桃花、江山(こうざん)に燃ゆ~命がけの政略結婚~

桃花、江山(こうざん)に燃ゆ~命がけの政略結婚~

桃花、江山(こうざん)に燃ゆ~命がけの政略結婚~ 21話・22話・23話・24話 あらすじ

桃花、江山(こうざん)に燃ゆ~命がけの政略結婚~2025年 全36話 原題:桃花映江山

第21話あらすじ

姜桃花は庭へ出たその瞬間、屋敷の奥から激しい物音を耳にする。穆无垠の部屋から響くのは、茶碗や皿が叩きつけられる鋭い音だった。やがて中から侍女たちが慌てて出てきて、小声で囁き合う。「北苑の使節団が沈在野に拘束されたことで、殿下が激怒している」と――その言葉を聞いた姜桃花の胸に、不安が一気に押し寄せる。このままでは自分が北苑へ送り返されるかもしれない。そうなれば、自分だけでなく弟の姜长玦の命すら危うい。

迷いの末、姜桃花は危険を承知で動く決意を固める。彼女は物陰に身を潜め、運び出される果物や野菜の籠の中へと忍び込む。息を潜めながら揺れる荷とともに運ばれ、やがて屋敷の外へ――そしてようやく沈在野のもとへ辿り着く。

その頃、沈在野は北苑の使節団を厳しく取り調べていた。議題はただ一つ、姜桃花の過去。物陰に身を隠した姜桃花は、そのやり取りに耳を澄ます。すると使節たちは責任逃れのため、競うように語り出した――冷宮での彼女と姜长玦への仕打ちを。

幼い姜桃花が弟のために薬を求め、侍従に土下座したこと。だが返ってきたのは薬ではなく嘲笑だったこと。空腹のまま冷宮へ戻り、辛い水を無理やり飲まされ、氷の上に跪かされる日々。人として扱われない過酷な記憶が、次々と暴かれていく。
そのすべてを聞きながら、姜桃花は拳を握りしめ、涙を必死に堪える。胸の奥に、怒りと悲しみが静かに燃え広がっていく。

やがて湛卢が彼女の存在に気づく。しかし彼はあえて何も言わず、さりげなく側門を開けさせる。まるで「入れ」と言わんばかりの配慮だった。姜桃花はその隙を逃さず中へ入り込み、さらに奥で行われる最後の尋問を見守る。

そこにいた三人の宮人は、かつて彼女に手を差し伸べた者たちだった。彼らは震えながらも語る。「あの子はまだ幼く、助けたのはただ可哀想だったからだ。それ以上の関係はない」と。そして命乞いをする。
その言葉を聞いた沈在野は、彼らを咎めるどころか、逆に金を差し出して礼を述べる。「あの子を守ってくれてありがとう」と――その一言に、宮人たちは涙を流し、心から安堵する。

その様子を見た姜桃花の胸には、これまでにない感情が芽生える。疑問だった。なぜこの男は、自分のためにここまで――。だが長く留まることはできない。彼女は静かに後ずさり、逃げるようにその場を去ろうとする。しかしその瞬間、手にしていた手帕を落としてしまう。

すぐに湛卢がそれを拾い、内部へ戻ると沈在野に告げる。「彼女が来ていました」と。
その一言で、沈在野の表情が変わる。彼はすぐに外へ飛び出すが、そこに彼女の姿はない。残されていたのは、ただ一枚の手帕だけ。彼はそれを強く握りしめ、胸に押し当てる。彼女はやはり自分に会いたくないのか――その思いが心を締めつける。

一方の姜桃花は、すでに変装して屋敷へ戻っていた。下人の姿に紛れ込み、何食わぬ顔で中へ入る。しかしその動きは清风に見咎められる。
咄嗟に姜桃花は嘘をつく。「道に迷い、殿下を探していた」と。疑いながらも、清风は彼女を穆无垠のもとへ連れて行く。

対面した穆无垠の前で、姜桃花はさらに言葉を重ねる。「挨拶を忘れてしまい、謝罪に参りました」と。
しかし穆无垠は意外にもあっさりと受け流し、「気にするな」とだけ告げる。その言葉に安堵した彼女は、すぐにその場を後にする。

彼女が去った直後、薄闇の中から現れたのは郘元华だった。彼女は冷たい眼差しで穆无垠を見つめ、「あの娘を信用するな」と警告する。計算高く、決して侮れぬ存在だと。
その忠告を受け、穆无垠はわずかに眉をひそめる。そして青苔を屋敷の外れへ移すよう命じる。ただし殺さずに残す――それは後に姜桃花を縛るための“駒”として使うためだった。

その頃、別の場所では穆无瑕李郊寒の書いた策論を手に、朝廷の門前に立っていた。
彼女は通り過ぎる官吏たちに声をかけ、読んでほしいと頼む。しかし誰一人として足を止めず、まるで彼女の存在など見えていないかのように通り過ぎていく。

失望しかけたその時、沈在野が歩み寄ってくる。彼は無言で策論を受け取り、じっくりと目を通す。そして読み終えた後、何も言わずただ一つの視線を送る――「ここでは評価されない」という意味を含んだ視線だった。
それを受け取った穆无瑕ははっとする。そして思い出す――本日、朝に姿を見せなかった人物、高渊の存在を。

彼女はすぐにその屋敷へ向かい、策論を見せる。高渊は一読してその才能を認めるが、身分の低さゆえにすぐの登用は難しいと告げる。それでも、まず官位を得させてから取り立てる道を示す。
その会話を、ひそかに聞いていたのが孟怀瑞だった。彼は内心でほくそ笑み、密かに動き出す。

ほどなくして孟怀瑞李郊寒に接触し、偽って「高渊の使いだ」と名乗る。そして新たな策論を書かせ、それを自分のものとして利用しようと企む。何も知らない李郊寒はそれを信じ、快く筆を取るのだった。

一方、屋敷へ戻った沈在野は、手にした手帕を見つめ続けていた。彼女は何を聞き、何を思ったのか――その答えは分からない。ただ、胸の中に消えない不安だけが残る。

そこへ湛卢が報告を持ってくる。「穆无垠が単独で外出し、姜桃花は屋敷に残っています」と。
その言葉に、沈在野の目が鋭く光る。彼は夜更けに彼女のもとを訪ねる。

突然現れた沈在野に、姜桃花は驚きを隠せない。彼は真っ直ぐに彼女を見つめ、「お前の受けた苦しみは、すべて俺が取り戻す」と語る。さらに姜长玦の安全も守ると約束する。
その言葉に、姜桃花の心は大きく揺れる。しかし同時に、これまでの裏切りや記憶が彼女を縛る。簡単に信じることなどできない。

彼女は彼を突き放す。
それでも沈在野は怒らず、「青苔を見つければ真実が分かる」と静かに告げる。

二人は共に屋敷内を探し回るが、青苔の姿はどこにもない。やがて姜桃花は一つの可能性に気づく――穆无垠の部屋。
忍び込んだ室内で、彼女は不自然な銅銭を見つける。本来ここにあるはずのないもの。それをきっかけに、隠された扉を見つけ出す。

その時、外から巡回の足音が近づく。
沈在野はすぐに察し、彼女を守るため自ら囮となってその場を離れる。闇の中へ消えていく背中を見送りながら、姜桃花の胸に痛みが走る。その理由は、まだ彼女自身にも分からない。

一人残された彼女は、銅銭を使って扉を開ける。
中に広がっていたのは――まるで婚房のように整えられた異様な空間。そしてその中心には、一つの手鏈が置かれていた。

それを手にした瞬間、彼女の脳裏に浮かぶ名はただ一人――郘元华

その頃、山頂では穆无垠郘元华が夜景を見下ろしていた。
「この景色すべて、やがてあなたのものになる」
そう語る穆无垠の声には確固たる決意が宿っている。

郘元华はゆっくりと微笑む。その瞳にはすでに未来の覇権が映っているかのようだった。

 

第22話 あらすじ

姜桃花は、穆无垠の屋敷に隠された密室の中で、ひとつの決定的な証拠を見つける。それは精巧に作られた手鎖――しかも持ち主は郘元华。王族の権威を象徴するその品が、なぜ密かにここへ隠されているのか。単なる贈り物ではない。姜桃花は直感する――これは「関係」の証であり、しかも公にできない類のものだと。
胸の奥に冷たい不安が広がる。穆无垠郘元华はただの協力関係ではない。もっと深く、危険な結びつきがある。そう考えた瞬間、彼女の思考は自然と青苔へと向かう。あの子はどこにいるのか。生きているのか、それとも――。焦りと恐怖がじわじわと彼女を締めつける。

一方その頃、孟家では重苦しい空気が流れていた。
孟蓁蓁は祭壇の前に立ち、亡き兄孟怀瑾に静かに香を手向けている。だが、その静寂は突然の知らせによって打ち砕かれる。
――孟怀瑞が献上した策論が評価され、祁王の称賛を受けたというのだ。
それだけではない。孟仲言は彼を養子に迎え、さらにかつて兄に許された婚約――李晗玥との縁談まで継がせようとしていた。

その話を聞いた瞬間、孟蓁蓁の胸に押し込めていた感情が噴き出す。
あの日、兄が三日三晩跪いて勝ち取った婚約。それが今、何の苦労もなく別人に奪われようとしている。しかもその策論は――盗まれたものだ。
彼女の中で何かが決壊する。
「このままでは孟家は滅びる」
そう確信した孟蓁蓁は、父の前に跪き、自ら家のための“駒”になる覚悟を示す。そして彼女は大胆な進言をする。
――今後、孟家が賭けるべきは穆无垠だと。

穆无垠は一見すると無欲に見える。しかし実際には、争いの外に身を置きながらも常に機を窺う策士。その曖昧さこそが最大の強みだと孟蓁蓁は見抜いていた。
だが孟仲言はためらう。彼女に“情”が残っているのではないか、と。
それに対し孟蓁蓁は冷徹に誓う。
「孟家の障害となる者は、誰であろうと斬ります」
その言葉に、父はついに娘を認める。彼は一人の死士を彼女に託し、孟家の未来を委ねた。

その後、孟蓁蓁孟怀瑞と対峙する。
彼の偽りを暴き、李家から手を引くよう警告する。さもなくば――命はない。
そのやり取りを聞いていた孟仲言は、娘の変貌に驚きつつも、確かな手応えを感じていた。かつて守られる側だった娘が、今や家を支える存在へと変わりつつあるのだ。

その頃、姜桃花は行動を開始していた。
食事に難癖をつけ、厨房へ入り込み、使用人たちから情報を引き出す。そこで彼女は重要な事実を知る――
穆无垠には別邸がある。
直感的に、そこに青苔がいると確信する。

一方で宮廷では異変が起きていた。
祁王は灡衣閣の一件で神経を尖らせていたが、突然激しい頭痛に襲われる。彼が服用したのは、穆无垠から献上された薬。
それは即効で効き、王の信頼はさらに穆无垠へと傾く。
さらに王は耳にする――彼の屋敷に「姜桃花に似た女」がいると。
興味を持った王は、その女を宮中へ呼び出すよう命じる。

同時に、各勢力が動き出す。
穆无垠は急ぎ替え玉を用意し、宮への道中で入れ替えを図る。
孟蓁蓁はこの動きを察知し、「姜桃花は生きている」と確信。試す機会を狙う。
そして――
沈在野もまた情報を掴む。

「姜桃花が連れ去られた」

その報を聞いた瞬間、彼は一切を捨てて駆け出す。
辿り着いた先は、死臭漂う乱葬岗。
霧が立ち込め、無数の屍が横たわるその地で、彼は必死に彼女の姿を探す。

やがて視界に入ったのは、破れた筵の下から覗く――一輪の桃花。
それはあまりにも鮮やかで、この場所には不釣り合いなほど美しかった。

沈在野の手が震える。
恐れと希望が入り混じる中、彼はゆっくりと筵へ手を伸ばす――。

 

第23話 あらすじ

沈在野は息を詰めながら、乱葬岗で草席をゆっくりとめくる。
その下にあったのは――姜桃花ではない。
張り詰めていた緊張が一気にほどけ、彼はその場で大きく息を吐き、力が抜けたように膝をつく。
「生きている……」
その確信だけが、彼を支えていた。

その頃、意識を取り戻した姜桃花は、ぼんやりとした視界の中で黒衣の影を捉える。
危機を察し、静かにその場を離れようとするが、すぐに気配を悟られる。
彼女は冷静を装い説得を試みるが、黒衣人は一切動じず、冷たい殺意をにじませながら迫ってくる。

次の瞬間――
風を切る音とともに、一閃の剣が飛ぶ。
沈在野が放った一撃だった。

黒衣人は辛うじてそれを避け、すぐさま逃走する。
追うことよりも、沈在野の心はすでに別のところにあった。
彼は迷わず駆け寄り、姜桃花を強く抱きしめる。

「生きていてくれて……よかった」

その言葉は抑えきれない感情そのものだった。
だが姜桃花の脳裏には、かつての夜の記憶がよみがえる。
混乱と戸惑いの中、彼女は思わず彼を突き放す。
目の前の男は――知っているはずなのに、どこか遠い存在だった。

一方、別の場所では、孟蓁蓁の配下が事の顛末を確認していた。
沈在野が命を賭して救った事実から、姜桃花が生存していると確信する。
しかし同時に疑問も残る。
なぜ彼女は長く穆无垠の屋敷に留まっていたのか――。


その後、姜桃花は自らの目的を優先する。
命を救われたことに感謝しつつも、彼女の心は別の場所にあった。
郘元华穆无垠の関係、そしてその裏に潜む陰謀。
それを暴くため、彼女は再び敵地へ戻る決意をする。

体はすでに限界に近く、毒の発作も始まっていた。
それでも沈在野は何も言わず、彼女を送り届ける。
その背中には、言葉にしない誓いがあった。
――必ず救う、と。


屋敷に戻った姜桃花は、再び毒に苦しむ。
そこへ現れた穆无垠は、表向きは心配する素振りを見せながら、実際には彼女の支配を確認しに来ていた。

姜桃花は機転を利かせる。
自分が「死んだこと」にしてほしいと願い出て、さらに弟姜长玦への想いを語る。
その言葉に満足した穆无垠は、ついに解薬を与える。

そして自らの正体を明かす。
――灡衣閣の黒幕であり、再建を目論む者だと。


その裏で、沈在野の配下は壊滅的な被害を受けていた。
郘元华側の追撃により、捕縛を避けるため死士たちは自害。
報せを聞いた沈在野は深い悲しみを押し殺し、遺族への補償を手配する。
だが軽率な行動はできない。
すべては姜桃花を守るためだった。


やがて姜桃花は、別院の存在を突き止める。
祈願を口実に外出し、監視を撒き、逆に尾行して別院へ辿り着く。

そこで彼女が見たのは――
傷だらけで倒れる青苔の姿だった。

怒りと焦りの中、姜桃花は火を放つ。
混乱に乗じて救出を図るためだ。
だが郘元华穆无垠は即座に撤退し、
残された命令はひとつ――青苔を殺せ。

刃が振り下ろされ、青苔は池へと投げ込まれる。

迷うことなく、姜桃花は飛び込む。
しかし衰弱した体では支えきれず、意識を失ってしまう。


その瞬間、再び現れたのは沈在野だった。
彼は迷いなく二人を救い上げ、自らの屋敷へ運ぶ。

必死の救命措置の中、姜桃花の記憶が戻る。
これまでのすべて――
愛も裏切りも、痛みも、すべてが一気によみがえる。

目を覚ました彼女の最初の言葉は、
自分ではなく青苔の安否だった。


しかし、彼女は決断する。
記憶が戻ったことは隠す。

ここで沈在野の元に留まれば、真相へ辿り着けない。
再び敵の懐へ――それが唯一の道だった。

去っていく背中を見つめる沈在野
止めることもできず、ただ見送るしかない。


一方、朝廷では新たな火種が生まれていた。
祁王孟怀瑞の策論を沈在野穆无瑕に評価させる。

二人はすぐに見抜く。
それは李郊寒の文章に酷似していた。

しかし沈在野は即座に暴かず、冷静に欠点を指摘し、再提出を進言。
事態を大きく動かすための布石だった。


その直後、悲劇が起こる。
李郊寒が自室で首を吊って死亡していたのだ。

だが現場には不自然な点が多く、明らかに他殺。
才能ある若者が闇に葬られた現実に、沈在野の怒りは燃え上がる。

彼は思い出す。
かつて父が寒門のために科挙再開を訴えた過去を――。

そして決意する。
この死を無駄にしない、と。


翌日。
李郊寒の遺体は街に晒され、その胸には策論が掲げられる。

それは単なる弔いではない。
民衆と学子たちの怒りを呼び起こすための、計算された一手だった。

「科挙を再び開け――!」

声は次第に大きくなり、やがてうねりとなって広がっていく。

沈在野の新たな戦いが、ここから始まろうとしていた。

 

第24話 あらすじ

穆无瑕は、棺に横たわる李郊寒の姿を前に、言葉を失う。
その場に駆けつけた向清影もまた、現実を受け止めきれず泣き崩れる。
静まり返った空気の中で、やがて穆无瑕の瞳に宿ったのは、悲しみではなく“決意”だった。

「寒門にも道を――必ず開く」

彼はその場で誓う。
この死を無駄にしない。科挙を再び行い、身分に関係なく才能が報われる世を取り戻すと。


翌日、穆无瑕はただ一人で宮廷へ赴く。
祁王の前に跪き、真っ向から訴える――科挙再開を。

だが王は応じない。
冷淡に退朝を宣し、その場を去ろうとする。

それでも穆无瑕は立ち上がらない。
命を賭ける覚悟で、その場に跪き続ける。

その姿に、宮廷は緊張に包まれる。


そこへ現れたのが沈在野だった。
彼は一見すると王に同調するように語る。

・今は北苑の使節が滞在している
・この状況を見せれば王の威厳に関わる
・さらに科挙は世家の反発を招く

しかしそれは、逆に祁王の矜持を刺激する言葉だった。

「世家を恐れていると思われるわけにはいかぬ」

王は即座に決断する。
――科挙再開。

そしてその主導を、穆无瑕沈在野に任せると宣言する。

すべては沈在野の計算通りだった。


その後、彼はさらに一手を打つ。
天下に広く布告する――

「科挙は穆无瑕の直訴によって実現した」

これにより、全国の学子たちの支持は一斉に穆无瑕へと集まる。
彼は一気に“寒門の象徴”となった。


再び墓前。
穆无瑕向清影は、李郊寒に手を合わせる。

「もっと早く動いていれば……」

悔恨に満ちた言葉。
だがその背後で、静かに見守る影があった。

沈在野である。

彼は誰にも気づかれぬまま、固く誓う。
この犠牲を無駄にしない――
腐敗した朝廷を断ち切る、と。


一方その頃、郘元华は大祁を去る。
だがただ去るのではない。

彼女は“ひとつで三つを仕留める策”を残していく。
その実行を命じられたのは穆无垠

「今度は情けを捨てなさい。兄弟であっても」

冷酷な言葉に、彼は迷いなく応じる。
野心と執着が、その瞳に燃えていた。


宮廷外でも、動きは活発化していた。

穆无瑕孟蓁蓁と密会し、科挙阻止の動きを警戒する。
なぜなら、この改革における最大の標的は――
彼と沈在野だからだ。

その帰路、孟蓁蓁孟怀瑞と遭遇する。
彼はなんと科挙を受ける意志を見せていた。

世間の評価は上がる。
だが彼女は見抜いていた。

「愚か者……」

その裏にある危険を理解できない彼に、強い苛立ちを覚える。
彼女はすぐに監視を命じる。


その夜、別の動きがあった。

向清影は異変を察し、密かに行動する。
すると――青苔が夜陰に紛れて出ていくのを発見。

後を追った先は、穆无垠の屋敷。
そこで彼女はついに再会する――姜桃花と。


向清影は伝える。
沈在野の変化を。

食事も喉を通らず、笑顔も消えた。
周囲は科挙のせいだと思っているが、違う。

「あなたを想っているのよ」

その言葉に、姜桃花の胸は締めつけられる。
離れていても、想いは断ち切れない。


そこへ現れた穆无垠
彼は冷静に命じる。

「沈在野に会え」

その意図は明白だった。
――利用するため。

拒めない立場の姜桃花は、静かに従う。


やがて二人は再会する。

姜桃花は感謝を口にする。
だがそれは“青苔を救ったこと”に対してのみ。

それを聞いた沈在野の胸に、痛みが走る。

さらに彼女は言う。
「すべて聞いても、私には他人の話のよう」

その言葉は、距離を決定的にするものだった。


別れ際。
沈在野は追いすがる。

「また会えるか――」

だが姜桃花は振り返らない。
彼を守るため、自ら離れる道を選ぶ。

残された沈在野は、ただ立ち尽くす。
あの日、彼女を信じきれなかった自分を悔やみながら。


屋敷では、湛卢が彼を案じる。
だが恋情に沈む主に言葉は届かない。

沈在野はただ、簪を彫り続ける。
そこに込めるのは、届かぬ想い。


そして水面下では、さらに危険な策が動き出す。

穆无垠孟蓁蓁は読む。
二皇子が試験問題を売り、利を得ようとする動き。

だが証拠がなければ意味がない。

そこで持ち出されたのが、かつて都の地図を果核に刻んだ工匠。
その技術を利用し、決定的な証拠を作る――。

静かに、しかし確実に。
新たな陰謀が形を取り始めていた。

 

桃花、江山(こうざん)に燃ゆ~命がけの政略結婚~ 25話・26話・27話・28話 あらすじ

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