入青雲

入青雲

入青雲 17話・18話・19話・20話 あらすじ

入青雲 2025年 全36話 原題:入青雲

第17話の見どころ

紀伯宰が妖獣を取り込む「化妖」の最終段階に挑み、自らの過去の傷と向き合いながら極限の試練を乗り越えていく姿が描かれます。一方、沐斉柏は寿華泮宮の支配を狙って天璣公主を追い詰め、ついには紀伯宰へ新たな罠を仕掛けます。明意は彼を救うため命を削る覚悟で霊力を使い、不休や司徒嶺もそれぞれの思いを胸に戦いへ身を投じます。深まる紀伯宰と明意の絆、司徒嶺の揺れる想い、そして晁羽の新たな陰謀が交錯し、物語が大きく動き出す緊迫の一話です。


第17話あらすじ

妖獣を完全に錬化するには本来七日間を要する。しかし紀伯宰は、沐斉柏が寿華泮宮の実権を奪う前に決着をつけるべく、自らの修為を削りながら五日で錬化を終わらせるという危険な選択をする。成功すれば妖獣軍に対抗できる力を得られるが、失敗すれば妖獣に意識を乗っ取られる危険すらある命懸けの賭けだった。

その頃、首席闘者となった孫遼は権力を振りかざし、他人には厳しく自分には甘い横暴な振る舞いを続けていた。天璣公主は混乱を避けるため、表向きは孫遼を立てながら機会をうかがうが、修行者たちの不満は日ごとに高まっていく。その様子を言笑は静かに観察し、情勢の変化を見極めようとしていた。

一方、浮月は司徒嶺のため、命の危険を冒して珍しい霊虫「域虫」を探し求める。深い傷を負いながらも持ち帰った域虫は、黄粱夢の気配を追跡できる貴重な存在だった。浮月の献身に胸を打たれた司徒嶺は、これまで自分を支え続けてくれた彼女への感謝と責任を強く感じ、これからは彼女を大切に守ることを心に誓う。

言笑は孫遼の暴走を沐斉柏へ報告するが、沐斉柏は彼の本心を見抜いていた。天璣公主の策に気付きながら黙認したことを指摘し、「執着を捨てなければ何も得られない」と冷たく言い放つ。その言葉は言笑の胸に深く突き刺さり、忠誠と想いの狭間で苦悩することになる。

無帰海では、明意が閉ざされた部屋の前で紀伯宰の無事を祈り続けていた。その頃、紀伯宰は妖獣の幻術によって、自らが人を信じられなくなった過去を追体験していた。かつて彼は、息子を失ったと涙ながらに訴える老婦人を哀れみ、頼まれるまま布に手形を残した。しかし、その手形は犯罪の証拠として利用され、彼は無実でありながら罪を着せられてしまう。この裏切りが、紀伯宰の心を閉ざし、人を容易に信じられない現在の性格を形づくっていた。

やがて沐斉柏は配下を率いて寿華泮宮へ乗り込み、天璣公主に宮主の座を退くよう迫る。公主は父君の裁可が下るまでは決して譲らないと毅然と拒むが、沐斉柏は紀伯宰が姿を現さない限り資格はないと挑発する。するとその瞬間、閉ざされていた扉が開き、修行を終えた紀伯宰が明意とともに姿を現す。彼は修為を高めるために閉関していただけだと堂々と言い放ち、沐斉柏の思惑を打ち砕いた。

しかし沐斉柏は引き下がらず、孟陽秋を使って祝いの品を贈る。その箱には「引妖蒺藜」という妖気を呼び覚ます危険な植物が仕込まれており、紀伯宰が箱を開けた途端、それは体内へ入り込んでしまう。瞬く間に彼の身体から強烈な妖気が噴き出し、黒髪は銀髪へと変化する。周囲は騒然となり、紀伯宰が本当に妖と結び付いているのではないかという疑念が広がる。紀伯宰は明意が近づくのを制すると、その場から姿を消した。

彼を追った明意は二十七とともに霊犀井へ入り、危険を顧みず引妖蒺藜を体内から引き抜くことに成功する。一方、その光景を目撃した司徒嶺は、明意が紀伯宰へ近づいたのは黄粱夢を手に入れるためだと誤解し、自分こそ彼女の願いを叶えられると考え始める。

その頃、不休は沐斉柏の追撃を食い止めるため単身で龍鯉台へ向かうが、多勢に囲まれ窮地に陥っていた。紀伯宰の無事を確認した明意はすぐに現場へ駆けつけ、自らの花びらを犠牲にして霊力を解放し、不休を救うため戦う。さらに司徒嶺も加勢し、二人の連携によって不休は辛くも脱出に成功する。

戦いを終えた明意は司徒嶺に礼だけを告げると、傷ついた身体を押して再び紀伯宰のもとへ急ぐ。その姿を遠くから見つめる晁羽は意味深な笑みを浮かべ、新たな策略を巡らせ始めるのだった。

 

第18話の見どころ

紀伯宰が妖気を宿したことで再び疑いの目を向けられる中、明意だけは最後まで彼を信じ続けます。そして沐斉柏の罠によって追い詰められた紀伯宰は、引妖蒺藜を利用して見事に自らの潔白を証明する痛快な逆転劇を見せます。一方、言笑が沐斉柏に従い続ける理由や、司徒嶺と晁羽の因縁も明らかになり、各人物の過去と本心が交錯します。明意への想いを募らせる司徒嶺、策略を巡らせる晁羽、そして暗躍を続ける沐斉柏によって、物語は新たな局面へ突入します。


第18話あらすじ

明意が急いで霊犀井へ戻ると、そこには昏睡状態の紀伯宰が横たわっていた。彼は妖獣の強制錬化によって大きく消耗したうえ、引妖蒺藜の影響も受け、神魂が不安定な状態に陥っていた。さらに沉淵での悪夢に再び囚われ、意識を取り戻せずにいた。

明意は不安を抱えながらも、紀伯宰のそばを離れず看病を続ける。長い時間を経て、ようやく紀伯宰は目を覚ます。彼は自分が妖気を放っていた時、周囲の者たちが皆疑念を抱いていた中で、明意だけが変わらず信じてくれていたことを思い返す。自分が弱っている隙につけ込むこともなく、ただ真っ直ぐに支えてくれた明意の姿に、紀伯宰の心は少しずつ揺らいでいく。彼は初めて、明意の想いがすべて打算ではなく、本当に自分を大切にしているのかもしれないと思い始める。

しかし、その直後、沐斉柏が配下を率いて無帰海へ現れる。紀伯宰の体内に残る妖気を証拠として、彼を妖獣と通じた罪人として追及するためだった。

沐斉柏は大勢の前で紀伯宰を糾弾し、捕縛を命じる。明意はすぐに立ちはだかり、彼を守ろうとする。そこへ司徒嶺が現れ、かつて明意に約束した通り、紀伯宰の潔白を証明すると告げる。

司徒嶺は引妖蒺藜を取り出し、妖獣を操る者であれば必ず妖気の反応が出ると説明する。そして紀伯宰自身に触れさせ、真偽を確かめようと提案する。

その話を聞いた孟陽秋は疑問を抱く。以前、沐斉柏から「決して蒺藜に触れてはいけない」と言われていたことを思い出し、口にしようとする。しかし、その瞬間、沐斉柏は密かに術を使い、孟陽秋の喉を封じる。苦しむ孟陽秋に対し、沐斉柏は言笑へ治療を命じながら、裏では彼を始末するよう合図する。

明意が助けようと動いた瞬間、紀伯宰が現れる。彼は孟陽秋を救い出すと、迷うことなく引妖蒺藜へ手を伸ばす。しかし、紀伯宰には何の異変も起こらない。

さらに紀伯宰は蒺藜を沐斉柏へ投げ返す。すると沐斉柏の身体に妖紋が浮かび上がり、激しい苦痛が襲う。その姿を見た周囲の者たちは驚愕する。引妖蒺藜が反応したのは紀伯宰ではなく、沐斉柏だったのだ。

追い詰められた沐斉柏を守るため、従獣の少逡は自ら罪を被り、すべては自分の仕業だったと名乗り出る。その結果、少逡と孟陽秋は牢へ送られることになる。

一方、言笑は牢へ向かい孟陽秋を救い出す。しかし孟陽秋は、沐斉柏の力を借りて生き残ろうとする言笑を批判する。だが言笑には、簡単には離れられない過去があった。

かつて霊脈を持たないことで周囲から見下されていた言笑を救ったのは沐斉柏だった。彼は言笑の医術の才能を見抜き、支援し続け、ついには医仙へと導いた。その恩があるため、言笑は沐斉柏から離れることができずにいた。

その頃、沐斉柏は紀伯宰たちに何度も計画を妨害されたことに怒り、言笑へ神君を暗殺するための毒薬を渡す。言笑は何とか阻止しようとするが、沐斉柏は「一人を守るのか、それとも天下を救うのか」という究極の選択を迫る。

その後、紀伯宰の体内に残った妖元が再び暴走する。しかし明意の助言を受け、彼は自らの意思で妖力を制御し、再び本来の姿を取り戻す。

そんな中、司徒嶺は明意を訪ねる。彼は隠しきれない想いを見せ、自然な仕草で明意の簪を手に取り、記念として持ち帰る。その様子を見た浮月は、晁羽が司徒嶺に危害を加える可能性を感じ、彼を消そうとするが、司徒嶺はそれを止める。そして逆に晁羽を呼び出すよう命じる。

晁羽は沐斉柏へ、明意が紀伯宰のために従獣を救ったことをわざと伝える。しかし、その情報から司徒嶺の関与だけは巧みに隠していた。

沐斉柏は明意と章台の親しい関係を利用し、孫遼に章台を捕らえさせる。激しい拷問を受けても、章台は最後まで口を閉ざし続ける。

一方、司徒嶺は単身で晁羽のもとへ向かう。そこで彼を待っていたのは、かつて自分を苦しめた兄による冷酷な脅迫だった。明意を守りたい想いと、過去から逃れられない宿命の間で、司徒嶺は再び大きな試練に直面する。

 

第19話の見どころ

明意が沐斉柏の拷問にも屈せず、紀伯宰の秘密を守り抜く姿が描かれる緊迫の回です。窮地に陥った彼女を救うため、二十七、不休、司徒嶺、そして紀伯宰がそれぞれの覚悟で動き出します。特に、明意の危機を感じ取った紀伯宰がすべてを捨てて駆けつける場面は、二人の心印による深い絆を強く印象づけます。そしてついに明意の本当の想いが明かされ、紀伯宰は長く抱えていた誤解を解き、二人の関係は大きく変化します。愛と信頼が試される感動の一話です。


第19話あらすじ

明意はいつものように市場へ向かい、章台の様子を見に行く。しかし、その足取りには警戒心が隠されていた。そこへ孫遼から送られた飛書鈴が現れ、奇妙な音を響かせながら明意を人目のない洞窟へと誘導する。

洞窟の奥で明意は傷ついた章台を発見するが、救出しようとした瞬間、暗闇の中から沐斉柏が姿を現す。彼は紀伯宰の居場所を吐かせようと明意を追及するが、明意は一歩も引かず、断固として拒絶する。そして隙を突いて暗器を放ち、沐斉柏の肩を負傷させると、章台を連れて逃げようとする。

しかし、そこには晁羽も待ち構えていた。晁羽は突然現れて明意を攻撃し、彼女を地面へ叩き伏せる。近くでは司徒嶺も拘束されており、明意を助けられない自分の無力さに苦しんでいた。

その時、二十七が駆けつける。明意は負傷しながらも章台を二十七へ託し、彼に脱出を命じる。二十七は章台を抱えて洞窟を離れるが、明意自身は再び沐斉柏たちに捕らえられてしまう。

沐斉柏は明意に拷問を加え、紀伯宰の行方を聞き出そうとする。しかし明意はどれほど苦痛を受けても口を閉ざし続ける。司徒嶺は晁羽の前に跪き、明意を助けるよう懇願するが、晁羽は冷酷に無視する。

拷問を受けながらも、明意は洞窟内に張られた結界の向こうに何者かがいることに気づく。そこで彼女はわざと沐斉柏を挑発し、「あなたは黒幕に利用されているだけの傀儡だ」と言い放つ。その言葉は沐斉柏の怒りを激しく刺激し、彼は孫遼へさらに苛烈な拷問を命じる。

一方、二十七は章台を無帰海へ連れ帰り、荀婆婆へ明意が捕らわれたことを知らせる。だが龍鯉台には特殊な結界が張られており、それを破れるのは紀伯宰だけだった。しかし彼は現在、妖元の錬化中であり、途中で中断すれば命に関わる。

それでも不休は迷わず二十七とともに龍鯉台へ向かう。二人は結界の外で影の侍衛たちと戦うが、敵は倒してもすぐに復活し、数を減らすことができない。

その頃、洞窟では司徒嶺が、以前明意から奪った簪が彼女の大切な武器だったことに気づく。自分の軽率な行動が明意を危険にさらしたと悟り、深く後悔する。

明意は意識を失ったふりをして反撃の機会をうかがい、沐斉柏の結界を破ってその奥にいる人物を確認しようとする。しかし晁羽の攻撃によって、明意と司徒嶺は再び傷を負ってしまう。

追い詰められた沐斉柏は、相手の魂を操る邪法の法器を取り出し、明意の精神を攻撃する。明意は自身の心魔の世界へ引き込まれ、そこで亡き母后から厳しく責められる幻を見る。精神が崩壊しかける中、彼女は手の中に握っていた尖った釘の痛みによって意識を取り戻す。

明意は最後まで、紀伯宰や黄粱夢の居場所を知らないと訴え続ける。その姿を見て、晁羽と沐斉柏も彼女が本当に何も知らないのだと考え始める。

しかし、心印で結ばれた紀伯宰は、遠く離れていても明意が受けている苦痛を感じ取っていた。彼は錬化の途中にもかかわらず、明意を救うため閉関を破って駆け出す。

明意が命の危機に陥った瞬間、紀伯宰が龍鯉台へ到着する。だが、未完成の妖力は暴走し、彼は妖元に操られるように沐斉柏へ殺意を向ける。

その時、明意は残された力を振り絞り、何度も紀伯宰の名を呼ぶ。彼女の声は暴走する彼の心を取り戻し、紀伯宰はついに妖元を完全に制御することに成功する。

危機が去った後、張り詰めていた明意の心も限界を迎え、長年抱えていた心魔が再び襲いかかる。紀伯宰は彼女を無帰海へ連れ戻し、霊泉で療養させる。

意識が朦朧とする中、明意は紀伯宰へ本心を打ち明ける。「自分の気持ちは半分どころではなく、ずっと深くあなたを愛している」と。

その言葉を聞いた紀伯宰は、盟鸞潭で二人が結界を通れた日のことを思い出す。あの時、自分は互いに術を使った結果だと思っていた。しかし本当は、二人の間に本物の想いがあったからこそ、結界は二人を認めたのだと知る。

長い誤解が解けた瞬間、紀伯宰は抑えきれない想いのまま明意を抱きしめ、口づけを交わす。互いの心が通じ合う幸せな時間が流れるが、明意はふと我に返り、恥ずかしそうにその場を離れてしまう。

残された紀伯宰は、霊泉のほとりで彼女の言葉を何度も思い返しながら、これまで閉ざしていた心が初めて満たされていくのを感じるのだった。

 

第20話の見どころ

紀伯宰と明意の絆が、最大の試練を越えてさらに深まる一方、沐斉柏の野望にも大きな転機が訪れます。晁羽の死を巡る陰謀、司徒嶺の決断、そして言笑の揺れる忠誠心が交錯する中、ついに神君が目を覚まし、沐斉柏と対峙。兄弟の確執と極星淵の未来を左右する運命の対決が描かれます。

第20話 あらすじ

司徒嶺は血に染まった両手を見つめながら、ふらつく足取りでその場を離れていた。そこへ駆けつけた浮月は、傷ついた彼の姿を見て胸を痛める。沐斉柏と敵対することは、すなわち極星淵そのものを敵に回すことになる。しかし司徒嶺の決意は揺るがなかった。彼は、沐斉柏にとって最大の脅威は紀伯宰である以上、「敵の敵は味方になり得る」と考え、紀伯宰を助ける道を選ぼうとしていた。

一方、天璣公主は自ら沐斉柏のもとを訪れる。彼女は明意を寿華泮宮へ迎え入れることを告げたうえで、極星淵で発見された逐水霊洲出身の黒焦げの遺骸について説明を求める。その遺骸が晁羽であることを悟った沐斉柏は一瞬動揺するものの、すぐに平静を取り戻し、決して正体を明かそうとはしなかった。

寿華泮宮へ戻った天璣は、今すぐ沐斉柏を追及することは難しいと判断する。そして、眠り続ける神君を目覚めさせられる可能性があるのは、ただ一人、言笑だけだと考えていた。

翌朝、二十七は不休のもとを訪れ、前日の助力への感謝を伝える。そして恩返しとして三つの願いを叶えると申し出るが、不休は特に望みはないと断る。しかし二十七はすぐに「まずは一緒に釣りへ行こう」と提案し、不休はそれが自分自身の望みでもあることを見抜き、思わず笑みを浮かべる。

その頃、明意は一人思い悩んでいた。彼女は紀伯宰への想いを自覚している。しかし黄粱夢を手に入れるという使命を果たせば、紀伯宰からの信頼を永遠に失うことになる。愛する人を裏切る未来を思い、苦しみ続けていた。

一方の紀伯宰は、師である博語岚の位牌の前で静かに祈りを捧げていた。これまで明意との間には数々の誤解や苦難があった。しかし彼は、今この瞬間、明意が本心で向き合ってくれていることだけを信じると決めていた。過去の欺きではなく、現在の想いを受け入れる――それが彼の出した答えだった。

その頃、晁宣は兄・晁羽の死を知り、怒りに燃えて極星淵へ乗り込む。彼は孫遼を問い詰め、命を奪おうとするが、追い詰められた孫遼は沐斉柏が未完成の妖獣を密かに育てている事実を暴露する。

晁宣はすぐさま沐斉柏のもとへ向かい、妖獣を引き渡すよう迫る。しかし沐斉柏は動じることなく、逆に晁羽へすべての罪を着せる計画を持ちかける。そして協力すれば、極星淵で得られる功績や名誉を晁宣に与えると約束した。晁宣は葛藤するものの、最終的にはその取引を受け入れてしまう。

司徒嶺は明意を訪ね、晁羽を殺した事実を隠そうとする。しかし明意は彼の手首の傷に気付き、何があったのか問い続ける。追及に耐えられなくなった司徒嶺は、やむを得ず自らの手で晁羽を討ったことを打ち明ける。明意が自分を心配してくれることに、司徒嶺は密かに喜びを感じていた。

その後、章台が偶然にも霊脈を得たことを知った明意は、心から彼女の幸運を喜ぶ。章台は以前から明意の正体に気付いていたが、それでも責めることなく、ただ一つだけ願う。「紀伯宰を大切にしてほしい」と。

紀伯宰がどれほど明意を想っているかは、周囲の誰もが理解していた。その言葉を聞いた明意は、改めて紀伯宰への気持ちを見つめ直し、迷いを振り払っていく。

その夜、言笑は苦悩しながらも、沐斉柏から渡された薬を神君の薬湯へ混ぜ、自ら飲ませる。しかし直後、天璣公主から呼び出しを受ける。彼女は過去の出来事をすべて語り、涙ながらに助けを求める。

言笑はしばらく沈黙した後、自身の法器を天璣へ託し、その場を去る。「今夜ここへ来たことは忘れてほしい」と言い残し、密かに彼女を助ける道を選んだ。

紀伯宰は明意を連れて、かつて二人で訪れた葱油餅の店へ向かう。明意は以前、勾魂攝魄の影響で口にした言葉を気にしていたが、紀伯宰はそれこそが彼女の本心だったと優しく告げる。

やがて神君が目を覚まし、紀伯宰だけを呼び寄せる。そこで紀伯宰は、沐斉柏が長年行ってきた数々の悪事を知らされる。明意が以前語っていた通り、神君は決して権力に執着する人物ではなかった。その事実を知った紀伯宰は、もう一度信じることを決意する。

翌日、神君は沐斉柏を呼び出し、兄弟はついに対面する。沐斉柏は長年隠していた本性をさらけ出し、兄を「優柔不断で無能だった」と激しく非難する。

しかし神君は、弟の野望と過ちに深い失望を覚える。そして沐斉柏を牢へ送るよう命じる。

極星淵を揺るがす権力争いは、ついに大きな局面を迎えることとなる。

 

入青雲 21話・22話・23話・24話 あらすじ

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