錦月如歌(きんげつじょか) 強く美しき誓い 2025年 全36話 原題:锦月如歌
第21話の見どころ
季陽での戦いを終えた禾晏は、人々から“英雄”として慕われ、新たな一面を見せ始めます。料理や裁縫に挑戦する微笑ましい日常では、肖珏のさりげない優しさが二人の距離をさらに縮めます。一方、柴安喜の告白によって鳴水の戦いの真相が大きく動き、何如非と朝廷の黒幕を巡る陰謀が徐々に明らかに。さらに楚昭の真意も謎を深め、物語は新たな局面へ。戦いの余韻と恋模様、そして過去の秘密が交錯する見逃せない一話です。
第21話 あらすじ
季陽城を守り抜いた功績により、禾晏は町の人々、とりわけ貴族の娘たちから憧れの存在となっていた。王女・穆紅錦は高嶺の花のような存在だが、禾晏は同じ目線で寄り添ってくれる身近な英雄として、多くの女性たちの尊敬を集める。そんな彼女は貴女たちとともに刺繍や裁縫を学ぶものの、針仕事はまるで不得手で、出来上がった刺繍は歪んでしまい、その場は笑いに包まれる。
続いて料理にも挑戦した禾晏は、一生懸命作った手打ち麺を肖珏へ振る舞う。しかし塩を入れすぎたため、思わず顔をしかめるほどの味になってしまう。それでも肖珏は一切表情を変えず、最後まで食べ切り、禾晏の努力を優しく受け止めるのだった。
今度は恩返しとして肖珏の服を繕いたいと言い出す禾晏。しかし衣服はどれも傷一つなく、出番がない。残念そうに立ち去ろうとする彼女を見た肖珏は、人知れず自分の袖を少しだけ破き、「ここを直してほしい」と頼む。禾晏はその小細工に気づきながらも嬉しそうに引き受け、服を脱がせようとしたところへ飛奴が飛び込んできてしまう。思わぬ場面を目撃した飛奴は驚いて転倒しながらも、「柴安喜が目を覚ました」と報告する。
二人はすぐ柴安喜のもとへ向かう。肖珏は父・肖仲武と大魏を裏切った理由を問いただすが、柴安喜は涙ながらに「裏切ったつもりはなかった」と訴える。彼は砚山の戦で息子・柴潜を失い、その復讐心から肖仲武を憎み続けていたのだ。しかし肖珏は当時の戦況や兵たちの嘆願書を示し、柴潜が犠牲となった真実を丁寧に説明する。
真相を知った柴安喜は、自らが憎しみに囚われ利用されていたことを悟り、深く後悔する。そして鳴水の戦いで援軍要請の書状を握り潰したのは何如非の指示だったと証言する。さらに、その背後には朝廷の重臣が関わっていることも明かし、鳴水の悲劇が周到に仕組まれた陰謀だった可能性が一気に高まる。
禾晏はその証言から、自分が命を落とした事件も何如非の陰謀とつながっているのではないかと考え始める。そして鳴水で肖珏の態度が急変した理由も、彼がその真実を知っていたからだと気づくのだった。
一方、肖珏は穆紅錦に対し、禾晏が女性であることを秘密にしてほしいと頼み、楚昭もまた都へ戻ってもその秘密は明かさないと約束する。楚昭は禾晏の才能を認め、「誰とも違う道を歩ませたい」と語るが、禾晏は誰かに道を用意してもらうことではなく、自分と肩を並べて歩める相手を望んでいると静かに胸の内を抱く。
その後、柴安喜は何者かに暗殺され、現場には烏托の刺客を示す獅子の紋章だけが残されていた。肖珏は楚昭を疑うものの、彼一人に烏托の死士を動かす力はないと考える。実はこの紋章は楚昭が意図的に残したもので、肖珏へ真相を探る手掛かりを与えるためだった。自身は事件当時に穆紅錦と会っており、完璧なアリバイも築いていた。
やがて肖珏たちは季陽を離れ、掖州衛への帰路につく。崔越之は彼らの働きに深く感謝し、惜別の言葉を贈る。旅の途中では崇淮や名高い望江楼の話題で盛り上がるが、都で有名な遊郭・入雲楼の名を耳にした禾晏は、かつて肖珏たちと忍び込んだ学生時代を思い出し、思わず表情を曇らせる。
さらに、次の目的地・崇淮では、肖珏の旧友であり兵部尚書の息子でもある楊銘之との再会が待ち受けていた。しかし彼は自らを「約束を破った卑怯者」と語り、二人の間には今なお消えない過去のわだかまりが残されているのだった。
第22話の見どころ
ついに禾晏が長年胸に秘めてきた最大の秘密を肖珏へ打ち明ける、シリーズ屈指の重要回です。飛鴻将軍の真の正体、何如非との入れ替わり、そして鳴水の戦いの真実が明かされる一方、肖珏は父を失った悲しみから簡単には彼女を受け入れられません。互いを想いながらもすれ違う二人の切ない関係が胸を締めつけます。また、楊銘之と花游仙の再会と和解も描かれ、それぞれが過去と向き合う姿が印象的な、物語の大きな転換点となる一話です。
第22話 あらすじ
掖州への帰路、楊銘之は船上で、自らを「約束を守れなかった男」と自嘲する。かつて肖仲武が朝廷で孤立した際、自分は父を説得して肖家を助けると肖珏へ約束していた。しかし父は助けるどころか肖家を追い詰める側へ回り、その結果、肖珏との友情にも深い亀裂が生まれてしまったのだった。重苦しい空気が漂う中、誰も言葉を発することができない。
そこへ一艘の船が近づき、美しい琴の音色が川面に響き渡る。船上で琴を奏でていたのは花游仙だった。演奏を終えた彼女は、かつて賢昌館の学生から恋文を受け取ったことがあると懐かしそうに語るが、差出人の名前は最後まで知らなかったという。程鯉素はその恋文を書いたのは肖珏ではないかと疑うが、肖珏は否定も肯定もせず静かに微笑むだけだった。
やがて花游仙は、自らの過去を語り始める。愛する人のために遊女の身を捨て、崇淮まで嫁いだものの、その結婚は破綻し離縁となったという。事情を知る肖珏は、わざと「掖州衛には良い青年がたくさんいる」と再婚話を持ちかける。それを聞いた楊銘之は思わず動揺し、花游仙を引き止めようとする。そこで一同は、花游仙の元夫こそ楊銘之だったことを知る。過去を悔いる楊銘之は心から謝罪し、もう一度やり直したいと想いを伝えるのだった。
その夜、酒に酔った禾晏は、長く胸に秘めてきた真実を肖珏へ打ち明けようとする。しかし肝心なところで酔いつぶれてしまい、その願いは果たせない。
一方、花游仙が昔の何如非について「本当は女性だった」と何気なく口にしたことで、肖珏はこれまでの禾晏の言動を思い返し、一つの疑念を抱き始める。
後日、禾晏は肖珏を湖畔へ呼び出す。肖珏は目隠しをしたまま彼女と剣を交え、その剣筋が青琅剣法であることから、彼女こそかつての何如非だと確信する。
もはや隠し通せないと悟った禾晏は、自らの過去をすべて打ち明ける。本名は何晏であり、何如非とは血の繋がらない義兄妹だったこと。家名を守るため幼い頃から互いの身分を入れ替えて生きてきたこと。そして男として軍へ入り、自らの力だけで飛鴻将軍にまで上り詰めたにもかかわらず、何如非にその功績も名前もすべて奪われたことを涙ながらに語る。
肖珏は静かに話を聞いた末、「鳴水へ遅れて到着したのはお前だったのか」とだけ問いかける。禾晏は陰謀があったことを説明しようとするが、父・肖仲武を失った肖珏には、その言葉を素直に受け入れる余裕はなかった。
飛奴は怒りのあまり禾晏へ刃を向けようとするが、肖珏がそれを制止する。そして真相が明らかになるまで掖州衛に留まるよう命じ、彼女を拘束することはしないものの、自由も認めなかった。
一行は崇淮を後にし、掖州衛へ戻る。宋陶陶は二人の間に流れるぎこちない空気を敏感に感じ取り、程鯉素へ余計なことは口にしないよう忠告する。
掖州衛へ戻った禾晏は、旅先で手に入れた思い出の品々を静かに整理する。肖珏との思い出が詰まった品ばかりで、その中には彼が「よく似合う」と褒めてくれた女物の衣装もあった。彼女はその衣装を大切に箱へしまい、蓋を閉じながら、かつて心を通わせた日々が遠く過ぎ去ってしまったことを噛み締める。
それ以来、禾晏は感情を押し殺すように鍛錬へ没頭し、誰よりも厳しく自らを鍛え続ける。仲間たちは身体を壊すのではと心配するが、彼女は立ち止まろうとしない。やがて巡察に訪れた肖珏と訓練場で顔を合わせるものの、二人は形式的に礼を交わすだけで言葉を交わすことなく、それぞれ別の方向へ歩み去る。その距離は、かつてないほど遠くなっていた。
第23話の見どころ
正体を知った肖珏は禾晏に冷たく接しながらも、彼女を気遣う気持ちは隠しきれません。夜更けに傷薬をそっと置いて立ち去る姿には、複雑な想いがにじみます。一方、徐敬甫と楚昭、何如非はそれぞれの思惑を巡らせ、新たな陰謀を始動。禾晏も玉華寺と徐敬甫を結ぶ重要な手掛かりを掴み、鳴水の戦いの真相へ一歩近づきます。恋と疑惑が交錯し、物語が新たな局面へと進む重要な一話です。
第23話あらすじ
掖州衛へ戻ってからも、肖珏と禾晏の間には重苦しい空気が流れていた。訓練場で顔を合わせても、禾晏は礼を尽くすだけで余計な言葉は交わさず、肖珏もまた何も語らず通り過ぎていく。しかし、その無関心な態度とは裏腹に、肖珏の心は常に禾晏へ向けられていた。
営帳へ戻った肖珏は、飛奴に曜京へ向かうよう命じる。何如非の過去を徹底的に調べ、その行動を密かに監視するためだった。禾晏の告白を信じたい気持ちはあるものの、真実を確かめるまでは感情だけで動くわけにはいかない。肖珏は将として、そして肖家軍を背負う者として、自らの目で事実を見極めようとしていた。
一方の禾晏もまた、自ら真相を探り始める。彼女は顔の広い江蛟に協力を求め、近年玉華寺を訪れた人物を調べてほしいと依頼した。鳴水の戦い以前、病気療養中だった何家の令嬢のもとを誰が訪れていたのか。それが何如非と徐敬甫の密会場所だった可能性が高いと考えたのである。肖珏もやがて同じ結論にたどり着くと信じた禾晏は、それまでにさらに自分を鍛え、真実を証明できる力を身につけようと決意する。
その頃、曜京では何如非が「季陽で烏托の大将・忽雅特を討ち取った女将軍」の噂を耳にしていた。その武勇を聞いた何如非は、胸騒ぎを覚える。生きているはずのない何晏こそ、その女将軍ではないかという疑念が頭をよぎるのだった。
掖州衛では、禾晏が以前にも増して過酷な鍛錬を続けていた。仲間たちは彼女の焦りや苦しみに気付いていたが、事情を知らないため声を掛けることもできない。ただひたすら武芸に打ち込む姿は、どこか痛々しく映っていた。
一方、楚昭は徐敬甫のもとを訪れる。すでに自らの秘密を知られている徐敬甫は、屋敷に刺客を潜ませ、少しでも裏切りの気配があれば楚昭を始末するつもりでいた。しかし楚昭はすべてを見抜いたうえで、自ら知る情報を包み隠さず明かし、忠誠を示すことに成功する。
さらに楚昭は、肖珏が何如非の秘密を知ったことを利用し、無断で掖州衛を離れた件を問題視させる策を提案する。同時に、季陽で功績を挙げた若い武将を持ち上げて肖家軍内部に不和を生み出し、最終的には肖珏の統率力を疑わせようという狙いだった。その冷徹な献策に徐敬甫は満足し、楚昭への疑いをひとまず解く。
やがて徐府を訪れた何如非は、肖珏が再び戦功を立てたことに焦りを募らせる。肖仲武を陥れた時と同じように肖珏も失脚させようと考えるが、徐敬甫は慎重な姿勢を崩さない。そこで何如非は、禾晏の存在を徐敬甫に伏せたまま、彼女と旧抚越軍八虎将との絆を利用し、潤都へ誘い出して始末する新たな計画を立てる。
その頃、江蛟から調査結果が届く。玉華寺で療養していた何家の令嬢を訪ねていた人物は、徐敬甫ただ一人だった。この報告を聞いた禾晏は、鳴水の悲劇の黒幕が徐敬甫であるという確信をさらに強める。怒りを抑えきれない彼女は訓練場で激しく木人を打ち込み、砕け散った木片で頬を傷つけても気に留めなかった。
その姿を楼上から見つめていた肖珏は、夜になると人知れず禾晏の部屋を訪れ、金創薬を置き、眠る彼女の布団を静かに掛け直して立ち去る。昼間は距離を置きながらも、その胸には彼女を案じる気持ちが変わらず残っていた。
翌朝、禾晏は傷薬を見つけ、誰が置いていったのかを悟る。その優しさに胸を熱くしながらも、今は真実を明らかにすることだけを誓うのだった。
一方、楚昭は兵部郎中へ昇進し、燕賀とともに掖州衛へ向かうことになる。さらに華原から戦況急報が届き、禾晏は今回の烏托軍の動きは本格侵攻ではなく、次なる大戦への布石ではないかと推測する。そして、何如非が華原防衛へ向かうとの報せを聞き、新たな戦いの幕開けを予感するのだった。
第24話の見どころ
禾晏の功績は称えられる一方で、肖珏は無断離営の責任を問われ、二十軍棍の厳罰を受けます。その理不尽な処分に二人を引き裂こうとする朝廷の思惑が浮かび上がります。さらに、華原の勝利の裏で抚越軍「八虎将」が次々と命を落とした衝撃の真相も明らかに。何如非の裏切りに怒りを爆発させた禾晏は、最後の仲間を救うため単身で潤都へ向かう決断を下し、物語は新たな戦いへと突入します。
第24話あらすじ
烏托軍が華原へ侵攻したとの報せが掖州衛に届き、軍営は騒然となる。兵たちが戦況を語り合う中、禾晏は今回の侵攻が本格的な決戦ではなく、大魏軍の戦力を探るための試探ではないかと冷静に分析する。しかし、防衛の指揮を執る将軍が何如非だと知ると、不吉な予感を覚えずにはいられなかった。
やがて軍営には、皇帝の勅命を携えた燕賀が到着する。禾晏は賢昌館で学んでいた頃を思い出す。当時の燕賀は学業優秀でありながら、常に首席の肖珏に及ばず「万年二位」と呼ばれていた。久しぶりに再会した肖珏と燕賀だったが、そこに旧友としての和やかな空気はない。
続いて楚昭が勅書を読み上げる。季陽での戦功により、禾晏は「武安郎」の官位を授けられることとなった。しかし、その一方で肖珏の功績には一切触れられず、無断で掖州衛を離れた罪だけが取り上げられ、二十軍棍の刑が言い渡される。これは明らかに朝廷内の誰かが二人の信頼関係を断ち切ろうと仕組んだ策だった。
燕賀は命令どおり容赦なく刑を執行する。一撃ごとに肖珏の背中は裂け、血がにじむが、彼は苦痛を一切口にせず耐え抜く。その姿を見守る禾晏は胸を締めつけられ、自分が褒賞を受けた代わりに肖珏が傷ついたように感じ、深い罪悪感に襲われる。楚昭は、自分が禾晏の功績を皇帝へ奏上した一方で、肖珏は総大将として規律違反を犯したため処罰は避けられなかったと説明する。また、禾晏が罰せられなかったのは丞相の取り成しによるものだと告げる。
刑の後、程鯉素はすぐに肖珏の傷の手当てを行い、薬を煎じて看病にあたる。禾晏は見舞いに行きたい気持ちを抑えきれないものの、自分のせいで傷つけてしまったという思いから、営帳の外で立ち尽くすことしかできなかった。
その頃、飛奴の調査によって新たな事実が判明する。鳴水の戦いの後、徐敬甫と何如非は頻繁に接触しており、戦いの前には徐敬甫が玉華寺を訪れ、何家の令嬢・何晏と面会していたという。また、楚昭が柴安喜と接触していたことも判明するが、鳴水の陰謀への関与を示す証拠は見つからなかった。
一方、楚昭は禾晏に接触し、肖珏は今後さらに朝廷から危険視される存在になると忠告する。そして、自分の配下となって新たな道を歩まないかと誘う。しかし禾晏は、その申し出を静かに断る。彼女が進みたい道は、自ら選ぶ道だった。
やがて華原勝利の知らせが届くものの、その裏では抚越軍「八虎将」のうち七人が戦死したという衝撃的な報せがもたらされる。肖珏は、歴戦の猛将たちが簡単に全滅するはずはないと疑念を抱く。
その疑念どおり、真実はさらに残酷だった。何如非は密かに烏托の丞相・瑪寧布と手を組み、八虎将の命と潤都の兵防図を差し出す代わりに、華原での勝利という名声を手に入れていたのである。
七人の戦死を知った禾晏は悲しみと怒りに打ち震え、訓練場で我を忘れて剣を振るい続ける。木人を何度も叩き斬り、手から血を流しても止まろうとはしない。駆けつけた肖珏は彼女を落ち着かせ、営帳へ連れ戻すと、自ら傷の手当てを施す。二人の間にはまだわだかまりが残っていたが、その思いやりは変わっていなかった。
しかし束の間、肖珏には皇帝から陪都への召喚命令が届く。行宮で皇帝と対局した肖珏は、季陽防衛の功績を評価する皇帝から埋め合わせを申し出られ、ある願いを口にする。それは禾晏の身の上に関わる願いだった。
一方、戦功を誇る何如非は恩賞を求めて行宮を訪れるが、皇帝は肖珏との対局を優先し、一晩中待たされた末に面会すら許されなかった。屈辱を味わった何如非は、怒りを胸に帰路につく。
その頃、掖州衛に残る禾晏は、潤都が危機に陥っても何如非は決して救援には向かわないと確信していた。八虎将で最後に生き残った李匡を救い、潤都を守るため、禾晏は肖珏に書き置きを残すと、青琅剣を手に単身で潤都へ向かうのだった。

















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