2025年 全36話 原題：無憂渡 / 无忧渡 邦題：無憂渡～瞳に映った真実の愛～ 別邦題：無憂渡～妖怪ハンターのロマンス～
目次
第31話「豹の呪縛と命を懸けた告白」
広平城で奇怪な事件が発生。夜回りの更夫が巨大な黒豹が街を駆け抜け、子供をさらうのを目撃するが、それは子空の仕業だった。宣夜は子空に子供の返還を求めるが拒否され、戦闘に突入。敗北した宣夜は豹の姿に変身するが、それこそが子空の罠であり、禁術によってその姿に封じられてしまう。
捉妖師・姜尚云と薛橋が現れ、宣夜が子供をさらったと誤解して攻撃。遅雪が宣夜を庇って命を落とし、宣夜は陣法に囚われたままその死を目の当たりにする。衙門の外では民衆が黒豹妖の処刑を求めるが、半夏が命を懸けて宣夜を守る。彼女は宣夜が妖であることを知っていたが、黙っていた。師叔・沈図南が駆けつけ宣夜を救出するが、半夏は妖を逃がした罪で牢に入れられる。
第32話「選択の果てと赦しの墓前」
沈図南は宣夜を地下城へ連れて行き、術で人間の姿に戻した後、数日かけて獣身の制御を教える。宣夜は「妖として生きるか、人として生きるか」の選択に苦悩するが、沈図南は一つの方法を示す。
半夏は画中世界で宣夜が妖であることに気づいていたが、関係が壊れるのを恐れて黙っていた。地下城で再会した二人は心の壁を取り払い、共に歩む決意を固める。
宣夜と幽篁は姜尚云と薛橋に遅雪の仇を討ち、命は奪わず丹田を破壊するが、その後現れた吕春眠によって二人は殺害される。
宣夜と半夏は沈図南に別れを告げ、遅雪の墓を訪れる。宣夜は子空に会い、怒りで彼を傷つけるが、やがてその善意を理解する。
第33話「骨笛の呪いと洗骨の罠」
逃走中の吕春眠が落とした骨笛が沈図南の手に渡り、妖の理性を失わせる危険な法器として陰謀が動き出す。夜、沈図南が骨笛を吹くと宣夜は豹に変身し、半夏を誤って傷つけてしまう。苦悩した宣夜は半夏を幽篁と司馬令赢に託し、姿を消す。
半夏は宣夜を探す途中、司馬令赢と負傷した子空に出会い、宣夜が危険に晒されていることを知る。沈図南は捉妖師たちに妖を集め、「洗骨池」で人間に変えると偽り、実際は妖を殺して妖骨にしていた。これは宣夜を利用するための罠だった。
半夏たちは宣夜を救うため急ぎ行動を開始するが、沈図南は骨笛の件を子空に罪をなすりつける。
第34話「洗骨の決戦と断ち切る縁」
宣夜は沈図南に同行し洗骨池へ向かうが、彼の陰謀を見抜いており、真実を暴くためだった。沈図南は正体を暴かれ宣夜を殺そうとするが、半夏たちが駆けつけ、宣夜と子空は沈図南と激突。沈図南は重傷を負い陣法を発動し、宣夜と子空は原形に戻り洗骨池へ引き込まれる。
仲間たちは小洞天の攻撃で次々と命を落とし、子空は自らを犠牲にして宣夜に玄豹族として無憂境を守るよう託す。子空が池に飛び込むと沈図南は千妖の力を得て暴走し、無憂境の妖を滅ぼそうとする。宣夜は離火剣で界門を閉じて暴走を阻止。地下城と広平城は地震に見舞われ、民衆も危機に。
最後に宣夜は時空を逆転する常楽剣を抜き、半夏との縁を断ち、沈図南の根源を断つ。二人は涙ながらに別れを告げる。
第35話「忘却の街と耳元の声」
運命は静かに再び動き出す。蛮瑛は宣夜として生きる道を選ばず、子空と共に無憂境を守る存在となる。周囲の人々は宣夜の記憶を失い、半夏も彼との過去を忘れていたが、耳元には誰かの声が響き、何か大切なものを忘れていると感じていた。
広平城の街で蛮瑛の声に惹かれた半夏は彼を追い、家まで送り届けられる。その後、蛮瑛は遅雪と再会し、彼女は匂いで正体を見抜く。食事の席で赶山堂の話が語られる中、蛮瑛は宣夜だった頃の記憶を胸に秘めていた。
半夏は夢で宣夜との過去を繰り返し見る。彼の言葉が心に響き、蛮瑛を訪ねるが、彼は否定。半夏は静かに別れを告げる。
第36話(最終回)「記憶の螺旋と別れの誓い」
半夏は街の露店で「回音螺（こだまの貝）」を再び手に入れる。そこに録音されていたのは、かつて宣夜への想いを語った自分の声。その音を耳にした瞬間、失われていた記憶が波のように押し寄せる。宣夜への強い想いと疑問を胸に、彼女は地下城の渡し場へと駆け出し、蛮瑛（宣夜）と再会する。
宣夜はもはや真実を隠し通すことができず、すべてを半夏に打ち明ける。無憂境では万妖の元霊を育む「無憂草」が枯れ、彼には妖たちと人々を救う使命がある。だからこそ、半夏と再会しても名乗れなかったのだ。
半夏は宣夜の決意を尊重し、幽篁、遅雪、司馬令赢、温剣ら旧友を集める。にぎやかな夜、皆は昔のように笑い合い、何気ない話を交わす。宣夜はその光景に心が安らぎ、「何も変わっていない」と感じる。ただ、皆が彼を覚えていないだけなのだ。
その頃、久沧溟は遅雪の話と常楽剣の変化から宣夜の正体を察し、父子はついに再会。久沧溟は長年集めてきた妖の元霊を宣夜に託し、無憂境を守る力とする。
そして宣夜は半夏に付き添われ、無憂境の界門へと向かう。二人は「無憂境が再び開かれるその日、人間界で再会しよう」と約束を交わす。宣夜は静かに背を向け、光の中へと歩みを進める。その姿はやがて見えなくなった——。
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