君子盟 2020年 全29話 原作: 張公案/大風刮過著
第19話 あらすじ
張屏は陳子觴の家で見つけた石と、馬廉が身につけていた金鎖の金片が同じ材質であることに気づき、そこが陳子觴殺害の第一現場だったと推測する。一方、蘭珏は科挙の問題用紙に付着したカビに目を留めるものの、その原因を突き止められずにいた。張屏は見つけた金片を陶大人に渡し、検証の結果、陳子觴の死亡時刻が亥の刻だったことが判明する。しかしその時間、馬廉は伴月楼で曲を聴いていたという証言があり、近隣の住民も彼がその夜まで生きていたことを証言する。
蘭珏は、馬廉が伴月楼にいた本当の目的は曲を聴くことではなく、科挙問題を取引することだったのではないかと疑う。陶大人は、事件の夜に捕らえた常習盗賊が罪を恐れて自殺したと説明するが、張屏はその結論に納得しない。二人はそれぞれ別の方向から真相を追うものの、陶大人に事件を早々に結審する機会を与えてしまう。
張屏が一人で伴月楼へ向かおうとすると蘭珏が同行し、そこで結香が偽の証言をしていたことを突き止める。さらに張屏は結香の部屋で芽を出したばかりの麦を発見し、雨が降った当夜の状況を考え合わせる。陳子觴と体格が近い馬廉なら、犯行現場に残された痕跡を利用して別人を装うことができたと推理する。二人は新たな証拠を陶大人に報告するが、陶大人は再審を拒む。
陳子觴の七日目の法要に士子たちが集まり、冤罪を晴らすよう訴える。景啓赭も徹底的な調査を求めたことで、皇太后は再捜査を受け入れる。やがて皇帝は、陶大人が「犯人が罪を恐れて自殺した」という証拠を偽造していた事実を明らかにする。
第20話 あらすじ
蘭珏と張屏は馬廉を訪ね、彼が科挙をめぐる事件で殺人に手を染めたことを突き止める。馬廉は、誰かから科挙問題の内幕を教えてもらい、しかも主考官が自分の側についてくれると聞かされていたと語る。一方、問題を売った老人は船頭だったことが判明する。楊伯は糯米を使った液体で指紋を写し取っていたが、蘭珏はその糯米液が時間とともにカビることを利用し、楊伯が不正に関わっていたことを暴く。さらに邵大人が陳子觴のくじ引きを操作していたことを認め、楊伯も士子の何宣に協力を求められ、内外から手を回していたことが明らかになる。
一方、鏡湖先生は陶大人の命を狙っていた。そこで蘭珏たちは陶大人の死罪を免じる代わりに、実際の事件現場を公表すれば鏡湖先生が再び姿を現すと考える。張屏は夢の中で鏡湖先生と対面し、彼こそ一連の事件の黒幕であることを知る。さらに張屏は『奇詭夜談』第五十巻の筆跡が陶大人のものと同じであることを発見する。
陶大人は自らが「慕葉生」であることを認め、二十年前、摩箩村の事件がかつての恵安堂事件と酷似していることに気づき、独自に調査していたと明かす。そして太医署の薬瓶を手掛かりに、摩箩村の事件には宮中の人間が関与していることを突き止めていた。二皮匠は宮中の人間で、皇太后の命を受けて邪魔者を排除していた人物だったが、摩箩村の事件後に姿を消していた。また常巍も工部営造司の人間であり、その背後にはさらに別の勢力が存在していた。陶大人は、摩箩村の虐殺が皇太后の指示による可能性が高いと判断する。すべてを語った陶大人は、その後首をつって自ら命を絶つ。蘭珏と張屏は物陰からその一部始終を目撃する。
第21話 あらすじ
張屏は自宅で慕葉生が残した話本を見つけ、これまでに経験した数々の事件を振り返る。一方、朝廷では南棟の侵攻によって多くの民が犠牲となり、柳太傅が和議を進言する。王墨聞は父に代わって自ら出征すると申し出て、李太后もこれを認める。
その頃、蘭珏は太后が宮外へ出ると知り、張屏と旭東を伴って後を追い、牡丹閣へ向かう。太后の護衛は応熹だけだったが、金吾衛も密かに後を追っていた。舞台では太后の身に危険が迫っていることを示すような芝居が演じられ、蘭珏は鏡湖先生もこの一件を知っていると察する。やがて太后は男伶に連れ去られ、蘭珏らはその後を追って咒禁科へ。そこで火災の跡と大やけどを負った太后を発見する。さらに蘭珏と張屏は、法陣のような模様が描かれた残頁を見つけるが、直後に毒に侵され、意識を失ってしまう。
第22話 あらすじ
意識を取り戻した蘭珏は、自分たちを救ったのが辜清章だと知る。蘭珏は十年前、まだ若かった頃に出会った辜清章との日々を思い出す。辜清章は蘭珏の才能を見抜き、互いに理解し合える知己となったが、身分の違いから二人の距離は次第に離れていった。科挙に失敗した蘭珏を辜清章が励ました後、蘭珏は思いがけず探花に及第する。
その後、湖心の小屋を訪れた蘭珏は、そこに辜清章が残っていることを知る。辜清章は、かつて蘭珏を救うため自ら毒を飲んだことを明かす。解毒には成功したものの、毒による後遺症は今も身体に残っていた。そこへ張屏が訪れ、殿試を受ける機会が残されていると知るが、張屏にはすでに仕官する意思がなかった。
蘭珏は咒禁科で見つけた残頁について辜清章に相談する。辜清章は文字の解読に協力するものの、突然激しく咳き込み、血を吐いてしまう。蘭珏は彼の身体を案じながらも、残頁に秘められた謎と、咒禁科を巡る過去の事件を追い続ける。
第23話 あらすじ
張屏が家に戻ると、陳籌が食事を残して待っていた。翌日の殿試では景啓赭が姿を見せず、戎装で現れたことで柳太傅から礼を欠いていると指摘される。しかし景啓赭は、南境の民の命を損得のために天秤へかけることはできないと語り、自ら親征することを決意。王墨聞も彼に従う。太后からは早期の凱旋を願う口諭が届き、景啓赭は士子たちに「君子は戦わずして戦えば必ず勝つ」という題を与え、それぞれの考えを問う。
一方、蘭珏は残頁の文字を調べ、辜清章から「素覚」という僧が同じ文字を使う医書を持っていたと聞く。旭東によれば、素覚は咒禁科で唯一生き残った人物で、回生陣によって皇帝を救ったという。張屏は皇帝がすでに別人にすり替えられている可能性を疑い、蘭珏は太后が真相を知る者を口封じしようとしているのではないかと考える。さらに二十年前、咒禁科で蛊毒が漏出し全員が死亡した事件と、現在の皇帝が偽物だという童謡が巷で広まっていることも判明する。
辜清章への疑念を抱いた張屏と蘭珏は衝突するが、景啓赭は張屏を誘い出し、ともに街を歩く。民が出征する兵士のために金品を差し出す姿を見た景啓赭は、誰もが希望を生み出せるのだと語る。やがて大軍が出征し、陳籌は太后が「火傷を治せる名医を募る」告示と、「水器を持つ摩箩村の残党を捕らえる」告示を出したと蘭珏に伝える。その頃、張屏の師匠が現れるが、兵士たちも張屏を捕らえに来ていた。師匠は陳籌に張屏を連れて逃げるよう命じる。
第24話 あらすじ
張屏は蘭珏の屋敷で意識を取り戻す。師匠の仇を討とうとするものの果たせず、事件の真相を確かめるため、幼い頃に暮らしていた摩箩村へ戻ることを決意する。一方、蘭珏は辜清章の行方を気にかけていた。調べてみると、辜清章は火傷を治すための薬草を集めていることが分かる。
張屏は摩箩村へ向かう途中、深い森の中で道に迷ってしまう。そこで幼い頃の記憶が蘇り、母「あ娘」と過ごした日々が夢のように浮かび上がる。母に抱かれた記憶や故郷で起きた出来事をたどりながら、張屏は自分が何者なのか、そして母がなぜ自分を守り続けたのかを少しずつ思い出していく。
やがて張屏は、長い間探し続けていた摩箩村へたどり着く。しかし、そこに残されていたのは荒れ果てた故郷と、すでに亡くなっていた母の遺体だった。母の姿を前に、張屏は幼い頃の出来事を鮮明に思い出し、母が隠していた秘密と、摩箩村を襲った悲劇の真相へ近づいていく。
















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