千輪桃花〜永遠に咲き誇る愛〜 2024年 全40話 原題:千朵桃花一世开
第21話あらすじ
碧霄宮の庭で、傅瀾生は高秋旻を一本の木の下へと連れて行く。枝には無数の赤い絹が風に揺れていた。傅瀾生は言う――「嬉しいことがあるたびにこの絹を結ぶんだ。悲しいときに見れば、また笑えるから」。そして高秋旻にも絹を結ぶよう促すが、彼女は「嬉しいことなんて、何もない」と小さく呟く。傅瀾生は微笑み、「なら悲しいことを結べばいい。俺の喜びで君の悲しみを薄める」と言い残し、その場を離れた。ひとり残された高秋旻は、静かに願う――「自分を誇りに思える人に、そして誰かに誇られる人になりたい」と。
一方、謝雪臣と慕懸鈴は濃霧に包まれた棲鳳林へ足を踏み入れる。突如、二人の“慕懸鈴”が現れ、それぞれが相手を偽物と断じた。謝雪臣は迷いながらも本物を見抜き、もう一人の姿は果実と化して消える。幻惑の果実――これこそ森を危険と恐れられる所以だった。謝雪臣は「今の君の姿勢こそ本物の証」と告げ、慕懸鈴を“離さないため”に霊糸「一線牽」で結ぶ。慕懸鈴は反発するが、謝雪臣は「離れすぎると命が危うい」と諭す。
やがて瘴気に侵された慕懸鈴は倒れ、謝雪臣は解毒丹を口移しで与える。彼女は目を覚ますが、視力を一時的に失ってしまう。怒る慕懸鈴に、謝雪臣は南胥月から託された玉牌を示し、「これほど貴重なものを、彼は何も言わずにお前に渡したのか」と問う。慕懸鈴は「あなたに関係ない」と突き放すが、謝雪臣は優しく玉牌を返し、「責任だけでなく、自分という人間も大事にすべきだと気づいた」と語った。二人の距離はふと近づき、謝雪臣は思わずその唇に触れる。
その頃、南胥月は玉牌が反応したことに気づき、封遥と共に森へ向かう。封遥は「十年前、弟を救うために来たが、今は行く場所も目的もない」と言い、南胥月のそばに残る決意を固めた。
やがて視力を取り戻した慕懸鈴と謝雪臣は、ついに伝説の「長生蓮」を発見する。しかしその傍らには一人の女――鳳襄尊者が立っていた。謝雪臣が蓮の実だけを求めていると告げても、尊者は「長生を望まぬ者などいない」と信じず、戦いを挑む。彼女は六千年前に姿を消した“火鳳法相”の持ち主。だが彼女にとっては、ここに来たのは「ほんの一日」。時間が歪む異界に、謝雪臣はただ彼女の法相が崩れゆくのを見つめるしかなかった。
夜の帳が下りる中、謝雪臣と慕懸鈴は再び長生蓮のもとへ――愛と命の境界線を越えるために。
第22話あらすじ
暮懸鈴は眠らず、うつ伏せになり瞳に思索を宿していた。謝雪臣はそっと彼女に寄り、「なぜ眠らないのか、私のことを心配しているのか」と尋ねる。暮懸鈴は口元にほのかな笑みを浮かべ、「そんなことあるわけない」と気楽に返すが、その瞳には名残惜しさと心配が滲んでいた。謝雪臣は明日再び長生蓮を訪れるつもりであることを告げ、危険があれば一線牽が自動解除されて彼女も自由になると囁く。暮懸鈴はくすくす笑いながら胸を軽く叩き、二人は互いに想いを秘めたまま夜を過ごす。
翌日、二人は再び長生蓮の生える場所へ向かう。霧深い森で風襄尊者に遭遇するも、尊者は前日と同じ言葉しか発せず、記憶を失っている様子だった。謝雪臣は「以前の記憶を失ったのだろう」と囁き、蓮の実の芯を譲ってほしいと頼む。しかし尊者は険しい表情で立ち去るよう命じ、二人は大木の陰で身を潜める。暮懸鈴がうっかり音を立て、謝雪臣は慌てて彼女を押さえるも、風襄尊者の姿はすでに消えていた。
ほどなく二人は、大きな岩の上で安らかに眠る風襄尊者を発見する。彼女が蓮の実の芯を服用したと推測する謝雪臣。その瞬間、青い光が放たれ、潜光君が風襄の体から現れる。暮懸鈴は驚き、「これは人か鬼か」と叫ぶ。謝雪臣は潜光君と確認し、彼が風襄尊者と共に法相を修めた道侶であることを説明する。潜光君は「六千年も経った。君たちが教えてくれなければ今がいつかわからなかった」と語り、長生蓮の服用で風襄尊者が毎日目覚め、日没と共に全てを忘れる状態にあると説明する。暮懸鈴は驚きと感嘆を抱き、潜光君はその長生が代償と苦難の果てにあることを語った。
謝雪臣は潜光君に蓮の実の芯を一つ求め、ある人を救いたいと打ち明ける。その人は悟心水を飲み、常に痛みに苛まれているのだ。潜光君は惜しみなく蓮の実の芯を与え、暮懸鈴がそれを口にすると、謝雪臣との記憶が瞬時に蘇る。二人は抱き合い涙を流し、絆をさらに深めた。その場に南胥月も現れるが、暮懸鈴は彼を避け、心の中にまだ解けぬわだかまりを残していた。
第23話あらすじ
謝雪臣と暮懸鈴は、記憶に刻まれた擁雪城へと歩を進める。道中、暮懸鈴は冗談めかして自分の紹介の仕方を尋ね、混沌珠のことを正直に言って反応を見ようかと提案するが、謝雪臣は真剣に首を振り、「この秘密は絶対に漏らしてはならない」と警告する。二人が親密に語り合う中、南胥月が静かに近くまで来て、複雑な眼差しで二人を見守る。封遥がその光景に疑問を呈すと、南胥月は「すべては既に決まっている」と淡々と答える。
やがて二人は擁雪城に到着する。蒼長老は謝雪臣を歓迎するが、暮懸鈴の存在に眉をひそめ、「なぜわざわざこんな厄介な者を連れ戻した」と問いかける。謝雪臣は優しさと溺愛を込めた瞳で暮懸鈴を見つめ、彼女を守るために共に来たと断言する。二人は周囲の視線を気にせず手をつないで城内に入り、暮懸鈴はベッドに横たわり、自分の持ち物が整然と並ぶ光景に温かさを感じる。
そこへ南胥月が現れ、玉牌を返すよう暮懸鈴に求め、過去のわだかまりに決着をつけさせる。暮懸鈴は真剣な口調で彼に問いかけ、謝雪臣に関する本心を探るが、南胥月は答えず複雑な表情を浮かべる。その後、暮懸鈴は盗み聞きで、謝雪臣が蒼長老の前で彼女を揺るぎなく信じ、守ると語る様子を耳にし、心が温まる。謝雪臣も、部屋に飾られた花や草が暮懸鈴の仕業だと知り、彼女が背負っていた苦しみに胸を痛め、今後は決して悲しませないと誓う。
一方、南胥月は夢で見た光景に心を乱され、朽先閣主に会い、天梯開放への協力を提案する決意を固める。謝雪臣は公務中に神秘的な声を聞き、地に倒れるが、暮懸鈴と南胥月の助けで無事意識を取り戻す。その声の正体は、神魔の力がこっそり彼の体に入り込んだものと推測される。さらに、朽先閣主は万仙界の門を開き、人族を滅ぼして混沌珠を奪おうと画策し、桑岐との協力も模索する中、謝雪臣との決戦の火ぶたが切られようとしていた。
第24話あらすじ
暮懸鈴は、謝雪臣が一人で結界修復に向かうことを心配し、同行を願って南胥月に助けを求める。南胥月の力により、暮懸鈴は安全に指定の位置へ転送され、謝雪臣と共に結界修復の旅に出る。一方、朽仙閣の閣主は謝雪臣との戦闘中に目的を露わにせず、暗域の奥深くで桑岐を誘い込み、混沌珠の手がかりを示すも、桑岐は素凝曦のことに心を奪われ動じない。閣主は星沈谷の件を利用して他の生存者から情報を得ようと画策する。
暮懸鈴は桑岐のもとに赴き、暗族の暗躍と万仙界の危機を告げ、支援を懇願する。桑岐は一度試すかのように応じるが、暮懸鈴の真摯な決意と言葉に感銘を受け、内丹を授けて力を託す。桑岐は暮懸鈴が自らの若き日の姿や果たせなかった父性愛の象徴であることに気づき、過去の悔恨と未来への諦念を胸に、素凝曦と共に世界から去っていく。目覚めた暮懸鈴は感謝と未練を胸に虚空海へ向かい、謝雪臣と偶然合流。二人は虚空海を氷結させ、暗族の脱出を阻む最後の防衛線とする作戦を思い付く。
一方、暗族は万仙界の亀裂を感知し、突破の準備を進める。阿宝の実父・江離は正体を傅滄漓と隠し、碧宵宮への復讐計画を進行中。霊族を解放し外部と手を組ませ、宮殿の破壊を目論む。混乱の中、段霄蓉と傅淵停は負傷するが、傅瀾生の駆けつけで地下牢へ避難。江離は過去の因縁を暴き、段霄蓉は真実を語る――かつて江離の父が傅淵停を害そうとしたが、傅瀾生の父に阻止され逆に殺害されていたのだ。阿宝は勇敢に立ち、父の正体を拒絶する。
最終的に、暮懸鈴と謝雪臣は桑岐の内丹を用いて虚空海を凍結させることに成功。しかし撤退の直前、再び神秘的な声が響き、新たな挑戦と未知の運命が二人を待ち受けることを告げる。
千輪桃花〜永遠に咲き誇る愛〜 25話・26話・27話・28話 あらすじ
千輪桃花〜永遠に咲き誇る愛〜 全話あらすじ キャスト・相関図
















この記事へのコメントはありません。