大奉打更人

大奉打更人

大奉打更人 9話・10話・11話・12話 あらすじ

大奉打更人(だいほうだこうにん)-正義の銅鑼と王朝の闇- 2024年 全40話 原題:大奉打更人

第9話の見どころ

妖物を追って現地へ赴いた許七安たちは、火薬の原料が大量に採掘されている秘密を突き止める。さらに強敵との戦いを乗り越えた許七安は、民を思う行動によって魏淵から高く評価される。一方、教坊司では再び浮香と再会し、臨安公主との危険な勘違いも動き始める。

第9話のあらすじ

許七安たちは妖物が出現した地域へ到着し、内部の調査を始める。すると許七安だけが、どこからか人の声を聞く。周囲を見回しても采薇たちは何も聞こえていないようだったため、許七安はすぐには口に出さず、慎重に周囲を探る。

調査を進めると、そこには火薬の製造に使われる材料が大量に存在していた。つまり、誰かがこの場所で火薬の原料を密かに採掘している可能性が高い。朱広孝たちは重大な問題だと判断し、急いで戻って報告しようとする。

しかし帰ろうとしたその時、強力な魁首が姿を現す。朱広孝たちは相手が少なくとも練神境の力を持つと判断し、許七安に警戒するよう呼びかける。激しい戦いとなるが、全員で力を合わせ、なんとか魁首を倒す。

ところが安心したのも束の間、魁首は死んだふりをしていただけだった。彼らが気を緩めた隙に立ち上がり、逃走を始める。許七安たちは慌てて後を追うが、すでに魁首は瀕死の状態だった。しばらく走ったところで力尽き、地面へ落下する。

ところがその落下地点は、許七安たちの目の前だった。慌てて逃げる彼らを尻目に、采薇が駆けつけて魁首を術で固定する。そのままゆっくりと地面へ降ろし、ようやく一行は危機を脱する。

負傷した許七安には采薇が薬を渡す。許七安は自分だけでなく仲間たちにも薬を分け与える。

任務を終えて帰ろうとすると、現地の灰戸たちが感謝の気持ちとして卵を持ってくる。そこで許七安は、これまで自分に話しかけてきた存在が玉石の小鏡だったことに気づく。鏡から声が聞こえていたのだ。

不思議に思った許七安は、帰る予定だった采薇に小鏡を預け、宋卿に調べてもらうよう頼む。

その後、李玉春のもとを訪れた許七安は、現地の灰戸たちについて話す。もし山を封鎖すれば、彼らの生活は成り立たなくなる。そのため、危険を知りながらも報告を隠していたのではないかというのが許七安の考えだった。

李玉春は、許七安が自分に取り入ろうとしているのではないかと叱責する。しかし、彼の話に一理あることも認め、魏淵へ報告する。

魏淵は、許七安が単に自分の利益だけを考えているのではなく、民の暮らしを気にかけていることを評価する。そして李玉春にも、許七安に対する先入観を持たないよう伝える。

一方、臨安公主は自分の詩会を成功させようと、多くの才子を集めて詩を書かせていた。しかし出来上がった詩はどれも期待したほどではない。

そこで臨安は、以前目にした許七安の詩を思い出す。教坊司に現れた人物だと知り、侍女をそこへ向かわせる。

その頃、許七安は任務の罰として便所掃除を命じられていた。朱広孝たちも一緒に手伝う。任務の賞金が支給されると、今回最も功績が大きかった許七安が半分を受け取り、残りを二人で分けるべきだと周囲は考える。しかし許七安はそれを断り、三人で平等に分けようと提案する。

賞金を手にした一行は、その金で遊びに行こうと相談し、再び教坊司へ向かう。

そこで浮香は許七安の姿を見つけ、嬉しそうに迎える。宋廷風たちは、その様子を見て初めて、許七安が以前教坊司で詩を披露した「楊凌」本人だったことを知る。

一方、臨安公主の侍女も許七安を発見する。許七安は彼女が臨安公主の側近だと気づく。侍女が戻って報告すると、確かに許七安には詩才があるものの、最後に彼が詠んだ詩は懐慶長公主へ贈るものだったと伝える。

許七安自身もそのことを話し、懐慶は高潔な人物だから、自分は彼女の好みに合わせて「愛蓮」の詩を作ったのだと説明する。

その後、侍女が改めて許七安を呼び出す。人目が多くて話せなかったからだという。許七安は彼女についていくが、そこでまた大きな勘違いをする。

彼は目の前にいる臨安公主を懐慶長公主だと思い込んでいた。しかも「自分は長公主に忠誠を誓いたい」と何度も口にするため、臨安公主は次第に腹を立てていく。

こうして、許七安本人が気づかないまま、皇族との間にさらなる誤解が生まれていく。


第10話の見どころ

懐慶公主への忠誠を誓う許七安に対し、臨安公主は自分こそ懐慶だと偽り、彼を利用することを思いつく。そんな中、許七安は打更人の制度そのものに疑問を抱き、改革案をまとめる。果たして彼の型破りな発想は、首領・魏淵の心を動かすのか。

第10話のあらすじ

臨安公主の前で、許七安は「自分は死ぬまで懐慶公主に忠誠を尽くす」と繰り返す。臨安は何度説明しても聞く耳を持たない許七安に腹を立て、ついには彼を気絶させるよう命じる。

許七安はそのまま拘束され、厳しい尋問を受ける。しかしどれほど脅されても、彼の態度は変わらない。「自分は懐慶公主に忠誠を誓う」と繰り返すばかりだ。

臨安はとうとう諦め、許七安を解放する。しかし許七安は外へ出ても帰ろうとせず、その場に敷物を敷いて待ち続ける。自分は忠誠を示したつもりなのに、なぜ懐慶公主が自分を追い出したのか理解できない。せめてもう一度会って話をしたいと考える。

やがて臨安が姿を現す。許七安は彼女を見るなり、やはり懐慶公主だと確信する。そこで臨安は、自分が懐慶公主であるかのように振る舞うことにする。許七安が人違いをしていることを知った臨安は、彼を利用して詩を手に入れ、詩会で自分の評価を高めようと考えたのだ。

侍女から「許七安と懐慶を実際に会わせなければ問題ない」と言われ、臨安もその策に乗ることにする。

許七安は家へ戻ると、今日長公主に会ったと喜び、「長公主は自分のことを非常に評価してくれた」と家族に話す。しかし、本人はその相手が臨安公主だとは全く気づいていない。

翌日、打更人のもとへ出勤した許七安は、李玉春から巻宗整理を命じられることなく、宋廷風たちと行動するよう指示される。宋廷風たちは「外へ巡回に出る」と言いながら、実際には人目につかない場所で麻雀をしていた。

宋廷風は、なぜ突然許七安が巻宗整理から外されたのかと尋ねる。何か個人的な人脈を使ったのではないかと疑うが、許七安自身も事情をよく理解していない。

一方、臨安公主は、自分が許七安を特別扱いしているのだと見せかける。許七安が自分の側近になったのだから、当然面倒を見るべきだと考え、魏淵にも話を通したというのだ。

そして臨安は、許七安に新しい詩を書いたか尋ねる。許七安はまだ半首しか完成していないと答え、「もし長公主のそばで仕えることができれば、もっと良い詩が思いつくかもしれない」と語る。

臨安は侍女に命じ、自分の邸宅の門牌を許七安へ渡させる。そして、詩の出来がどうであれ、三日に一度は自分のもとへ来るよう命じる。

許七安が戻ってくると、李玉春は彼が勝手に持ち場を離れたことに激怒する。しかし許七安は、長公主が魏淵に自分の面倒を見るよう頼んだと聞かされていたため、悪びれる様子もない。

そこで許七安は、自分が以前まとめた冊子を取り出す。そこには打更人の制度について感じた問題点が列挙されていた。例えば、犯罪者を捕らえる前に銅鑼を鳴らすのでは、相手に逃げる時間を与えるだけではないかというものだ。

李玉春は内容を読むと、確かに筋が通っていると認める。この冊子は本来魏淵に渡すつもりだったものだが、ちょうどいい機会だと考えられた。

楊砚が冊子を魏淵へ届けると、許七安が打更人制度の問題点を具体的に指摘していることを説明する。「捕らえる前に銅鑼を鳴らすなど、相手に逃げろと知らせているようなものだ」と書かれていると聞いた魏淵は苦笑する。

しかし、その制度を考えたのが誰なのかと楊砚が口にすると、魏淵は「私だ」と答える。楊砚は気まずそうに黙り込むのだった。

一方、許七安は三日後に臨安と会うことを考え、何とか新しい詩を作ろうとする。しかし現代で知っていた詩も底を尽き、なかなか思いつかない。

「まだ三日ある」と気を緩めた許七安は酒を飲みに出かけ、そのまま酔いつぶれてしまう。翌朝目を覚ました時には、すでにかなり遅い時間になっていた。

臨安も詩を学んで、その場で許七安の作品を評価できるように準備しようとしていたが、思うようにはいかなかった。

そして李玉春は、許七安が何日も姿を見せていないことに怒りを募らせていた。そこへ陶満が現れ、許七安の提案を参考にして制度を改善したところ非常にうまくいったため、彼を自分のもとへ引き抜きたいと申し出る。しかし李玉春はこれを拒否する。

そんな中、許七安はようやく新しい詩を書き上げ、臨安のもとへ届ける。臨安はその詩を母・陳貴妃に見せる。陳貴妃もその出来栄えを高く評価し、たとえ半首しかないとはいえ、十分な力量が伝わってくると感心する。

陳貴妃は臨安のために菓子を用意させ、自分の娘を気遣う。しかし臨安が手にした「半首の詩」が、これから皇族たちの間でどのような波紋を広げるのか、まだ誰も知らなかった。

 

第11話の見どころ

玉石の小鏡に隠された謎が、ついに大きく動き始める。鏡の中で謎の人物と接触した許七安は、天諦会と地宗を巡る危険な争いに巻き込まれていく。魏淵のもとへ鏡を持ち込んだ許七安は、機転を利かせて危機を切り抜ける一方、上司への細やかな気遣いでも存在感を発揮。やがて金蓮道長から天諦会への加入を誘われ、思いがけず新たな人脈を手に入れる。

第11話のあらすじ

司天監を訪れた許七安は、宋卿が玉石の小鏡を詳しく調べていることを知る。宋卿は鏡の具体的な機能までは解明できないものの、地宗に関係する法器ではないかと推測していた。さらに、この鏡は持ち主を認める性質があり、内部へ入ることも可能だという。興味を抱いた許七安は一人になったところで指を傷つけ、血を鏡に垂らす。すると鏡のひび割れが瞬く間に修復され、許七安はそのまま鏡の内部へ吸い込まれてしまう。

鏡の中には五つの水晶球が浮かび、そこから何者かの声が聞こえてきた。相手は許七安を天諦会の金蓮と関係する人物だと思い込んでいたが、許七安は自分が天諦会の者ではないと正直に答える。すると相手は、金蓮が何者かに追われ、身を隠すためにこの小鏡を他人へ渡して災いを押しつけたのだと説明し、鏡を譲ってほしいと持ちかける。鏡の持ち主には災難が降りかかると聞いた許七安は渡す気になるものの、ただでは手放さず、八百両を要求。自分は五百両の金で買ったと吹き込み、相手との取引を成立させる。

ところが、別の水晶球からは「九号の言葉を信じてはいけない」と警告される。九号は人を欺き、窮地に陥った者をさらに追い込むのが得意な危険人物だという。命が惜しければ鏡を天諦会に渡すべきだと言われた許七安は、どちらを信じればいいのか分からなくなる。結局、鏡そのものが危険な代物であることは間違いないと判断し、許七安は楊砚に相談する。地宗の法器だと知った楊砚は、すぐに許七安を連れて魏淵のもとへ向かった。

事情を聞いた魏淵に対し、許七安は「宝物なら個人で持つべきではない」と言い、春風堂への没収を提案する。しかし魏淵の表情を見て、自分の思惑がすべて見透かされていることを悟る。銅鑼から不用意な発言をたしなめられた許七安は、慌ててひざまずき、「自分は死ぬのが怖かったので、外部に助けを求めた」と白状する。魏淵はその正直さを気に入り、楊砚に取引場所の様子を探るよう命じる。

楊砚が指定された場所へ向かうと、そこには全身から邪気を漂わせる地宗の紫蓮が現れた。激しい戦いの末、楊砚は一時的に相手を退けるものの、互いの実力は拮抗しており、決着には至らない。一方、魏淵の執務室で報告を待つ許七安は、魏淵が寒そうに襟を立てていることに気づく。すぐさま火鉢に炭を足し、室温を上げようとする許七安。そのさりげない気遣いに魏淵は満足げな笑みを浮かべる。

さらに許七安は、魏淵が茶を好むことにも気づき、茶台を作ることを思いつく。宋廷風と朱広孝の協力を得て、大理石を使った豪華な茶台を用意し、茶葉や菓子を収納できる仕掛けまで施す。魏淵はその斬新な工夫を気に入り、許七安に茶葉を一缶贈る。宋廷風と朱広孝は、魏淵から直接茶葉を賜った許七安を羨ましがる。

しかし、南宮倩柔は許七安の露骨な取り入り方を快く思わず、李玉春にそれとなく不満を吹き込む。その頃、楊砚は紫蓮を退けていたが、夜になると金蓮道長が現れ、紫蓮を討ち取る。さらに金蓮は許七安のもとを訪れ、天諦会への加入を勧める。強者や有力者が集まる天諦会なら、人脈を広げられると考えた許七安は快諾。こうして許七安は、天諦会の「三号」として新たな世界へ足を踏み入れるのだった。

 

第12話の見どころ

天諦会の一員となった許七安は、鏡の中で交わされる謎めいた会話から仲間たちの正体を知り始める。一方、打更人としては天諦会を探る密偵という重要な役目を魏淵から託されることに。さらに平遠伯殺害事件では、六号を助けるため大胆な策を実行。正義感と機転を見せる許七安だが、その行動には魏淵も厳しい視線を向ける。

第12話のあらすじ

天諦会では、玉石の小鏡を通して互いを番号で呼び合うのが決まりで、基本的に本名や身分は明かさないことになっていた。しかし二号と四号は以前から折り合いが悪く、すでに互いの正体を知っている。二号は天宗の少女・李妙真、四号は人宗の聖子・楚元縝だった。許七安は彼らについて知った情報を整理して一覧表にまとめ、魏淵へ報告する。すると魏淵は、今後は許七安が打更人側の天諦会担当の密偵となり、会員たちの動向を探るよう命じる。

また、練気境へ到達した許七安には、打更人の秘蔵する絶学を一つ選ぶ機会が与えられる。魏淵は李玉春に同行させ、「複雑なものは選ばず、できるだけ単純な武学を選べ」と助言する。武者には神異がなく、頼れるのは怪力だけだからこそ、技は単純なほどよいというのだ。

李玉春とともに絶学を探す許七安は、彼が修行している刀法を見せてもらう。しかし複雑な技を目にすると、魏淵の言葉を思い出して即座に却下。李玉春自身もまだ完全には理解できていないと認める。なかなか気に入ったものが見つからない中、司天監から新たに届いた秘術があると聞かされる。ただし、それを使うには法器が必要だという。許七安が手に取った秘術の名は「天地一刀斬」。たった一刀で天地を斬るという極めて単純な技だった。許七安はこれこそ自分に向いていると考え、迷わず選択する。

その後、許七安は司天監から秘術が届いた理由を探ろうとする。臨安公主に尋ねると、彼女は自分が手配したのだと功績をすべて引き受ける。一方、采薇は監正に、魏淵に知られてしまうのではないかと心配するが、監正はもともと長く隠し通せることではなく、問題はないと答える。

そんな中、平遠伯が何者かに襲撃され、周辺の打更人まで負傷する事件が発生する。許七安たちも現場へ向かうが、そこで玉石の小鏡から六号の声が届く。六号は自分が平遠伯を殺したと明かし、現在京城にいるので逃亡を助けてほしいと頼む。ほかの天諦会の仲間は京城におらず、一号も事情があって動けない。そこで許七安は、六号が善人なら助け、悪人なら居場所を打更人に報告して手柄にしようと考え、殺害理由を尋ねる。

六号によれば、平遠伯は裏で人身売買を行う牙子組織を育て、子供をわざと障害者にして見世物にしたり、女性や子供を妓楼へ売ったり、盗賊として育てたりしていたという。その話を聞いた許七安は、六号を助けることを決意する。

許七安は六号の隠れていた場所に儒家の大儒が作った儒衫を置き、殺気を遮断させる。さらに六号の外衣を使って追手を別方向へ誘導し、自身は宿で小鏡の中に六号を隠すという大胆な方法で捜索をかわした。姜金鑼らが六号の潜伏先を探し、玉石の小鏡を発見した際には、許七安は「先ほどそこで小用を足した際に落とした」と、とっさの嘘で切り抜ける。

しかし、楊砚が魏淵へ捜索結果を報告すると、平遠伯の屋敷周辺を一晩探しても怪しい人物は見つからなかったという。許七安は自ら魏淵に会い、周囲を退室させてほしいと申し出る。そして六号を逃がしたことを打ち明け、平遠伯の悪行を説明する。魏淵も平遠伯の裏の顔を把握していたが、金蓮が本当に正義だけを理由に動いたのかについては疑問を抱く。平遠伯には別の秘密があり、それが殺害の原因だった可能性もあるとして、許七安に慎重な判断を求めるのだった。

 

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