相思令(そうしれい)~君綺羅(くんきら)と玄烈(げんれつ)~2025年 全30話原題:相思令
第26話あらすじ
26話『焼けた真実、揺れる命脈』
密偵の焼死、妊娠の偽装、そして崩れゆく信頼——
王都に不穏な空気が漂う中、君絳綢が側室問題を持ち出すと、君綺羅は「自分が解決する」と静かに応じる。だがその矢先、北泫の密偵二人が焼死したという報せが届き、君綺羅は現場へ急行。そこで見た遺体の傍らに落ちていた鞭が、玄烈のものだと気づいた瞬間、彼女は悲しみのあまり気を失う。
医師は「悲嘆による昏倒」と診断し、安胎薬を処方。君綺羅の父が邵祁民に真相を問うと、邵祁民は「焼死したのは密偵ではなく、徳烈こそが北泫の狼主・玄烈であり、君綺羅の子の父親だ」と明かす。家族は衝撃を受け、口外を禁じられる。
一方、君鈺珏は鄭書亭に接触し、軟煙羅の製法を手に入れれば高官に紹介すると持ちかける。鄭書亭は心を動かされ、協力を約束する。
君綺羅が目を覚ますと、玄青蔻を探しに出る。邵祁民に連れられて玄青蔻と再会するが、彼女が玄烈を探しに出ようとしていたことを知り、深く傷つく。君綺羅は「ここは安全ではない」と判断し、玄青蔻たちを君家の旧宅へ避難させる。玄青蔻は君綺羅を信用しないが、君綺羅は「玄烈に代わってあなたを守る」と誓う。
賀機遥は、玄烈が君綺羅のために榷場設立を進めていたこと、結婚式も本来は二人のものであったことを明かす。玄烈は小豆の腕輪を握りしめ、夜を明かしていたという。賀機遥は「憎しみを手放してほしい」と願う。
その頃、李妃は病に倒れるが、門番により医者の呼び出しが拒まれ、ついに崩御。王は驚き、君家にスパイがいるとの報告を受け、邵祁民を呼び出す。邵祁民は否定するが、王はさらに君綺羅の妊娠について追及。邵祁民は「常に傍にいた自分が気づかないはずがない」と答える。
王は君綺羅を呼び、医師に脈診を命じる。診断は「妊娠していない」。君綺羅は事前に王の疑念を察し、玄青蔻から気づかれない薬を受け取っていたのだった。
王は邵祁民に解毒剤を与えず、教訓として毒を回らせる。邵祁民は倒れるが、君綺羅は気づかず、玄青蔻が看病を続ける。翌朝、邵祁民が目を覚ますと、隣に玄青蔻が眠っており、衝撃を受ける。
一方、鄭書亭が製法を君鈺珏に渡すが、完成した軟煙羅は不完全。怒った君鈺珏が君綺羅を問い詰めると、君綺羅は「製法の一部は盗まれた」と明かす。君鈺珏が激昂し罵倒した瞬間、石が彼女に当たる。振り返ると、そこには玄烈の姿が——。君綺羅は驚き、彼の後を追う。
第27話あらすじ
27話 密室の誓い、家業の裁き
再会の抱擁が、すべての迷いを断ち切る。
君綺羅は玄烈の姿を見つけると、思わず彼の胸に飛び込む。互いの想いを再確認した二人は、「もう苦しめ合うのはやめよう」と誓い合う。だがその絆は、周囲の反発を呼び起こす。君絳綢は玄烈が君綺羅を傷つけたと思い込み、羅奇に殴りかかろうとする。羅奇は慌てて逃げ、君絳綢は父に報告することを決意。
君綺羅が玄烈を連れて帰ると、父親たちが現れ、玄烈に「すぐに立ち去れ」と命じる。王上に北泫の者がいると知られれば、すべてが終わる。玄烈はその場を去るが、君綺羅の父は「玄烈が死んでいれば何も言わないが、生きている限り二人の関係は許さない」と宣言。君綺羅はそれでも玄烈と結ばれる決意を固める。
賀機遥は玄青蔻の行方不明を告げ、玄烈は捜索へ。戻ってきた玄青蔻は「邵祁民と結ばれた」と明かし、玄烈は邵祁民に「彼女を裏切るな」と忠告。邵祁民は「心には君綺羅しかいない」と答えるが、玄烈は「君綺羅は自分が守る」と言い切る。
君綺羅は外出を試みるが、君絳綢に阻まれる。玄烈は羅奇に「君家で協力者を探すべき」と助言し、明るい性格の君絳綢に目をつける。羅奇は犬穴から潜入し、話本を届ける。君絳綢はそれが玄烈と君綺羅の物語だと知り、心を動かされる。彼の手の傷に気づき、薬で手当てをする。
玄烈が君綺羅を訪ねると、彼女は嬉しそうに迎える。父の負傷について玄烈は「無関係」と説明し、君綺羅は「次男房が手紙を改ざんした」と主張。父は二人の存在に気づくが、玄烈は密室に隠され、君綺羅の武器庫を目にする。
一方、君鈺珏は軟煙羅の供給不足に苦しみ、小店主たちの信頼を失いかけていた。君綺羅は「十分な物資を持っている」と現れ、君鈺珏は激怒。「家業は男子が継ぐべき」と主張するが、君綺羅は「次男家が殺し屋を雇い、金銭要求の手紙を送った」と告発。証人も現れ、君鈺珏の父は「すべて自分の責任」と跪いて懇願する。
役人が君鈺珏らを連行に来ると、君鈺珏は君綺羅を襲うが、玄烈が彼女を救う。君綺羅が金銭を渡した相手は、芝居に協力した人物だった。
その頃、冬銀は李妃の薨逝を羅執舟に伝えるが、彼は信じようとしない。悲しみと混乱が広がる中、君綺羅と玄烈の絆は、試練を越えてさらに強く結ばれていく——。
第28話あらすじ
28話「誓いの鞭、家訓の終焉」
君綺羅の父が母の位牌を前に語るのは、娘への切なる願い——「女としての姿に戻ってほしい」。だが、君綺羅には守りたい人がいる。玄烈はその想いに応え、「狼主の座を捨てても構わない」と誓い、鞭を差し出して「怒っているなら打ってください」と頭を垂れる。君綺羅の父は振り下ろすことなく、娘の幸せを願い、玄烈に「何があっても守り抜いてほしい」と託す。
邵祁民の部屋では、玄青蔻が「自分は妻だから一緒にいるべき」と主張。邵祁民は「非常時だ」と言い訳するが、玄青蔻は解毒剤を開発し、邵祁民を北泫へ連れて行くと誓う。
羅執舟は李妃の死に心を痛め、「彼女のために生きてきた」と語り、復讐を決意。冬銀は「あなたに何かあれば李妃も望まない」と訴えるが、羅執舟は去っていく。冬銀は「私もあなたのために生きてきた」と呟く。
王は和平交渉の誠意として三不管地帯に討伐隊を派遣することを決定。玄烈が不在のため、孫昭敏が代役に選ばれる。玄烈は焱南に残る意思を示し、玄青蔻は邵祁民と結婚したと告げて離脱を拒否。王は激怒し、「炎南の者が誰も戻らないとは」と嘆き、玄青蔻と邵祁民を連れ戻すよう命じる。
君家では長老たちが「女は家事を司るな」という家訓を持ち出し、傍系から養子を迎えるべきと主張。だが君綺羅の父は「家を支えたのは三人の娘たちだ」と反論し、家訓の廃止を宣言。時代が動いた瞬間だった。
玄烈は君綺羅に「妻になってほしい」と告げ、君綺羅は「父の承諾を待つ」と答える。君絳綢たちが「父はすでに承諾した」と伝え、玄烈は北泫の不動産権利書をすべて君綺羅に譲渡する。
羅奇が君絳綢に理想の相手を尋ねると、「自分を支え、君家を守り、婿入りしてくれる人」と答える。君繡捆は君綺羅に「鄭書亭は自分を守れない」と語り、婚約破棄を決意。君綺羅は「自分で決めて。私は全てを支持する」と背中を押す。
君繡捆は父に婚約破棄を伝え、父も承諾。刺繍店を開きたいと語り、「客が自分の作品を見て来ているのか、君家の名に惹かれているのか分からなかった」と胸の内を明かす。皆が賛成し、新たな一歩が始まる。
一方、宰相は鄭執事をスケープゴートにしようとするが、邵祁民の調査により、真犯人が鄭執事本人であることが判明。真実が明るみに出る中、君家と焱南の運命は大きく動き出す——。
第29話あらすじ
29話『命の代償、告発の刃』
真実を告げる前に、命が散った——
君綺羅が帰宅すると、宰相が医師を伴って訪問。父の足の治療を申し出るが、君綺羅は既に多くの医師に診てもらったと断る。宰相は強引に診察を進めさせ、医師が君綺羅の手に触れたことで、妊娠の兆候が発覚。君綺羅は「ごまかせると思っていた」と謝罪し、王上に自ら説明することを決意する。
玄烈は和平交渉がほぼ完了していることを踏まえ、「焱南を攻撃しない」と保証すれば婚姻の障害はないと考える。君綺羅は王上に「留まる理由は失ったものへの未練だけ」と訴えるが、王上は「君綺羅の立場では玄烈との未来はない」と告げ、君家を赦す代わりに玄烈に即時退去を命じる。
一方、君繡捆の刺繍店が開店。君絳綢は八卦鏡を飾り、羅奇の訪問に喜ぶ。羅奇は婿入りを否定しつつも、君絳綢が転びそうになると支え、「第三の条件は考える」と言い残して去る。
王上は邵祁民を呼び出し、妊娠の報告を怠ったことを罰すると宣言。玄青蔻が駆けつけ、「邵祁民は自分の駙馬」と主張するも連れ出される。王は邵祁民に「君綺羅の子を殺すか、玄烈を殺すか」の二択を突きつける。百工の技法が北泫に渡ることは絶対に許されないと。
邵祁民は玄青蔻に「最後の任務を終えたら一緒に外で暮らそう」と約束。翌日、君綺羅たちを榷場へ案内する途中で姿を消す。追跡者と戦い、重傷を負って川辺に倒れる。駆けつけた玄青蔻は深く悲しみ、邵祁民は君綺羅への札を託すが、玄青蔻は「自分で渡して」と促す。
君綺羅が到着した時、邵祁民はすでに息絶えていた。玄青蔻は彼に触れさせず、君綺羅は「宰相が妊娠を王に報告しなければ、邵祁民は死ななかった」と涙する。
その後、君綺羅は鄭管家の側近の存在を突き止め、宰相が身代わりに差し出した鄭管家に証言を得る。確固たる証拠のもと、宰相は罪を認めざるを得ず、王は斬首刑を命じる。
しかし、君綺羅が独断で御察司を動員したことが問題視され、彼女自身にも罪が問われることに——。
次回は、君綺羅の告発の代償と、王宮の権力構造が大きく揺れる展開が待ち受けます。ご希望があれば、君綺羅の政治的立場と王宮内の対立構造を図解することもできます。
第30話(最終回)あらすじ
30話『命の誓い、未来への継承』
玄烈が王のもとを訪れ、両国の平和を誓うことで君家の解放を勝ち取る。王は「その誓いは一生をかけて証明するもの」と告げ、玄烈はそれを受け入れる。君綺羅も解放され、王は彼女の心に君家がどれほど大切な存在かを理解する。
玄烈は君家に戻り、玄青蔻に邵祁民の居場所を問われるが、真実を告げる勇気がなく「三不管にいる」と偽る。玄青蔻は納得し、翌日の帰還を約束。玄烈は賀機遥に彼女の送還を命じ、王に手紙で事情を伝える。
君綺羅たちは邵祁民の墓前に集い、彼を家族同然に弔う。王の密偵でありながら、君家に害をなすことはなかった邵祁民。君綺羅は「来世では自分のためだけに生きてほしい」と願う。
一方、羅奇は玄烈に羅執舟が兵を集めていること、李妃の崩御を知ったことを報告。玄烈は王の側に孫昭敏しかいないことを憂い、出陣を決意。君綺羅は「思い切って行けばいい」と背中を押す。羅奇も同行を申し出るが、君絳綢に言えなかったことを悔い、平安符を渡される。羅奇は「入赘の件、考えてみる」と答える。
玄烈が出発する際、君綺羅たちが見送りに来る。別れの時、君綺羅は「王が玄烈を簡単に手放すはずがない」と理解しつつ、再会を信じて送り出す。
王は玄青蔻の帰還を喜ぶが、直後に羅執舟の襲撃を受ける。王は退却を拒み、戦場へ。羅執舟は王を討とうとするが、玄烈が駆けつける。羅執舟は「王を権力の座に押し上げたのに、何をした」と問い、玄烈の剣に身を投げ「命を返す。来世でまた兄弟になろう」と言い残す。冬銀も羅執舟に付き従い、禁軍に命を奪われる。
炎南王は三不管に行く者を探すが、誰も名乗り出ない。君綺羅が「商売に長けており、三不管を理解している」と申し出る。王は承諾し、玄烈も同行を願い出る。王は「玄烈はどこにいても狼主である」と条件を付け、玄烈はそれを受け入れる。
一年後、市場で買い物中の君綺羅は玄烈と再会し、喜びを隠せない。羅奇も君家に戻り、君絳綢と抱き合う。君綺羅は「二人の子供のうち、一人は玄烈の後継者に、もう一人は君家に残す」と語る。玄烈は「未来を今決めるのは望まない」と反対するが、君綺羅は「子供たちは両国の平和を守る人材。これが我々の責任」と主張。玄烈は「君綺羅の言う通りにする」と答え、二人は深く抱き合う。
相思令(そうしれい)~君綺羅と玄烈~ 全話あらすじとキャスト・相関図
















この記事へのコメントはありません。