山河枕(さんがしん)~Promise of Love~ 

山河枕(さんがしん)~Promise of Love~

山河枕(さんがしん)~Promise of Love~ 11話・12話・13話・14話・15話 あらすじ

山河枕(さんがしん)~Promise of Love~2025年 全40話 原題:『山河枕』

第11話 あらすじ

楚瑜(そゆ)は、手に入れた魚符を手に軍械司へと足を踏み入れる。彼女は内部へ案内されるが、会客室に入った途端、背後の扉が突然閉められ、部屋の中に閉じ込められてしまう。一方で陸七八(りくしちはち)は、男装している楚瑜の正体が、かつて宜香楼で人々を魅了した舞姫だと気づいていた。彼は衛韫(えいうん)が美しい女性の気を引くために、軍械司という重要な場所を利用しているのではないかと疑い、不満を募らせる。

陸七八は衛韫の前に現れ、魚符を持つ楚瑜が軍械司に入れるとしても、衛韫が勝手に決断していいわけではないと厳しく警告する。そして衛韫の隙を突いて彼を拘束し、暗室へ閉じ込めてしまう。その暗室には、すでに楚瑜も閉じ込められていた。暗闇の中で二人は敵だと思い交戦するが、すぐに互いの正体に気づく。

その頃、陸七八は軍械司の者たちの前で、自分が衛韫から北岐と通じる内通者だと疑われていると訴える。周囲の者たちは彼を信じ、怒りをあらわにする。陸七八はその流れに乗り、衛韫を暗室に閉じ込めたことを明かし、真相が明らかになるまでは誰も衛韫を解放するなと命じる。

暗室ではさらに危険が待ち構えていた。壁の穴から無数の矢が雨のように放たれる。楚瑜と衛韫は咄嗟に倒れて死んだふりをする。その作戦は成功し、裏切り者の衛同豊(えいどうほう)が二人が死んだと思い姿を現す。瞬間、二人は立ち上がり衛同豊を捕らえることに成功する。

衛韫は楚瑜と共謀しているわけではないと冷静に言い放ち、衛同豊を連れて暗室を出るが、楚瑜はそのまま残していく。人々の前に引き出された衛同豊は罪を認めず、逆に陸七八に罪をなすりつけようとする。しかし衛韫は鋭い洞察でその嘘を見抜く。衛同豊はなおも強気で、背後の黒幕を知りたければ自分を殺せないはずだと挑発するが、衛韫はためらうことなく矢で彼を射殺してしまう。裏切り者の脅しなど必要ない、真相は自分の力で突き止めるという決意だった。

その後、衛韫が暗室へ戻ると、楚瑜はすでに逃げ出していた。楚瑜は足を引きずりながら衛府へ戻る。暗室で衛韫をかばった際、矢に足を傷つけられていたのだ。衛韫は彼女の目的をすでに察していた。侍女の晩月は、これ以上危険なことをせず衛府を離れるよう勧めるが、楚瑜はこれまでの努力を無駄にしたくないと強く言い切る。

衛韫は依然として楚瑜を疑っていたが、口論の最中、彼の懐から八角弩の機括が落ちる。それを見た楚瑜は、衛珺(えいくん)が自分のことを衛韫に伝えていたのだと悟り、失望してその場を去る。しかしその後、衛韫は兄・衛珺の遺書を見つける。そこには、誰がこの手紙を見つけても楚瑜を助けてほしいと書かれていた。さらに考えてみると、楚瑜はこの手紙を見ていないからこそ魚符を盗んで軍械司に入ったのだと気づく。

自分の疑いが誤りだったと悟った衛韫は、楚瑜に謝罪し、真相を共に調べてほしいと申し出る。突然の申し出に楚瑜は答えに困り、その場で気を失ったふりをする。翌日、衛韫は機嫌を取ろうと様々な贈り物を届けるが、楚瑜は面会を拒む。それでも彼が本気で協力を望んでいることは伝わり、楚瑜の心は少し揺れ動く。

その頃、陸七八は衛同豊の足取りを追い、彼が春風楼である男と密会していたことを突き止める。さらに尾行すると、その男は姚勇の屋敷へ入っていった。一方、衛韫は正式に軍械司を掌握し、再び衛家の旗が堂々と掲げられる。

同じ頃、宋清平(そうせいへい)は楚臨陽(そりんよう)の診察をしていた。彼の体はほぼ回復していたが、まだ経脈の流れが完全ではない。宋清平は自らの腕に残る無数の鍼の跡を見られ、恥ずかしそうにする。楚臨陽はそれが医術を磨くための努力だと理解し、むしろ自分を練習台にして構わないと優しく言う。その思いやりに触れ、宋清平の心には静かに恋心が芽生え始めていた。

 

第12話 あらすじ

宋清平(そうせいへい)の心には、いつの間にか楚臨陽(そりんよう)への特別な想いが芽生えていた。彼女は勇気を出し、これからは自分のことを「団団(トゥアントゥアン)」と呼んでほしいと楚臨陽に頼む。そして自分は彼のことを「臨陽兄さん」と呼びたいと微笑む。その提案には、少しでも距離を縮めたいという少女らしい気持ちが込められていた。

一方、衛韫(えいうん)は楚臨陽を静かな湖畔へ呼び出す。楚臨陽は、妹の楚瑜(そゆ)が衛府で何か問題を起こしたのではないかと心配するが、衛韫の目的は別にあった。彼は八角弩の機括を楚臨陽に手渡し、その仕組みを解き明かしてほしいと頼む。楚臨陽の知識と技術なら、きっと解決できると考えたのだ。

その頃、宋清平は家に戻っても楚臨陽のことばかり考えてしまう。そんな様子を見た兄の宋世澜(そうせいらん)は、彼女の気持ちを察する。そして、その想いが医者としての責任なのか、それとも恋心なのか、自分の心をよく見つめるよう静かに助言する。

一方で、宋文昌(そうぶんしょう)は以前衛府で出会った楚錦(そきん)のことが忘れられず、毎日のように春風楼の前で彼女を待ち続けていた。ついに楚錦が現れると、彼は勇気を振り絞って自分の想いを率直に伝える。兄の楚臨陽に理解されない寂しさを感じていた楚錦にとって、宋文昌の優しい言葉は心を温めるものだった。彼は楚錦のことを、聡明で勇敢な女性だと褒め、世の流れを理解する賢い人物だと評価する。その言葉は楚錦の孤独な心を少しだけ癒した。

そんな中、謝韵(しゃいん)が衛府を訪れる。彼女は衛韫に、楚瑜を今後どうするつもりなのかを尋ねる。しかし衛韫は明確な答えを出さず、まずは楚瑜本人の意思を聞くべきだと考える。彼女の人生なのだから、決めるのは本人だというのだ。

ところがその夜、蒋純(しょうじゅん)と王嵐(おうらん)が突然訪ねてきたことで状況は一変する。夜更けに衛韫が楚瑜の部屋にいるところを見られれば、誤解を招きかねない。楚瑜はとっさに風邪を引いたと装い、蒋純が持ってきた薬を丁寧に断ることでその場を切り抜ける。二人が帰ったあと、衛韫と楚瑜は再び真剣な話し合いを始める。

衛同豊はすでに死んだが、陸七八(りくしちはち)の調査により、彼の足取りから姚勇(ようゆう)の存在が浮かび上がる。楚瑜は姚勇の名を聞き、複雑な思いを抱く。姚勇は彼女の父と同じく、戦功を積み重ねて出世した武将だったからだ。そして彼には、姚珏(ようかく)という従妹がいる。彼女は現在、衛府の四夫人として暮らしていた。

楚瑜は姚珏に手紙を書き助けを求める。しかしその手紙を読んだ直後、姚珏は姚勇に呼び出される。姚勇は彼女に毒入りの可能性のあるスープを見せて脅し、衛府と関われば命はないと暗に示す。恐怖に駆られた姚珏は、楚瑜に「衛府とはもう関係を断つ」と返事を書かせ、さらに証拠を残さぬよう楚瑜の手紙を焼き捨ててしまう。

一方、長公主・李長明(りちょうめい)は斛南珠という珍しい宝珠をどうしても手に入れたかった。しかし皇帝から十万両もの資金を求められ、頭を悩ませていた。そこで門客たちに相談すると、薛寒梅(せつかんばい)がある提案をする。華京城の名門貴族たちに寄付を募り、国庫を満たすという案だった。李長明はその案を気に入るが、どうすれば彼らが喜んで金を出すのかという問題が残る。

姚珏の協力が望めなくなったことで、衛韫と楚瑜は別の方法を探さざるを得なくなる。そこへ突然、顧楚生(こそせい)が現れる。楚瑜が自分に会おうとしないことを知っている彼は、衛韫にも会いたいと申し出る。そして秦王の通敵事件に関する手がかりを持っていると告げ、楚瑜の興味を引く。

顧楚生は、自分がかつて楚瑜を裏切ったことを認めながらも、この事件は衛家・楚家・顧家の三家すべてに関わる重大な問題だと語る。そして楚老将軍の死の真相を調べる手助けをする代わりに、もう一度自分に機会を与えてほしいと願う。しかし衛韫は警戒を解かず、楚瑜が彼と二人きりで話さないよう注意する。

顧楚生が示した手がかりの中で、最初に挙げられた場所は長公主・李長明の沁溪谷だった。夜になると楚瑜は公主府の塀を越え、密かに中を探ろうとする。自分では完璧に隠れているつもりだったが、薛寒梅にはすぐに見抜かれてしまう。薛寒梅は楚瑜が長公主に会いに来たのだと思うが、楚瑜は「会うだけならこんな方法は取らない」と意味深に答える。

そして突然、楚瑜は薛寒梅の手をつかむ。その仕草と言葉に、薛寒梅の胸にはこれまで感じたことのない微かな動揺が広がっていくのだった。

 

第13話 あらすじ

楚瑜(そゆ)は薛寒梅(せつかんばい)の耳元に近づき、密かに抱いていた疑念を打ち明ける。自分が以前長公主・李長明(りちょうめい)に贈った品が、なぜか奇居斎という店で売られていたのだ。長公主が自らそれを売るとは考えにくく、つまり公主府の中に盗みを働く者がいる可能性が高いというのが楚瑜の推測だった。薛寒梅もその話を聞き、思わず眉をひそめる。公主府に仕える門客は皆それなりの経歴を持つ者ばかりで、そんな大胆な犯行に及ぶ者がいるとは考えにくいからだ。

二人がさらに話を進めようとしたその時、突然長公主が護衛を引き連れて現れる。楚瑜は軽く冗談めかした態度で場を取り繕おうとするが、李長明は面白がるように「薛寒梅をあなたに譲ろうか」と言い出し、楚瑜は自分の軽口が過ぎたことに気づいて慌てて態度を改める。薛寒梅はとっさに機転を利かせ、楚瑜がここに来た理由をうまく説明してその場を収める。

ちょうどその頃、長公主は華京城の名門たちから寄付を集める方法に頭を悩ませていた。世家の人々は宴会や遊びに大金を使うことは惜しまないが、国庫のために金を出すとなると話は別だ。そこで楚瑜は、沁溪谷で盛大な「競宝宴」を開くことを提案する。各家が宝物を持ち寄り競い合う宴を開けば、名誉と面子を重んじる貴族たちは自然と金を出すはずだという考えだった。この斬新な案を李長明はたいそう気に入り、すぐに実行を決める。

薛寒梅が楚瑜を見送っていると、そこへ衛韫(えいうん)が現れる。二人が親しげに話している様子を見て、衛韫の胸には理由のわからない不快感が湧き上がる。彼はその感情の正体が嫉妬だとはまだ気づいていないが、無意識に薛寒梅から菓子の箱を受け取ってしまう。

一方、李長明は楚瑜の口実が少々苦しいものだと見抜いていた。しかしその計画が面白いのも事実であり、彼女はこの出来事を一つの見世物として楽しむことにする。長公主と薛寒梅の関係は、単なる主従関係ではない。薛寒梅はかつて李長明の背中の傷を治療し、悪夢にうなされる夜にはそばで見守ってきた存在だった。

その夜、衛韫は珍しく夢を見る。夢の中で楚瑜は彼が密かに持っている鈴を見つけ、「なぜ隠しているのか」と問い詰める。目覚めた衛韫は、自分と楚瑜の関係は本来それほど深いものではないはずだと自分に言い聞かせるが、心の奥ではすでに彼女を意識していることに気づき始めていた。

やがて競宝宴の日が訪れる。楚瑜は華やかな衣装に身を包み会場に現れるが、衛韫の姿はない。彼は衛秋と共に密かに姚勇(ようゆう)の屋敷へ潜入し、証拠を探していた。姚勇は衛韫が宴に現れないことに不安を覚え、帰宅しようとするが、楚瑜が巧みに話題を作り彼を引き止める。

その頃、宋文昌(そうぶんしょう)は楚錦(そきん)に招待状を送り、宴へ誘っていた。また宋清平(そうせいへい)は楚臨陽(そりんよう)の傷に効く薬を見つけ、楚錦に託して届けさせる。

姚府では、衛韫と衛秋が書斎で歯車式の鍵がついた密室を発見する。衛秋が解錠を試みるが、外では護衛が近づいており時間がない。

一方、競宝宴では各家の宝物が次々と披露され、宴は盛り上がっていた。しかし姚勇は次第に落ち着きを失い帰ろうとする。衛韫のために時間を稼ごうと、楚瑜は思い切って自分の腕を傷つけ、北岐の刺客が現れたと叫ぶ。護衛は慌てて会場を封鎖し、姚勇はその場を離れられなくなる。

楚瑜は刺客が北岐特有の曲刀を使ったと言い張るが、王琳琅(おうりんろう)が「自分で傷をつけた」と指摘する。姚勇はすぐさま医者を呼ぼうとするが、李長明は楚瑜をかばい、宋清平に診察させる。宋清平は公主の意図を察し、傷が深く北岐の刀によるものだと証言する。

その瞬間、突然矢が飛び、楚瑜を狙う。顧楚生(こそせい)が咄嗟に彼女の前へ飛び出し、その矢を背中で受け止める。彼の体から血が流れ落ちる中、楚瑜は驚きと動揺で言葉を失う。会場は一瞬で騒然となるのだった。

 

第14話 あらすじ

競宝宴の最中、突然楚瑜(そゆ)を狙う矢が山谷の暗がりから放たれる。鋭い矢は真っ直ぐ楚瑜へ向かって飛んできたが、その瞬間、顧楚生(こそせい)が迷うことなく彼女の前へ飛び出し、自分の体で矢を受け止めた。矢は彼の背中に深く突き刺さり、鮮血が衣を染めていく。それでも顧楚生は楚瑜を守ろうと必死に立ち続けた。

しかし刺客は一人ではなかった。北岐の死士はすぐさま二本目の矢を番え、再び弓を引き絞る。矢は冷たい風を切り裂きながら放たれ、楚瑜へと襲いかかる。楚瑜は素早く身をかわし、その攻撃を間一髪で避けるが、足元の床は雨で濡れており、体勢を崩してしまう。彼女は高所から転落しかけ、宙へと投げ出されそうになる。

傷を負った顧楚生は血を流しながらも必死に駆け寄り、楚瑜の手を掴もうとする。しかし彼女の手は滑り、ついに落ちてしまう。まさに絶体絶命の瞬間、衛韫(えいうん)が疾風のように現れる。彼は迷いなく楚瑜を受け止め、そのまましっかりと抱き留めて地面へと降ろす。危機を脱した楚瑜はようやく安堵するが、周囲ではすでに護衛たちが刺客の制圧に動いていた。

捕らえられた北岐の死士たちは、尋問される前に突然舌を噛み切り、自ら命を絶ってしまう。口から血を流して倒れていく彼らを見て、宋世澜(そうせいらん)は眉をひそめる。黒幕に繋がる手がかりを得ることはできなかった。遺体はすぐに大理寺へ送られることになるが、事件の真相は依然として闇の中だった。

その頃、会場の一角では貴族の娘たちが衛韫の勇敢な姿を話題にしていた。命を顧みず楚瑜を救った彼の姿は、彼女たちの目にとても頼もしく映ったのだ。中には露骨に称賛する者もおり、その様子を見ていた楚錦(そきん)は不機嫌な表情を浮かべる。彼女は、その程度の身分の娘が鎮国侯府に嫁げるはずがないと、内心で嘲笑するのだった。

一方、宋文昌(そうぶんしょう)は楚錦を誘い、後日自分の屋敷で投壺をしようと約束する。楚錦もそれを楽しみにしており、二人の距離は少しずつ縮まり始めていた。

宴の後、長公主・李長明(りちょうめい)は楚瑜を呼び止める。今日の出来事で彼女を助けたのは恩を売るためではないと語り、これからはもっと自分を信頼してほしいと静かに告げる。遠回りな策を巡らせなくても、協力できることはあるという意味だった。

その帰り道、衛韫は楚瑜を護衛しながら衛府へ向かう。彼は沁溪谷での一連の出来事を思い返しながら、自分の胸の中に芽生えた感情をはっきりと自覚する。楚瑜を守りたいという思いが、もはや単なる責任や同盟ではないことに気づき始めていた。

一方で、沁溪谷の騒動はすぐに寧国公・王靖之(おうせいし)の耳にも届く。彼は娘の王琳琅(おうりんろう)を呼び出し、顧楚生がなぜ楚瑜を庇って負傷したのか問いただす。王琳琅は必死に夫を弁護するが、王靖之は楚瑜への怒りを強めるばかりだった。娘を傷つけた相手をこのまま放置するつもりはないと、冷たい声で言い放つ。

同じ頃、長公主の命令で沁溪谷の周辺は徹底的に捜索され、逃げ延びていた二人の刺客が発見される。李長明は薛寒梅の前で容赦なく処刑を命じる。北岐出身の薛寒梅は、自分が疑われているのではないかと恐れ、膝をついて忠誠を誓う。長公主は彼女の言葉を静かに聞きながらも、その真意を見極めようとしていた。

一方、王琳琅は自室で一人、結婚当初の出来事を思い出していた。新婚の夜、顧楚生は冷たい態度のまま彼女に触れようとしなかった。その後も夫婦としての関係は築かれていない。怒りと悲しみが溢れた彼女は、顧楚生に問い詰める。なぜまだ楚瑜を忘れられないのか、なぜ自分と結婚したのかと。

顧楚生は静かに答える。彼に与えられた道は二つしかなかった。王琳琅と結婚して出世の道を進むか、逆らって命を落とすか。その選択の末に、この結婚があったのだ。王琳琅はその言葉を聞きながら、心の奥に消えない苦しみを抱えるのだった。


第15話 あらすじ

顧楚生(こそせい)はある夜、楚瑜(そゆ)がよく通っていた酒館を訪れる。そこは彼にとって、かつて楚瑜と語り合った思い出の場所でもあった。しかし店の中で彼を待っていたのは、思いがけない人物――衛韫(えいうん)だった。楚瑜が自分にしか教えていないと思っていた場所に、衛韫がいることに顧楚生は驚き、複雑な感情を抱く。

二人の間にはすぐに緊張した空気が漂う。顧楚生は先に口を開き、楚瑜は衛珺(えいくん)の妻であると指摘する。それ以上近づくべきではないという警告でもあった。しかし衛韫は落ち着いた様子で答える。楚瑜と兄・衛珺の間には実際の夫婦関係がなかったのだから、自分が彼女を想うことに問題はないと。

そんな険悪な雰囲気の中、楚瑜本人が現れる。二人が対峙している様子を見て、彼女はすぐに会話を遮る。楚瑜は顧楚生に対して冷たい態度を取り、ほとんど目も合わせないまま衛韫の腕を引き、その場を去ってしまう。その様子はまるで衛韫を選んだかのようで、周囲の者には衛韫が勝者のように見えた。

衛府へ戻ると、楚瑜はまだ酒の酔いが残っていた。庭の花木の下でふらりと立ち止まり、ふと舞い始める。夜風の中で舞うその姿は軽やかで美しく、まるで蝶のようだった。衛韫はその光景に目を奪われ、ただ黙って見つめるしかなかった。

舞い終えた楚瑜は、近くの海棠の枝を折り、それを衛韫へ差し出す。突然の贈り物に衛韫は戸惑いながらも大切そうに受け取る。彼はその花を自室へ持ち帰り、雨露を与えて丁寧に世話をするほど大事にする。侍衛の衛秋(えいしゅう)はその様子を見て、主人の心がすでに楚瑜へ向いていることを確信するのだった。

翌朝、楚瑜が目を覚ますと、侍女の晩月が昨夜のことを教えてくれる。衛韫が彼女を部屋まで送り、さらに酔い覚ましの薬まで用意してくれていたという。その頃、衛府では二夫人の蒋純(しょうじゅん)が大勢の若い女性を招いて宴を開いていた。目的はただ一つ、衛韫の縁談を進めるためだった。

集まった娘たちは皆、鎮国侯府の若き当主に興味を抱いていた。しかし衛韫は彼女たちの前で、将来必ず戦場へ出る覚悟があると語る。戦場では命を落とす可能性も高く、いつ馬革に包まれて帰るかわからない。そんな厳しい現実を率直に語ったことで、娘たちは一様に不安な表情を浮かべる。蒋純はその様子を見ながら、衛韫がわざと縁談を遠ざけようとしているのではないかと感じ始める。

一方、宋清平(そうせいへい)は楚臨陽(そりんよう)の治療をしていたが、どこか心ここにあらずだった。実は彼女には大きな悩みがあった。来月の及笄の後、皇帝が太子・李環(りかん)との結婚を進めようとしているというのだ。宋清平は太子を愛しておらず、政略結婚に強い抵抗を感じていた。

思い悩んだ彼女は、ついに楚臨陽へ自分の気持ちを打ち明ける。自分が彼を治療してきたのは楚瑜のためではなく、彼自身を大切に思っているからだと。そして思い切って、もし可能なら自分を娶ってほしいと告げる。しかし楚臨陽はその真心を理解しながらも、彼女の想いに応えることはできなかった。彼は静かに彼女を諭し、現実から逃げてはいけないと伝える。

その頃、姚府では別の緊張が高まっていた。姚勇(ようゆう)は、自分の監視下にある姚珏(ようかく)が衛韫を助けたことを知り激怒する。彼は姚珏の首を掴み、二度と裏切れば命はないと脅すのだった。

そんな中、衛韫と楚瑜は衛陵墨(えいりょうぼく)を連れて姚府を訪れる。幼い衛陵墨は母親である姚珏に会いたがっていたのだ。姚勇は最初こそ警戒するが、姚珏が風邪を引いていると嘘をつき、直接会わせないようにしようとする。しかし楚瑜はそれを見抜き、せめて扉越しにでも会わせてほしいと提案する。姚勇は少し考えた末、監視下なら問題ないと判断し、その要求を受け入れるのだった。

 

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