国色芳華~牡丹の花咲く都で~

国色芳華~牡丹の花咲く都で~

国色芳華~牡丹の花咲く都で~ 9話・10話・11話・12話 あらすじ

国色芳華(こくしょくほうか)~牡丹の花咲く都で~2025年 全56話 原題:国色芳华 / 國色芳華 前半32話  / 锦绣芳华 後半24話

第9話あらすじ

第9集:契約を結び財運が開く、新宅を借りるも誤って蒋君府を貸す

蒋長揚を軽蔑していた何惟芳は、彼を権力に媚びる俗物と嘲ったが、蒋長揚は冷静に受け流し、戸棚から黄金のように輝く玉豹を取り出して見せつけた。彼は「世の中は金次第だ」と笑い、何惟芳を圧倒する。即座に商談を切り出した何惟芳は、契約書に「利益五五分」と記したが、蒋長揚は即座に「一九分」に書き換える。強欲ぶりに憤りながらも、彼の才覚に抗えず、何惟芳は渋々「蒋小花」と署名した。こうして二人の奇妙な金銭契約が成立する。

一方、寧王府では李幼貞が父・寧王の怒りを買っていた。洛陽での醜聞に続き、奔放な行動を重ねた娘を叱責する寧王。だが幼貞はひざまずき、真摯に訴える——自分は劉暢を愛し、彼こそ王府の機密を任せられる人物だと。涙ながらの説得に、寧王もついに心を動かされ、二人の結婚を許した。幼貞は歓喜のあまり、劉暢を長安に呼び寄せようと奔走する。

一方その頃、蒋長揚何惟芳を連れて長安へ戻る途中、李幼貞と馬上で出会う。幼貞は満面の笑みで蒋長揚に挨拶するが、何惟芳は慌てて車の中に隠れた。幼貞劉暢の妻が亡くなり、障害が消えたことを喜び、結婚の報せを誇らしげに語る。蒋長揚は表面上は祝福するが、心中では複雑な思いを抱えていた。別れ際、蒋長揚何惟芳を捕らえ、「崖から落ちた件をどう説明する?」と追及する。彼女は「運よく助かった」とだけ答えるが、蒋長揚は「劉暢がすぐ長安に来る。運命の報いを覚悟しろ」と冷たく警告する。それでも何惟芳は怯まず、「彼が来ないなら、こちらから会いに行く」と微笑むのだった。

長安に戻ると、何惟芳勝意と共に矮牡丹の育成に没頭。試行錯誤の末、雨の夜に見事な花を咲かせることに成功する。市場では高値で取引され、二人の努力は大きな実りを得た。帳簿をつけながら、惟芳は湿気の多い現住まいが花の成長に悪影響を与えると判断し、勝意と新居を探し始める。

一方、長安に到着した劉暢は、李幼貞の尽力に感激する。彼女はすでに劉家の屋敷を買い戻し、彼のために整え、さらには王府の令牌まで与えた。寧王も彼を重用し、戸部員外郎の職を授ける。だが、胡侍郎らが媚びへつらう様子に劉暢は嫌悪を覚え、「真の実績をもって噂を打ち消そう」と決意する。

その頃、房介子の案内で何惟芳勝意は新居を探すが、選んだのは偶然にも蒋長揚の隣の荒れ屋敷だった。牡丹に最適な土質だと判断し、早速契約。しかし裏門を開けると、そこは蒋長揚の庭と繋がっていた。激怒した蒋長揚は即刻立ち退きを命じるが、何惟芳は冷静に利点を説く。共存すれば互いに利益があると説得し、最終的に蒋長揚も折れた。ただし「家賃の減額は一文たりとも認めぬ」と釘を刺す。

庭の雑草を抜く中、何惟芳は地面一面の馬歯莧(スベリヒユ)を見て、十文で自由に摘ませる商法を思いつく。「時間こそ金より価値がある」と語る彼女に、勝意は改めて惟芳の才覚を実感する。こうして、商才と胆力を兼ね備えた何惟芳の新たな生活が、蒋長揚との運命的な隣人関係のもとで幕を開けるのだった。

 

第10話あらすじ

第10集:蒋邸を訪れ巧みな言葉で冗談をかわし、旧怨に怒り醜行を糾弾

第10集 「再会の真実と欺きの庭」

馬歯莧を売るという何惟芳の奇抜な商法に、秦勝意は首を傾げた。薬草として価値があるなら自分で摘んで売ったほうが利益が出るのでは、と。しかし惟芳は静かに答える。「牡丹は一輪に魂を込める花。だが馬歯莧は時間を金に変える道具。時には、時間こそ最も高い価値を持つのよ」。幼い頃から商売に携わってきた彼女の言葉に、勝意は深くうなずく。惟芳は「私たちは師弟じゃなく、対等な仲間」と微笑み、勝意に文字と計算を教え始めた。

やがて惟芳は蒋邸に呼ばれ、瓊台玉露の世話を任される。そこでは「美之約」と呼ばれる奇妙な贈答の儀式が行われていた。蒋長揚の従者・穿魚の案内で、惟芳は巨大な秤の前に立つ。贈り物をする者は、秤の基準を満たさねば受け取られないという。ある役人が大きな赤珊瑚を献上するが、穿魚は「誠意が足りぬ」と言い放ち、彼を裏庭に案内する。そこには人の背丈ほどもある巨大な珊瑚が飾られていた。愕然とする役人を見送りながら、惟芳は「こんな見せびらかしをしても聖人に咎められぬのか」と疑問を抱く。穿魚はにっこり笑い、「郎君と聖人は幼馴染。咎めるどころか、奇談を楽しみにしておられる」と答えた。惟芳は改めて、蒋長揚がただの成金ではなく、権力の網の中心にいることを知る。

一方、李幼貞劉暢を伴い、長安の名門・賈府を訪問。劉暢は呉画師の名画を贈るが、賈氏は鼻で笑う。「そのような絵など屋敷に山ほどある」と。父親が呉画師の旧友であると聞かされ、劉暢は屈辱に顔を歪めた。庭を歩きながら「今日は笑い者だ」と呟いた時、彼の目に小娘が育てた矮牡丹が映る。「この花をどこで?」と尋ねた瞬間、過去の記憶が蘇る。李幼貞はそんな彼を見て苛立ち、「もっと立派な花を見せてあげるわ」と言うが、劉暢は「ある者はこの花のように、この華やかな庭には似合わぬ」と呟き、立ち去った。

彼は花市へ向かい、何惟芳を探した。直感で、彼女がまだ生きていると信じていたのだ。市場で、一人の男が老人にわざとぶつかり、二十貫の賠償を要求する騒ぎが起きる。惟芳は即座に介入し、「役所に訴えよう。詐欺を働いた花売りを探す」と冷静に告げた。男は怯み、仕方なく惟芳の言い値で花を売った。その一部始終を見ていた劉暢は、声を震わせながら呼びかける。「惟芳……!」。彼女は一瞬ためらい、すぐに背を向けて走り去った。

追いすがる劉暢は「なぜ死んだふりをした」と叫ぶ。惟芳は振り返り、「私が死ねば、あなたの家の望み通りだったでしょう」と吐き捨てた。劉暢は「それは両親の思惑だ。俺は違う」と訴えるが、惟芳は冷ややかに告げる。「あの家が欲しいのは私の持参金。あなたの謝罪も情けも、今さらいらない」。劉暢が「償いたい」と言っても、惟芳は拒絶した。「あなたと私の間にあるのは憎しみだけ。他の感情はもうない」。そう言い残し、涙をこらえて街角の人混みに消えた。劉暢は呆然と立ち尽くし、再び失った愛を胸に刻む。

その頃、蒋長揚の屋敷では宴の最中、客の放った凧が何惟芳の庭に落ちた。取りに行った三郎が転倒し、惟芳の新しい鉢植えを壊してしまう。怒りに震える惟芳と、飄々とした蒋長揚。二人の間に再び火花が散り、運命の糸はより複雑に絡まり始めていた——。

 

第11話あらすじ

第11集:花屋を壊され悲しみの中勇気を出して難局を打開、新たな友と出会い事業再起の機会を探す

第11集 「花は散れど志は折れず」

花屋がようやく軌道に乗り始めたある日、勝意の前に忌まわしい影が現れた。かつての夫・王擎である。彼は涙ながらに「もう二度と手を上げない」と誓い、勝意を無理やり連れ戻そうとする。しかしその姿を遠くから見つけた何惟芳がすぐに駆けつけ、毅然とした態度で王擎を叱責した。「ここにお前の妻はいない。目の前の彼女はもうお前とは無関係だ」と。勝意も恐れず「商売の邪魔をしないで」と告げ、王擎を追い払った。だが男の執念は消えず、彼は数日間も花屋の周囲をうろつき、復讐の機会を狙っていた。

ある晩、勝意は惟芳に手作りの服を贈り、日々の恩に感謝を伝える。翌朝、二人は市場へ出かけ、惟芳は母の肖像を画師に描かせた。平穏な時間は長くは続かなかった。昼下がり、常連客たちが次々と店に押し寄せ、「買った牡丹が全部枯れた」と騒ぎ立てたのだ。原因を確かめると、水のやりすぎで根が腐っただけだったが、群衆は話を聞かず、王擎が背後で煽り立てていた。「偽物を売った女だ!」という声が飛び交い、やがて暴徒化した人々が露店を破壊し始める。

惟芳は冷静に返金を申し出るが、王擎は「逃げる気だ」とさらに群衆を扇動。彼らは惟芳たちの住まいまで押し寄せ、門を叩いた。絶体絶命の中、一人の女性が前に出る。花粉を買った孫大娘だ。「惟芳さんは誠実な商人だ。返金もするというのに、これ以上何を望む!」その声に人々は一瞬ひるむが、混乱は収まらない。

その頃、蒋長揚の屋敷では、役人が献上した金鯉が石陰から出てこず困っていた。そんな折、裏庭から騒ぎ声が響く。穿魚が調べさせると、「何惟芳の家で騒動が起きている」との報告。蒋長揚は「彼女が逃げれば投資が無駄になる」と口実をつけて現場へ向かう。

屋内では惟芳が必死に金や絹を探していた。指先を切り、痛みに顔を歪めながらも、母の肖像画に香を焚いて祈る。「香が燃え尽きるまでに涙を拭こう。それから外に出て立ち向かう」。その静かな決意ののち、惟芳は扉を開け放ち、群衆に向かって毅然と声を上げた。
「金は全額返す! だが壊した物は一つ残らず時価で賠償してもらう。逃げれば役所に訴える!」
その堂々たる姿に人々は沈黙した。さらに惟芳王擎を指さし、「彼は私と個人的な確執があるだけ。皆さんまで巻き込まないで」と告げる。群衆は次第に冷静さを取り戻し、騒ぎはようやく収まった。

簾越しにその様子を見ていた蒋長揚は、心の奥で静かに感服した。強さと聡明さを兼ね備えた女——何惟芳。その夜、蒋長揚が水槽を運んで戻ると、惟芳は散った花びらを片付けながら、こっそり涙を拭っていた。彼女は笑顔を作り、「今日のこと、ご迷惑をおかけしました。もし投資を引き揚げたいなら、次の牡丹でお返しします」と告げる。しかし蒋長揚はただ一言、「些細なことだ」とだけ言い、代わりに金鯉を誘い出す助けを求めた。惟芳が牡丹の花弁を数枚浮かべると、不思議なことに魚はゆっくりと姿を現した。

数日後、惟芳勝意孫大娘を訪ね、共同で牡丹香粉を作ることを提案する。孫大娘は快く承諾し、娘の阿福を助手として同行させた。阿福は豪快な性格で、王擎の手下たちが再び嫌がらせに来ると、彼らを一撃で追い払った。花は踏まれ、涙も流れたが、惟芳たちの心は折れない。新たな仲間を得て、彼女たちは再び花の道を歩き始めるのだった——。

 

第12話あらすじ

第12集:金蘭の契りを結び、製香の才が初顕れる。花餅を求め、昔を聞き、見直す

第12集 「香りが結ぶ絆、心を照らす光」

王擎の妨害を退け、花商いを再び軌道に乗せた何惟芳勝意のもとに、豪快で心優しい新たな仲間・大福が加わった。拳法の達人で腕っぷしも強い大福は、露店を荒らしに来たならず者たちを数発の拳と蹴りで撃退。その見事な働きぶりに、勝意惟芳も驚きを隠せなかった。粗野な印象に反して裏表のない性格の彼女に惟芳たちは好感を抱き、三人は同じ志を誓い合うことになる。黄天厚土神を祀る代わりに財神像を前に据え、惟芳が儀式を簡略化して取り仕切った。「同じ年、同じ月、同じ日に生まれずとも、同じ年、同じ月、同じ日に富み栄えることを願う」。その誓いと共に、三人は金蘭の契りを結び、運命を共にする姉妹となった。

裏庭の明かりを見た蒋長揚は首をかしげ、「また何か始めたのか」と嘆息する。彼にとって惟芳は、危ういほど真っすぐな女であった。だがその情熱がまた、周囲を巻き込みながら道を切り開いていく。

孫大娘の指導のもと、三人は牡丹の香粉作りに取りかかった。大福が材料を練り、勝意が香料の調整を担当、惟芳が香りの配合を監修する。だが最後の濃度調整をめぐり、勝意大福の意見が対立。さらに需要の増加で人手が足りなくなり、惟芳は頭を抱える。そこで彼女は奇抜な販促策を思いついた。大福を「歩く宣伝塔」に仕立て上げ、背に香粉屋の旗を掲げて街中で演武を披露させたのだ。鋭い刀さばきと快活な笑顔が人々の視線を集め、香粉売り場は瞬く間に評判を呼んだ。惟芳孫大娘は客の好みに合わせて香りを調合し、行列が途絶えることはなかった。

その頃、宮中では寧王が聖人に代わって政務を司っていた。しかし権勢を笠に着た彼の振る舞いに、徐太傅ら重臣たちは不満を募らせる。彼らは寧王の門下に汚職が蔓延していると糾弾したが、朝堂は凍り付くような沈黙に包まれた。蒋長揚はそんな空気を切り裂くように進み出て、寧王を公然と擁護。「政は通じ、民は安らぎ、天下は和している」と主張する。その姿に徐太傅は冷笑し、「虎の威を借る狐め」と罵倒。蒋長揚は意に介さず、そのまま退朝した。だがその裏で、寧王は忠臣の粛清を密かに命じていた。

一方、劉暢寧王に水害対策の策論を上奏するも、王は無関心で、「李幼貞に尽くせ」と別の忠告をするばかり。劉暢は落胆し、静かに退出した。

その夜、勝意は牡丹を使った花餅を作り、惟芳に振る舞う。玉露の香りを思い出しながら味わう惟芳だったが、穿魚がそれを包んで蒋長揚のもとへ持って行ってしまう。憤慨した惟芳は彼を追って屋敷の庭へ向かうが、そこで見たのは意外な光景だった。蒋長揚が孤児たちと談笑し、遊び相手になっているのだ。呉伯という老執事が惟芳を中に招き入れ、真実を語る。蒋長揚はこれらの孤児を密かに保護し、衣食を与えていたのだという。その優しさを知った惟芳は、これまでの印象が崩れ去るのを感じた。

子供たちの入浴を手伝わされ、惟芳は渋々報酬を要求。蒋長揚は観念して「利息から差し引こう」と応じた。見た目は放蕩に見えても、根は純粋でまっすぐな男――その複雑な一面に惟芳の心は揺れ始めていた。

その後も牡丹の香粉は売れ続け、三人は大忙し。大福が再び仕入れに走り、勝意は新しい香の調合を研究する。笑い声が絶えない作業場で、惟芳は未来を夢見ていた。「いつかこの香りを都じゅうに届けたい」。金蘭の誓いに結ばれた三人の絆は、香る花のように確かに広がり始めていた——。

 

国色芳華~牡丹の花咲く都で~ 13話・14話・15話・16話 あらすじ

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