向かい、殴り合いとなる。他の兄弟たちも加わり、現場は混乱の渦に巻き込まれた。

皇帝の前に連れて行かれると、皇帝は激怒し「皇族にとって最も大事なのは、兄弟が争わぬことだ」と叱責。斉王が父帝に罰を求めるが、賢妃は「兄弟喧嘩程度で問題はない」と弁明する。さらに劉公公が、「これらの規則は皇族のためのもので、郁錦は平民であり適用できない」と告げ、皇帝は封号について思案する。最終的に、皇帝は郁錦を燕王に封じることで、この騒動を収めることを決めた。

一方、姜似の父は、娘が宮中の宴に出席していたことを知り焦る。高門大戸への嫁入りを望んでいたが、既に姜似には想う相手がいると聞かされ、動揺を隠せない。嫣嫣(えんえん)が「その相手は郁錦です」と明かすと、父は驚きながらも、郁錦の立派さは認める。しかし、家柄を理由に縁談は難しいと感じる。姜湛(きょうたん)盧楚楚(ろそそ)を訪ね、「なぜ話さなかったのか」と問うと、盧楚楚は「郁錦が口にしたくなかったから」と答え、二人の間に微妙な緊張が走る。

郁錦自身も燕王に封じられたことを知り、姜似に告げる。「本当におめでとう」と祝福する姜似に対し、郁錦は「そんなものはどうでもいい。ただ君と一緒にいたい。ただの暇人王様で構わない」と率直に告げる。姜似は心配そうに「もしうまくいかなくなったらどうするの?」と尋ねるが、郁錦は断言する。「そんなことはない。どんな問題も解決できる。」

その後、崔明月(さいめいげつ)が不機嫌を露わにし、布地の好みを文句として姜似に押し付けるが、姜似は買い物を楽しむよう指示し、事態を収める。長公主が登場し、盧楚楚郁錦の相性を指摘。盧楚楚は「郁錦が欲しい」と言い張り、公主は「好きだからといって必ず報われるとは限らない」と忠告する。崔明月の感情はどうあれ、郁錦に対する思いは揺るがない。

また、甄珩郁錦に贈り物を届けるが、中身は空であった。郁錦は笑みを浮かべ、「これほどの厚意はありがたく受け取ろう」と応じる。その後、福清公主は凧揚げを楽しみにしており、甄珩は「鳴る凧を次にお見せしよう」と約束し、公主は嬉しそうに微笑む。

宴後、劉公公郁錦を燕王府へ案内すると、郁錦は宮殿の内装や庭園に目を輝かせる。一方、姜似が訪ねようとすると、父に阻まれ「娘を郁錦に嫁がせるわけにはいかない」と告げられ、二人の未来には依然として困難が立ちはだかるのであった。

 

似錦 ~華めく運命~ 26話・27話・28話・29話・30話 あらすじ

似錦 ~華めく運命~ 全話あらすじ キャスト・相関図

 

 

 

 

【放送情報】

以下 放送予定の記事は

中国ドラマ 放送予定順

にてご覧ください。

素敵な恋の咲かせかた素敵な恋の咲かせかた 全話あらすじとキャスト・相関図前のページ

関連記事

  1. 似錦 ~華めく運命~

    似錦 ~華めく運命~

    似錦 ~華めく運命~ 1話・2話・3話・4話・5話 あらすじ

    似錦 ~華めく運命~ 2025年 全40話 原題:似锦第1話…

  2. 似錦 ~華めく運命~

    似錦 ~華めく運命~

    似錦 ~華めく運命~ 6話・7話・8話・9話・10話 あらすじ

    似錦 ~華めく運命~ 2025年 全40話 原題:似锦第6話…

  3. 似錦 ~華めく運命~

    似錦 ~華めく運命~

    似錦 ~華めく運命~ 11話・12話・13話・14話・15話 あらすじ

    似錦 ~華めく運命~ 2025年 全40話 原題:似锦第11…

  4. 似錦 ~華めく運命~

    似錦 ~華めく運命~

    似錦 ~華めく運命~ 全話あらすじ キャスト・相関図

    放送予定●【日本初放送】衛星放送 2025/11/17(月)…

  5. 似錦 ~華めく運命~

    似錦 ~華めく運命~

    似錦 ~華めく運命~ 16話・17話・18話・19話・20話 あらすじ

    似錦 ~華めく運命~ 2025年 全40話 原題:似锦第16…

コメント

  • コメント (0)

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

カテゴリー
  1. 請君~遥かなる恋人たち~

    中国ドラマ

    請君~遥かなる恋人たち~ キャスト・相関図 あらすじ
  2. 陳情令

    中国ドラマ

    陳情令  キャスト・吹き替え声優 感想 配信サイト一覧
  3. 夢織姫 13話・14話・15話・16話 あらすじと感想

    夢織姫~秘密の貴公子に恋をして~

    夢織姫 13話・14話・15話・16話 あらすじと感想
  4. 30女の思うこと ~上海女子物語~ 21話・22話・23話・24話 あらすじと感想

    30女の思うこと ~上海女子物語~

    30女の思うこと ~上海女子物語~ 21話・22話・23話・24話 あらすじと感…
  5. 皇太子妃はシンデレラ 17話・18話・19話・20話 あらすじと感想

    皇太子妃はシンデレラ

    皇太子妃はシンデレラ 17話・18話・19話・20話 あらすじと感想
PAGE TOP