承歓記（しょうかんき）～人生最高の出会い～ 2024年 全37話 原題：承欢记
21話 あらすじ
第21集 「疑惑と誠意、嵐の中の絆」
劉婉玉が手帳に書き連ねた改善点を、一字一句読み返した麦承歡。中には些細な指摘もあったが、多くは確かに問題の核心を突いており、彼女は胸の内で静かに感謝した。そんな折、旅行業界の同僚・陳女士から緊急の助けを求める電話が入る。急遽発生したトラブルで宿泊先を失った旅行団のために、麦承歡は興安里ホテルを手配し、徹夜で接待プランを作成。夜明けまで働き続け、疲労困憊のまま机に突っ伏して眠り込んだ。
翌朝、崔執事が朝食を届けると、麦承歡は完成したプランを渡し、崔執事は即座に準備を開始した。引継ぎのため旧職場に立ち寄った麦承歡は、同僚たちに惜しまれながら別れを告げる。その帰り道、姚志明と偶然すれ違う。彼は彼女が興安里の新しい支配人になることを知り、胸に複雑な感情が去来した。
その矢先、崔執事から緊急の電話が入る。衛生監督部門が「興安里の食事で中毒者が出た」との匿名通報を受け、営業停止命令を出したという。客たちは一斉にチェックアウトを求め、フロントは騒然。だが、麦承歡は冷静だった。以前から崔執事に指示していた料理のサンプル保存が功を奏し、検査結果を待つ間も毅然と対応する。数時間後、結果は「異常なし」。麦承歡は安堵の息を漏らした。
しかし、ネット上では依然として「自称被害者」による告発動画が拡散。虚偽の検査結果まで添えられ、興安里の信用は再び揺らいだ。麦承歡と崔執事は直ちに調査を開始。一方で姚志明も独自に動き、腹心の何東に命じて犯人の特定を急がせた。同時に、以前張培生が担当していたグローバルゴルフ大会の劉総経理との会談を手配し、表向きは経営支援を、裏では真相究明を進める。
夜を徹した捜査の末、三人は疲れ果て、束の間の休息を取る。姚志明が差し出したコーヒーを麦承歡がうっかりこぼし、彼の服を汚してしまう。崔執事が急いでホテルの制服を持ってくると、姚志明はそれを着て笑いながら「似合うか？」と冗談を言った。その一瞬の柔らかな笑顔に、麦承歡は亡き陳淑珍の面影を重ね、胸が締め付けられた。
やがて、何東が誣告の首謀者を突き止める。麦承早と毛毛の協力で、麦承歡は偽の診療記録を証拠に相手を追い詰め、警察への通報で相手はついに自白。SNS上で正式に謝罪声明を発表し、興安里ホテルの名誉は回復された。ホテル内は歓喜に包まれ、崔執事は涙ぐみながら「陳夫人もお喜びでしょう」とつぶやいた。
だがその裏で、張培生は激怒。姚志明が自分の顧客・劉総経理に接触したことを知り、「俺の客を奪う気か！」と詰め寄る。姚志明は逆に、食中毒騒動の黒幕が張培生であると暴き出し、張培生は反論もできず沈黙した。偶然その場面を目撃した麦承歡は、姚志明の誠意を信じ始める。
後日、感謝の気持ちを伝えるために食事に誘うと、姚志明は真剣な眼差しで告白した――「俺は君が好きだ」。突然の言葉に麦承歡は動揺し、手に持っていたコーヒーをこぼしても気づかないほどだった。夜、毛毛にそのことを打ち明けると、毛毛は「彼の本心を信じてみて」と優しく背中を押す。
一方、敗北を喫した張培生はまだ諦めていなかった。彼は姚志明の“弱点”を探り出し、次なる一手を練り始める――。
22話 あらすじ
第22集「交錯する想い、同じ屋根の下で」
麦承歡は正式に興安里ホテルの新たな経営者としての一歩を踏み出した。だがその道は決して平坦ではなかった。初日の朝礼で、古株の廖剛が彼女に皮肉を浴びせる。しかし麦承歡は冷静に、彼の経歴や努力を正確に言い当て、従業員の士気を鼓舞する。旧来の管理制度を改め、実力に応じた報酬制度と配当制度を導入し、「興安里を家のように思ってほしい」と語る彼女の言葉に、場内は拍手に包まれた。その様子を見た父・麦来添は、娘の成長に胸を熱くする。母・劉婉玉が心を込めて作った湯円を頬張りながら、麦承歡は久々に家族のぬくもりを感じた。
一方、姚志明は本社から「一ヶ月以内に興安里を買収せよ」と厳命を受ける。張培生の陰謀を知らぬまま、葛藤を抱えつつも麦承歡を支える道を模索していた。彼は観葉植物を贈り、「商売繁盛」を祈るという形でさりげなく彼女を励ます。
その頃、劉婉玉は「娘に早く結婚してほしい」と願い、近所の王おばさんを呼び出して縁談の相談をしていた。だが麦承歡は仕事に集中したいと家を出る決意を固める。母との対立が高まる中、思いがけず姚志明が古い洋館に引っ越してくる。彼は「この家に一緒に住もう」と申し出て、屋根裏部屋に身を寄せた。麦承歡は当惑しつつも、母を刺激したくなくてその提案を受け入れる。
麦承早も姉の側にいるため引っ越すことを決意し、劉婉玉は渋々承諾。姚志明は毎朝手作りの朝食を用意し、家族の信頼を少しずつ得ていく。麦家の食卓に笑いが戻り、麦来添も彼を見直すようになった。
だが、ホテル経営は依然として厳しい。麦承歡は新しい顧客開拓を進め、ビジネスパートナーである鄭社長に接待提案を行う。偶然その場で鄭社長の結婚の話を耳にし、姚志明が急遽現れて商談を引き継ぐ。複雑な気持ちを抱えながらも、麦承歡は冷静にその場を去った。
後日、姚志明は彼女のもとを訪れ、行き違いを詫びる。麦承歡は「結婚式を挙げたい」と夢を語り、姚志明は「上海スタイルの結婚式を」と提案。二人の心は、少しずつ距離を縮めていく――。
23話 あらすじ
第23集「雨の中のインスピレーション、心の距離」
姚志明と鄭総のビジネス提携が順調に進むなか、麦承歓は興安里ホテルの競争力の弱さを痛感していた。ボッティチェリの華やかさに勝つには、興安里ならではの特色が必要だ――そう考えた彼女は、姚志明の助言を受け、「上海スタイルの結婚式プロジェクト」を立ち上げることを決意する。ちょうど鄭総が結婚を控えていると知った麦承歓は、精緻なプランを自ら設計し、鄭総に直談判。忙しい彼は出張を理由にすぐの決定を避けたが、帰国後に興安里を視察する約束を交わした。
ジュエリー制作を任された毛毛は、重圧の中でアイデアに行き詰まっていた。そんな彼女を心配した麦承早は、雨の中へ連れ出す。二人は一本の傘を分け合い、水たまりを踏み合いながら笑い合う。その無邪気な時間の中で、毛毛は雨滴からインスピレーションを得てデザインを完成させる。喜びのあまり麦承早に抱きついた瞬間、二人の距離は一気に近づいた。
鄭総が視察に訪れると、麦承歓と毛毛の入念な準備が功を奏し、彼は感動して結婚式一式を興安里に依頼する。初の大型プロジェクトを成功させた麦承歓は、感極まって涙を流した。その裏で、麦承早と毛毛の関係に気づいた彼女は、静かにその場を離れ、弟の成長と恋の兆しを見守る。
結婚式当日、姚志明が招待客として来場。完璧に仕上がった披露宴を見て、彼は麦承歓の手腕を心から称える。式後、麦承歓はスタッフたちとスイカを分け合い、姚志明にも勧めた。二人は子供の頃の思い出を語り合い、互いの距離が少しずつ近づいていく。
だが華やかな舞台の裏では、ホテルの経営が悪化していた。廖剛ら一部の社員が不満を募らせ、給与と配当を「絵に描いた餅」と批判して退職を申し出る。麦承歓は彼らを引き止めず、崔執事の助言で冷静に受け止めるが、資金繰りはますます厳しくなる。彼女は両親のために準備していた家購入資金を運転資金に充てる決断を下し、母・劉婉玉の反発を受けながらも前に進む。
そんな中、崔執事の知らせを受けた姚志明は、麦家を再び古い洋館に迎え入れ、さりげなく彼女を支える。麦承早はその想いを察し、姉に伝えるが、麦承歓は気持ちを隠し通した。やがて姚志明は彼女を釣りに誘い、四人で小さな小旅行へ――。雨に打たれた夜から始まったそれぞれの想いが、少しずつひとつの未来へと結びついていくのだった。
24話 あらすじ
第24集「すれ違う想い、交わる心」
姚志明は「釣り」を口実に麦承歡との静かなデートを企てた。だが当日、麦来添と麦承早も同行することになり、4人での小旅行に。気まずい空気の中、姚志明は内心の苛立ちを隠して笑顔を装い、麦来添と他愛ない会話を続けた。麦承歡は彼の不機嫌さに気づきながらも、どう関係を修復すべきか分からず沈黙を貫く。姚志明は何とか二人きりの時間を作ろうとするが、麦来添が割り込んでしまい、その機会は訪れなかった。
不器用なやり取りの末、麦承歡が釣り上げた魚を姚志明が引き上げようとして木に引っ掛けてしまうなど、終始ドタバタ続き。それでも4人は火を囲んで肉や魚を焼き、笑い合いながら食事を楽しんだ。麦来添は「家族をもっと大事にしなさい」と説教し、麦承歡と麦承早は素直に頷いた。
一方、自宅で一人留守番していた劉婉玉は退屈を持て余していた。遅く帰宅した麦来添の体から漂う酒の匂いに激怒し、彼を小言と共に寝室へ引きずり込む。翌朝、姚志明が起きてこないことを心配した劉婉玉は、麦来添の制止を振り切って部屋の扉を叩き続けた。姚志明は渋々扉を開けて弁明するが、その誠実な態度に彼女の心は少しずつ和らいでいく。
その後、劉婉玉はたくさんの料理を作り、麦承歡の帰宅を心待ちにしていた。だが彼女がなかなか現れず、姚志明は気の毒に思い、代わりに一緒に料理を届けに行くことを申し出る。途中、劉婉玉が頭痛を訴えると、姚志明は即座に薬を差し出す。麦来添は「麦承歡に会う口実だ」と冗談めかすが、結局劉婉玉は彼と共に興安里へ向かった。
その頃、興安里ホテルは鄭総の結婚式成功をきっかけに評判が急上昇し、結婚式の予約が殺到していた。喜びの中、麦承歡は久々に実家に帰ろうと決意。しかしバス停で酔っ払いに絡まれ、危険な目に遭う。遠くからそれを見た劉婉玉は、ためらうことなく駆けつけ、革靴で男を打ち払って娘を守った。二人は派出所へ連行されるが、経緯を聞いた警察官は注意だけで帰宅を許す。麦承歡は母に抱きつき、涙ながらに感謝した。
姚志明も駆けつけ、トラブルを収めた後、劉婉玉に新しい靴を用意させた。麦承歡は母を家まで送り、近いうちに戻ると約束。家族の絆は再び深まっていく。
夜、庭で涼む姚志明と麦承歡。劉婉玉の件への感謝を伝える彼女に、姚志明は静かに想いを告白する。麦承歡は戸惑い、答えられぬまま沈黙――その時、空港から一本の電話が。姚志明の友人・張子玉の財布が盗まれたという知らせに、彼は急ぎ空港へ向かう。麦承歡は廊下の灯りをつけ、彼が安全に帰宅できるよう照らし続けた。
承歓記（しょうかんき）25話・26話・27話・28話 あらすじ
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