大奉打更人(だいほうだこうにん)-正義の銅鑼と王朝の闇- 2024年 全40話 原題:大奉打更人
第17話の見どころ
死刑を免れた許七安は、魏淵の指揮のもと永鎮山河廟爆破事件の捜査を開始する。桑泊の湖底で見つかった謎の石柱と文字、火薬の原料を巡る新たな手掛かりが事件の核心へと迫っていく。一方、許七安は周赤雄への疑念を抱き、捜査線上に新たな人物を浮かび上がらせる。果たして事件の黒幕は誰なのか――。
第17話のあらすじ
許七安が無事に戻ったことで、許家では皆が屋根の上に集まり、酒を酌み交わして喜びを分かち合う。ようやく家族がそろったことに、誰もが安堵していた。
一方、朱金鑼は魏淵のもとを訪れ、なぜ許七安が釈放されたのか問いただす。しかし魏淵は、今回の釈放は自分の判断ではなく皇帝の勅命によるものだと説明する。皇帝の命令に従わないほうが、打更人としての規則を破ることになる。朱金鑼も反論できず、そのまま引き下がる。外へ出たところで許七安と鉢合わせし、怒りをあらわにするのだった。
その頃、李玉春は正式に官職へ復帰し、春風堂では祝福の声が飛び交う。魏淵は今回の捜査に金玉堂、春風堂、鎮邪堂の三堂を投入し、許七安を総指揮に任命する。許七安は早速事件の資料を読み込み、永鎮山河廟が爆破されたことそのものに疑問を抱く。
伝説では、桑泊には開国皇帝が手にした神剣が眠るとされている。しかし爆発によって神剣そのものは傷ついていない。ならば犯人の目的は神剣ではなく、桑泊そのものにあるのではないか――。許七安は湖の底に何かが封じられている可能性を指摘する。魏淵は表情を変えず、今回の任務はあくまで廟を爆破した犯人を捜すことだと釘を刺す。
許七安は三班に分かれて捜査を開始する。一班には工部へ向かわせ、火薬の輸送と管理を調べさせる。二班は刑部へ赴き、当時現場にいた官員を一人ずつ取り調べる。そして許七安自身は李玉春たちを率いて桑泊へ向かった。
湖底へ潜った許七安は、そこで奇妙な石柱を発見する。表面には見慣れない文字が刻まれていた。李玉春に見せると、それは「天域」の文字ではないかという。事件には司天監が関係している可能性が浮上する。
また、爆発現場で負傷した兵士たちには、まるで体内の精気を吸い取られたような異常が見られていた。そんな中、朱広孝が捜査している刑部側で問題が起こったとの知らせが届く。許七安が駆けつけると、刑部の者たちは中へ入ることを拒む。しかし許七安は皇帝から与えられた金牌を取り出す。そこには皇帝直属の捜査責任者としての許七安の権限が示されていた。皇帝の側近である宦官もそれを認め、刑部尚書も仕方なく受け入れる。
火薬そのものを調べても、決定的な証拠は見つからなかった。そこで許七安は、完成した火薬ではなく、原料を別々に運び込んだ可能性に目を向ける。原料そのものなら、通常の物資として扱われ、厳しい検査を受けずに済むからだ。采薇はそこで、大黄山に硝石鉱があることを思い出す。
さらに許七安は、以前采薇と調べた事件との関連を疑う。その時に取り調べた上司・周赤雄には特に不審な点は見つからなかった。しかし、何らかの方法で気配を隠していた可能性がある。二人は周赤雄のもとへ急ぐが、すでに本人は「帰省した」と言って姿を消していた。
重要な手掛かりを失い、許七安は苦悩する。許新年もこの事件はあまりに危険だと心配し、今からでも逃げたほうがいいと忠告する。しかし許七安は、周赤雄が向かった先は混乱の続く雲州ではないかと推測する。
一方、許平志は相変わらず「ただ通りかかっただけ」と言い張り、途中で腹を壊したなどと言い訳を続けていた。しかし姜金鑼に「お前、ニンニクを食べただろう」と見破られてしまう。ようやく戻ってきた許平志は、許七安が無事だと知って大喜びする。
事件の手掛かりをさらに追うため、許七安は太康県令を改めて尋ね、張慎に「問心」を使ってもらうことを考える。しかし現地へ到着すると、太康県令はすでに牢の中で死亡していた。新たな犠牲者の出現に、事件はさらに謎を深めていく。
第18話の見どころ
太康県令の死をきっかけに、事件の背後にある巨大な陰謀が少しずつ姿を現す。許七安は魏淵から文淵閣の調査を託され、さらに懐慶公主から平陽郡主失踪の謎を聞くことに。一方、臨安公主との「面首」騒動もついに真相が明らかになり、許七安は大きな衝撃を受ける。
第18話のあらすじ
太康県令が牢の中で死亡したと知った京兆府尹は、自分たちは事件に一切関与していないと弁明し、許七安の捜査に協力すると申し出る。許七安も今回の件は事故だと判断し、以前自分のために口添えしてくれた京兆府尹を守ることにする。
そこへ張慎が現れる。張慎は以前約束した詩集をいつ渡してくれるのかと許七安に催促するが、許七安は張慎が紙を一枚破っただけで術を発動させたことに気づく。それは術法を記録した書物で、一枚破り取るだけで、その紙に刻まれた術を使えるというものだった。詩集を書く時間など到底ない許七安は、張慎の意図を察する。張慎もそれを理解し、自分の術法書を許七安に渡す。
一方、雲州では二号・李妙真が楊大人と会い、朝廷が楊恭を送り込んできたのは権力を分散させるためではないかと指摘する。しかし楊大人はさほど気に留めていない。李妙真は、楊大人が一言命じれば楊恭を始末してみせるとまで言うが、楊大人は拒否する。李妙真の友人も、彼女は名目上は楊大人に招かれた剿匪の協力者にすぎず、朝廷の正式な官員ではないため、楊大人の命令に縛られる必要はないと説明する。しかし雲州で彼らを支えているのは楊大人だけであり、李妙真も難しい立場に置かれていた。
許七安は玉石の小鏡を通じて天諦会の仲間に最近の京城の状況を伝え、周赤雄が雲州へ逃げた可能性を説明する。そして一号として二号に協力を依頼する。しかし李妙真は、許七安が朝廷側の人間であることを理由に一度は断る。
そこで許七安は、以前二号が「自分に借りがある」と言っていたことを持ち出す。李妙真はその約束を認め、これで借りを返す形なら協力すると約束する。こうして許七安は一号として二号に周赤雄の行方を探るよう依頼する。
許七安はこれまでの捜査結果を魏淵に報告するが、魏淵はすでにすべてを把握していた。周赤雄にはすでに指名手配が出されているという。許七安は、自分が必死に追っていた裏で魏淵が動いていたことを知り、深い感謝を覚える。
魏淵は、かつて自分に死を命じた者に対して警戒する気持ちがあるのも当然だと許七安に話す。そして皇帝に会うため宮中へ向かう際、許七安も同行させる。周赤雄は何らかの法器を使って気配を隠している可能性があるため、文淵閣にある法器を調べるよう命じ、懐慶に案内してもらうよう指示する。
さらに魏淵は、打更人に長年積み重なった腐敗や弊害があることも認める。しかし李玉春のような人物が何人いるのか、水が清すぎれば魚が住めないように、すべてを一度に正すことはできないと語る。許七安もその考えを理解しながら、「自分の目の前で起きたことなら、見て見ぬふりはできない」と答える。魏淵は、長年の弊害だからこそ焦らず、少しずつ変えていくべきだと諭す。
その後、皇帝と魏淵が囲碁を打つ傍ら、許七安は宮人たちの会話から、自分が「臨安公主の面首」と噂されていることを知る。臨安が自分を取り込むために流した噂だと思い込んだ許七安は、慌てて懐慶のもとへ説明に向かう。
ちょうど臨安たちが詩会を開いており、臨安が詩の続きを詠めず困っていたところへ許七安が現れ、見事に続きを詠む。しかも許七安は臨安を「長公主」と呼んでしまう。臨安は正体がばれることを恐れ、突然倒れたふりをする。その様子からようやく許七安は、自分がこれまで懐慶だと思って接していた相手が、実は臨安だったと気づく。
ショックのあまり許七安まで倒れてしまうが、懐慶には芝居だと見抜かれていた。目を覚ました許七安は懐慶に連れ出され、事件について話すよう求められる。こうして二人は、事件の核心へ踏み込むことになる。
第19話の見どころ
許七安は事件の黒幕として、思いもよらぬ大物の名を口にする。懐慶はその大胆な推理力を高く評価し、ついに自らの客卿として迎えることに。一方、文淵閣では気配を隠す法器の正体が判明し、平陽郡主失踪事件との意外な接点が浮上する。そして皇室の愛獣・霊龍が許七安のもとへ向かったことで、皇帝も彼の存在を強く意識し始める。
第19話のあらすじ
許七安は事件について自分なりの推測を懐慶に語る。その内容を聞いた懐慶は、彼が黒幕として鎮北王を疑っていることに気づき、「大胆にもほどがある」と驚く。許七安は朝廷内の勢力関係など何も知らず、鎮北王がどのような立場なのかも分からない。ただ自分なりに推理した結果を口にしただけだと弁明する。
しかし懐慶は、魏淵が「妙人」と評した理由を改めて理解する。彼女は許七安に自分の客卿にならないかと持ちかける。許七安はすでに臨安公主の客卿だと答える。もちろん本人は懐慶と臨安を取り違えていたわけだが、今となっては周囲にも広く知られている。ここで懐慶へ鞍替えすれば、臨安の面目を潰すことになると考えたのだ。
しかし懐慶は気にしないと言い、改めて意志を確認する。許七安は結局、懐慶から客卿の令牌を受け取る。
その後、懐慶は許七安を文淵閣へ案内する。二人で法器を調べると、気配を隠すことのできる法器を発見する。許七安はその法器が菩提珠であることに気づき、以前、謎の人物から菩提珠を求められたことを思い出す。しかし、法器の中に隠されていたのは周赤雄ではなく、一人の女性だった。
懐慶はさらに、もう一つ気になる事件を許七安に伝える。誉王の娘である平陽郡主が、決められていた婚約から逃れるため、突然姿を消したというのだ。当時、司天監の術士が望気術を使って捜索したものの、まったく痕跡を見つけられず、その後も行方は分からないままだった。
平陽郡主は臨安公主と非常に親しい間柄だった。そこで許七安は臨安から直接話を聞くことにする。
一方、臨安は許七安が懐慶と親しげに話していると知り、激しく嫉妬する。「ただの客卿ではないか」と強がり、自分ももっと優秀な人材を探すと言い出す。許七安が謝りに行っても会おうとしないため、彼は炎天下で待ち続け、ついには倒れたふりをする。心配した臨安は慌てて彼を中へ入れる。
許七安は、懐慶がこれまで自分を何度も助けてくれた以上、正体を取り違えていたと分かったからといって、その令牌を断るわけにはいかなかったと説明する。臨安も、自分が先に許七安を騙していたことを認め、これでお互い様だと和解する。
そして許七安は平陽郡主について尋ねる。臨安は、誰にも話さないことを条件に事情を明かす。平陽と臨安は幼い頃から宮中で一緒に遊び、非常に仲が良かった。ところが平陽は、ある時、被災民への施しの場で恒慧という男と出会い、互いに惹かれ合うようになる。
しかし平陽にはすでに婚約があった。二人は皇室に生まれたため自由がないことを嘆き、ついには駆け落ちを決意する。臨安は心配して止めようとしたが、平陽の決意は揺るがなかった。
その後、平陽は本当に姿を消してしまう。臨安も必死に探したが、恒慧だけでなく、彼の師兄の姿も消えていた。許七安がその師兄の名を尋ねると、臨安は「恒遠」だと答える。
その頃、皇室の愛獣である霊龍が、背中に乗って遊んでいた幼い皇子を水へ落とすという騒ぎが起きていた。皇帝は霊龍の普段とは違う行動を不審に思い、様子を見に行く。
魏淵が密かに許七安の居場所を尋ねると、宦官はその場所を答える。皇帝の前では従順だった霊龍は、突然どこかへ向かって走り出す。皇帝たちはその後を追い、霊龍がたどり着いた先には許七安がいた。
霊龍は許七安の前で驚くほど大人しくなり、侍衛たちが捕らえようとすると、許七安は「霊龍は人を傷つけない」と制止する。皇帝はその様子を見つめながら、改めて許七安という人物に関心を抱くのだった。
第20話の見どころ
平陽郡主失踪事件と平遠伯府の裏に、人身売買組織と恒慧の存在が浮かび上がる。許七安はついに恒慧と直接対峙し、「天地一刀斬」で応戦するが、相手には通じない。一方、魏淵は張奉を巧みに動かし、黒幕をあぶり出す策を仕掛ける。事件は単なる殺人事件から、朝廷を揺るがす党争へと発展していく。
第20話のあらすじ
家へ戻った許七安は、懐慶公主と臨安公主の双方から高く評価されていることを許新年に話す。しかし許新年からは、二つの勢力に仕える「二姓の家臣」のようだとからかわれてしまう。
そんな中、許七安は金蓮道長を呼び、天諦会の四号・楚元縝も交えて最近の事件について話し合う。許七安は自分が三号であることを明かさず、「三号の兄貴」として振る舞う。すると四号が六号へ私信を送っていたことが話題になる。六号から返事がないことを不思議がる四号に、金蓮は玉石の小鏡には以前から私信機能があったと説明する。自分が負傷していたため、多くの機能を一時的に停止していたのだという。
許七安は平遠伯府に何か手掛かりがあるのではないかと考える。六号がかつて平遠伯府へ向かったのは、師弟関係にある人物を探すためだったからだ。
平遠伯府では、平遠伯の嫡子が父親を失ったばかりにもかかわらず、女たちの舞を楽しんでいた。金蓮はその姿を見て、父親が死んで間もないのに随分と気楽なものだと眉をひそめる。
やがて平遠伯の嫡子は、現在、京城では多くの者から目をつけられているため、人牙組織にはしばらく身を隠し、騒ぎが収まるまで活動を控えるよう命じる。ところがその直後、謎の男が屋敷へ現れる。男は守衛たちを次々と倒し、平遠伯の嫡子を捕らえる。
正体を尋ねられた男は、自分は「借りを返しに来た」と答え、関係者を一人ずつ探し出して報いを受けさせると宣言する。そして平遠伯の嫡子をその場で殺害する。
しかし男は、その場にいた許七安たちの存在にも気づく。激しい戦闘が始まり、許七安は修得したばかりの「天地一刀斬」を繰り出す。ところが渾身の一撃を受けても、謎の男にはほとんど効いていない。
許七安は即座に判断を切り替え、「天地一刀斬でも斬れないなら逃げるしかない」と仲間たちに告げ、全員で散開して逃げる。途中で巡回中の打更人と遭遇すると、平遠伯府で事件が起きたことを知らせ、救援を呼ぶよう頼む。
許七安はすぐに魏淵のもとへ駆け込み、そこで見せられた人物の似顔絵を見て驚く。先ほど戦った男は、かつて平陽郡主とともに姿を消した恒慧だったのだ。
許七安は、平陽郡主の失踪が単純な駆け落ちではなかったのではないかと疑う。平遠伯府が人牙組織と関係していたこと、恒慧が法器を使って気配を隠していたこと、さらにその後、誉王が失意の中で亡くなったこと――。これらをつなぎ合わせると、事件の背後には皇族や朝廷の勢力争い、すなわち党争が絡んでいる可能性が浮上する。
一方、臨安公主は平陽郡主の母である王妃を訪ねる。王妃は娘がいなくなってから、臨安まで来なくなってしまったことを寂しがり、庭の石榴を見ながら平陽との思い出を語る。臨安は、平陽から手紙が届いたと嘘をつき、いつか戻ってくるよう説得すると約束する。王妃はそれを聞いて喜ぶが、臨安はそれ以上何も言わず、その場を後にする。
事件を知った皇帝は激怒する。刑部尚書は、魏淵の捜査が不十分だったのではないか、もしかすると犯人と内通しているのではないかとまで疑う。しかし魏淵は皇帝に直接話したいことがあると申し出て、周囲の者を退室させるよう求める。皇帝はこれを許可し、二人だけで話をする。
話の内容を知る者は誰もいなかったが、魏淵がいくつかの言葉を残したことで、兵部尚書・張奉の心が大きく揺れ動く。張奉の息子は帰宅すると、家族に荷物をまとめさせ、京城から避難しようとする。しかしそれこそが魏淵の狙いだった。
張奉は城門まで逃げようとするが、すでに出城は厳しく監視されており、足止めされる。その頃、恒慧も復讐のために動き始める。しかし彼が向かった先には、すでに魏淵によって巧妙な陣が仕掛けられていた。事件の真相を巡る戦いは、いよいよ大きな局面を迎える。
大奉打更人 21話・22話・23話・24話 あらすじ
















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