女医明妃伝~雪の日の誓い~ 2016年 全50話 原題:女医・明妃傳
目次
第31話 皇后が皇子を出産 允賢は瓦剌で人々を救う
郕王・朱祁鈺の即位によって、汪美麟はついに皇后の座に近づく。しかし彼女の野心はそれだけでは終わらなかった。最大の障害である銭皇后を排除するため、密かに策略を巡らせる。汪美麟の仕掛けによって銭皇后は早産となるが、幸いにも無事に皇子を出産した。
銭皇后は朱祁鈺に対し、生まれた皇子を守ってほしいと願う。朱祁鈺は兄・英宗への忠義を示すため、生まれたばかりの皇子を皇太子に立てると宣言し、自らが帝位を奪う意思はないと固く誓う。その言葉に銭皇后は安堵するが、汪美麟は激しい衝撃を受ける。
一方、瓦剌では英宗の価値が急速に失われつつあった。大明ではすでに新帝が即位し、也先は英宗を利用する計画の修正を迫られる。そして北京攻略へ向けて本格的に動き出す。
そんな中、允賢は瓦剌の将軍の妻の難産を救う。命の恩人となったことで将軍は允賢に深く感謝し、捕虜たちへの待遇も改善される。さらに英宗は伯顔帖木児との交流を通じて、その武勇と人格で相手の信頼を得ていく。
しかし也先は英宗に降伏勧告の詔書を書くよう迫る。英宗が断固として拒否すると、也先は彼を暗い地下牢へ閉じ込めるのだった。
その頃、也先の妹・脱不花郡主が狂犬に噛まれ重体となる。瓦剌全土が不安に包まれる中、允賢の医術が再び試されることになる。
第32話 允賢、郡主を救うも正体が露見する
脱不花郡主の病状は悪化し、瓦剌の人々は絶望していた。祈祷師たちは心臓を捧げるような迷信的な治療法まで持ち出し、捕虜たちにも危険が及ぶ。
そこで立ち上がったのが允賢だった。限られた薬材と知識を駆使し、独自の治療を行う。周囲が不可能だと諦める中、允賢は郡主の命を救うことに成功した。
この一件で、也先は允賢が女性であること、さらに以前自分を助けた名医であることを知る。恩義を感じた也先は、允賢に英宗との再会を許可する。
久しぶりに再会した二人は、過酷な運命の中で再び生きる希望を見出す。そして「必ず生きて大明へ帰ろう」と約束を交わすのだった。
一方、北京では瓦剌軍の接近により朝廷が混乱していた。汪国公は南京への遷都を主張するが、于東陽ら忠臣たちは徹底抗戦を訴える。孫太后もまた国家存亡の危機を前に強い決意を示し、朱祁鈺も北京と運命を共にすると宣言する。
しかし瓦剌の捕虜たちは、允賢が女性であることを知ると態度を一変させる。彼女を不吉な存在だと責め立て、大明敗北の原因だとまで非難する。これまで命を救われた恩すら忘れた兵たちの仕打ちに、允賢は深く傷つく。
そんな彼女を守ったのは、やはり英宗だった。
第33話 允賢、危険な宴へ招かれる
英宗は允賢を侮辱する兵士たちを厳しく叱責し、彼女の名誉を守る。命を懸けて自分を守ろうとする英宗の姿に、允賢は改めて深い感謝と信頼を抱く。
その頃、宿敵・程十三が再び允賢の前に現れる。瓦剌で重用されていることを鼻にかける程十三だが、也先の信頼はすでに允賢へ傾いていた。そのため彼の中傷は思うような成果を上げられない。
しかし程十三は郡主を利用して也先の疑念を煽ることには成功する。也先は万一に備え、允賢を郡主の側から遠ざける。
允賢は程十三の裏切りを痛烈に批判し、「このような人物を頼っていては大業など成し遂げられない」と也先に告げる。その言葉は也先の胸に深く刺さった。
一方、脱不花郡主は英宗に恋心を抱くようになっていた。敵国の皇帝でありながら誇り高く気高い英宗に、彼女は次第に惹かれていく。
やがて也先は程十三の本性を知り、允賢への信頼をさらに深める。診察を受けた際、允賢が真剣に体調を案じてくれたこともあり、也先の心には恋愛感情が芽生え始める。
そんな中、瓦剌の大汗は英宗を侮辱するための宴席を開く。英宗を笑いものにする計画だったが、そこへ騙されて連れて来られた允賢も現れる。彼女は堂々と英宗へ礼を尽くし、その気高さによって場の空気を一変させるのだった。
第34話 也先の執着 英宗は皇位喪失を知る
宴席で瓦剌の大汗は允賢に手を出そうとする。英宗は必死に抵抗するが、捕虜の身ではどうすることもできない。
辱めを受けるくらいなら死を選ぶ覚悟を決めた允賢は、自ら短刀を手に取って命を絶とうとする。しかしその瞬間、也先が現れ事態を収める。
也先は皆の前で「允賢は自分のものだ」と宣言し、大汗を退ける。だがその行動は保護というより、強い独占欲の表れでもあった。允賢への執着は日に日に増していく。
さらに程十三は、允賢と英宗の関係について嘘を吹き込み、也先の嫉妬心を煽る。その怒りの矛先は英宗へ向けられた。
そして也先は決定的な事実を英宗へ告げる。大明ではすでに朱祁鈺が即位し、自分は皇帝ではなくなったというのだ。
衝撃の真実を知った英宗は絶望し、吐血して倒れる。これまで気丈に耐えてきた彼の心は完全に打ち砕かれてしまう。
必死に救命処置を行う允賢だったが、容体は悪化するばかり。最後に脱不花郡主が提案した古い民間療法によって、奇跡的に英宗は一命を取り留める。
しかし也先は時間がないと判断し、病み上がりの英宗を連れて北京攻略へ向かう決断を下す。允賢もまた彼に付き添い、大明への遠征に同行することになる。
第35話 北京攻防戦 英宗が売国奴を討つ
瓦剌軍は各地を荒らしながら北京へ迫る。民衆の苦しみを目の当たりにした英宗は、ようやく失意の底から立ち上がる。允賢もまた、小皇子の誕生や朱祁鈺の奮闘を伝え、英宗を励ます。
一方、北京では朱祁鈺が亡き允賢を思い続けていた。しかし運命のいたずらによって、この夜ついに汪美麟と夫婦として結ばれることになる。知らぬ間に、彼は允賢との永遠の誓いを破ってしまった。
翌日、瓦剌軍は北京城へ到達する。しかし待ち受けていたのは火砲と火器を備えた明軍だった。想定外の抵抗に也先は苦戦する。
そこで也先は切り札として英宗を城門前へ連れ出し、明軍に降伏を迫る。さらに程十三は朱祁鈺や于東陽を逆臣だと罵り、降伏を呼びかける。
しかしその瞬間、英宗が立ち上がる。
彼は敵兵の武器を奪い、国を裏切った程十三を自らの手で討ち果たした。そして城上の兵士たちに向かって「自分のことは気にせず戦え」と叫ぶ。
その言葉に奮い立った朱祁鈺は総攻撃を命じ、北京軍は猛烈な反撃を開始する。
怒った也先が英宗を殺そうとした瞬間、空から落ちた雷が彼を直撃する。総大将を失った瓦剌軍は混乱し、明軍は一気に攻勢へ転じる。
戦場の混乱の中、朱祁鈺は死んだはずの允賢の姿を目撃する。しかし再会は叶わず、瓦剌軍は重傷の也先を連れて撤退する。
伯顔帖木児の懇願を受けた允賢は、敵将である也先を救うべきか葛藤する。それでも医師としての信念を貫き、彼の治療を引き受けるのだった。
















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