彼女は薔薇 2024年 全38話 原題:玫瑰的故事
第25話あらすじ
出産を終えた黄亦玫は退院し、自宅での新生活を始める。しかし、義母の方母は「女の子を産んだ」ことに不満を抱き、露骨に冷たい態度を取る。気に入らないことがあるたびに帰郷を口にし、方協文が必死に引き止めると、「孫(男の子)が生まれるまで様子を見る」と言い放つなど、家庭の空気は重苦しいままだった。
そんな中、黄振华と苏更生が北京から駆けつけ、大量の贈り物を持って母子を見舞う。黄振华は姪の方太初を抱いて大喜びし、愛情を惜しみなく注ぐ。一方で苏更生は、義母が女児出産を不満に思っている発言を偶然耳にし、強い違和感と怒りを覚える。
黄亦玫は早く仕事復帰したいと考えているが、黄振华は「子どもがもう少し大きくなってからでも遅くない」と諭す。その会話を盗み聞きした方母は、「外に出たがるのは問題だ」と決めつけ、さらに男児出産を急かすよう圧力をかける。
一方、家族の心配事も浮上する。黄亦玫は実家の様子を気にかけるが、父の黄剣如が怪我をしたことを知らされる。動揺して電話しようとするが、黄振华は両親の意向を理由にそれを止める。結局、後で父と直接話した際に事情を知り、安心するものの、そのまま溜め込んでいた不満と悲しみを涙ながらに吐露することになる。
その頃、方協文は会社を軌道に乗せるために奔走していた。彼は苏更生を会社に招き、事業の将来性を説明しながら「必ず家族を幸せにする」と語る。しかし苏更生は、彼の言葉の裏にある“支配的な性格”を見抜き、「コントロールすべきは家庭ではなく仕事」と釘を刺す。方協文はその意味を理解しつつも、完全には受け止めきれない。
やがて苏更生と黄振华は北京へ戻ることになり、別れ際に黄亦玫と腹を割って話し合う。黄亦玫は「子どもが少し大きくなったら必ず社会復帰したい」と語り、苏更生はそれを全面的に支持する。帰京後、苏更生は正式に黄振华の両親と対面し、その落ち着いた人柄で好印象を得る。
時は流れ、2009年春。黄亦玫は努力の末に教師資格を取得し、さらに心理カウンセラーの勉強も続けていた。しかし方協文はそのことをほとんど把握しておらず、彼女が資格試験の準備をしているのを見て不安を抱く。そして「負担を減らす」という名目で、義母を帰郷させる決断をするが、その裏には彼女の学習時間を制限したいという思惑もあった。黄亦玫はその意図に気づかず、むしろ義母に土産を持たせて見送る。
その後、新居が完成し、家族三人は新しい生活をスタートさせる。方協文は外で仕事に励み、黄亦玫は家で育児に専念。一見穏やかで安定した日々が続き、やがて娘の方太初は3歳に成長する。誕生日には盛大なパーティーが開かれ、その様子を見た祖父母も大いに喜ぶ。
しかし、再び小さな亀裂が生じる。黄亦玫が国際学校の面接を受けることになり、方協文に娘の世話を頼むが、彼は仕事を理由に回避しようとする。さらに服装にまで口出しし、スカートを履くなと指示するなど、過干渉が目立つ。黄亦玫は強い違和感を覚えつつも、娘の前で争うことを避けて家を出る。
面接では、これまで積み重ねてきた努力が実を結ぶ。黄亦玫は教師資格や心理学の知識、そして自作の授業プランを堂々と提示し、面接官から高い評価を得る。家庭内では抑圧されながらも、彼女は確実に自分の道を切り拓こうとしていた。
第26話 あらすじ
黄亦玫は方协文の反対を押し切り、スカート姿のまま国際学校の面接へ向かう。彼女にとっては自分らしさを守る大切な選択だったが、残された方协文はそのことがどうしても気に入らず、家で一人悶々とした時間を過ごす。娘の方太初と遊ぶ余裕もなく、仕事や将来、そして妻への不満が頭の中を巡り続ける。
夕方になっても黄亦玫は帰宅せず、連絡もつかない。面接中で携帯をマナーモードにしているとは知らない方协文は焦りと苛立ちを募らせる。やがて空腹を訴える方太初のため、仕方なく夕食の準備を始めるが、慣れない家事に戸惑うばかり。注意していたにもかかわらず、方太初が卵を落として割ってしまったことで、ついに感情が爆発し、娘を怒鳴りつけてしまう。
ちょうどその時、帰宅した黄亦玫は泣きじゃくる娘を抱きしめ、優しくなだめる。しかしその直後、方协文は怒りの矛先を妻へ向け、「仕事をやめて家にいろ」「二人目の男の子を産め」と一方的に主張。黄亦玫は自立した人生を望み、再び働きたいと強く訴えるが、意見は真っ向から対立し、激しい口論の末、二人は別々の部屋で眠ることになる。
一方その頃、北京では黄振华が苏更生を連れて実家を訪問。家族は結婚と子どもを期待するが、苏更生は内心複雑な思いを抱えていた。やがて彼女は勇気を振り絞り、自らの過去――かつて結婚歴があったこと、そしてその結婚が現実的な理由によるものだったことを黄振华に打ち明ける。さらに、過去の家庭環境や心の傷も重なり、彼女の中で結婚への不安は消えないままだった。
その告白を聞いた黄振华は大きな衝撃を受ける。彼女の過去を受け止めたい気持ちと、戸惑いの間で揺れ動き、結婚の決断ができなくなる。結局、結婚届を出す予定だった当日も「仕事」を理由に先延ばしにし、夜は一人で酒に溺れる。
上海では、方协文の独断的な経営判断が新たな火種となる。彼は会社の株式売却先を勝手に変更し、共同経営者の林昊と対立。会社の将来にも暗雲が立ち込める。一方、就職の結果が届かない黄亦玫は次の道を模索するが、方协文はそれすら許そうとせず、家庭内の緊張はさらに高まっていく。
そんな中、黄亦玫は兄の異変を知り、娘の方太初を連れて北京へ帰る決意をする。置き手紙だけを残して家を出た彼女に対し、方协文は激怒し電話で責め立てるが、彼女はそれを拒絶し携帯の電源を切る。夫婦の溝は決定的に深まっていく。
北京に戻った黄亦玫は苏更生と再会し、彼女の苦悩を理解しながらも、兄との関係について助言する。さらに、恩師的存在である姜雪琼を訪ね、人生の儚さと向き合う出来事(元夫の死)を知り、改めて人との関係の重さを実感する。
最終的に、迷い続けていた黄振华は自ら行動を起こす決意を固め、苏更生のもとを訪ねて「一緒にマラソンを走ろう」と誘う。それは、過去や不安を抱えたままでも、同じ方向を見て歩んでいきたいという彼なりの意思表示だった。
第27話 あらすじ
黄振华は苏更生を誘い、二人でマラソンに挑戦する。軽いウォーミングアップの後にスタートすると、序盤は黄振华が先行し、意地を見せるようにリードを保つ。しかし距離が伸びるにつれて体力は急速に消耗し、次第に失速。やがて苏更生に追い抜かれ、大きく引き離されてしまう。それでも彼は諦めず、汗だくになりながら必死に追いすがる。
途中で苏更生は立ち止まり、彼を待つ。息も絶え絶えの黄振华が追いつくと、再び二人は並んで走り出すが、限界は近く、やがて歩くしかなくなる。それでも夜になるまでかけて完走を果たす。
ゴール後、黄振华は「人生はマラソンのようなものだ」と語り、苦しい時でも苏更生の存在が前に進む力になると打ち明ける。これを別れの儀式だと思っていた苏更生は驚くが、黄振华は逆にこの走りを通じて彼女との未来を確かめたかったと明かし、さらに「一緒にプーケットへ新婚旅行に行こう」と提案する。思いがけない言葉に、苏更生は涙を流して応える。
その様子を遠くから見ていた吴月江と黄剑如は、二人の関係が前進したことを喜び、帰宅後すぐに戸籍関係の準備を始める。
一方、北京では姜雪琼が黄亦玫をネイルサロンに連れて行き、将来ギャラリーを開きたいという夢を語る。その行動力に刺激を受け、黄亦玫も自分の人生を見つめ直そうと考え始める。
上海では、空っぽの家に戻った方协文が偶然黄亦玫のパソコンを開き、彼女が国際学校から採用通知を受けていた事実を知る。強い動揺と不安に駆られた彼は、すぐに黄亦玫へ帰宅を促す電話をかけるが、彼女はもう少し北京に滞在したいと拒む。すると方协文は衝動的に学校へ連絡し、「彼女は妊娠していて勤務できない」と虚偽の説明をしてしまう。
やがて黄振华は両親に苏更生の過去を正直に伝え、理解を得た上で結婚を決意する。
その頃、黄亦玫は娘の方太初を連れて上海へ戻る。空港では苏更生が見送り、彼女は夫婦関係の悩みを打ち明けるが、苏更生は多くを語らず、ただ寄り添う。
帰宅後、方协文は娘に北京での行動を細かく尋ね、黄亦玫は強い不快感を覚える。さらに彼は彼女のネイルにも過剰に反応し、不満を募らせる。夜、同じベッドで眠ることになるが、気まずい空気の中、黄亦玫は距離を取ろうと書斎へ移動する。
その後、方协文は彼女の携帯電話に無断で追跡アプリを仕込み、行動を監視し始める。
翌日、黄亦玫は国際学校を訪れ、採用されていた事実と、それを方协文が勝手に断っていたことを知る。怒りに震えた彼女は夫を呼び出す。すでに位置情報で彼女の行動を把握していた方协文は、事実を隠そうともしない。
ついに黄亦玫は離婚を切り出す。
しかし方协文は「他に好きな人ができたのだろう」と決めつけ、激しく拒否。「子どもには会わせない」とまで言い放つ。
黄亦玫は、愛情よりも支配と不信に満ちた関係に限界を感じ、法的手段での離婚を決意する。
第28話 あらすじ
黄亦玫は方协文に正式に離婚を切り出すが、方协文は頑なに拒否し、まともに話し合おうともしない。関係は完全に行き詰まり、やむなく黄亦玫は裁判に踏み切る。しかし裁判所は「夫婦関係はまだ修復可能」と判断し、離婚理由が不十分として訴えを却下。彼女はこの結果を冷静に受け止め、半年後に再び訴訟を起こす決意を固める。
一方で方协文は会社の経営を大きく転換し、株式を天狼兴へ売却。大規模な人員削減を行い、その資金で豪華な別荘を購入し、娘の方太初のためだと強調する。しかしそのやり方は強引で、黄亦玫は彼の金銭至上主義と手段を選ばない姿勢に強い嫌悪感を抱き、心の距離はさらに広がっていく。
苏更生は離婚裁判が却下されたと知り、すぐに黄亦玫へ連絡を入れる。事情を聞いたうえで彼女の決断を支持し、精神的な支えとなる存在であり続ける。黄亦玫は娘の方太初を育てながら、出版社の翻訳の仕事を続け、静かで落ち着いた日々を送っていく。
そんな中、方协文は取引先との会食で酒を飲み過ぎ、帰宅後に急性アルコール中毒で倒れる。病院に運ばれた彼のもとに、黄亦玫と方太初が駆けつける。意識を取り戻した方协文はなおも離婚を拒もうとするが、黄亦玫の揺るがぬ態度に直面し、ついに折れる。退院後、二人は正式に離婚手続きを行い、長く続いた関係に終止符を打つ。
離婚後、黄亦玫は娘を連れて北京へ戻る。空港で見送る方协文は涙を浮かべるが、引き留めることはできず、彼女たちは新たな生活へと歩み出す。
やがて時は流れ2013年。姜雪琼は北京で黄亦玫に再会し、共に美術館を開く計画を持ちかける。その名は「蔓蔓」。亡き前夫が遺した名前であり、再生と希望を象徴するものだった。黄亦玫はすぐに準備に取りかかり、物件探しや企画書作成に奔走する。
設計は兄の黄振华が担当し、現場では助手の傅家敏が実務を担う。黄亦玫は細部にまでこだわり、自ら設計案に修正を加えるなど積極的に関与し、理想の空間づくりに力を注ぐ。
そこへ元恋人の庄国栋が現れ、再びやり直したいと訴える。彼は昇進し成功を収めていたが、黄亦玫への想いを断ち切れていなかった。しかし黄亦玫はすでに過去を乗り越えており、静かにその申し出を拒む。
また、傅家敏の誕生日には兄の傅家明が帰宅し、「命を救ったレンガ」の逸話を披露。思いがけないエピソードに場は大いに盛り上がる。さらに周士辉や元征らも集まり、人間関係は再び交錯していく。
庄国栋はなおも黄亦玫に接近し、娘の方太初にも優しく接するが、彼女の心は動かない。食事の席でも距離は埋まらず、黄亦玫は彼に「前に進むべきだ」と伝える。
そして多くの努力の末、「蔓蔓美術館」は無事オープンを迎える。関係者が集まり祝福する中、傅家明も彼女に会うため早くから訪れる。しかしその矢先、方太初が高熱を出し、黄亦玫はやむなく病院へ向かう。母としての責任を優先する彼女の姿は、新たな人生の象徴でもあった。
彼女は薔薇 29話・30話・31話・32話・33話 あらすじ
















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