承歓記(しょうかんき)~人生最高の出会い~ 2024年 全37話 原題:承欢记
17話 あらすじ
第17集「再出発の朝、裂けた絆と新たな夢」
——親子の確執、友情の支え、そして試される信念——
麦承歡が家を飛び出した後、劉婉玉は頑なに心を閉ざしていた。娘が手配したリフォーム業者を追い返し、古びた家に一人こもる彼女。麦来添がいくら説得しても、「あの子の金は受け取らない」と言い張る姿に、家中の空気は重く沈んでいった。
一方、麦承歡は毛毛と共に新しい日々を歩み出していた。毛毛は麦承早がアルバイトに明け暮れていると聞くと、強引に外へ連れ出し、デパートでスーツを買い与える。「また胸を張って法律事務所に戻って」と励ます毛毛の言葉に、麦承早は久々に笑みを見せた。ネクタイを結んでやる毛毛の手に、彼の頬は赤く染まる——その瞬間、彼の胸に小さな恋が芽生えた。
一方その頃、辛家では修羅場が訪れていた。朱宝翘と辛志珊の不倫が発覚し、衝撃で辛志珊が再び倒れる。朱宝翘は街を去ろうとするが、麦承歡が彼女を引き止め、「自分の過ちと向き合って」と静かに諭す。朱宝翘は涙ながらに、自分が妊娠していなかったことを告白し、全ての偽りが崩れ去った。
そんな中、毛毛は麦承早のアイデアをもとにネックレスをデザインし、「これが売れたらちゃんとお礼するね」と微笑む。麦承早は先輩に誘われて新しい弁護士チームに加わり、再出発を果たす。
一方で、姚志明は陳淑珍に「興安里ホテル」の件を相談するも、話を逸らされて失望する。偶然アパートで出会った麦承歡に「いつも同じ色のスーツね」と茶化され、言葉に詰まる彼の姿に笑いがこぼれる。
毛毛は麦承歡を夕食に誘い、姚志明も彼女に朗報を伝えようと同じ計画を立てていた——麦承歡をマンション第二期管理チームに加えるという話だ。だが毛毛に先を越され、姚志明は慌ててTシャツ姿で現れる。食事の席ではぎこちなくも穏やかな時間が流れ、帰り道、姚志明が正式にチーム参加を伝えると、麦承歡は久しぶりに心から笑った。
一方、家に残された劉婉玉は食欲を失い、夜も眠れない。麦来添はそんな妻を見て胸を痛める。やがて彼は、劉婉玉の作った麦承歡の好物・荠菜ワンタンを手に娘のもとを訪れた。久々に味わう母の味に、麦承歡の胸は切なさでいっぱいになる。
しかし平穏は長く続かなかった。毛毛のデザインを盗作したと主張する宋懐民が現れ、激しい口論の末、毛毛を訴えると言い出したのだ。麦承歡は怒りに震え、「彼女の名誉は私が守る」と宣言。麦承早は弁護士として毛毛の弁護を申し出、麦承歡は毛毛の独立ブランド立ち上げを決意する。
その夜、麦承歡は徹夜で企画書を練り、陳淑珍が静かにお茶を淹れながら助言を送る。
翌朝、姚志明が訪ねてくると、麦承歡は机に突っ伏して眠っていた。無邪気な寝顔に思わずカメラを向けた姚志明だったが、起きた彼女に見つかり、酔った時の醜態写真で逆に脅される羽目に。陳淑珍の仲裁で笑い合う二人。
朝食を共にしながら、麦承歡は新しいデザインを見せた。姚志明が「ボッティチェリをテーマにしてみては」と提案すると、彼女の目に再び光が宿る。食事も忘れ、彼女は毛毛のもとへ駆け出した。
だがその裏で、陳淑珍と姚志明の間には興安里ホテルをめぐる不穏な動きが始まりつつあった——。
18話 あらすじ
第18集「再会の家路、絆のゆらめき」
——失われた時間、交錯する想い、そして始まりの予感——
陳淑珍が突然倒れ、姚志明は彼女を抱えて病院へ駆け込んだ。知らせを受けた麦承歡は息を切らしながら病室へ急行し、ただ祈るように手を握り続けた。医師たちの懸命な処置の末、陳淑珍は奇跡的に一命を取り留める。麦承歡は自分が夜更かしを強いたせいだと涙ながらに謝るが、陳淑珍は逆に「あなたがいてくれてよかった」と微笑み、娘のように彼女を慰めた。
薬を受け取りに行った隙に、陳淑珍は姚志明に「興安里ホテルを張培生と共同経営するという話、本当なの?」と切り出す。姚志明はそれが今回の帰国目的であることを認めるが、彼女が渋い表情を見せたため、それ以上は語らなかった。長年ホテルを家族のように守ってきた陳淑珍にとって、それは容易に譲れぬ誇りだった。
そこへ麦来添と劉婉玉、麦承早が見舞いに現れる。足を引きずる麦承歡を見た劉婉玉は心配するが、素直になれず麦来添を通して様子を探るのみ。「ちょっと捻っただけ」と笑う娘に、劉婉玉は何も言えなかった。会話の中で陳淑珍がさりげなく「古い家、そろそろ改装したら?」と口にすると、麦来添は言葉を濁す。劉婉玉はすぐ不満をこぼしたが、陳淑珍は「うちの庭付きの洋館を使えばいい」と優しく提案。夫婦はその厚意に逆らえず、感謝しながら承諾する。
一方、麦承歡は陳淑珍を気遣って病室へ戻り、夜通し付き添った。陳淑珍は「この家はかつて私と姚志明の祖父が結婚した場所。思い出が多すぎて戻れなかった」と静かに語り、麦承歡に「お母さんと仲直りしなさい」と諭す。その言葉に、麦承歡の胸は揺れた。
毛毛は宋懐民の盗作を告発するため、生配信で証拠公開を宣言するが、麦承歡と麦承早は危険を察して止める。宋懐民は数千万のフォロワーを操るインフルエンサー——無謀な戦いになるとわかっていた。それでも毛毛は「少しずつ真実を見せる」と決意。配信を見ていた陳淑珍は密かに支援し、姚志明の指示で毛毛に贈り物を送った。
その頃、姚志明は陳淑珍の退院祝いにチャイナドレスを贈ろうと決め、麦承歡を伴って老舗の仕立て屋へ。上質な生地を選びながら、二人は穏やかな時間を過ごす。麦承歡の気配りに、姚志明は改めて彼女への思いを噛み締める。
一方、毛毛はイヤリングを何度も試着したせいで耳を痛め、麦承早が丁寧に消毒してやる。彼女が思わず彼の耳たぶに触れると、麦承早は真っ赤になり、二人の間に微かな恋の空気が流れた。
退院の日、麦来添と劉婉玉は陳淑珍を自宅に迎えようと提案。麦承歡も同行を決める。麦来添は彼女のためにバラの花束を用意し、心を込めて病院へ向かった。しかし陳淑珍は「一人暮らしに慣れている」と言い、姚志明に老人ホームまで送ってもらうことを選ぶ。その際、麦来添にも「一緒に来て」と穏やかに誘った。
夜、劉婉玉と麦承早は興安里ホテルで陳淑珍と食事をともにする。陳淑珍は電話で麦承欢を呼び、「あなたの好きな蟹黄包を特別に頼んだの」と優しく告げる。麦承歡もまた、彼女への感謝を込めたサプライズを用意していた。——すれ違い続けた人々の心が、少しずつ、ひとつの食卓へと集まり始めていた。
19話 あらすじ
第19集 「舞い散る花、残された想い」
退院の日、陳淑珍は麦承歡から贈られたバラを抱き、まるで少女のように軽やかに舞っていた。その幸福な瞬間のまま、彼女は突然、心臓発作に倒れる。姚志明は彼女のために誂えたチャイナドレスを受け取り、喜びの再会を胸に病院へ向かうが、到着した時にはすでに息を引き取っていた。病室には静かな悲しみが漂い、麦承歡はダンスシューズを手に立ち尽くす。彼女の愛した踊りと共に、その人生の幕が静かに閉じられた。
葬儀の日、親しい人々が陳淑珍を偲び、涙に暮れる中、姚志明はチャイナドレスを、麦承歡はダンスシューズを霊前に捧げた。弁護士によって再生された陳淑珍の映像には、家族や友人への温かな言葉が遺されていた。麦来添と劉婉玉には「支え合って穏やかに生きてほしい」と語り、麦承歡には「自分を大切に、幸せを恐れないで」と願いを託す。そして最も気がかりだった姚志明には、「麦家の人々と家族のように過ごしてほしい」と穏やかな微笑で語りかけた。その言葉に、参列者の誰もが胸を打たれた。
葬儀後、麦承歡は静かな東屋で一人涙を流す。そんな彼女に劉婉玉が歩み寄り、母娘はようやく長い確執を解き、互いの手を握り合った。麦来添は食事に誘うが、麦承歡は陳淑珍の思い出が残る老人ホームを訪ね、彼女の部屋でそっと横たわる。その部屋にはまだ温もりの残り香が漂い、彼女は眠るように涙を流した。
姚志明は唯一の肉親を失い、庭先で嗚咽を漏らす。幼い日々、借金に追われて母と逃げ回っていた彼の前に手を差し伸べたのが陳淑珍だった。彼女の支えがあったからこそ、今の自分があるのだと、改めて胸が締めつけられる。麦承歡は「陳淑珍は今も天国から見守っている」と励まし、彼を墓前へ導いた。蝶の形をした陳淑珍の好物・パイを供え、二人は静かに祈りを捧げる。
やがて弁護士からの呼び出しが届き、陳淑珍の遺言が読み上げられた。劉婉玉には宝石を、姚志明には一軒のガーデンハウスを、そして麦承歡には全財産と「興安里ホテル群の全権」を託すという衝撃の内容だった。愛と信頼の証が静かに明かされ、麦承歡はその重みを胸に抱きしめる。陳淑珍の願い――それは、愛する人々が再び手を取り合い、笑顔で生きていくことだった。
20話 あらすじ
第20集 「遺志を継ぐ者、野心を抱く者」
陳淑珍の遺言が読み上げられた瞬間、場の空気が凍りついた。
興安里ホテルの経営権と所有権――それは誰もが姚志明に渡ると思っていた。しかし、陳淑珍が選んだのは血の繋がりのない麦承歡だった。姚志明は衝撃と失望に打ちのめされ、弁護士の説明を聞くことなく立ち去る。弁護士はやむなく、陳淑珍が臨終前に姚志明へ宛てた手紙を麦承歡に託した。
麦承歡もまた驚きを隠せなかった。彼女はこれまで、興安里ホテルの真の所有者が陳淑珍だったことすら知らなかったのだ。
一方、張培生はこの知らせを聞くやいなや姚志明に電話し、二人の間で交わした秘密の契約を忘れるなと警告。動揺する姚志明は雨の中、釣り竿を手に川辺へと向かい、無言のまま自分の運命を問い続けた。何東は「スイスに戻れ」と忠告するが、姚志明は陳淑珍の“麦承歡から学びなさい”という遺言の言葉を思い出し、逆に決意を固める――必ずや、興安里を取り戻すと。
その頃、立ち退きが進む古い路地では、麦来添が補償金で郊外の家を買う決意をするも、劉婉玉は都会の生活に未練を捨てきれず不満を募らせていた。そんな中、法律事務所から麦承歡に「興安里ホテルの正式な引き継ぎ手続き」の通知が届く。毛毛は同行を申し出、二人で初めて“新しい職場”を訪れる。
長年ホテルを支えてきた崔執事は、忠実に帳簿と鍵を麦承歡に引き渡した。突然の大役に戸惑う麦承歡だったが、崔執事は「陳夫人の願いを共に守りましょう」と力強く支えを誓う。
そこへ姚志明が現れ、突如ホテルの買収を申し出た。彼の帰国目的がこのホテルであると悟った麦承歡は、過去の全てが繋がるのを感じる。姚志明はその思惑を認め、「陳夫人のやり方は古い。俺ならもっと発展させられる」と語るが、麦承歡は断固拒否。陳淑珍の手紙を彼に手渡し、「彼女はあなたに“私を支えてほしい”と願っていた」と静かに告げた。
ホテルの帳簿を精査した麦承歡は、赤字続きの現実に不安を覚えつつも、陳淑珍の遺志を守る決意を固める。
一方、張培生は姚志明の焦りを見抜き、興安里に贈り物を送りつけて麦承歡に圧力をかけようと動き出す。
その頃、毛毛と麦承早の関係にも新たな変化が訪れる。毛毛が壁に写真を掛けようとして転びそうになった瞬間、麦承早がとっさに抱きとめる。その姿を見た宋懐民は誤解し、二人を罵倒。麦承早は毅然と毛毛を庇い、法的手段で反撃すると宣言した。動揺する毛毛に、麦承早はついに本心を告白――「ずっと前から君が好きだった」と。突然の告白に、毛毛は顔を赤らめ逃げ出した。
一方、劉婉玉は娘が大ホテルを継いだことに有頂天となり、親族に誇らしげに連絡。舞い上がった彼女は視察と称してホテルに押しかけ、料理にまで口を出して従業員を困らせる。崔執事から連絡を受けた麦承歡が駆けつけ、母をなだめてようやく騒動を収めた。
その後、麦承歡は静かに言う。「この家は姚志明のもの。私たちは出ましょう」――陳淑珍が残した“秩序”を守るために。
遺志と野心が交錯する中、興安里ホテルの新たな試練が幕を開けた。
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