大奉打更人

大奉打更人

大奉打更人 37話・38話・39話・40話(最終回) あらすじ

大奉打更人(だいほうだこうにん)-正義の銅鑼と王朝の闇- 2024年 全40話 原題:大奉打更人

第37話の見どころ

鎮北王の棺を前に悲しみに暮れる皇帝は、許七安たちの告発を受け入れようとしない。鄭興懐は楚州の民のために真実を訴えるが、皇帝は剣を抜いて二人を威圧する。一方、許七安は魏淵に、鎮北王の罪を後から裁くのでは遅すぎると訴える。宮廷では事件の責任をめぐる駆け引きが続き、皇帝が何かを企んでいることを許新年も察知し始める。

第37話のあらすじ

大臣たちが皇帝に謁見するため宮中へやって来た時、皇帝は釣りをしており、邪魔をしないよう命じていた。そこへ鄭興懐が進み出て、鎮北王が楚州で行った虐殺について報告する。皇帝は驚いて席を立ち、運び込まれた鎮北王の棺を目にすると、深い悲しみに沈む。そして、誰が鎮北王を殺したのかと問いただすが、報告されるのは謎の人物に殺害されたということだけだった。

皇帝は、鎮北王が「血屠三千里」のような残虐な行為をするはずがないと信じようとしない。しかし、鄭興懐だけでなく、使節団に加わっていた複数の大臣たちも虐殺の事実を目撃していた。許七安は大声で鎮北王の罪を告発し、皇帝に裁きを求める。怒った皇帝は剣を抜き、許七安に対して、自分が彼を殺せないと思っているのかと脅す。

鄭興懐は許七安をかばうように前へ出る。皇帝は鄭興懐の首元に剣を突きつけるが、鄭興懐は恐れなかった。家族をすべて失った今、もはや失うものはない。彼が求めているのは、楚州で無念の死を遂げた三十八万の民に、正義が与えられることだけだった。

その後、許七安は魏淵のもとを訪ね、先に相談せず皇帝の前で直接告発したことを詫びる。魏淵は、鎮北王が虐殺の黒幕だったことには気づいていたと明かす。だが、鎮北王を必ずしも楚州で死なせる必要はなかったという。許七安が王妃を先に確保したことで、鎮北王が二品へ昇格する可能性は低くなっていた。鎮北王は魁族か巫神教に助力を求めるはずであり、彼らを利用し終えてから対処しても遅くはなかったというのだ。

しかし許七安は、後になって真実を明らかにしても、失われた命は戻らないと訴える。魏淵は、時間をかけて追及することにも意味があり、危険を減らしながら最終的に楚州の民へ公正な裁きをもたらすことができたはずだと説明する。二人の考え方の違いは、事件の真相を明らかにすることだけでなく、正義を実現するためにどのような代償を許容するかという問題でもあった。

一方、臨安公主は許七安の功績を大々的に広めるため、彼が成し遂げたことを記した文書を大量に用意させる。内容が誇張されていることも気にせず、各地や宿駅にまで届けさせ、許七安を支持する世論を作ろうとする。

その頃、許新年は詩を書いていた。そこへ王思慕が訪ねてきて、父の王贞文も本来は来る予定だったが、使節団が帰還したため来られなくなったと伝える。話を聞いた許新年は宮門へ向かう。多くの大臣が皇帝への謁見を求めても、皇帝は誰にも会おうとしない。許新年は門前で二時間にわたって抗議するが、ようやく出てきた宦官は、皇帝が首輔だけを呼んでいると告げる。

首輔が長時間待たされた末、宦官は皇帝の体調が優れないため面会を取りやめると伝える。首輔が帰った後、皇帝は宦官に魏淵が来たかどうかを尋ねる。来ていないと聞くと、皇帝はこの数日間に登朝しなかった者をすべて記録するよう命じた。

臨安公主も皇帝の寝殿の前でひざまずき、父の健康を祈ろうとする。陳貴妃は彼女を連れ戻すよう命じるが、臨安公主は皇帝を心配しているだけだと主張する。

許七安が帰宅すると、家族は臨安公主が最近よく訪ねてきて、皆に贈り物までしていたことを話す。しかし、その日は姿を見せなかったという。許七安は許新年と宮中の様子について話し合い、許新年は皇帝の態度に違和感を覚える。長年にわたって帝王としての地位を固めてきた皇帝が、今回だけ取り乱すのは不自然であり、何か切り札を隠しているのではないかと考えたのだ。

やがて皇帝は、朝廷の中で面白い人物は魏淵と王贞文くらいだと語り、内閣へ直ちに朝議を開くよう命じる。議題は、楚州で起きた虐殺事件。皇帝がどのような決着をつけようとしているのか、朝廷全体が緊迫した局面を迎える。

 

第38話の見どころ

鎮北王の罪を裁くための朝議が開かれるが、曹国公は鎮北王を功臣として称賛し、皇帝もその主張を歓迎する。鄭興懐は真実を隠し通すことなどできないと訴えるものの、事件を正面から追及する道は次第に閉ざされていく。そんな中、鄭興懐は許七安に陽春麺を振る舞い、楚州で過ごした日々と失われた人々への思いを語る。彼の決意は、許七安の心を大きく揺さぶる。

第38話のあらすじ

臨安公主は太子を呼び出し、皇帝が鎮北王の罪を認めないつもりなのかと尋ねる。太子は、政治に口を出すのは臨安公主の役目ではないと諭す。しかし臨安公主は、鎮北王が自分の叔父であるにもかかわらず、罪のない民を虐殺したことに耐えられず、許七安に顔向けできないと訴える。もし皇室が鎮北王を裁けなければ、民衆は皇室全体をどう見るのか。臨安公主は太子から父に働きかけてもらおうとするが、太子は、皇帝が臨安公主を気に入っているのは、彼女が従順で政治に干渉しないからだと告げ、要求を退ける。

朝議では、鎮北王の罪を認めて処罰すべきかどうかをめぐり、大臣たちの議論が始まる。鄭興懐は楚州で起きた惨劇を詳しく報告し、鎮北王に裁きを下すよう求める。議論が紛糾する中、魏淵は、雲鹿書院の三人の大儒も本来なら出席する予定だったと明かす。そして、今日の朝議で何が語られたかは、すべて史書に記録されると大臣たちに警告する。事件を隠そうとした者の振る舞いも、後世に残ることになるのだ。

そこへ曹国公が立ち、事件の経緯を都合よく言い換える。鎮北王は魁族の首領を討ち取った功臣なのだから、罪を問うどころか褒賞を与えるべきだと主張する。皇帝はこの説明に満足するが、鄭興懐は激しく反発する。たとえ朝廷内で真実を覆い隠せたとしても、事件を知っている人間は大勢いる。すべての人々の口を封じることなどできないと訴える。

許七安と許新年も、朝議の結果について話し合う。許新年は鄭興懐の主張が正しいと認めつつ、皇帝があれほど簡単に鎮北王をかばうのは不自然だと感じていた。皇帝には、まだ何か別の手段があるのかもしれない。

朝議の後、曹国公は得意げな様子を見せる一方、鄭興懐は深く失望する。彼は以前、自分に協力すると約束した大臣たちを訪ねるが、彼らは面会を拒み、誰も助けようとしない。最後に鄭興懐は魏淵のもとを訪れる。魏淵は、正義を実現するには時機を待つことも必要だと説き、現状ではいったん身を引くよう勧める。

その後、鄭興懐は許七安を訪ねる。許七安は彼を待っており、二人は一杯の陽春麺を囲む。鄭興懐は、楚州にいた頃からこの味を懐かしく思っていたと語る。許七安は、今は焦らずに時機を待つべきだと伝えるため、亀とウサギの競走の話をする。

しかし鄭興懐も、自分の物語を語り始める。科挙に合格しながら人に疎まれ、楚州へ左遷されたある人物は、当初はその土地になじめなかった。江南のような豊かな風物もない場所だったが、近所の屋台で陽春麺を食べ、地元の人々と交流するうちに、少しずつその土地を自分の家だと思うようになった。子供たちは成長し、人々は結婚して家庭を築く。そこには確かに、日々の暮らしと人々の営みがあった。ところがある日、そのすべてが失われてしまったのだ。

許七安は、その物語が鄭興懐自身の人生だと悟る。鄭興懐も、時機を待つべきだという理屈は理解していた。それでも、虐殺された民の無念を思うと、何もせずにはいられない。夜になると、亡くなった人々の姿が目に浮かび、声が耳から離れない。生きていても苦しく、死ぬこともできず、心に積もった無念を晴らさずにはいられないのだと訴える。

そこへ闕永修が現れ、楚州の惨劇について別の筋書きを語り始める。鄭興懐こそ魁族と結託して民衆を虐殺し、鎮北王を殺害した張本人だというのだ。皇帝はただちに鄭興懐を捕らえるよう命じる。許七安は采薇を呼んで鄭興懐の体調を診させるが、事態を察した采薇は、自分が鄭興懐を守ると申し出る。

鄭興懐は自ら外へ出て、捕らえに来た者たちと向き合おうとする。しかし、そこへ楊砚たちが駆けつけ、彼を守るために立ちはだかる。真実を語ろうとした鄭興懐は、今や罪を着せられ、朝廷から追われる立場に追い込まれてしまったのだった。

 

第39話の見どころ

鄭興懐は自ら捕縛を受け入れ、獄中でも決して虚偽の罪を認めようとしない。しかし、闕永修は拷問を加えた末に彼を殺害し、朝廷は真相を闇に葬ろうとする。許七安は正義が踏みにじられたことに深く傷つき、ついに自らのやり方で決着をつけると決意する。朝議で罪をなすりつけられた鄭興懐の名誉を回復するため、許七安は刀を手に宮中へ乗り込む。

第39話のあらすじ

楊砚たちが駆けつけ、鄭興懐を守ろうとする。しかし鄭興懐は、これは自分一人の問題だと言い、魏淵をはじめ自分のために奔走してくれた人々に感謝する。そして、世の中には必ず公道があると信じ、自ら捕らえられる道を選ぶ。

牢獄に入れられた鄭興懐は、身に覚えのない罪を決して認めようとしない。闕永修は彼に拷問を加え、これまでの行動を振り返れば、誰が自分の敵なのか分かるはずだと嘲笑する。皇帝はすでに鄭興懐を疎ましく思っており、彼がどれほど真実を訴えても、状況が好転する見込みはない。そう告げた闕永修は、縄で鄭興懐の首を絞め、命を奪ってしまう。

許七安と采薇が駆けつけた時には、すでに手遅れだった。許七安は鄭興懐の遺体を整えながら、朝廷が彼と楚州の民に公正な裁きを与えてくれると信じていたのに、こんな結末を迎えるとは思わなかったと嘆く。

南宮倩柔たちは、事件を審理する者たちを外で足止めし、まずは自分たちに調べさせるよう求める。しかし相手は、許七安が勝手に牢獄へ踏み込んだこと自体が法を軽んじる行為だと反論し、彼を捕らえようとする。金鑼たちは許七安を守るために立ちはだかるが、許七安はその場を離れ、独自に行動することを決める。

闕永修たちは皇帝に鄭興懐の死を報告し、これで事件を決着させられると伝える。皇帝は、今後の大臣たちの反応を警戒しながらも、禁軍を派遣して闕永修を守ると約束する。闕永修は、鎮国剣を失ったことと、鎮北王を殺した謎の強者の行方が分からないことを問題視し、その人物を見つけ出して鎮北王の仇を討てば、事件を完全に終わらせられると考える。皇帝は翌日の朝議で楚州事件に最終的な結論を出すと決め、鄭興懐は罪を恐れて自害したという情報を広めるよう命じる。

臨安公主は長公主のもとを訪ね、鄭興懐が亡くなったと聞かされる。許七安まで同じような目に遭うのではないかと不安を募らせる一方、許家の人々も、帰宅しない許七安を心配してあちこち探し回っていた。楚元縝たちも彼の行方を追うが、翌日になってようやく見つけた許七安は、屋台で輪投げをしていた。景品がほとんどなくなるほど遊び続けた後、彼は何事もなかったかのように家へ帰り、食事を済ませる。

許七安は風呂に入ると言い残し、家族には食事の後、すぐに荷物をまとめて城外へ逃げるよう指示する。彼のただならぬ様子を察しながらも、家族は詳しい理由を聞けずにいた。

翌日の朝議では、曹国公が鄭興懐は魁族と結託し、楚州の三十八万の民を殺害した罪人だと主張する。彼にはすでに家族も残っていないとして、一族皆殺しに相当する重罪を唱えるが、大臣たちは誰も反論できない。

そこへ許七安が刀を携えて宮中に現れる。魏淵は彼を見つけ、衝動的な行動を取らないよう諭す。しかし許七安は、魏淵のように時機を待つことは自分にはできないと告げる。自分はただ、刀を振るうことで胸のつかえを晴らすしかないのだと決意を示す。

曹国公と闕永修が姿を現すと、許七安は雲鹿書院の術を使い、二人の動きを封じる。そして、鄭興懐に加えられた傷と苦しみを、そっくりそのまま闕永修たちに返していく。闕永修が侍衛に助けを求めても、侍衛たちは皇帝の命令に従うだけだと告げ、二人を救おうとはしない。闕永修は魏淵にも助けを求めるが、魏淵はあえて背を向け、介入しなかった。

騒ぎを聞きつけて外へ出ようとする大臣たちもいたが、王大人が彼らを制止する。許七安は曹国公と闕永修を引きずり出し、街中を引き回したうえで、台の上に縛りつける。そして、二人が鄭興懐にどのような仕打ちをしたのかを人々に明らかにする。こうして初めて、鄭興懐が無実の罪を着せられていたことが広く知られるようになる。

皇帝は許七安を捕らえるよう命じ、抵抗するなら殺しても構わないと通達する。追手が迫る中、楚元縝たちが駆けつけ、許七安を守るために立ちはだかる。許七安の行動は、朝廷が隠そうとしていた真実を人々の前にさらけ出し、国全体を揺るがす事態へと発展していく。

 

第40話(最終回)の見どころ

鄭興懐の無念を晴らすため、許七安は曹国公と闕永修の罪を公然と暴き、二人に斬首の判決を下す。官職を捨てる覚悟で正義を貫く許七安に、魏淵も涙を流す。しかし皇帝との対決のさなか、許七安は突然姿を消してしまう。その後、彼をめぐる記憶さえ人々から失われていく一方、謎の人物が再び姿を現す。物語は、大奉の国運をめぐる新たな真相へと向かっていく。

第40話(最終回)のあらすじ

許七安を追ってきた者たちに対し、楊砚や李玉春たちは彼を守るために立ちはだかる。追手の指揮官は、打更人が朝廷に反旗を翻すつもりなのかと問い詰める。李玉春は、自分たちは打更人であると同時に、大奉に生きる民でもあると答え、許七安を見捨てることはできないと告げる。皇帝の命令は抵抗する者を殺せというものだったが、采薇や宋卿たちも許七安を助けるために駆けつける。

追い詰められた曹国公は、許七安が本当に自分たちを殺すつもりだと悟り、命乞いを始める。自分が行ったことは鎮北王と闕永修の指示によるものであり、鄭興懐は無実だったと認める。人々の間に動揺が広がる中、許七安は曹国公と闕永修の罪を明らかにし、二人に斬首の判決を下す。

その場には臨安公主と長公主も駆けつけていた。許七安は自らの官職を示す牌子を外し、魏淵に向かって、もう役人は辞めると大声で告げる。魏淵はその姿を見て、思わず涙を流す。正義を貫くためにすべてを投げ出した許七安は、ふと鄭興懐の姿を目にする。鄭興懐は自分はもう行くのだと告げ、許七安はこらえきれず涙を流す。

そこへ皇帝が現れ、許七安たちとの戦いが始まる。許七安が刀を振るった瞬間、彼の姿は突然消え失せてしまう。その一部始終を見ていた謎の人物は、ついに時が来たとつぶやき、二品の天機術を発動する。

物語は語り部の話へと移り、事件のその後が語られる。魏淵たちは朝議で皇帝に罪己詔、すなわち自らの過ちを認める詔書を書くよう求める。皇帝は大臣たちがここまで強硬に迫るとは思わず、反乱を起こすつもりなのかと激怒する。そこで魏淵は雲鹿書院の亜聖の刻刀を取り出し、君子は誠実であるべきであり、皇帝もまた同じだと訴える。

その後、魏淵は自ら北方の辺境へ赴き、巫神教と戦うことを願い出る。そして戦いの中で命を落としたと語られる。年老いた王大人も次第に力を失っていくが、幸いにも許新年がその役目を担うようになり、政務を支えることになる。

許新年は各地を奔走して家に戻ったばかりだったが、すぐに水害対応のため出発するよう詔書を受け取る。翌日には再び旅立たなければならず、叔母は帰宅しても一日しかいられないことに不満を漏らす。幼い妹が見知らぬ人物からもらったという糖葫蘆を持ってくると、許新年は相手に礼を言い、代金も自分たちで払うべきだと考えて追いかける。しかし、その人物は許七安だった。許七安は代金を受け取らず、そのまま姿を消す。

家族が食卓を囲むと、なぜか余分な茶碗が一つ用意され、数えていたはずの大闸蟹も一匹多くなっていた。誰も理由が分からず、不思議に思う。宋廷風たちは以前と変わらず悪を取り締まりながら街を歩くが、ある街角を通りかかると、かつて誰かと一緒に牌遊びをしたような懐かしさを覚える。楚元縝たちも以前より親しくなっていたが、彼らの記憶からは許七安の存在が失われていた。

臨安公主のもとには一冊の詩集が届く。彼女は驚いて追いかけるものの、相手の姿は見つからない。自分にとって大切な何かを忘れているような気がするが、何を忘れたのか思い出せない。侍女もその理由を知らなかった。

やがて周立が許七安を訪ね、ある場所へと案内する。そこで許七安は、すべてを見届けていた謎の人物と再会する。謎の人物は、誰からも忘れられる気分はどうかと尋ねる。許七安は、こうなったのも相手の仕業だろうと返す。謎の人物は、許七安が失ったものを取り戻すために人々を送り返したのだと語り、どう償うつもりなのかと問いかける。魏淵も司天監へ送られていた。

そして、謎の人物が顔を明かすと、そこにいたのは許七安の父親だった。父は、許七安の体内にある気運を欲しているのは自分ではなく、監正なのだと告げる。監正はその気運を利用して品階を突破しようとしており、父は天機を遮断することで監正の目を欺いてきたのだった。最後に父は、そもそも大奉の国運は彼ら一族のものだったのだと、許七安に告げる。

 

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