錦月如歌(きんげつじょか) 強く美しき誓い 2025年 全36話 原題:锦月如歌
第13話の見どころ
重傷を負った禾晏を肖珏が一昼夜付き添って看病する姿が胸を打つ一話です。ようやく九旗営入りを認められた禾晏ですが、兵防図を巡る疑念や互いに隠し事を抱えた関係はさらに深まります。一方、雷侯が語る悲しい過去によって敵味方を超えた人間ドラマが描かれ、肖珏の情に厚い一面も明らかに。そして阙城水攻めの真相や、消えた文字が姜湯で浮かび上がる密書の謎など、新たな陰謀へとつながる伏線が次々と張られる見逃せない回です。
第13話あらすじ
烈赫軍との激戦で深手を負った禾晏は、高熱にうなされながら意識を失います。肖珏は一昼夜もの間、彼女の枕元を離れることなく看病を続け、その表情には普段の冷静さとは違う深い心配と優しさがにじんでいました。
そんな中、沈瀚が現れ、自分の判断ミスで禾晏を疑い投獄してしまったことを謝罪します。ようやく意識を取り戻した禾晏は、自分のことよりも沈瀚の処分を案じ、彼のために取り成します。肖珏も最初から沈瀚を厳しく罰するつもりはありませんでしたが、その際、禾晏が沈瀚へ兵防図を預けていたことを知ります。
肖珏は兵防図を一目見ると、その意味をすぐに理解します。沈瀚を退室させた後、眠ったふりをする禾晏へ容赦なく説明を求めます。禾晏は苦し紛れに言い訳を並べますが、肖珏は嘘だと見抜きながらも、それ以上は問い詰めません。彼は禾晏が女性でありながら軍へ身を置く理由に、まだ語られていない重大な事情があると確信し、いつかその秘密を自ら解き明かそうと心に決めます。
その後、肖珏はついに禾晏の九旗営入りを認めます。努力を重ね続けた禾晏にとって、それはようやく手にした念願の第一歩でした。
程鯉素も見舞いに訪れ、思わず「禾妹妹」と女性として呼んでしまい、禾晏は慌てて口止めします。秘密を知る仲間が増えたことで、彼女はこれまで以上に正体を隠す難しさを実感するのでした。
傷が癒えると、肖珏は禾晏を伴って牢へ向かい、雷侯を尋問します。口を閉ざし続ける雷侯でしたが、肖珏が一つの銀製の長命鎖を見せた瞬間、その表情は一変します。
雷侯は、自分が阙城の水害で家族を失い、弟だけが生き残ったことを打ち明けます。同じように妻子を失った胡元中と出会い、復讐心に駆られて烈赫軍の計画へ加担してしまったのでした。偽名で掖州衛へ潜入し、内応役となったものの、やがて利用されていることに気づきます。しかし憎しみから抜け出せず、そのまま陰謀へ加わり続けてしまったのです。
肖珏は、この計画が胡元中一人で立てられるものではなく、さらに背後に黒幕が存在すると見抜きます。しかし雷侯も黒幕の正体までは知りませんでした。
事情を聞き終えた肖珏は、雷侯の弟を牢へ連れて来させ、兄弟を再会させます。そして二人を処刑することなく掖州衛から送り出しました。厳格な軍人でありながら、人としての情を失わない肖珏らしい決断でした。
去り際、雷侯は恩義に報いるように烈赫軍の暗号文を託します。
その後、禾晏は以前から気になっていた阙城水攻めについて尋ねます。肖珏は苦しそうに当時を振り返ります。敵三万に対し味方はわずか三千。住民を避難させたうえで水攻めを実行する計画でしたが、予想を超える豪雨によって堤防が決壊し、濁流は村々まで飲み込み、多くの命が失われてしまいました。
誰よりも自分を責め続ける肖珏は、雪の降る中で剣を振るい、胸の痛みをぶつけます。その姿を見た禾晏は、静かに彼へ外套を掛け、そっと抱きしめます。温かな慰めに肖珏の心は少しずつ落ち着きを取り戻しますが、禾晏自身は無理がたたり、その場で再び倒れてしまいます。
一方、雷侯から受け取った暗号文は誰にも解読できません。しかし禾晏は紙からかすかな渋い匂いを感じ取り、肖珏と同時に「姜湯だ」と気づきます。紙を生姜湯で湿らせると、明礬で書かれた文字が浮かび上がりました。
この秘伝の暗号法は、かつて肖仲武だけが近しい者へ教えていたものです。差出人の署名「此木」を見た肖珏は、戦死したはずの副将・柴安喜を思い浮かべます。禾晏もまた、柴安喜は生きているのではないかと疑念を抱きます。
しかしその裏では、柴安喜は楚昭によって密かに救われ、生かされたまま新たな策謀の駒として利用されていました。鳴水の戦いの真実へとつながる巨大な陰謀が、静かに姿を現し始めるのでした。
第14話の見どころ
楚昭が張り巡らせる陰謀と、肖珏・禾晏の距離が少しずつ縮まる恋模様が交錯する見応えある一話です。柴安喜の復讐心を利用する楚昭の策略が明かされる一方、酔った禾晏が肖珏を「父」と呼び、思わぬ形で大切な玉佩を持ち帰ってしまう場面は笑いと切なさが入り混じります。その玉佩に秘められた特別な意味が明らかになり、肖珏自身も気づかぬ嫉妬心をのぞかせるなど、二人の関係が大きく動き始める重要なエピソードです。
第14話あらすじ
楚昭は、密かに生き延びていた柴安喜と対面し、なぜ肖家軍へ戻らないのかを問いかけます。沈黙を続ける柴安喜に対し、楚昭はその胸中を巧みに言い当てていきます。ついに感情を抑えきれなくなった柴安喜は、息子を肖仲武に殺され、その悲しみで妻まで命を落とした過去を打ち明けます。父の仇は子が討つという信念のもと、曜京から阙城まで肖家軍を追い続け、復讐の機会を待ってきたのでした。
柴安喜が肖家軍の内情を知り尽くしていることに気づいた楚昭は、その知識を利用できると考えます。雷侯を内応役として送り込み、さらに烈赫軍の日達木子を動かして掖州衛を襲撃させた一連の計画も、自らが描いた策略の一部でした。
一方、徐敬甫は楚昭に対し、雷侯も柴安喜も生かしておけば災いの種になるため、必ず始末するよう命じます。しかし楚昭は、その異常な執着から、柴安喜が徐敬甫にとって不都合な秘密を握っているのではないかと推測し、真相への興味を深めていきます。
掖州衛では、禾晏が以前酒に酔って肖珏の琴を壊してしまったことを気に掛け、新しい琴を用意して詫びます。そんな折、兵部巡察使として楚昭が勅命を携えて訪れ、掖州衛の戦功を称える褒賞を伝えます。
久しぶりに曜京の話を聞ける機会を得た禾晏は、飛鴻将軍や何家について尋ねます。楚昭は、何如非が今も玉華寺へ亡き妹の供養に通い、情に厚い人物として知られていると語ります。しかし禾晏は、その姿が世間を欺くための芝居に過ぎないことを誰よりも知っており、胸の内で苦い思いを抱きます。
その夜、禾晏と楚昭は酒を酌み交わします。程鯉素は二人の様子を気にして肖珏へ知らせますが、肖珏は表面上まったく気にしていない素振りを見せます。
酒が進むにつれ、楚昭は明るく振る舞う禾晏の笑顔の奥に、消えることのない悲しみが潜んでいることに気づきます。それでも禾晏は、自分の本当の過去だけは決して語ろうとしません。
やがて禾晏は白月山へ月見に行こうと楚昭を誘いますが、その場へ現れた肖珏は彼女を肩に担ぎ上げ、そのまま部屋へ連れ帰ります。水を飲ませて介抱する姿はぶっきらぼうながらも優しさに満ちていました。
そこへ程鯉素が現れ、肖珏が傷を気遣って力を入れずに世話をしている様子を見て微笑みます。酔いつぶれた禾晏は肖珏を亡き父と勘違いし、「父上」と甘える始末。程鯉素は「恋人と間違える人は見たことがあるけれど、父親と間違える人は初めてだ」と大笑いします。
さらに「ご褒美」という言葉に反応した禾晏は、肖珏の腰に下げられていた玉佩を引き抜き、そのまま離そうとしませんでした。
一方その頃、楚昭は雷侯兄弟に似た遺体を用意し、二人が死んだように見せかけて徐敬甫へ報告する準備を進めます。彼にとって重要なのは雷侯ではなく、真の切り札である柴安喜でした。そして、白月山で禾晏の本心を探る計画も静かに進めます。
翌朝、酒が醒めた禾晏は、程鯉素から昨夜の失態を聞かされ愕然とします。さらに、手元にある玉佩が肖珏にとって特別な品だと教えられます。
その玉佩はもともと肖珏の母の嫁入り道具で、一つだった玉を白黒二つに分けたものでした。白い玉は兄・肖璟の妻へ渡され、黒い玉は将来、肖珏が最も大切な女性へ贈るために持ち続けている品だったのです。
その頃、柴安喜の居場所を掴んだ楚昭は、禾晏への手紙だけを残して季陽へ向かいます。肖珏もその知らせを受けますが、掖州衛都督である自分は勝手に持ち場を離れられず、さらに蒙稷王女との因縁もあるため追跡を断念します。
程鯉素は「今こそ禾晏を慰める絶好の機会だ」と肖珏を後押しします。しかし肖珏の胸に浮かんだのは、楚昭へ向けられた静かな嫉妬でした。禾晏が本当に会いたい相手は、自分ではなく楚昭なのではないか――そんな思いが、彼自身も気づかぬうちに芽生え始めていたのでした。
第15話の見どころ
母の誕生日を思い出し、雨の中で物思いにふける禾晏を、肖珏がそっと励ます場面は胸を打ちます。幼い頃の思い出が詰まった桂花糖を通じて明かされる二人の過去のつながりや、玉華寺での運命的な再会の真実も見逃せません。さらに、季陽潜入のため夫婦を装うことになった二人は、琴の稽古や眉を描く場面など甘くもどかしい距離感を見せます。一方で、楚昭や徐敬甫の思惑も複雑に絡み合い、恋と陰謀が交差する新たな舞台の幕が上がります。
第15話あらすじ
母の誕生日を迎えた禾晏は、雨が降りしきる東屋で静かに物思いにふけっていた。亡き母を思い出して寂しさを募らせる彼女のもとへ肖珏が現れ、楚昭から託された手紙を渡す。楚昭は急用で先に季陽へ向かったと伝えられ、さらに肖珏は禾晏へ桂花糖を差し出し、「つらい時は一粒食べれば苦さも和らぐ」と優しく声をかける。
その桂花糖を見た禾晏は、肖珏がいつも持ち歩いている理由を尋ねる。肖珏は、亡き母が幼い頃から香袋に入れて持たせてくれた思い出の品であり、今では好物ではなくなったものの、母の形見として手放せずにいるのだと打ち明ける。その言葉に禾晏は母を失った悲しみを重ね、思わず胸を熱くする。
さらに禾晏は、その桂花糖を他の女性へ渡したことがあるのかと何気なく尋ねる。肖珏は、かつて玉華寺で命を絶とうとしていた一人の女性へ渡したことがあると語る。その瞬間、禾晏は目を見開く。当時、失明していた自分を励ましてくれた謎の青年こそ、肖珏だったと気付いたのだ。彼の何気ない優しさが、あの頃の自分を救っていたことを知り、禾晏の胸には温かな想いが広がっていく。
やがて一行は柴安喜の行方を追うため、蒙稷王女の勢力圏である季陽へ潜入する計画を立てる。肖珏は忠臣・崔越之の甥「喬渙青」に成り済まし、禾晏にはその新妻・温玉燕を演じてもらうと告げる。その前に、肖珏は意味深に「私を好きではないな」と問いかけ、突然の質問に動揺した禾晏は慌てて「好きではありません」と答える。しかし、その返答にどこか満足そうな表情を浮かべる肖珏の真意は見えない。
才女・温玉燕になり切るため、禾晏は琴棋書画を身につけることになる。しかし、肖珏にかつての筆跡を見抜かれることを恐れた彼女は、あえて何一つできないふりをする。仕方なく肖珏は自ら琴を教えるが、二人は自然と距離が近づき、緊張する禾晏とは対照的に肖珏は冷静そのもの。ようやく一曲を終えると、「姿勢は良くなったが、音は大きいだけだ」と淡々と評し、禾晏は苦笑するしかなかった。
その頃、宋陶陶が薬を持って現れ、診察のため禾晏の脈を取る。そこで彼女は、禾晏が女性であることを知ってしまう。怒って立ち去った宋陶陶を追いかけた禾晏は事情を打ち明ける。宋陶陶は秘密を隠されていたことを寂しく思っていただけで、誠実な謝罪を受け入れ、二人は改めて友情を確かめ合う。そして宋陶陶は、自ら禾晏を温玉燕らしい美しい女性へと変身させる。晴れて女装した禾晏を見て、飛奴もようやく彼女が女性だったと知り、驚きを隠せない。
一方、すでに季陽入りしていた楚昭は、応香とともに柴安喜を捜索していたが、肖珏の配下に監視され思うように動けずにいた。肖珏が到着すると、楚昭はむしろ彼を利用して柴安喜を見つけようと企む。
崔越之の屋敷では、肖珏演じる喬渙青と禾晏演じる温玉燕は温かく迎え入れられる。新婚夫婦として用意された部屋には閨房図まで置かれており、肖珏は慌てて隠そうとするが、禾晏は興味津々で覗き込み、逆に肖珏を照れさせてしまう。その後、ふとした拍子に二人は重なり合うように倒れ込み、ちょうどその瞬間、飛奴が部屋へ入ってきてしまう。気まずさを察した飛奴は急ぎ用件だけ伝え、逃げるように立ち去るのだった。
さらに禾晏が冗談半分で「夫なら眉くらい描いてください」と口にすると、肖珏は本当に筆を取り、優しく彼女の眉を描く。間近で見つめ合う二人の距離はこれまでになく縮まり、禾晏は真っ赤になって動けなくなる。
その頃、徐敬甫は密かに季陽の抜け道を烏托へ漏らし、柴安喜の似顔絵を渡して始末するよう命じていた。それぞれの思惑が複雑に絡み合う中、季陽を舞台にした新たな戦いが静かに幕を開ける。
















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