相思令(そうしれい)~君綺羅(くんきら)と玄烈(げんれつ)~2025年 全30話原題:相思令
第16話あらすじ
第16話 『焔の誓いと旗の決断』
夜空に咲く花火が、運命の分岐点となる——。
玄烈と君綺羅が穏やかなひとときを過ごす中、突如として現れた刺客がすべてを変えてしまう。玄烈は君綺羅を守るために身を挺し、視力を失う重傷を負う。最終戦を目前に控えたこの事態に、王上は深い焦りを見せるが、玄烈は「目が見えなくとも、必ず勝つ」と誓う。彼の言葉には、命を懸けた覚悟が宿っていた。
一方、玄青蔻は邵祁民に想いを告げるも、彼の心は君綺羅に向いていた。拒絶された玄青蔻の怒りと悲しみは、物語のもう一つの火種となる。
王宮では、玄烈の負傷を受けて狼主の後継問題が浮上する。太后は奚長昆を推すが、王上は内心で彼の野心を警戒していた。玄烈は羅執舟を代役にと願うも、王上は「玄烈でなければ兵権は任せられない」と断固として譲らない。
その頃、焱南王上は君非凡の不在に苛立ち、宰相の策略により君非凡への疑念を深めていく。陰謀が渦巻く中、最終戦の幕が上がる。
試合のルールは「先に旗を立てた者が勝利」。玄烈は傷を抱えながらも森へと進軍するが、奚長昆は追手を放ち、玄烈を抹殺しようとする。孫大人が罠にかかり命を落とすと、孫昭敏は悲しみに沈み、玄烈は怒りを爆発させる。
旗を立てる場所で、玄烈と奚長昆は激しい殴り合いを繰り広げる。玄烈は「孫大人を死なせた者に兵権は渡せない」と叫び、奚長昆を打ち倒す。羅執舟はその場にいたが、玄烈の行動を止めることはなかった。
玄烈の勝利に王上は歓喜し、狼主としての地位は揺るぎないものとなる。しかし、孫昭敏は奚長昆の参拝に激怒し、仇討ちを試みるも、君綺羅がそれを制止する。奚長昆は旧兵の失踪を知り、玄烈に知られる前に口封じを命じるが、君綺羅は玄烈の元に不審な矢印を見つけ、さらなる陰謀の気配を感じ取る。
それぞれの想いが交錯し、忠誠と裏切りが交差する中、焔のように燃え上がる誓いが、未来を切り拓いていく——。
第17話あらすじ
第17話『矢の記憶と血の継承』
玄烈の傍らに落ちていた一本の矢。それは君綺羅の記憶を揺さぶる鍵となった。彼女はその形状に見覚えがないと答えるが、心の奥底では十二年前の父との会話が蘇る。君家の再興のため、父が武器の設計図を売った過去——それは君綺羅の運命を大きく動かす始まりだった。彼女は「才能を持つ者が家を守るのは当然」と語り、父を責めることなくその重責を受け入れる。
一方、羅執舟は李側妃の機嫌を取るため凧を飛ばすが、春に戻ると約束したのに秋になったことを責められ、慌てて謝罪する。李側妃は怒りを収めるが、羅執舟の行動には裏があった。彼は冬銀を呼び出し、孫大人の死に繋がった罠の改変について問いただす。冬銀は独断で罠を変更したことを認め、「玄烈が生きていれば我々に未来はなかった」と冷酷に語る。羅執舟は沈黙するが、その胸中には複雑な思いが渦巻いていた。
玄烈は君綺羅の行商令を開き、彼女が百工伝人であることを知って驚愕する。幼い頃からその才能を持っていた彼女が、武器の設計に関与していた可能性が浮上する。羅奇は「幼かった君綺羅が関係しているはずがない」と否定するが、賀機遥は「幼くても作れないとは限らない」と反論する。
宰相の側近は奚長昆に接触し、君綺羅の暗殺を持ちかける。奚長昆は「自分が手を下せば疑われる」とし、他者に機会を与える策を提案。陰謀は静かに進行していた。
君綺羅は弩矢の出所に悩み、玄烈は彼女に「父の件をどう思うか」と問う。君綺羅は「設計者も、武器が玄烈の父に使われるとは思っていなかったはず」と答える。玄烈は王上に調査を要請し、王上は「明日勅令を下す予定だったが、玄烈の焦りを見て調査を許可する」と応じる。
玄烈は五部族長を召集し、焱南のスパイが潜入していると告げる。蘇部族長は君綺羅を疑うが、孫昭敏は彼女を擁護。玄烈は「君綺羅は焱南人ではない」と認めつつ、真のスパイの捕縛を求める。王上は「重大事だ」として捕縛を命じる。
孫昭敏は父の遺体を翌日連れ帰る予定だったが、玄烈は「何かあれば助けてほしい」と頼む。玄烈は羅奇に錫林の調査を命じ、錫林を捕らえる。彼は「真実を話せば母を保護する」と説得し、錫林は承諾。王上に報告が届くと、奚長昆は「玄烈の冤罪だ」と主張するが、玄烈は錫林が物的証拠の発見に協力できると確信する。王上はこれを認め、調査は進展を見せる。
しかし王上は玄烈に対し、孫昭敏との婚姻を提案し、君綺羅を妾にすると告げる。忠誠と陰謀、愛と責任が交錯する中、矢の記憶が導く真実は、さらなる波乱を呼び起こす——。
第18話あらすじ
第18話『毒と誓いと赤い豆』
王命に背いてでも、守りたい人がいる——。
玄烈は王上の命に従わず、君綺羅を正妻に迎えたいと願う。王上は彼女の身分を理由に反対するが、玄烈は孫昭敏の父が亡くなったばかりであることを挙げ、彼女の意思を尊重すべきだと主張。王上は「もし考慮していなければ、とっくに縁談は成立していた」と語り、まず孫昭敏に意向を尋ねることを承諾する。
その頃、羅執舟はスパイ捕縛に失敗したことを玄烈に報告。奚長昆との会話について問われると、「絆を撹乱するような言葉だったが、大したことはない」と答える。玄烈は「我々の絆は奚長昆ごときに揺るがされるものではない」と断言する。
奚姫秀は父の冤罪を訴え、太后に助けを求めるが、太后は「真相が明らかになれば問題ない」と静かに諭す。一方、君家の二房では商号大会の準備が前倒しされ、君絳綢が激怒し口論に発展。家中の緊張が高まる中、冬銀が茶を運んできた場面で、君綺羅は異変を察知する。
君綺羅は茶の温度に違和感を覚え、玄烈に飲まないよう暗に伝える。交換しようとした瞬間、冬銀が茶碗を倒し、毒の存在が露見。冬銀は刀を抜き玄烈を襲おうとするが、玄烈が制止し、部下に拘束させる。拷問を控えつつ、玄烈は背後の指示者を問いただすが、冬銀は沈黙を貫く。
その直後、錫林が戻ったとの報が入り、王上は彼を召喚。玄烈はその場を離れ、錫林の証言により武器の存在が明らかとなる。奚長昆はついに関与を認め、「玄烈の父が兵権を取り戻そうとしていたことに反対し、親子ともに死に値する」と語る。王上は奚長昆に斬首刑を言い渡し、十日後の処刑を命じる。
君綺羅は冬銀を見舞い、「なぜ毒を見抜けたのか」と問われ、「織物屋の娘として、色の違いを見分ける目を持っている」と答える。冬銀はその答えに納得しつつ、「君の背後にいる人物を尋ねないのか」と問うが、君綺羅は「知っている。冬銀は決して話さない」と静かに返す。
玄烈は奚長昆に娘の安全を保証する代わりに真実を語るよう説得。奚長昆はかつて玄烈の父が先王に軍権の統一回収を進言したこと、そして三不管で武器を製造していたことを明かす。玄烈の父が調査に訪れた際、伏兵を仕掛けて殺害したことも告白。百工伝人については「正体は不明だが、設計図は確かに自分が渡した」と語る。
その後、奚長昆は牢獄で毒殺される。玄烈が確認に訪れると、看守は「今日は誰も来ていない」と証言。玄烈は外で一粒の赤い豆を見つけ、不審を抱く。奚姫秀は父の死に衝撃を受け、悲しみに沈む。玄烈が君綺羅に外出の様子を尋ねると、彼女は手首の装飾品が壊れたと説明。玄烈は修理を申し出る。羅奇は十二年前の君家の事件を報告し、次男房が多額の賭け金を失ったが、突然大金を得て解決したと語る。過去の影が、今なお君綺羅の運命に絡みついていた——。
第19話あらすじ
第19話『裏切りの竹林、誓いの式典』
奚長昆の死をきっかけに、王宮は再び混迷の渦へと巻き込まれる。奚姫秀は父の死に君綺羅が関与していると確信し、玄烈との共謀による罪の捏造を王上に訴える。侍女の手に赤い豆があったことから、王上は君綺羅を牢に閉じ込め、徹底的な尋問を命じる。玄烈は「君綺羅は狼主の座を支えるために尽力しているだけで、陰謀など関係ない」と反論するが、奚姫秀は「君綺羅に惑わされた玄烈に未来はない」と呪いの言葉を吐く。
王上は玄烈の心情を理解しつつも、君綺羅の過去を理由に二人の関係を否定。玄烈は君綺羅の身分を明かし、父の死とは無関係であると主張し、調査の猶予を願い出る。王上はこれを承諾し、玄烈に時間を与える。
その夜、羅執舟が玄烈を酒に誘い、過去の事件について語り合う。玄烈は奚長昆以外にも自分を狙った者がいると語り、羅執舟は「孫大人が命を懸けて守った以上、彼ではない」と否定。蘇部は勢力が弱く狼主の座に興味がないため、残るは羅部のみ。玄烈は羅執舟に疑念を抱きつつも、信じたいと語る。
玄烈は侍女が死ぬ前に会っていた謎の女性が城西の竹林に住んでいると突き止め、自ら確かめに向かう。一方、君綺羅は荷物をまとめ、羅奇に冬銀への届け物を託す。懿世子の帽子の刺繍と羅執舟の袖飾りの技法が一致していることに気づき、冬銀を訪ねて真相を探る。そこで、羅執舟の正体を確信する。
竹林に到着した玄烈は襲撃を受け、相手が羅執舟であることを見抜く。羅執舟も玄烈の探りを悟り、二人は対峙。羅執舟は西镶で李妃と出会い、求婚直前に西镶王が李妃に和親を求めたことを語る。母子を守るためには狼主の座が必要だったと告白し、玄烈は深く傷つく。
王上は使者を送り、羅執舟を連れ去らせようとするが、羅執舟は兵権と族長印を差し出し、李妃の赦免を懇願。王上はこれを受け入れる。玄烈は悲しみに沈み、酒に溺れる。君綺羅が彼を慰めていると、冬銀の逃亡が発覚。君綺羅の情状酌量の願いにより、玄烈は冬銀の解放を認める。
一方、君家では次男家が権力掌握を目論む中、君綺羅の父が現れ、君非凡が戻るまで家督を代行すると宣言。誰も異議を唱えなかったが、宮殿から使者が現れ、君非凡が敵国と通じて反逆したとして長男家の者たちが拘束される。君綺羅の父は王上との面会を求めるも拒絶される。
式典当日、孫昭敏は君綺羅を侍女に扮装させて同行。王は玄烈と孫昭敏に婚姻を命じるが、玄烈は拒否。王は「君綺羅を妾とするなら許す」と譲歩し、「狼主としての責任を果たせ」と勅命を促す。孫昭敏は驚き、君綺羅を見つめる。玄烈と孫昭敏は、運命に抗えず勅命を受け入れるしかなかった——。
第20話あらすじ
第20話『別離の崖、偽りの炎』
羅執舟の死が、すべての均衡を崩していく。
玄烈は羅執舟を案じて牢獄へ駆けつけるが、彼はすでに息絶えていた。だが、その手にあるべき傷跡がないことに気づいた玄烈は、彼の死に疑念を抱く。あえて罵倒の言葉を浴びせ、遺体を焼却させることで、真相を闇に葬る決意を固める。
一方、君綺羅は王命により捕縛される。邵祁民が救出に現れるも、君綺羅は自ら進んで王のもとへ向かうことを選ぶ。玄烈は王に直談判するが、王は「三日後に孫昭敏と婚姻すれば、君綺羅を連れて行くことを許す」と条件を突きつける。さらに、君綺羅が百工の継承者である以上、彼女を王のために働かせるか、さもなくば命を奪うと脅す。玄烈は「君綺羅は戻らない」と誓い、命を懸けた約束を交わす。
君綺羅との再会後、玄烈は彼女が過去の事件に無関係であると信じていたことを明かす。羅奇から「王が外を包囲するよう命じた」と知らされると、玄烈は噂を流すよう命じる。「君家が金のために北泫に寝返った」と。誇張された噂は真実味を失い、逆に疑念を逸らす狙いだった。
牢獄では、君綺羅の父が家族を励まし、王上への直訴を誓う。冬銀は玄烈と君綺羅の関係を知り、感情を抑えきれずに動こうとするが、羅執舟が制止。しかし冬銀は「君綺羅は私を大切にしてくれた。彼女を救いたい」と強く訴える。李妃と共に牢獄に現れた冬銀は、羅執舟の身代わりとなった男の死を利用し、君綺羅の脱出計画を進める。
その頃、懿世子は王命により辺境の裕王へ流刑となる。李妃は止められず、無念の思いを抱える。孫昭敏は玄烈に「君綺羅を姉のように思っているため、婚姻はできない」と告げる。玄烈は「方法はある」と語り、孫夫人に君綺羅を養女に迎えるよう提案。孫夫人は「これは王への忠誠の証」として承諾し、君綺羅の立場は一変する。
だが、邵祁民が再び君綺羅を連れ出そうと現れる。玄烈が駆けつけるも、冬銀の手引きでその場は水没し、君綺羅は姿を消す。玄烈は必死に追うが、彼女の姿はすでになかった。
崖の端に立つ君綺羅は、「自分が消えれば、玄烈は前に進める」と信じ、身を投げる。玄烈は叫びながら手を伸ばすが、届かず、彼女を救えなかった。自らも飛び降りようとする玄烈を、羅奇たちが必死に引き止める。崖の風が吹き抜ける中、玄烈の叫びが空に響く——。
相思令~君綺羅と玄烈~ 21話・22話・23話・24話・25話 あらすじ
相思令(そうしれい)~君綺羅と玄烈~ 全話あらすじとキャスト・相関図
















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