雨霖鈴

雨霖鈴(うりんれい)

雨霖鈴(うりんれい) 13話・14話・15話・16話 あらすじ

2026年 全37話 原題:雨霖铃 / 古典小説「三侠五義」を原案

第13話の見どころ

白玉堂は兄たちを救うため、ついに智化の要求を受け入れ、宜城県令を殺すよう命じられる。一方、展昭は友を失った悲しみと、法では救えない人々の現実を突きつけられ、白玉堂から「悪を裁く夜叉」として共に戦おうと誘われる。しかし、展昭は私刑を拒み、二人は袂を分かつことに。信念の違いに苦しむ展昭を霍玲瓏が支えるなか、彼は河伯の秘密帳簿こそ事件を覆す鍵だと考え、再び中肖院への潜入を決意する。

第13話のあらすじ

景逸鳴の誕生日、丁兆蕙は贈り物を持って景府を訪れる。廊下で偶然出会った景夫人は、景逸鳴に疑われないためにも、今後はここへ来ないほうがよいと忠告する。丁兆蕙が理由を尋ねようとしたところへ景逸鳴が現れ、表面上は穏やかな態度を見せながらも、内心では丁兆蕙の真意を探ろうとする。

景興沢は丁兆蕙を不審に思い、屋敷に留めておけば厄介事を招くのではないかと警戒する。しかし景逸鳴は、彼の目的が分からないからこそ手元に置いて監視するのだと説明する。少しでも怪しい動きを見せれば、すぐに始末できるようにしておく必要があるというのだ。

さらに景逸鳴は、景興沢に中肖院の警備を徹底するよう命じる。これまでのように花沖のような無頼漢を頼るのではなく、上清派唯一の後継者として自らの実力を示すべきだと叱責する。智化に手柄を奪われるようなことがあってはならないと、息子に強く釘を刺した。

一方、白玉堂は夜叉像を見てある考えを思いつき、霍玲瓏の経穴を封じると、花沖の口を利けなくして鳳来閣へ連れていく。智化に花沖を引き渡し、兄たちを救うための解毒薬を手に入れようとしたのだ。ところが智化は、薬を渡す条件として展昭の捜査状況を教えるよう要求する。白玉堂は友人を売ることを拒む。

そこへ展昭が駆けつけ、白玉堂に悪人と取引する危険を説く。しかし白玉堂の決意は固く、説得には応じない。ついには剣を抜き、展昭の胸を刺してしまう。

その後、白玉堂は花沖の遺体を范仲禹の墓前へ運び、罪を詫びる。展昭は、殺人で殺人を止めようとしても正しい道にはならないと諭す。すると白玉堂は夜叉像を取り出し、襄州の民が夜叉を神のように崇めている理由を語り始める。官府が公正な裁きを与えてくれないからこそ、人々は鬼神にすがるしかないのだという。

白玉堂は、開封府が腐敗した地方官庁とは違うことは認めながらも、包拯がどれほど名裁判官であろうと、天下すべての不正を正せるわけではないと指摘する。襄陽王が十年以上も横暴を働いてきたのに、朝廷がその実態を知らなかったはずはない。それにもかかわらず、展昭一人を送り込んで事態を収拾させようとするのは、民衆に正義を示すふりをしているだけではないかと疑う。

さらに白玉堂は、展昭が江湖の者からは朝廷の手先と蔑まれ、朝廷の人間からは草莽の出身だと見下されている現実を突きつける。どちらの世界にも居場所を持てない展昭に、悪人を私刑で裁く「夜叉」として共に歩もうと誘った。

しかし、展昭はその誘いをきっぱりと断る。二人の正義に対する考え方は根本から異なり、もはや同じ道を進むことはできなかった。白玉堂が立ち去る姿を見つめる展昭は、夜摩天の毒の影響もあって、善悪を判断する心が大きく揺らぎ始める。何が正しく、何が間違っているのか、自分自身でも分からなくなりかけていた。

そんな展昭のもとへ、霍玲瓏がやって来る。どれほど困難な道であっても、自分は彼と共に歩むと告げる彼女の言葉に、展昭は心を動かされる。少しずつ冷静さを取り戻した展昭は、街を歩きながら人々の暮らしを眺め、自分が信じる正義について思いを巡らせた。

日が暮れると、二人は屋根の上に並んで腰を下ろす。展昭は、夜叉のように悪を根絶やしにするという考えに心を乱されながらも、霍玲瓏と一晩中語り合い、夜明けを迎えた。

やがて展昭は、河伯が官吏たちの名前や素性を詳しく記した秘密帳簿を所持していることに着目する。その帳簿を手に入れ、さらに河伯の素顔を知る中肖院の女性たちから証言を得られれば、事件を覆い隠してきた闇に切り込めるはずだった。

その頃、掌月使は郊外で、無実の罪で命を落とした女性たちを弔っていた。展昭は彼女のもとを訪ね、事件解決への協力を願い出る。掌月使は思案の末、中肖院が今夜、再び営業を始めることを明かした。ただし、すべての真相を知るには地下宮殿へ潜入するだけでは足りないという。

霍玲瓏は展昭に同行すると譲らない。展昭は彼女の身を案じ、思わず気遣う言葉を口にする。二人の間には、それまでとは違う微妙な空気が流れ始めていた。

霍玲瓏が立ち去った後、展昭の体内で夜摩天の毒が再び発作を起こす。彼は意識を失いかけながら、必死に毒を抑え込もうとする。

一方、白玉堂は智化との約束どおり、再び彼のもとへ向かう。そこで目にしたのは、鉄格子の中に閉じ込められ、獣のように苦しんでいる沈仲元の姿だった。義兄を救うため、白玉堂はやむなく毒を飲まされ、智化の支配下に置かれてしまう。智化は彼に、宜城県令を殺せと命じた。

実は十五年前、宜城県令は潭溪鎮で書吏を務めており、その頃に町全体を揺るがした大事件に深く関わっていた。そして、その事件は白玉堂とも浅からぬ因縁を持っていたのだ。智化はこの事実を邵継祖にも伝える。邵継祖は二人が争うのを傍観することにし、互いに殺し合う展開を待ち望んでいた。

第14話の見どころ

展昭は掌月使の手引きで中肖院の奥深くへ潜入し、河伯・景逸鳴が江湖の各派を支配しようとしている恐るべき計画を知る。景逸鳴は反抗する掌門たちに夜摩天を飲ませ、鈴の音で操る傀儡へと変えていた。展昭も毒の正体に気づくが、玉蓮を人質に取られ、死士たちの包囲に追い詰められる。一方、丁兆蕙は父の仇に迫り、霍玲瓏は白玉堂の兄たちを救うため、夜摩天の解毒薬作りに奔走する。

第14話のあらすじ

掌月使に案内され、中肖院の奥へと進む展昭。やがて二人は、巨大な石門の前にたどり着く。掌月使はそれ以上先へ進むことができず、石門が閉じる直前、展昭に「展兄さん、どうかご無事で」と声をかけた。展昭は彼女の言葉に疑問を抱きながらも、傀儡の面をかぶり、鈴の音に操られる人々の中へ紛れ込む。そして、彼らと共に景逸鳴を拝する場へと進んでいった。

そこへ雲影派が焦朝貴を連行してくる。焦朝貴は景逸鳴の姿を目にした途端、すべてを悟った。彼は当初、唐門と昇雲荘が苌弘壁をめぐって争っているのは、両派の長年の確執が原因だと考えていた。しかし実際には、唐門は河伯の命令を受けて動いていたのだ。景逸鳴は唐門を利用し、各門派に次々と挑戦を仕掛けていた。服従を拒んだ掌門たちは毒牙にかかり、彼は江湖全体を支配しようと企んでいたのである。

焦朝貴は、正体を隠して陰謀を操る景逸鳴を激しく非難し、掌を繰り出して攻撃する。しかし、実力の差は歴然としており、景逸鳴にはまるで歯が立たない。

景逸鳴は焦朝貴に二つの選択肢を突きつける。一つは、各門派を説得して自分に従わせること。もう一つは、夜摩天を飲んで傀儡となり、抵抗する掌門たちを自ら殺すことだった。景逸鳴によれば、夜摩天は体内に入ると心脈に溶け込み、神智を侵して幻覚を引き起こす。中毒者は鈴の音に支配され、経脈を断とうとしても逆らうことができなくなるという。しかも、苦痛を抑えるには毒そのものを薬として飲み続けるしかなく、やがては愚鈍になっていくのだった。

その説明を聞いた展昭は、白玉堂の義兄たちが毒に侵されていること、そして自分自身の内力にも異変が生じていることを思い出す。夜摩天の恐るべき仕組みを理解した展昭は、焦朝貴が毒を飲まされようとした瞬間、正体を現して景逸鳴に立ち向かった。展家に伝わる武術を繰り出し、強敵との戦いに挑む。

しかし智化は玉蓮を人質に取り、鈴を鳴らして傀儡たちを操る。展昭は死士たちに一斉に襲いかかられ、多勢に無勢の窮地に陥った。それでも無実の人々をむやみに殺すことはできず、敵の攻撃をかわしながら必死に包囲を突破する。

逃げ込んだ先は、景逸鳴が武器や珍宝を保管する陳列室だった。そこで展昭は、丁家から失われた名剣・湛盧剣を発見する。そこへ丁兆蕙が駆けつけ、二人は協力して脱出に成功した。

密室の外では、霍玲瓏が展昭の帰りを心配しながら待っていた。掌月使は彼女を制し、今は軽率に動かないよう目配せする。やがて展昭と丁兆蕙の足音が近づくと、掌月使は兄に正体を知られることを恐れ、慌てて物陰へ身を隠した。その一部始終を見ていた白玉堂も、展昭が無事に戻ってきたことを確認し、安堵する。

合流した三人は、互いに得た情報を共有する。景逸鳴こそが河伯の正体であり、中肖院を通じて襄陽王のために官吏を取り込み、江湖の勢力をも掌握しようとしていた。これは単なる誘拐や人身売買にとどまらず、朝廷の秩序を覆しかねない重大な陰謀だった。

丁兆蕙はさらに、景府の裏庭で薬の匂いを嗅ぎつけ、密かに侵入した際に、監禁されている玉蓮を見つけたと明かす。玉蓮は景逸鳴を自らの手で殺すため、景夫人に毒を分けてほしいと懇願していたという。景夫人は彼女をなだめ、まだその時ではないと説得したが、その会話を景逸鳴に聞かれ、厳しく警告されてしまった。

展昭と霍玲瓏は、玉蓮が重要な証人であることに加え、景夫人もまた事件の核心を知っている可能性が高いと考える。景夫人を味方につけることができれば、捜査は大きく前進するはずだった。

さらに展昭は、陳列室で見つけた湛盧剣について話し、景逸鳴こそが丁兆蕙の父を殺した犯人ではないかと指摘する。景逸鳴はすでに数え切れないほどの命を奪っており、その罪は極めて重い。丁兆蕙は真相を探るため、再び景府へ戻る決意を固めた。霍玲瓏は危険を承知で行動する彼の勇気に感服する。

一方、夜摩天の解毒薬を作るには、唐門の協力が必要だった。霍玲瓏は唐門の若き当主・唐天浩と面識があり、彼が一族の汚れた行いを快く思っていないことを知っていた。そこで展昭は、彼に解毒薬の調合を頼んでほしいと霍玲瓏に願い出る。霍玲瓏は快く引き受けた。白玉堂が義兄たちを救うために無謀な行動を繰り返していた理由も理解し始め、彼への怒りを少しずつ和らげていく。しかし、白玉堂が県令を殺しに行くのではないかと心配する。展昭は、そんなことになれば魚を一匹買って彼の口をふさぐと冗談めかして答えた。

その頃、智化は景逸鳴に、誕生日の宴が始まる前に展昭を始末する策を進言していた。景逸鳴も同じ考えであり、寿宴では丁兆蕙を見せしめにするつもりだった。

霍玲瓏が去った後、展昭は一人で掌月使と会い、寒水宮の姥姥を紹介してほしいと頼む。寒水宮の力を借りて、玉蓮や中肖院に囚われている女性たちを救い出そうと考えたのだ。

一方、霍玲瓏は唐天浩を訪ね、解毒薬を急いで作るよう迫る。唐天浩は叔父への遠慮から決断をためらうが、霍玲瓏に強く言い立てられ、ついに三日以内に完成させると誓った。

丁兆蕙との密会を終えた展昭は、帰り道で何者かに尾行されていることに気づく。その直後、夜摩天の毒が発作を起こし、彼は慌てて部屋へ戻って内力を巡らせ、苦痛を抑えようとする。そこへ霍玲瓏が帰ってくるが、二人が少し話したところで、白玉堂が馬を駆って現れるのだった。

第15話の見どころ

白玉堂は宜城県令を殺そうとし、展昭との対立はついに決定的な局面を迎える。智化が夜摩天の毒と鈴を利用して白玉堂を操り、展昭は崖下へ転落。誰もが彼の死を信じかけるが、実は二人は敵を欺くため、あえて仲違いを演じていた。一方、景逸鳴の寿宴では、景夫人の助けを得た展昭が玉蓮の救出に成功する。さらに、掌月使の正体が丁月華だと判明し、事件は新たな展開を迎える。

第15話のあらすじ

白玉堂は展昭に宜城県令を引き渡すよう迫る。しかし、展昭は殺人を止めるために殺人を犯しても正義にはならないと説得し、県令を法の裁きに委ねるべきだと主張する。白玉堂はどうしても考えを変えず、二人はやむなく協力して敵の包囲を突破することになった。やがて戦いの場は深い森の断崖へと移り、二人はそこで決着をつけようとする。

その間、霍玲瓏は智化の手下たちを食い止め、林の中で激しい戦いを繰り広げていた。彼女は展昭と白玉堂が決着をつけるための時間を稼ごうと、敵の大軍に立ち向かう。

展昭は白玉堂に対し、智化に利用されていることに気づくべきだと訴える。たとえ県令を殺しても何も解決しないばかりか、玉蓮は今も敵の巣窟に囚われている。無謀な行動を取れば、彼女を救い出す機会まで失いかねないというのだ。

しかし、展昭が言い終える前に、夜摩天の毒が発作を起こす。そこへ智化が姿を現し、鈴を鳴らして幻覚を引き起こした。白玉堂は毒と鈴の影響を受け、目の前の展昭を敵だと思い込んでしまう。そして、ためらうことなく剣を振り下ろし、展昭の胸を貫いた。霍玲瓏が駆けつけた時にはすでに手遅れで、展昭はそのまま深い谷底へと落ちていく。智化は勝利を確信し、白玉堂や手下たちを連れてその場を去った。

智化は景逸鳴に、展昭が崖から転落し、生きている可能性は極めて低いと報告する。景興沢は遺体を確認できていないことを理由に、崖下を捜索させてほしいと申し出た。景逸鳴は智化の功績を大いに称賛するが、手柄を奪われることを恐れる景興沢は、心中穏やかではなかった。景逸鳴はまだ大事を成し遂げたわけではないと釘を刺し、誰も気を緩めないよう命じる。

一方、司命は邵継祖と会い、景逸鳴が自信過剰で、これまで何度も展昭に出し抜かれながら反省していないと指摘する。まもなく寿宴が開かれるため、展昭の遺体を早急に見つけるよう命じた。主人の計画に関わる以上、失敗は許されなかった。

その夜、白玉堂は霍玲瓏のもとを訪れ、展昭が生きていることを確認する。実は展昭と白玉堂はあらかじめ意思を通じ合わせ、敵を油断させるために仲違いを演じていたのだ。白玉堂は展昭の脈を取り、毒が経脈に入り込んでいるものの、心脈までは侵されていないことを確かめる。展昭には毒を抑え込めるほどの特別な武功が備わっているのではないかと考えた。

霍玲瓏は、展昭が毒に侵されていることを隠していた点にも、白玉堂が近頃あまりに無謀な行動を繰り返していた点にも腹を立てていた。だが、唐天浩が解毒薬の調合を急いでいると知り、ようやく一息つく。白玉堂も自分の行動を反省し、ぎこちないながらも霍玲瓏に礼を述べた。

翌朝、霍玲瓏は白玉堂と話をする。彼がこれまで抱えてきた苦悩や苦痛を思いやり、なぜ県令を殺そうとするのか、その本当の理由を尋ねた。単なる復讐だけではないはずだと考えたのだ。しかし、白玉堂は詳しい事情を語ろうとしない。朝廷が自分にどのような罪名を押しつけようと構わない、十五年前に失われた公道を、今度は自分の手で取り戻すのだと告げる。

部屋の内側で二人の話を聞いていた展昭は、白玉堂の姿を見つめていた。白玉堂もその気配に気づき、三人は今後の行動について話し合うことにする。

霍玲瓏は解毒薬を受け取るため、唐門へ戻ることになった。出発に際し、彼女は玉環を展昭に託し、もう二度と無謀な危険を冒さないよう念を押す。

そして景逸鳴の寿宴当日。展昭は家丁に変装して景府へ潜入するが、景興沢に見破られそうになる。間一髪のところで景夫人が密かに助け、展昭を密室へと導いた。展昭はそこで玉蓮を救出し、無事に屋敷から連れ出すことに成功する。

その頃、景興沢は邵継祖からの密書を受け取っていた。崖下を捜索しても展昭の遺体が見つからなかったと知り、事態の異変を察した彼は、すぐさま景逸鳴へ報告する。景逸鳴はただちに屋敷の門を封鎖するよう命じた。

地宮へ駆けつけた智化は、白玉堂が鈴を手にしていることに気づく。白玉堂はその鈴を利用して逆に智化を追い詰め、手下たちに包囲させた。展昭はその隙に玉蓮を連れて屋敷を脱出する。智化は白玉堂を罠にかけようとするが、白玉堂は難なく逃げおおせた。

追い詰められた景興沢は智化を挑発し、怒りを買う。智化は腹いせに景興沢を鋼の棘が仕掛けられた罠へ突き落とし、彼はその場で命を落とした。

その後、展昭と白玉堂は合流し、掌月使の正体が丁月華だったことを知る。丁月華は事情があって身分を隠していたと明かし、景逸鳴を必ず討つと誓った。

一方、玉蓮が姿を消したことに気づいた景逸鳴は、景夫人が関与していると確信する。景夫人はついに彼の本性を暴き、かつて景逸鳴が覇王荘を滅ぼした際、自ら手を下さず他人を利用しておきながら、彼女を妻に迎えたのも、江湖で「美しい女性を救った英雄」という名声を得るためだったと糾弾する。そして、自分は景逸鳴の弱みを握っているため、簡単には手を出せないはずだと告げた。

本性を見抜かれた景逸鳴は、もはや取り繕うことをやめ、景夫人を密室に監禁して玉蓮の代わりにしようとする。

やがて息子・景興沢の死を知った景逸鳴は、悲しみと怒りに震えた。彼は智化を通じて邵継祖に命令を伝え、県衙に城内四つの門を封鎖させ、展昭を決して逃がさないよう指示する。さらに、中肖院にいる女性たちと死士の人数をすべて確認するよう命じ、事態の収拾を図ろうとした。

第16話の見どころ

玉蓮は救出された仲間たちの助けを得て、ついに公の場で景逸鳴を告発する。一方、丁兆蕙は父の仇である景逸鳴と対決し、湛盧剣をめぐる悲劇の真相を知る。景逸鳴の陰謀を隠蔽しようとする邵継祖と智化は、口封じのために中肖院の女性たちまで葬ろうとするが、掌月使が寒水宮を動かし、展昭たちと共闘する。さらに霍玲瓏も駆けつけ、ついに光化軍が介入。事件は大きな転換点を迎える。

第16話のあらすじ

展昭は白玉堂、丁兆蕙と合流し、救出された玉蓮も同行していた。玉蓮は白玉堂に感謝を伝えるが、白玉堂は范仲禹を救えなかったことを思い出し、深い罪悪感に沈む。

丁兆蕙は、妹の丁月華が寒水宮にいると聞き、彼女の身を案じる。さらに景夫人が景逸鳴に監禁されていることを知り、まずは景府へ戻って救出の機会を探ることにした。

丁兆蕙が立ち去った直後、明柱児と趙知児が一行のもとへやって来る。展昭は、趙濯清が二人を派遣したと知り、驚きを隠せなかった。白玉堂は二人を部屋へ案内し、これまでに起きた出来事を詳しく説明する。

展昭は范仲禹の遺品を玉蓮に手渡し、自分が彼女の兄を守りきれなかったことを詫びた。しかし玉蓮は、皆ができる限りのことをしてくれたと理解していた。兄を死に追いやったのは、あくまでも悪人たちである。彼女は悲しみを胸に、法廷で景逸鳴の罪を証言する決意を固めた。

一方、景府へ戻った丁兆蕙は、景逸鳴に待ち受けられていた。景逸鳴はもはや正体を隠そうともせず、丁家から失われた湛盧剣を見せつけると、丁兆蕙の父を殺したのは自分だと認めた。

かつて景逸鳴は襄陽王に仕え、その権力を利用して江湖を統一しようと目論んでいた。名門の出身で品行方正を重んじる丁兆蕙の父のような人物は、彼の野望を阻む邪魔者でしかなかったのだ。景逸鳴はかつて丁父と交渉し、武功「鶴沖天」の心法を差し出せば命だけは助けると持ちかけた。しかし丁父は断固として拒み、ついには惨殺されたのだった。

父の死の真相を知った丁兆蕙は激怒し、剣を抜いて仇討ちに挑む。しかし景逸鳴の武功は圧倒的で、丁兆蕙は次第に追い詰められていく。それでも最後の力を振り絞り、鶴沖天の剣法で景逸鳴の経脈の急所を突いた。だが、自らも重傷を負い、牢獄へと放り込まれてしまう。

その頃、智化は景逸鳴に中肖院の人員確認の結果と、邵継祖らの動きを報告していた。景逸鳴は、中肖院が自分一人の支配下にあるわけではないことを理解していた。今は邵継祖に時間を稼がせ、景家が無傷で逃げおおせるようにすることが最優先だった。景逸鳴は智化に、後始末をきちんと済ませれば、将来は上清派の掌門の座を与えると約束する。

邵継祖は手下たちに命じ、城内の各所を捜索させるとともに、郊外にも展昭の人相書きをばらまいた。やがて展昭たちが人里離れた屋敷に潜んでいるとの情報をつかみ、兵を率いて踏み込む。

展昭と白展堂は力を合わせて敵を迎え撃つ。二人は明柱児に玉蓮の身代わりをさせ、彼女を守るために必死に抵抗しているように見せかけた。その隙に趙知児が包囲をかき乱し、本物の玉蓮を安全に城外へ連れ出す。白玉堂は冯韶を人質に取って退路を確保し、少しずつ後退する。やがて展昭と明柱児も馬で駆けつけ、三人は一気に城外へ脱出し、姿をくらました。

邵継祖は成果を得られないまま引き返し、景逸鳴の尻拭いをさせられたと司命に不満を漏らす。司命は、景逸鳴が襄陽王に従うのは覇権を手にするためであって、忠誠心からではないと指摘する。計画が破綻すれば、景逸鳴が保身のために秘密を漏らす可能性もある。必要ならば、早めに切り捨てるべきだと忠告した。

一行は郊外の粗末な小屋へ身を隠す。そこには宜城県令もいた。白玉堂は彼の姿を見るなり怒りを爆発させ、殴りかかろうとするが、展昭が慌てて制止する。県令はすっかり怯えきっており、展昭は明柱児と趙知児に玉蓮を安全な場所へ送り届けるよう頼むと、白玉堂と共に残って事件の後始末を進めることにした。

一方、智化は寒水宮の者たちを集め、中肖院の女性たちを郊外の共同墓地へ連れていき、全員を生き埋めにしようと企んでいた。しかし、掌月使はすでに姥姥と面会し、展昭への協力を取りつけていた。姥姥は慎重に考えた末、協力を認める。ただし、事件が片づいた後には苌弘壁を必ず連れ戻すよう掌月使に命じ、これまでの問題も含めて責任を取らせることを約束させた。

やがて展昭、白玉堂、掌月使らは智化の一味と激突する。そこへ邵継祖が唐門の刺客を率いて現れ、智化は自分が見捨てられたことを悟った。言葉を交わす間もなく、刺客たちは一斉に襲いかかり、戦場はたちまち混乱する。邵継祖自身も剣を抜き、展昭に容赦のない攻撃を仕掛けた。

しかし、展昭の身のこなしは軽やかで、剣筋にも隙がない。数十合を交えるうちに、邵継祖は次第に劣勢へと追い込まれる。智化はその隙を突いて逃げようとするが、白玉堂に追いつかれ、ついに捕らえられた。

展昭と掌月使は唐門の刺客たちを相手に激戦を続ける。邵継祖は隙を見て、展昭へ冷箭を放とうとするが、間一髪のところで霍玲瓏が駆けつけ、矢を放って邵継祖の腕を射抜いた。

その直後、趙濯清の密命を受けた光化軍が現場に到着する。彼らは中肖院事件と関係者の身柄を引き継ぎ、捜査を正式に進めることになった。囚われていた女性たちも、ようやく救出される。すでに形勢が決したことを悟った邵継祖は、手下を連れて無念のまま撤退するのだった。

 

雨霖鈴(うりんれい) 17話・18話・19話・20話 あらすじ

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