大奉打更人

大奉打更人

大奉打更人 33話・34話・35話・36話 あらすじ

大奉打更人(だいほうだこうにん)-正義の銅鑼と王朝の闇- 2024年 全40話 原題:大奉打更人

第33話の見どころ

税銀事件から周立の事件まで、すべてが許七安を雲中へ流罪にするための仕掛けだったのではないか――疑念を抱いた許七安は、魏淵との賭けを通じて、19年前に盗まれた大奉の国運の秘密へと迫る。だが真相に近づいた矢先、皇帝は許七安に楚州で起きた「血屠三千里」の調査を命じる。臨安公主に別れを告げられないまま、危険な任務へ向かう許七安の前途には、さらなる陰謀が待ち受けていた。

第33話のあらすじ

許七安は、これまで自分が関わってきた事件を振り返り、税銀事件から周立の事件に至るまで、すべてが自分を雲中へ流罪にするために仕組まれていたのではないかと考える。真相を探るため案牘庫へ向かうと、南宮倩柔が現れ、魏淵も以前からこれらの事件の記録を調べていたと教える。魏淵は資料を整理させ、誰かが確認しに来ると話していたという。その人物が許七安だと知り、許七安は魏淵も同じ疑問を抱いていたことに気づく。

許七安は魏淵のもとを訪ね、さいころを使った勝負を持ちかける。出目が小さい方が酒を飲むか、質問に答えるというルールだ。許七安が振るたびに出るのは、三つの九。彼は魏淵と皇后の関係を尋ねるが、魏淵は勝負の質問とは関係ないとかわす。そこで許七安は、臨淵関の戦いについて問いかける。魏淵は、許七安が本当に知りたいのは19年前に皇宮から盗まれた宝物のことだと見抜き、その正体が大奉の国運だと明かす。

国運が失われればどうなるのか。魏淵によれば、この19年間、大奉が戦乱に揺れ続けてきたのは、国運を失ったことが原因だった。戦争の勝利は国運を増し、敗北は国運を弱める。19年前、複数の国が百万を超える兵力を投入した大戦によって国運が大きく揺らいだ隙を突き、何者かが国運を盗み出したのだという。

今度は魏淵が三つの九を出し、許七安に質問する番となる。魏淵は、国運が許七安の身に宿っているのではないか、さらに桑泊の湖底に封じられていた魔物も許七安の中にいるのではないかと問いただす。許七安は魏淵がそこまで知っていたことに驚くが、魏淵は最近の出来事と、許七安が何度も同じ目を出したことから推測したのだと説明する。許七安が皇后との関係を尋ねたのも、魏淵が皇后を見捨てる人物なのか確かめるためだったと指摘する。

許七安は慌てて弁解し、監正を信頼しているのは勝てる相手ではないからであり、神殊を信頼しているわけでもなく、彼をどうすることもできないからだと取り繕う。魏淵は、打更人が悪事を働かない限り、必ず守ると以前から約束していたことを改めて伝える。

そこへ皇帝の使者が現れ、法相打破の功績を称えて許七安に子爵の爵位を授けると告げる。さらに、楚州へ赴き「血屠三千里」の真相を調査する主事官に任命するという。許七安は、結局自分が現地へ行かされることに不満を漏らす。魏淵は、皇帝は許七安を利用して誰かを排除しようとしているのだと見抜く。これまでは身分が障害となっていたが、爵位を得た今、任務を拒むことは難しいのだった。

その頃、謹慎中の臨安公主は、飽き飽きするほど蹴鞠を続けていた。許七安は趙院長を訪ね、魏淵に言われて来たと告げる。趙院長は彼に、任務に必要となる一冊の書物を渡す。一方、臨安公主は侍女が何かを隠していると察し、問い詰める。五歳で宮中に入り、十一年を過ごしてきた彼女は、侍女の嘘を見抜いていた。侍女はついに、許七安が毎日のように会いに来ていたものの、陳貴妃が面会を禁じていたのだと打ち明ける。

許七安が楚州へ旅立つ日、二叔たちはそろって彼を見送り、必ず無事に帰ってくるよう言葉をかける。家族との別れを済ませた許七安が去ると、二叔たちは心配する様子を見せるどころか、さっそくどこで豪勢な食事をするか相談し始める。こうして許七安は、国運をめぐる謎と血塗られた事件の真相を追うため、楚州へ向かうのだった。

 

第34話の見どころ

楚州へ向かう許七安は、出航後に駆けつけた臨安公主と再会し、二人の関係を一歩進める。一方、現地では王妃を狙う刺客の影が迫り、許七安は護衛と捜査を同時に進めることに。褚相龍の不審な行動や、封鎖されたはずの地域をめぐる食い違う証言など、事件の裏に潜む異変が次々と浮かび上がる。血屠三千里の真相に近づくほど、許七安の捜査は危険を増していく。

第34話のあらすじ

許七安が乗った船が出航した後、臨安公主が急いで港へ駆けつける。彼女が大声で許七安を呼ぶと、船上にいた許七安にもその声が届いた。許七安は臨安公主にどうして来たのかと尋ねるが、彼女は自分に船へ来るよう言われたのだと勘違いし、慌てて小舟を解いて漕ぎ出そうとする。許七安は彼女に船を漕げるのかと驚き、船を一刻ほど待たせて自分が泳いで向かうことにした。

ようやく二人が顔を合わせると、互いの言葉が誤解を招いていたことが分かる。臨安公主は、自分に話すことがないのなら帰ると言い出すが、許七安は出航前に船を待たせるよう命じていたことを思い出す。臨安公主に促されて船に乗った許七安は、以前、彼女が酔っていた時のことを話題にする。そして、臨安公主が望むのなら友人として付き合っていこうと告げた。しかし、臨安公主が求めていたのは友人という関係だけではなかった。彼女の気持ちを受け止めた許七安は、臨安公主に口づけを交わし、二人は互いの思いを確かめ合う。

その一方で、許七安の部下たちは船内の捜索を始めていた。三司の高官たちは、ここは三司の会議用の船だと抗議するが、捜索は許七安の命令だとして続行される。南宮倩柔は、今回同行している金鑼は自分一人だけだと説明する。魏淵から十二人の金鑼が来ると聞いていた許七安は戸惑うが、南宮倩柔は自分が最後に到着したため、序列上は十二番目なのだと示す。許七安は、想定していたほどの戦力がないことに愕然とする。

捜索中、許七安は以前と同じような荷袋を見つける。そこへ王妃付きの侍女が現れ、荷袋を返すよう要求するが、許七安は応じない。さらに、褚相龍が船の速度を上げさせていることに疑問を抱く。戦況が一日で変わるわけでもないのに、なぜ急ぐ必要があるのか。許七安は、王妃を狙った刺客が現れる可能性を考え、警戒を強める。

やがて夜になると、懸念は現実となり、王妃を狙う襲撃が発生する。高官たちは岸に上がり、王妃が連れ去られたことに動揺する。尚書は、許七安の進言に従って航路を変更していれば、この事態を防げたかもしれないと悔やむ。許七安は王妃を追い、表向きには高官たちが捜査を進める一方、自分は身を隠して秘密裏に調べる方針を取る。

魁族の者たちは王妃を追い詰め、褚相龍は王妃を連れて逃走する。しかし、彼が差し出した王妃は偽物だった。魁族の者たちは、侍女たちを犠牲にしても構わないという褚相龍の態度に不信感を抱く。実際の王妃は侍女たちに紛れていたが、魁族は彼女が気配を隠す法器を持っていると見抜き、全員の衣服を脱がせて捜索するよう命じる。許七安が駆けつけた時には、すでに手遅れだった。

その後、許七安は李妙真と連絡を取り合う。李妙真は、戦乱が起きれば周辺の穀物価格が上昇するのが普通なのに、この地域では値上がりが見られないという奇妙な状況を報告する。また、協力者も百人ほど集まったものの、まだ十分ではないという。許七安は王妃を拘束しておき、打更人の密偵を訪ねて情報を集める。密偵は、許七安本人が現れたことに驚きながら、西口郡とその管轄下にある三つの県が封鎖されていると伝えた。

ところが、許七安が西口郡へ赴いて別の密偵に確認すると、相手は封鎖など一度も行われていないと言い張る。同じ地域について正反対の情報が出てきたことで、許七安は何者かが事実を隠している可能性を疑い始める。王妃を襲った者たちの目的は何なのか。そして、楚州で起きている異変は「血屠三千里」とどのようにつながっているのか。許七安の捜査は、さらに深い闇へと踏み込んでいく。

 

第35話の見どころ

逃げ出した王妃を追う許七安は、彼女が鎮北王に狙われている理由を知る。王妃が持つ特別な霊韻は、三品の武夫を二品へと昇格させる力を秘めていたのだ。彼女の過去を知った許七安は、単なる護衛対象としてではなく、一人の人間として王妃の境遇に向き合う。そんな中、李妙真が「血屠三千里」の真相を知る人物を見つけ出す。共感術によって明らかになる凄惨な記憶が、事件の核心へと迫っていく。

第35話のあらすじ

許七安は、西口郡で得た情報の食い違いに疑問を抱きながら戻るが、拘束していた王妃の姿が見当たらない。再び逃げ出したのかと外へ出ると、荷袋を拾う。そこには王妃がおり、年老いた乞食と幼い乞食に食べ物を分け与えていた。仲間が戻れば金を渡せると話す王妃は、許七安が拾った荷袋を返すよう求める。彼女は許七安から取り戻した金袋の中身を二人の乞食に惜しげもなく渡し、金の価値もよく分かっていない様子だった。以前、金品を人前で見せびらかさないよう忠告していた許七安は、彼女の無防備さに呆れる。

その時、許七安は魁族の者たちを見つけ、追跡を開始する。王妃も後を追い、許七安は逃げようとした二人を捕らえると、鎮北王の配下が何を企んでいるのか問いただす。雲鹿書院から得た術書を使って相手を追及すると、男は隠していた事情を明かす。王妃の体には特別な霊韻が宿っており、鎮北王はそれを利用して三品から二品へと昇格しようとしているのだという。

男は許七安に、鎮北王を敵に回すべきではないと警告する。許七安は本来、「血屠三千里」の調査に来ただけなのだから、王妃を鎮北王へ引き渡せば、将来は莫大な富と栄華を得られると持ちかける。しかし、話を聞いていた王妃は、霊韻を奪われたら自分はどうなるのかと尋ねる。男は、霊韻を取り出せば王妃は命を落とすと答えた。

許七安は金蓮道長に相談し、霊韻が武夫の品階を高める力を持つことを確認する。さらに、巫神教にも、人間の精魄と気息を秘術で凝縮し、丹にする方法があるという。ただし、三品の武夫を二品へと引き上げるほどの力を得るには、数え切れないほどの命を犠牲にしなければならない。鎮北王が何を求めているのかを知った許七安は、王妃を利用する計画の残酷さを改めて認識する。

王妃は、自分の生い立ちを許七安に語り始める。幼い頃から美貌を称賛され、寺を訪れた際には高僧から詩を贈られたことで、その名が広く知られるようになった。彼女は長い間、両親が自分を大切にし、守ろうとしてくれているのだと信じていた。しかし、成長するにつれて、両親が守っていたのは娘自身ではなく、価値ある商品としての美貌だったと気づく。やがて宮中に入ったものの、皇帝に寵愛されることはなく、鎮北王へと下賜されてしまったのだ。

許七安は王妃を解放すると約束していたが、王妃自身も、自由になったところで行く当てがないと打ち明ける。華やかな美貌の陰で、彼女は自分の人生を自分で選ぶ機会を奪われてきたのだった。

その頃、李妙真から連絡が入る。「血屠三千里」の真相を知っている人物を見つけたものの、本人は許七安に直接会わなければ話さないという。許七安は急いで現地へ向かうが、三日間まともに眠っていなかったため、まずは休息を取ることにする。

目を覚ました許七安の前に現れた人物は、自分の主人が鄭興懐だと名乗った。南宮倩柔たちは、楚州城ですでに鄭興懐と会っていたため、話が食い違っていることに驚く。調べを進めると、彼らが知っていた鄭興懐は本物ではなかったことが判明する。許七安たちは、ようやく本物の鄭興懐と対面する。鄭興懐によれば、逃亡の際には二十数人いた屋敷の客卿も、今では数人しか残っていないという。

李妙真は共感術を用い、鄭興懐の記憶を許七安に見せる。そこには、鄭興懐が家族と食卓を囲んでいた日常が映し出されていた。放蕩な面もあった次男だが、根は悪い人物ではなかった。そんな折、民衆が一か所に集められているとの知らせが入り、鄭興懐は現場へ急行する。そこで彼が目にしたのは、闕永修が罪のない民衆を虐殺する光景だった。

闕永修は鄭興懐まで殺そうとする。父の危機を目の当たりにした次男は、身を挺して父をかばい、命を落としてしまう。息子を失った鄭興懐の悲痛な感情があまりにも強く、共感術は途中で強制的に途切れてしまう。許七安たちは、鄭興懐が目撃した虐殺の記憶から、「血屠三千里」の恐るべき真相へと近づいていく。

 

第36話の見どころ

「血屠三千里」の惨劇を目の当たりにした許七安たちは、楚州の兵士たちさえ真実を知らされていなかった可能性に気づく。やがて鎮北王と魁族の対決が始まり、許七安は国を揺るがす罪を暴こうと立ち上がる。民を虫けら同然に扱う鎮北王に対し、許七安は正面から立ち向かうが、戦いは激しさを増し、彼自身も深い傷を負ってしまう。

第36話のあらすじ

共感術によって鄭興懐の記憶を見た許七安たちは、楚州で起きた虐殺の実態を知る。李妙真は、これまで楚州城の兵士たちと接触した際、彼らが虐殺について何も知らない様子だったと話す。許七安は、何らかの方法で兵士たちの認識を操り、自分たちが何をしているのかさえ分からない状態にしていたのではないかと推測する。

一方、魁族の将軍は、精丹が楚州城にあるとの情報を受け、軍勢を率いて進軍を命じる。鎮北王のもとには謎の人物が現れ、王妃を失った以上、精丹を手に入れても二品への昇格は難しいと告げる。しかし鎮北王は、相手には何とかする方法があるはずだと問いかける。そこへ闕永修がやって来ると、鎮北王は準備を進めるよう命じ、あと数時間で計画を実行できると伝える。闕永修も、いよいよ大奉から二品の武夫が誕生すると期待を膨らませる。

その頃、楚州城では数人の高官たちが食事をしていた。彼らは、同じ少女が何度も転び、そのたびに面を運ぶ人物がやって来るという不自然な光景に気づく。そこへ魁族の者たちが現れた瞬間、周囲を覆っていた幻境が消え去る。目の前に広がったのは、かつての繁栄とは程遠い、生き残った者たちの苦しみと荒廃した街の姿だった。高官たちは「血屠三千里」が事実だったと知り、すぐさま朝廷に報告しようとする。

鎮北王と魁族の将軍が激突する中、許七安も現場に駆けつける。彼は鎮北王が犯した罪を人々の前で告発するが、周囲の者たちはすぐには信じようとしない。ところが、許七安が鎮国剣を手にすると、剣は鎮北王のもとを離れて許七安の側へと向かう。その光景を見た人々は、許七安の告発が真実なのではないかと疑い始める。

鎮北王は、自分の行いを悔いるどころか、民衆を取るに足らない存在だと言い放つ。自分の力を高めるために命を捧げられるのは、彼らにとって名誉なことだとさえ主張する。許七安は、民を虫けらと見なす鎮北王こそ、同じく取るに足らない存在だと反論する。神殊は許七安に、これ以上挑発するなと忠告する。自身も限界に近づいていたのだ。

激しい戦いの末、許七安は鎮北王を重傷に追い込む。鎮北王は、取るに足らない民のためにここまで自分に逆らう許七安が理解できず、怒りをあらわにする。許七安は、他人を虫けら扱いする鎮北王自身もまた、同じような存在にすぎないと告げる。その言葉を聞いた兵士たちは、自分たちがしてきたことを思い出し、苦しみ始める。

続いて許七安は魁族の将軍と戦い、ついに相手を倒す。しかし、許七安自身も大きな傷を負い、駆けつけた李妙真の前で意識を失ってしまう。

数日後、ようやく目を覚ました許七安は、戦いの最中に神殊が力を貸してくれたことを思い出す。だが、今も神殊が自分の中にいるのかは分からなかった。宋廷風たちが駆けつけ、許七安が生きていたことを喜ぶ。彼らは巫神教へ向かって許七安の仇を討とうとしていたものの、途中で津波に遭い、南境の島へ流れ着いたのだという。その後、船で京城へ戻ったところ、魏淵の命令で楚州へ派遣され、許七安の助力に来たのだった。

許七安は高官たちと今後の対応を協議する。鎮北王は皇帝の実弟であり、その罪を問うのは容易ではない。何よりも、まず京城へ戻り、事件の真相を確定させる必要があると考える。高官たちは重要な証人である鄭興懐も同行させるべきだと主張するが、鄭興懐は楚州に残り、復興を支える人間も必要だと訴える。南宮倩柔は、李大人こそ復興を主導するのにふさわしい人物だと評価する。鄭興懐も彼の働きを認め、楚州を任せることに同意する。

しかし、そこへ李大人が自害したという知らせが届く。彼は、楚州で起きた惨劇に責任を感じて命を絶ったのだった。さらに李玉春は、魁族の首領の死に方が、かつて桑泊の湖底に封印されていた魔物と同じだったと指摘する。許七安は、その魔物が今も自分の体内にいることを認めるが、現在は眠っており、魏淵も事情を知っていると説明する。李玉春はそれを聞いてひとまず安心し、楊砚は今後何かあれば、まず魏淵に相談するよう許七安に念を押すのだった。

 

大奉打更人 37話・38話・39話・40話(最終回) あらすじ

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