それでも、恋をするには近すぎる 2025年 全29話 原題:双轨
第21話
カナダで母の看病を続けながら大学院を修了した姜暮は、時折母の前で靳朝の話をするようになる。当初は名前を聞くだけで拒絶していた姜迎寒も、少しずつ耳を傾けるようになり、娘の想いを静かに受け止め始める。卒業後、南京で働く先輩・顧智杰から誘いを受けた姜暮は、かつて靳朝と夢見た未来を胸に帰国を決意する。その前に察国を訪れ、靳強へ靳朝の消息を尋ねるが、「ほとんど連絡はない」と曖昧な返事しか返ってこない。さらに潘恺との再会で、靳朝が以前自分を助けてくれたと知り、数年ぶりに彼の近況へつながる手がかりを得る。潘恺から渡されたのは携帯番号ではなく固定電話の番号だったが、それだけでも姜暮の心は大きく揺れ動く。そして靳朝ほど情に厚い人が何年も察国へ戻らないはずはないと考え、家族が何かを隠しているのではないかという疑念を抱くのだった。
第22話
南京であるカフェを訪れた姜暮は、店員の大嘉に店のオーナーについて尋ねる。しかし、女性客から同じ質問をされ慣れている店員は警戒し、連絡先を教える代わりに名前を書き残すよう勧める。姜暮はわざと万年筆を店に忘れ、再び訪れた際に「オーナーが預かっている」と聞いて胸を高鳴らせる。そして約束の日、ついに長年会いたいと願い続けた靳朝と再会を果たす。わずか十数メートルの距離が果てしなく遠く感じられ、二人は互いを見つめながら言葉を探す。ぎこちない近況報告の中、靳朝が恋人の有無を尋ねると、姜暮は何年も連絡を絶った彼への怒りから「恋人がいて年末には結婚する」と嘘をつき、結婚式への招待まで口にする。その一方で、以前売却された実家を買い戻した人物が靳朝だったことにも気づき、彼がずっと自分を想い続けていた可能性を感じ始める。
第23話
翌日、姜暮はすぐにカフェを訪れるが、靳朝は仕事で不在だった。店員たちから彼のことを聞き出そうとするものの、詳しい事情は誰も語ろうとせず、ただ健康上の問題から普通の勤務ができないらしいという話だけが漏れ聞こえてくる。やがて再会した二人は夜の街を並んで歩くが、互いに一人分の距離を保ったまま、慎重に言葉を交わす。姜暮は「元恋人の犬を飼い、元恋人の名前を付けたカフェまで開いているのに、今の恋人は怒らないの?」と冗談交じりに探りを入れる。対する靳朝も「君こそ恋人がいるのに他の男と散歩して大丈夫なのか」と問い返す。姜暮は平然と「お互い干渉しない関係だから」と作り話を続けるが、その言葉を聞いた靳朝は表情を曇らせる。姜暮は彼が本気で傷ついていることに気づき、嘘をついた自分の胸もまた締めつけられるのだった。
第24話
姜暮は偶然手にした資料から靳朝の過去を知り、その壮絶な内容に涙を流す。そして休暇を取って急いで察国へ飛び、林歳の力を借りて靳朝を執刀したジュリエット医師と面会する。そこで、レース事故によって靳朝が瀕死の重傷を負い、長い闘病生活と過酷なリハビリを一人で耐え抜いてきた事実を知る。帰国後、姜暮は靳朝を公園へ誘うが、以前のような体力はなく、彼はすぐに歩調を落としてしまう。その姿を見つめる姜暮は涙をこらえきれず、彼の頬に手を伸ばして「いつまで私から逃げ続けるつもりなの」と問いかける。隠し続けてきた真実を知られてしまった靳朝は言葉を失い、姜暮は彼が誰にも頼れず苦しみ続けた年月を思って声を上げて泣き崩れる。長年抱いてきた恨みは、その瞬間すべて愛しさへと変わっていく。
第25話
中秋節の日、靳朝は姜暮を自宅へ招き、二人で穏やかな食卓を囲む。姜暮は慣れた手つきで料理を手伝い、カナダや南京での生活を通じて大きく成長した姿を見せる。靳朝は彼女の料理を味わい、好き嫌いの多かった姜暮が何でも食べられるようになったことに喜びを感じる一方、自分の知らない年月の長さを実感して複雑な思いに包まれる。食事をしながら靳朝は、事故後も自動車関連の仕事を続け、大学へ戻って機械設計を学び、大学院修了を目指して努力していることを明かす。その前向きな生き方に姜暮は深く感動し、途切れていた時間を埋めるように語り合う。そして帰り際、姜暮は勇気を振り絞り、「二十六歳になっても、私はまだあなたしか好きになれない。どうすればいいの?」と涙ながらに想いを伝える。しかし靳朝は答えを返せず、姜暮は「もう会わない」と別れを告げて走り去る。慌てて追いかけた靳朝は、必死に彼女の腕をつかみ、引き止めようとするのだった。
















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