流水舞花 2024年 全40話 原題:流水迢迢
目次
第1話 江慈、初めての都へ
第1話の見どころ
山で師匠と暮らす江慈は、尉国の使者が椋国を訪れると知り、初めて外の世界へ飛び出します。剣神侯・裴琰と尉国使節・滕瑞の会談を木の上から覗いていたところ、謎の仮面の男に毒を盛られ、さらに胸を刺されることに。命の危険にさらされながらも機転を利かせ、刺客の計画を阻止しようとする江慈。しかし最後は木から突き落とされ、波乱に満ちた都での旅が幕を開けます。
第1話のあらすじ
江慈は師匠とともに山で修行の日々を送っていました。しかし、外の世界を知らない彼女は、いつも山の外へ出てみたいと思っていました。
そんなある日、尉国から使者が椋国へ和談に訪れると知った江慈は、実際にその場を見てみたいと師匠に相談します。しかし師匠は外出を許してくれません。
諦めきれない江慈は、師匠が眠った隙にこっそり山を下ります。
ところが山を下りて荷物を開くと、そこには師匠からの手紙が入っていました。師匠は眠ったふりをしていただけで、江慈を三か月間だけ外の世界へ旅立たせるつもりだったのです。
手紙には、決して人を簡単に信じないこと、そして三か月後に小さな泥猫を持って戻ってくるようにという言葉が記されていました。
江慈は師匠からの贈り物である泥猫を大切にしまい、都へ向かいます。
江慈が向かったのは、剣神侯・裴琰が尉国の使者・滕瑞と会談する剣神侯府の芳林苑でした。
しかし侯府は厳重に警備されており、門番に入場を拒まれてしまいます。
そこで江慈は、なんとか中の様子を見ようと壁をよじ登り、大きな木の上へ移動します。木の上からは芳林苑の様子が一望できました。
やがて裴琰が姿を現すと、滕瑞はいきなり酒杯を投げつけ、彼に威圧感を与えようとします。しかし裴琰は冷笑すると、抜いた剣で酒杯を見事に受け止めます。
その鮮やかな身のこなしに江慈が感心していると、突然、目の前に仮面をつけた男が現れます。
驚いた江慈が声を上げそうになると、男は彼女の口を塞ぎ、同時に毒まで盛ります。
江慈は自分が相手の敵ではないと悟り、どうにか助かる方法を考えます。
その頃、芳林苑では裴琰が滕瑞のために舞を披露させていました。滕瑞は舞姫の小蓮を気に入り、彼女を抱き寄せます。
小蓮は滕瑞に一目惚れしたように振る舞いますが、江慈は彼女の態度に裏があることを見抜き、思わず独り言を漏らしてしまいます。
すると仮面の男が匕首を取り出し、江慈の胸に突き刺します。
さらに弓矢を構え、滕瑞を狙います。
江慈は、この男と小蓮が仲間であることに気づきます。自分が口封じのために殺されると判断した江慈は、痛みに耐えながら胸に刺さった匕首を自ら抜き、男が受け取っていた酒壺を蹴り落とします。
酒壺が地面に落ちて割れる音を聞き、裴琰は刺客の存在に気づきます。
仮面の男は滕瑞へ向けて矢を放ち、小蓮も襲いかかりますが、すでに警戒していたため暗殺は失敗に終わります。
そして逃走する直前、仮面の男は江慈に強烈な一撃を浴びせます。
江慈の身体は木から落下していきます。
こうして、外の世界を見てみたいという小さな願いから始まった江慈の旅は、いきなり命を懸けた事件へと巻き込まれることになります。
第2話 謎の刺客「無顔猫」
第2話の見どころ
刺客を目撃した江慈は重傷を負い、裴琰の屋敷で治療を受けることになります。一方、仮面の男の正体が光明司の指揮使・衛昭であることが明らかに。彼は月落で起きた過去の事件を追いながら、滕瑞をおびき寄せるために和談と天下坤輿図を利用していたのです。そんな中、江慈は衛昭を「無顔猫」と呼んでしまい、再び彼と遭遇することになります。
第2話のあらすじ
刺客が逃走した後、裴琰は重傷を負った江慈を見て、彼女が刺客を目撃している可能性が高いと考えます。
そこで名医・崔亮を呼び寄せ、江慈の治療を任せます。
崔亮が診察すると、江慈の傷は非常に重く、千年雪蟾丸がなければ命を落とす可能性があることが分かります。
一方、小蓮は逃げ延びた後、仮面の男と合流します。小蓮は彼を「少主」と呼び、自分の失敗を処罰してほしいと申し出ます。しかし男は彼女を責めません。
そして男が仮面を外すと、その正体が明らかになります。
彼の名は衛昭。
椋国の光明司指揮使であり、皇帝直属の組織を率いる人物でした。
衛昭は一か月前、光明司から逃亡した兵士を捕らえ、妻を人質にして情報を聞き出していました。
そこから、かつて斉王が椋国を代表して月落へ和談に赴いた際、軍勢が全滅した事件について調べていたことが分かります。
遺体を調べた際、一人だけ身元が合わない人物がいました。
その男は王世荃。
逃亡兵によれば、王世荃が逃げたことまでは確かですが、その後どこへ行ったのかは分かりません。
ただし、王世荃は「天下坤輿図」に強い関心を持っており、その地図をめぐって鞭打ちの刑を受け、身体に傷跡が残っていたという情報がありました。
衛昭は王世荃が残した手紙を発見し、その中に尉国の使者・滕瑞の名を見つけます。
折しも国境では戦乱が起きていました。
衛昭は滕瑞を捕らえるため、皇帝に尉国との和談を進言します。尉国が侵略する目的は水源にあると考え、水を分け与える代わりに国内に堤防を築けば、相手を抑え込めると説明します。
皇帝はその案を採用します。
さらに衛昭は、滕瑞を確実に和談へ来させるため、「天下坤輿図」を餌として利用します。
すべてが衛昭の計画通りに進んでいました。
しかし、そこへ予想外の江慈が現れます。
江慈が計画を乱したことで、衛昭は思わぬ障害に直面することになります。
一方、千年雪蟾丸が手に入ると、崔亮は見事な治療によって江慈を救います。
目を覚ました江慈に対し、裴琰は刺客の顔を尋ねます。
しかし江慈は、衛昭の凶悪な表情を思い出しながらも、彼をかばうように「覚えていない」と嘘をつきます。
裴琰は、無理に思い出す必要はないとして彼女を屋敷に留めます。
逃げ出したい江慈は、凧揚げを利用して脱出を試みます。わざと糸を切り、凧を取りに行くふりをして木へ登ります。
しかし、その先には衛昭がいました。
江慈は驚いて木から落ちますが、間一髪で裴琰が受け止めます。
刺客を捕らえるため、裴琰は江慈を囮にすることを決めます。
彼女を遊覧船へ連れて行き、豪華な食事を用意して警戒を緩めさせます。
江慈は隙を見て船から逃げ出します。
しかし、逃げた先で彼女が再び目にしたのは、あの仮面の男――衛昭でした。
第3話 月落城の生き残り
第3話の見どころ
衛昭に捕らえられた江慈は、冗談でつけた「無顔猫」という呼び名を本人に聞かれていたことを知ります。裴琰は江慈を救いながら刺客を追いますが、衛昭の真の狙いは滕瑞でした。魚公祠で再び激突した二人は激しい戦いを繰り広げます。そして明かされる衛昭の正体は、滅ぼされた月落城の少主・蕭無瑕。両親と一族を奪われた彼は、復讐のために身分を変えて暗躍していたのです。
第3話のあらすじ
衛昭に捕らえられた江慈は、宙づりにされた状態で彼と向き合います。
衛昭は江慈に凧を見せながら、なぜ自分を「無顔猫」と呼んだのか尋ねます。
そこで江慈は、自分が裴琰に「無顔猫を見た」と話した言葉を、衛昭がすべて聞いていたことを知ります。
江慈は、自分は衛昭を裏切っていないと必死に説明します。
しかし衛昭は彼女を逃がすつもりはなく、最後に言い残すことはないか、家族に遺書を書いてはどうかと迫ります。
その頃、裴琰は遠くから二人の様子を監視していました。
やがて部下たちによる包囲が完成し、裴琰は一気に捕らえるよう命じます。
しかし、それさえも衛昭は予想していました。
衛昭は江慈へ向けて剣を振り下ろすふりをします。
裴琰は江慈を救うために飛び込み、彼女を抱えてその場を離れます。
衛昭はわざと敗れたように見せかけ、逃走します。
裴琰が江慈の傷を手当てしていると、部下から刺客を逃したとの報告が入ります。
江慈は再び裴琰に助けてもらったことを感謝します。
そして、衛昭が自分をすぐ殺さず、わざわざ時間をかけていたことから、何か別の目的があるのではないかと指摘します。
その言葉を聞いた裴琰は、ようやく自分が「陽動」に引っかかったことに気づきます。
刺客の本当の標的は、やはり滕瑞でした。
滕瑞は前日に裴琰との会話の中で、魚大師を非常に高く評価していると話しており、魚公祠へ参拝すると口にしていました。
裴琰はすぐに魚公祠へ向かいます。
一方、衛昭も部下の小六から準備が整ったとの報告を受け、残された時間を利用して魚公祠へ急ぎます。
魚公祠に到着した衛昭は滕瑞の部下たちを次々と退け、滕瑞へ迫ります。
しかし、あと一歩というところで江慈が飛び出し、衛昭と滕瑞の間に立ちはだかります。
その隙に滕瑞は逃走します。
裴琰が追おうとした瞬間、飛剣が襲いかかります。
裴琰も応戦し、長風衛を率いて衛昭たちと激しい戦いを繰り広げます。
衛昭は、裴琰がこれほど早く駆けつけたことに驚きます。
敵の人数が多いと判断した衛昭は、部下たちを連れて一度撤退します。
その後、衛昭のもとへ平無傷が戻り、老六の腕を失うほどの重傷を負ったことを報告します。
流れ落ちる血を見た衛昭の脳裏には、過去の惨劇が蘇ります。
衛昭の本当の名は、蕭無瑕。
彼は滅ぼされた月落城の少主でした。
かつて斉王が月落で事件に巻き込まれた後、椋国の鎮遠大将軍・盧瑜が兵を率いて月落城を包囲しました。
蕭無瑕の両親は殺され、一族も命を奪われます。
蕭無瑕自身は、母親が身を挺して守ってくれたことで、姉とともに辛うじて生き延びました。
しかし彼は、父親が誰かに陥れられたのだと信じていました。
両親と一族の仇を討つため、蕭無瑕は名を衛昭へ変えます。
そして高い地位を得るために長い年月をかけて暗躍し、光明司指揮使の地位まで上り詰めます。
その立場を利用して月落城の生き残りと密かに連絡を取り、自らの組織まで築いていました。
衛昭のすべての行動の裏には、月落城を滅ぼした者たちへの復讐という、深い憎しみがあったのです。
第4話 護心丹をめぐる攻防
第4話の見どころ
江慈の毒を解くために必要な護心丹をめぐり、裴琰と庄王が皇帝の前で対立します。衛昭の策によって二人は囲碁で勝負することになりますが、その裏では護心丹のすり替えが進行。一方、衛昭は毒を盛った人物を探るため庄王側の動きを利用します。江慈は無事回復し、裴琰の侍女として侯府に残ることに。さらに滕瑞を別院へ迎え入れたことで、江慈と滕瑞の間にも新たな騒動が起こります。
第4話のあらすじ
江慈は、自分が毒を受けていることに気づきます。
侍女に裴琰を呼ばせると、崔亮が診察を行い、毒を解くには「護心丹」が必要だと伝えます。
しかし護心丹は皇帝が一粒だけ所有していました。
裴琰は皇帝に薬を下賜してほしいと願い出ます。
皇帝が薬を渡そうとしたその時、庄王が突然現れます。
庄王の愛妾も命を救うため護心丹を必要としていたのです。
一粒しかない以上、どちらか一人しか救えません。
庄王は、裴琰が救おうとしているのは一人の侍女に過ぎず、自分の愛妾の命のほうが重要だとして薬を譲るつもりはありません。
裴琰は、薬を求めた順番を守るべきだと反論し、侍女の命も一つの命だと主張します。
二人が皇帝の前で争っていると、皇帝は隣にいる衛昭へ視線を送ります。
その意図を察した衛昭は、庄王と裴琰に勝負をさせ、勝ったほうが護心丹を受け取るという方法を提案します。
裴琰が選んだ勝負は囲碁でした。
庄王は裴琰に勝てないと分かっていたため、衛昭に代わりに打たせます。
その頃、崔亮は江慈の治療を続けていますが、彼女の身体は次第に弱っていきます。
このままでは間に合わないと考えた崔亮は、護心丹を必ず手に入れるよう裴琰に伝えます。
一方、庄王の部下・阿離は、主人が愛妾を死なせてもいいのかと問い、ある策を提案します。
裴琰と衛昭が囲碁に集中している隙に、阿離はわざと茶をこぼします。
その混乱に乗じて、庄王の別の部下が護心丹をすり替えます。
裴琰はそのことに気づかないまま勝負に勝ち、すり替えられた護心丹を持ってその場を離れます。
しかし衛昭が戻ると、阿離が勝負に介入したことは平無傷の計画だったと判明します。
平無傷はわざと衛昭に負けることで、自分たちへの疑いをそらそうとしていました。
ところが、その余計な行動によって阿離の存在が露見してしまいます。
衛昭は急いで阿離に逃げるよう伝えます。
さらに衛昭は庄王を利用して犯人をおびき出そうとします。
阿離が姿を現したため、衛昭はこのまま背後の黒幕へたどり着けると考えます。
しかし、阿離は突然自ら命を絶ちます。
衛昭は阿離が主君を守るために死を選んだことを知り、小さな木札に阿離の名を刻みます。
そして、その木札を籠へ入れます。
籠の中には、すでに数多くの名前が刻まれた木札がありました。
それらを見つめる衛昭の表情には、深い悲しみが浮かびます。
一方、裴琰は母親のもとにも護心丹があることを知り、それを取り寄せます。
崔亮は、実は最初から解毒薬を用意していた裴琰に、江慈の命を危険にさらしてまで策を巡らせるべきではなかったと苦言を呈します。
裴琰自身も江慈に申し訳ない気持ちを抱いていました。
護心丹を服用した江慈は、ようやく危機を脱します。
目を覚ました江慈は、ベッドのそばに座っている裴琰を見つけ、改めて命を救ってくれたことに感謝します。
裴琰は、刺客がまだ江慈を狙っていると考え、彼女を侯府に留めて保護することにします。
皇帝の前では江慈を自分の侍女だと話していたため、江慈には侯府で侍女として過ごしてもらうことになります。
裴琰は漱霞に彼女の仕事や礼儀作法を教えるよう命じます。
一方、裴琰は刺客の本当の標的が滕瑞だと考え、彼を自分の別院へ迎え入れます。
しかし、滕瑞の横柄な態度を見た江慈は、密かに彼を懲らしめることを思いつきます。
江慈は滕瑞に巴豆を仕込みます。
その結果、滕瑞は一晩中ひどい腹痛に苦しむことになります。
翌朝、怒った滕瑞は侍女たちを全員呼び集めます。
そして江慈の前まで歩み寄ると、彼女の顔をじっと見つめます。
滕瑞は、ついに江慈の正体を見抜いたと告げるのでした。
















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