北月と紫晴~流光に舞う偽りの王妃~

北月と紫晴~流光に舞う偽りの王妃~

北月と紫晴~流光に舞う偽りの王妃~ 1話・2話・3話・4話・5話 あらすじ

北月(ほくげつ)と紫晴~流光に舞う偽りの王妃~2024年 全40話 原題:流光引

1話あらすじ

物語は、現代に生きる女性・**韓紫晴(かん・しせい)**が、ある生物研究会社の依頼を受け、調査チームと共に危険区域へ足を踏み入れる場面から始まる。そこは有害な生物が数多く生息し、常人では近づくことすら難しい場所だったが、紫晴は卓越した戦闘能力と冷静な判断力で仲間たちを守り、次々と危険を排除していく。

調査の途中、彼女は前方の山洞から異常な強い磁場反応を感知する。直感的に「中は危険だ」と判断した紫晴は、仲間たちを外で待機させ、自ら単身で洞窟へ入る決断を下す。洞窟の奥で彼女が見つけたのは、一本の不思議な棍(こん)だった。それを引き抜いた瞬間、強烈な衝撃が走り、紫晴は意識を失ってしまう。

次に目を覚ました紫晴がいたのは、見知らぬ世界だった。地面に倒れている彼女を怒声で罵っていたのは、相府(しょうふ)夫人と名乗る女性。夫人は、紫晴が「国色天香」という場所から衣服の乱れた姿で出てきたことを「恥知らず」「不貞の女」と激しく糾弾し、周囲の者たちに彼女を捕らえるよう命じる。

混乱する紫晴の脳裏に、断片的な記憶がよみがえる。前日、**庶妹の韓汐儿(かん・せきじ)**が自分に薬を盛り、意識を失った自分を国色天香の寝台に置いたこと――。どうやら紫晴は、現代からこの世界へ飛ばされ、さらに“相府の娘・韓紫晴”として扱われている状況だと悟る。

状況を理解しきれないままでも、紫晴は屈しない。無理やり捕らえようとする者たちを次々と打ち倒し、怒り狂う相府夫人からは外套を剥ぎ取り、自ら羽織って堂々と立ち向かう。その姿に、周囲の人々は騒然となり、「貞潔を失った娘」として指を差し、噂を広めていく。

相府夫人はさらなる人手を呼ぶため屋敷へ使いを走らせるが、紫晴は逆に夫人を捕らえ、相府へ押しかける。屋敷の中で怯えきって門を閉ざす韓汐儿に向かい、紫晴は外からすべての悪事を暴露する。選妃を控えた嫉妬心から、庶妹に毒薬を盛るという卑劣な行いに、集まった人々はざわめき、「理由があっても許されることではない」と非難の声を上げる。

そこへ戻ってきた**相爷(しょうや)**は、事態を収拾しようと紫晴を中へ入れるよう促すが、彼女は拒否し、汐儿を呼び出して公の場で説明させるよう要求する。追い詰められた汐儿は否定しきれず、父からも「なぜ姉妹にこんな仕打ちを」と叱責される。汐儿はすべて自分の責任だと涙ながらに訴えるが、紫晴は一切容赦せず、平手打ちを二度浴びせる。「彼らが私を“韓紫晴”と呼ぶなら、この体が受けた屈辱に代わって、私がけじめをつける」――その強い意志の表れだった。

しかし相府側はなおも「すでに名節を失った以上、決まった相手に嫁ぐしかない」と勝手に結論づけようとする。汐儿が差し出した茶を受け取った紫晴だったが、それをその場で捨て、「今まで人として扱わなかったくせに、今さら善人面するな」と断言する。そして、これからは自分の人生は自分で決める、誰にも支配されないと宣言するのだった。

その後、紫晴は屋敷の片隅にある粗末な住まいへ戻される。そこで唯一優しく接してくれたのが侍女の**雲曦(うんぎ)**だった。質素な部屋で琴に触れた紫晴は、この体の持ち主の母が琴を奏でていた記憶を思い出し、胸に淡い哀しみを覚える。

一方、朝廷では国政を巡る議論が続いていた。戦後処理として「政略結婚こそ最善」とする声が上がる中、**四公子・君北月(くん・ほくげつ)**が現れ、兄が希林国との聯姻を進めていることに異を唱える。戦に勝ったうえでさらに婚姻を強いられる理不尽さ、そしてその裏にある思惑を鋭く指摘する北月。その存在は、物語の核心へとつながる予兆を感じさせる。

しかし同時に、二公子は母に不安を漏らす。――君北月は“漠尋の毒”に侵されているはずなのに、なぜまだ生きているのか
こうして、紫晴の転生と宮廷の陰謀、二つの運命が静かに交差し始めるのだった。

 

2話あらすじ

相府での騒動の後、韓紫晴は自室で一振りの**匕首(短剣)**を目にし、強い既視感に襲われる。それは現代で自分が見た“不思議な棍”と同じく、元の世界へ戻るための鍵かもしれないと直感する。紫晴は「この匕首さえ見つかれば、家に帰れる可能性がある」と考え、部屋中を探し回るが、肝心の匕首は見当たらない。

そこで彼女は侍女の雲曦を呼び、同じような匕首を見たことがないか尋ねる。しかし雲曦は見覚えがないと言い、さらに衝撃の事実を口にする。紫晴の母の遺品はすべて大夫人によって処分されていたというのだ。母の存在までも消し去ろうとした相府の冷酷さに、紫晴は怒りを覚える。彼女は雲曦に、遺品がどこへ捨てられたのか探るよう頼み、匕首の行方を追う決意を固める。

一方、雲曦から語られた「陳公子」の話を聞き、紫晴は自分を陥れた事件の真相を確かめるため、陳公子本人に会いに行くことを決める。夜、彼女は密かに陳公子の屋敷へ忍び込むが、そこにはすでに別の不穏な影があった。金目の物を狙う賞金稼ぎ二人、そして剣を携えた黒衣の刺客二人である。

黒衣の者たちは陳公子に対し、「韓紫晴の件はどういうことだ」と厳しく問い詰める。追い詰められた陳公子は、すべては韓汐儿の主導で、自分は命じられた通りに動いただけだと告白する。しかも彼は紫晴に触れる前に何者かに打ち倒され、翌朝目覚めた時にはすでに事が大きくなっており、恐れて逃げるしかなかったと語る。

黒衣人たちは陳公子に罪状を書いた自白書を書かせると、用済みとばかりにその場で彼を殺害する。その一部始終を、紫晴は物陰から目撃していた。刺客たちは自白書を携え、背後にいる“貴人”のもとへ向かう。紫晴は「彼らの狙いは最初から自分だった」と悟り、正体を突き止めようとするが、気配に気づかれ、激しい追撃を受けることになる。

必死に応戦しながら逃げる紫晴だったが、追い詰められたその時、仮面をつけた謎の男が現れ、彼女を助け出す。男は名も告げぬまま姿を消し、紫晴は彼の正体と、自分を巡る陰謀の大きさを思い知るのだった。

その頃、相府では陳公子の死を知った韓汐儿が激しく動揺していた。この日はちょうど選妃の日。陳公子が死んだことで、紫晴が選妃に参加できる状況になってしまったからだ。汐儿は衣装を手に紫晴のもとを訪れ、母の出自を持ち出して嘲笑する。「お前の母は琴房の女。琴房は男の慰み者の場所だ」と心ない言葉を浴びせる。

しかし紫晴は屈しない。琴に触れた時に思い出した母の面影と重ね、「そこまでして私を選妃から遠ざけたいなら、私は逆に必ず行く」と決意を新たにする。

一方、朝廷では四公子・君北月が密かに紫晴の身辺を調べさせていた。部下の報告によれば、紫晴の母はかつて山賊に遭い、崖から身を投げて亡くなったこと、紫晴自身は相府で育ち、特別変わった点のない娘だったという。ただし、国色天香の一件以降、性格が一変したという点が北月の興味を引く。

やがて選妃の場。紫晴と汐儿が宮中に入ると、そこに北月も姿を現す。北月は汐儿に才を尋ね、彼女は詩文や琴を嗜むと答える。続けて北月が冗談めかして「人を殺せるか」と問うと、汐儿は慌てて否定し、その場は笑いに包まれる。

次に紫晴へ問いが向けられると、彼女はあえて「何もできません」と答える。相爷も「汐儿には及ばない」と取り繕うが、北月は迷わず紫晴を選ぶ。場は騒然となり、宦官や重臣たちは「失格事案がある」「すでに婚約している」と反対する。しかし北月は冷静に反論する。紫晴は被害者であり、正式な婚約も存在しない。陳公子はすでに死んでおり、口約束など婚約とは呼べない、と。

その瞬間、紫晴は北月の手元にあるあの匕首に気づき、愕然とする。それはまさに、彼女が探し求めていたものだった。こうして北月は紫晴を伴い、そのまま宮を後にする。

直後、王からの呼び出しが入り、北月は部下の紅衣に紫晴を任せる。「私の許しなく、誰も彼女を連れ出すな」という言葉を残して去るが、紅衣は紫晴に冷たい態度を取り、あえて人目につかない西院へ案内する。
紫晴は、新たな場所で、さらに大きな運命の渦へ巻き込まれていくのだった。

 

3話あらすじ

西院へ追いやられても、韓紫晴は動じていなかった。侮蔑や冷遇に怒るよりも、彼女の関心はただ一つ――君北月が持つ匕首を手に入れること。それこそが元の世界へ戻る唯一の手掛かりだと信じ、「ここに来てしまった以上、流れに逆らうより利用する方がいい」と腹を括る。

一方、宮中では王が君北月を呼び、囲碁を打ちながら探りを入れていた。盤上では北月が不利に見え、王は「このままでは負けだ、手を変えよ」と促す。しかし北月は一切譲らず、「まだ負けとは決まっていない」と静かに返す。その姿勢は、まるで政局そのものだった。

王は話題を紫晴の件へ移し、「なぜあの女を選んだ」と詰め寄る。北月は動じず、「韓家との聯姻は父上の命。誰を選ぶかまでは指定されていない」と答え、選択の自由は自分にあると主張する。しかし王は激怒し、「失格の女が王妃になれるはずがない」と断じる。それでも北月は退かず、「自分が好きなのは韓紫晴だ」と言い切る。

その態度に業を煮やした王は、北月を軟禁する決断を下す。囲碁の勝敗と同じく、力でねじ伏せるしかないと判断したのだ。

王は続いて王后のもとを訪ねる。王后は表向き「二公子の方が穏当」と勧めるが、王は二公子の実態を見抜いており、能力より派閥作りに長けた人物だと冷笑する。それでも王は断言する。「君北月が韓紫晴を娶ることは絶対に許さない」。すると王后は静かに微笑み、「その件は私が処理する」と請け負う。

ほどなくして王后からの召しが下り、韓紫晴は宮中へ呼び出される。紅衣は、これは王后による“排除”だと察するが、君北月と王后の対立を思えば、あえて止めなかった。

王后は紫晴を前に、あえて無垢を装い、「国色天香の件は本当なのか」と問いかける。紫晴が事実だと認めると、周囲はざわつき、王后は「まだ正式な詔は出ていない。あなたは王妃ではない」と冷たく言い放つ。そして一杯の茶を下賜する。

紫晴はその茶に花瑾之毒が仕込まれていることを即座に見抜く。それは肺を蝕み、七日以内に死に至らしめる毒で、症状は肺痨と見分けがつかない。紫晴が飲まないのを見て、王后は自ら近づき、茶碗を手渡す。覚悟を決めた紫晴は、躊躇なくその毒茶を飲み干した。

王后は満足げに告げる。「七日後、相府へ詔を下す」。それはつまり、紫晴の“死期”を見届ける宣言だった。

宮を出た紫晴は、人目のない場所で体内の毒を強引に逼出する。その光景を目の当たりにした紅衣は愕然とし、紫晴の異常な力を初めて知る。紫晴はこの件を誰にも話さないよう釘を刺し、とくに君北月には知らせないでほしいと頼む。王后との対立を激化させることを避けるためだった。紅衣はその覚悟を受け取り、黙って頷く。

その夜、王后は王に報告する。花瑾之毒は見た目が肺痨そのもので、病死として処理できる――これで四王妃の問題は消える、と。王もまた安堵し、計画は順調に進んでいるように見えた。

翌日、王后の姪である欧阳静琴欧阳静诗が宮を訪れる。静琴はすでに二王子の正妃で、かつて紫晴が目にした二王妃その人だった。紅衣は、妹の静诗が非常に傲慢な性格であることを警告する。

案の定、静诗は待たされることに苛立ち、「韓紫晴ごときが私たちを待たせるとは」と不満をぶつける。そこへ紫晴は、重病人を装い、人に担がれて現れる。静诗が罵倒すると、紫晴はわざと息も絶え絶えの様子を見せ、今にも死にそうに振る舞う。その迫真の演技に静诗は青ざめ、「自分のせいで死なれたら困る」と怯える。

太医が呼ばれ、紫晴は正式に“肺痨”と診断される。静琴は慌てて静诗を連れ帰り、「何の成果もないまま来ただけだ。四王府に嫁ぐ夢も諦めなさい」と言い聞かせるのだった。

やがて六日後。王はようやく君北月の軟禁を解く。外に出た北月は、第一報として「韓紫晴が肺痨に罹り、重篤だ」と聞かされる。その知らせに、彼は顔色を変え、「すぐに見舞う」と告げる。

こうして、偽りの病と偽りの王妃を巡る運命は、北月の行動によって新たな局面へと進み始めるのだった。

 

4話あらすじ

君北月が軟禁を解かれ、四王府へ戻ると、そこには相変わらず病に伏せる様子の韓紫晴がいた。顔色は悪く、咳き込み、誰が見ても重病人そのもの。しかし北月はその姿に安堵するよりも、どこか拭えない違和感を覚えていた。

太医が呼ばれ、紫晴の診察を申し出るが、彼女は「昨日すでに陳太医に診てもらった」とやんわり断る。それでも北月は納得せず、改めて診察させる。太医は「突発的な痨病で、すでに鍼治療も施してある。数日静養すれば問題ない」と報告するが、その説明はあまりにも都合が良すぎた。

北月は紅衣を呼び、ここ数日で何か変わったことはなかったかと問いただす。紅衣は言いよどみながら、「本来なら殿下に報告すべきだが、紫晴本人から“絶対に言うな”と命じられている」と答え、直接本人に聞くよう促す。北月はそれ以上追及せず、静かに胸中で疑念を深める。

その後、北月は密かに老顧を呼び、紫晴の状態を診させる。老顧は一目で見抜き、「これは花瑾之毒。ただし、ほとんどが解毒され、残滓しか残っていない」と断言する。その言葉に北月は驚き、紫晴が自力で毒を解いた可能性を悟る。

ここで北月は、かつて自分が中った漠尋之毒のことを思い出す。「あの時の毒も、紫晴が解いたのではないか?」と問うが、老顧はそれを否定する。花瑾之毒は高い内功があれば解けるが、漠尋之毒は例外であり、中毒者は必ず死ぬ毒だという。当時、北月が助かったのは、自らの毒を紫晴へ移したからであり、本来なら彼女は生きていられないはずだった。

老顧は一つの可能性を口にする。この世には百毒不侵の体質を持つ者が存在し、それが孤島の民だという。さらに二十年前、孤島の人々が変異し「人槐」となり、大陸全体に脅威をもたらした過去があること、そして南照の手によって孤島へ封じ返されたという伝説を語る。その話は、紫晴の異常な体質と不気味に重なっていく。

その頃、紫晴は北月に改めて匕首を見せてほしいと頼む。だが北月は、それが亡き母妃の遺品であることを明かし、「正式に四王妃となった暁には見せよう」とやんわりかわす。紫晴にとって匕首は帰還の鍵であり、北月にとっては母の形見。二人の思惑は交わらないまま、すれ違い続ける。

やがて詔が下される日。北月は紫晴を伴い、相府へ向かう。紫晴は相変わらず病弱を装い、咳き込みながら歩く。そこへ王后の姪である欧阳静琴と欧阳静诗も姿を現す。静琴は「王后の命で観礼に来た」と告げ、静诗は露骨に不機嫌な様子を隠さない。

紫晴が咳き込むたび、北月は水を注ぎ、自然に気遣う。その様子を見て静琴は、「冷淡に見えた四殿下が、ここまで人を労わるとは」と感心するが、静诗は面白くなさそうに視線を逸らす。

そこへ二王子が現れ、北月を皮肉交じりに挑発する。だが北月は一歩も引かず、冷静かつ鋭い言葉で切り返し、場の空気を支配する。

宣旨の時が訪れ、公公が到着する。紫晴がまだ生きている姿を見て一瞬言葉に詰まるが、ここまで来て詔を読まぬわけにもいかず、正式に旨を伝える。紫晴が詔を受け取った瞬間、それまでの病人ぶりが嘘のように消え、元気に立ち上がる。その変わり身の早さに、周囲は唖然とする。

王宮ではこの報せを受けた王が激怒し、王后を厳しく叱責する。王后は「確かに毒を盛った。なぜ生きているのか分からない」と弁明し、公公も「毒を飲んだのは確かだ」と証言する。王は苦々しく、「ならば別の手を使うしかない」と呟く。

王后はすぐに二王子のもとへ向かい、新たな策を示す。陳公子の死を利用し、韓汐儿が妹を陥れたことで紫晴に殺害動機が生まれたと仕立て上げる。そうなれば韓家の娘二人とも問題を抱えることになり、聯姻そのものが破談になる――冷酷だが理にかなった策略だった。

一方、老顧は北月に改めて孤島人の伝説を語り、紫晴の存在がただの偶然ではない可能性を示唆する。

その夜、紫晴は再び匕首を求め、北月に迫るが、「正式な四王妃になるとは、つまり円房を済ませた後だ」と言われ、完全に行き詰まる。ちょうどその時、軍からの急報が入り、北月はやむなく外出する。

好機と見た紫晴は、こっそり北月の寝殿へ忍び込み、匕首を探し始める。しかし捜索も虚しく、匕首は見つからない。そこへ、想定より早く北月が戻ってくる気配が――。
紫晴は咄嗟に 寝台の下へ身を潜める

こうして、秘密を抱えた二人は、ついに同じ空間で息を潜める距離まで近づくのだった。

 

5話あらすじ

君北月の寝殿の床下に身を潜めていた韓紫晴は、長い時間息を殺し、ようやく北月が眠ったと見計らって外へ出ようとする。だがその瞬間、北月は突然目を開き、彼女の腕を掴む。――彼は最初から眠ってなどいなかったのだ。

行き場を失った紫晴はとっさに「お腹が空いて、膳房の場所が分からず迷った」と苦しい言い訳をする。北月は怪しみながらも「それなら食事を用意させよう。私も一緒に食べる」と言い出す。距離を詰められた紫晴は動揺し、必死に辞退して隙を突き、その場から逃げ出すのだった。

翌日、紫晴と北月は本来、宮中へ謝恩に向かう予定だった。しかし屋敷の前には江大人が待ち構え、「陳公子殺害事件の捜査のため、韓紫晴を連行する」と告げる。北月は即座に反発し、「王妃を連れて行くことは許さない」と断言するが、紫晴自身は「逃げれば心虚だと思われるだけ」と冷静に判断し、自ら同行を申し出る。

北月は単身で王に会い、事の真意を問いただす。王は「証拠がある以上、問題のある女を王妃にはできない」と冷酷に言い放つ。北月は譲らず、「もし紫晴が罪を認めるなら自ら廃妃する。だが、認めなければ決して退かない」と宣言する。そして密かに、郊外で殺された二人の紫衣人の遺体を掘り起こすよう命じる。

一方、牢に入れられた紫晴のもとへ紅衣が食べ物を持って訪れる。厳重な警戒の中、紅衣は「やっとの思いで来た」と告げ、紫晴を気遣う。そこへ突然、あの仮面の男が現れ、紫晴に接近する。紫晴は即座に応戦し、二人は激しく刃を交えるが、男は再び正体を明かさぬまま姿を消す。その後、北月は鏡に映る自分の首元に、何かに引っかかれたような痕を見つけ、ある違和感を覚える。

王后はこの動きを二王子に報告し、「陳公子の件で紫晴と汐儿、二人とも潰せば、韓相は二度と聯姻など口にできない」と冷酷な算段を語る。

やがて公審の日が訪れる。江大人は「陳公子は韓紫晴に殺された」と断じ、証拠として陳公子の自白書を提出する。紫晴は、この裁きが自分だけでなく韓汐儿をも巻き込む罠だと即座に察する。

紫晴は堂々と「自分は無関係だ」と主張するが、江大人は「では証拠を示せ」と迫る。そこで紫晴は、外で待機している人物の名を挙げる。――謝哲。彼は名高い仵作で、その名を聞いた王も召喚を許可する。

謝哲は遺体を検分し、「致命傷は極めて深く、相当な武芸の使い手による一撃」と断言する。江大人はなおも「それでも紫晴の犯行とは否定できない」と食い下がるが、謝哲は続けて、郊外で見つかった紫衣人二人の死体について言及する。二人の武器は遺体のそばにあり、しかも彼らは大内の人間だった。

この事実に王は激怒する。大内から二人も失踪していたにもかかわらず、誰も把握していなかったからだ。責任を問われた江大人は罰せられ、官職を剥奪される。

紫晴はさらに、事件の背後に韓汐儿の存在がある可能性を示唆する。韓相は慌てて「娘がそんなことをするはずがない」と土下座して弁明するが、王は「証拠が出たら改めて裁く」と言い渡す。紫晴は「その時を待つ」と静かに答える。

解放された紫晴は、再び仮面の男の姿を目にするが、追いかけても捕まえることはできない。屋敷へ戻ると、北月が待っていた。紫晴は「どうしてあれほど大事な裁きの場に現れなかったのか」と問い詰める。北月は「どうしても外せない用があった。だが、君ならうまく切り抜けると分かっていた」と答える。

その言葉に、紫晴の胸には複雑な思いが湧き上がる。守ると言いながら姿を見せない――「男の言葉は信じるものじゃない」と内心で吐き捨てつつも、結果的に北月の手配が自分を救った事実も理解していた。

別れ際、紫晴は北月の服装に目を留める。「こんな暑いのに、どうして高い襟の服を?」と尋ねると、北月は素っ気なく「関係ないだろう。私は暑くない。それどころか寒いくらいだ」と返す。その首元に隠された痕と、仮面の男の正体――疑念だけが、静かに残されるのだった。

 

北月と紫晴~流光に舞う偽りの王妃~ 6話・7話・8話・9話・10話 あらすじ

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