目次
29話 あらすじ
第29話 康王が長公主を刺殺する
皇帝が目を覚ますと、寝台のそばに座っていたのは康王だった。驚いた皇帝が起き上がろうとすると、すでに宦官が買収されており、宮門も閉ざされて逃げ場はなかった。皇帝が康王に企みを問いただすと、康王は「斉鈺の身分は怪しい。もし皇族の血を引かぬ者なら、皇位を譲るべきではない」と迫る。皇帝は斉鈺の秘密に動揺しつつも、康王の野心を見抜いていた。
その時、門が開いて龍吟衛が駆け込み、皇帝はわざと康王に向かって「すでに皇位は商易之(シャン・イージー)に譲った」と告げる。康王は激怒し、背後で妨害しているのは長公主だと考えた。さらに北漠の質子・申亭淵に煽られ、長公主を捕らえることを決意する。
康王の軍師・龐軍師は「定南侯府は代々将軍の家柄であり、今の商易之(シャン・イージー)は軍権を握っている。軽々しく手を出せば自滅する」と必死に諫めた。しかし康王は聞き入れず、むしろ邪魔者と見なして龐軍師を牢に送ってしまう。
一方、皇帝は密書を申亭淵に託し、「もし龐軍師を殺せば通関文牒を与え、北漠に帰す」と条件を出した。申亭淵は故郷に戻りたい一心で、牢を訪れて毒酒を持ち込み、龐軍師を暗殺する。
その頃、長公主は康王府の密室に一晩中閉じ込められていた。侍女が窓の隙間を開けて外をのぞくと、多くの兵士が警戒していたが、その所属は分からなかった。商易之(シャン・イージー)は母の行方が知れず、宮中を必死に捜し回っていた。
30話 あらすじ
第30話 阿麦が陥れられる
皇帝は宮殿で紙銭を燃やしながら静かに事態を見守っていた。すべては自らの計画通りに進んでいると信じ、斉鈺に安泰な未来を与えるためなら、妹や息子さえも犠牲にしてきた。その非情な決断に心を痛めつつも、最後の願いはただ一つ――唯一愛した子、斉鈺を守ることだった。
やがて、商易之(シャン・イージー)に聖旨が下り、青豫の大軍を率いて宮殿を救援せよとの命が届く。商易之(シャン・イージー)は皇帝の真意を測りかねながらも詔を受け、事態の成り行きを見守ることにした。皇帝は彼を召し、長公主の死を深く後悔していると打ち明けた。そして「すべては斉鈺を生かすために康王を泳がせていたのだ」と説明し、商易之(シャン・イージー)には本心から謝罪した上で「皇位を譲りたい」と告げる。
さらに阿麦(アーマイ)を呼び出し、実は彼女の正体も家の恨みもすべて知っていたことを明かした。阿麦(アーマイ)の心に警戒を抱きつつも、彼女が真心をもって斉鈺を導いている姿に安堵し、「どうか斉鈺を守ってほしい」と託す。斉鈺が皇族の血を引かないことも承知の上で――。
阿麦(アーマイ)は涙ながらに皇帝へ問いかける。「なぜ私の家族を皆殺しにしたのですか?」 しかし皇帝は首を振り、「私自身も理由を知らない。ただ、お前の家の軍権が強大すぎた。脅威を残すわけにはいかなかった」と答える。
そして皇帝は自ら毒酒を飲み、「自分を殺せるのは自分だけだ」と叫びながら崩れ落ちた。こうして商易之(シャン・イージー)が新皇として即位する。
一方、先皇のもとで密かに多くの悪事を働いてきた石将軍は、最後の務めとして宦官を斬った後、自らの運命を悟っていた。慕白が聖旨を携えて「新皇に仕える気はあるか」と問うが、石将軍は固く拒み、商易之(シャン・イージー)は彼に隠居を許した。
31話 あらすじ
第31話 林澤柔が阿麦と商易之の心を引き裂く
商易之(シャン・イージー)は、阿麦(アーマイ)の自筆の署名を見た瞬間に真実を悟った。阿麦(アーマイ)が北漠と通じているはずがない、と。彼が軍師を見ると、軍師は小さく頷き、静かに言った。
「皇帝の婚礼があれば、天下を大赦できます」
その場で林相が跪き、即位の日を結婚の日と重ねるよう懇願する。大局はすでに決しており、阿麦(アーマイ)の命を救うためにも、商易之(シャン・イージー)は林相の娘・林澤柔を皇后に迎えることを承諾した。
一方、牢に繋がれた阿麦(アーマイ)は、常鈺青と隣り合わせの部屋に入れられていた。常鈺青はよく話しかけてきて、「誰かが我々を敵と通じていると疑っている。背後で商易之(シャン・イージー)が妨害しているのでは?」と尋ねる。だが阿麦(アーマイ)は理解していた。――商易之(シャン・イージー)が自分を傷つけるはずがない、と。
やがて皇帝の婚礼の日が訪れる。林澤柔は勅命により皇后となり、軍師徐静は特別に牢から常鈺青を呼び出した。そして「北漠の軍がすぐ近くに迫っている。城を攻めないと誓えば解放する」と告げる。常鈺青は阿麦(アーマイ)に危険がないことを確かめ、承諾した。
その夜、林相は阿麦(アーマイ)に酒と料理を差し出す。阿麦(アーマイ)は「断頭酒」だと思い、覚悟したが、林相が「これは商易之(シャン・イージー)の婚礼の日だ」と告げた瞬間、涙が溢れた。死を前にするよりもはるかに苦しい言葉だった。
牢を出た阿麦(アーマイ)は、悲しみに沈みながら市場をさまよい、一杯の酒を買って酔いに身を任せた。近くで常鈺青が、その痛ましい姿を見守っていた。夜が更け、露が降りる中、阿麦(アーマイ)は酔いつぶれて倒れ、過去の記憶が胸に蘇る。彼女の心には「商易之(シャン・イージー)は結局、自分を裏切った」という怨みが深く刻まれた。
翌朝、阿麦(アーマイ)は皇帝に謁見し、「ただ一つ、ある物を届けてほしい」と願い出る。商易之(シャン・イージー)は即座にそれを承諾した。
32話 あらすじ
第32話 阿麦が斉煜を救出する
太子が亡くなった後も、斉煜は東宮に留まっていた。軍師・徐静にとって斉煜の存在は、いつ爆発するか分からない爆弾のようなものだった。皇帝に謁見を求めるときでさえ、常に細心の注意を払わなければならない。斉煜が生きている限り、無限の危険が潜んでいたからだ。
商易之(シャン・イージー)もその理屈を理解していたが、表立っては賛同しなかった。しかし、徐静はすでに密かに手を回し始めていた。
かつて太子に仕えていた忠勇侯は、商易之(シャン・イージー)が斉煜から地位を奪ったと考え、毎日のように東宮の外で謁見を求めては、斉煜に自ら兵を挙げるよう迫っていた。斉煜はその姿を見て心を痛め、自分のそばにあった魚のスープを忠勇侯に贈り、反乱の心を捨てるよう諭そうとした。だが忠勇侯はそのスープを口にした直後、倒れて息絶えてしまう。
宮中は騒然となった。本来なら、そのスープを飲むのは斉煜本人だったはずだからだ。
この知らせを聞いた林相は即座に動いた。今や斉煜は彼にとって最後の宝物であり、計画を台無しにされたくなかった。そこで彼は妻を宮中に送り込み、「娘に会う」という口実で斉煜を連れ出した。
一方、商易之(シャン・イージー)は「東宮で毒が盛られた」と耳にし、すぐに軍師徐静の仕業だと察した。しかし、それを咎めることはしなかった。だがその後、斉煜が忽然と姿を消したことで驚愕する。これは徐静か林相、どちらかの仕業に違いない。二人の老獪な人物はそれぞれ策をめぐらしていたのだ。
阿麦(アーマイ)は斉煜が行方不明と聞くと、すぐに兵を率いて捜索を開始した。実際には斉煜はまず宮外に匿われ、やがて密かに自分の旧宅に移されていた。阿麦(アーマイ)はこれが林相の仕業だと見抜き、あえて部下に「大規模に斉煜を捜索せよ」と命じた。――捜索が派手になればなるほど、斉煜の身はかえって安全になるからであった。
華の出陣~麗将・阿麦(アマイ)の仇討(あだうち)33話・34話・35話・36話(最終回) あらすじ
華の出陣~麗将・阿麦(アマイ)の仇討(あだうち)全話あらすじとキャスト・相関図
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