念無双~刹那の想い、永遠の誓い~ 2025年 全36話 原題:念无双
第13話
姬谭音と源仲は白頭山の暗室へ入り、姬谭音は慣れた手つきで油灯をともす。そこで見つけたのは、白頭山の第一関門となる試験問題だった。姬谭音によれば、これは師匠の謝游が仕掛けたものだという。源仲はそんな人物がこれほどの試練を作れることを信じられずにいたが、姬谭音は師匠を心から尊敬していた。次々と現れる問題に源仲は苦戦する一方、姬谭音は楽しそうに問題へ挑んでいく。
その最中、壁画を調べていた源仲の意識が幻境へ引き込まれ、過去の有狐族・天取峰の神壇へと飛ばされる。そこで源仲は神の左手をめぐる激しい争いを体験する。現実では源仲が動かなくなっていることに気づいた姬谭音が幻境へ飛び込み、彼を目覚めさせる。正気を取り戻した源仲は姬谭音を守りながら敵と戦い、二人で力を合わせて撃退する。
現実へ戻った源仲は、壁に描かれた怒目悪鬼図を破壊しようとするが、姬谭音はそれを止める。それが師匠による試験道具にすぎないことを説明した直後、二人は外から聞こえる戦闘の音に気づく。扉を開けると、眉山君と子非が一人の中年書生と争っていた。姬谭音はその男を見て驚く。それこそ長年会っていなかった師匠・謝游だった。再会した師弟は互いの思いを語り合い、謝游も姬谭音への態度を少しずつ和らげていく。
第14話
姬谭音と源仲は学堂の幻境で次々と試験問題に挑む。第三関では姬谭音だけが密室へ入ることになり、源仲は彼女を気にしながらも外で待ち続ける。やがて香が燃え尽きる頃、二人は見事に試験を突破する。姬谭音は源仲の優れた理解力に感心し、二人で次の扉を開く。
その部屋の壁一面には、無数の文字が書かれた紙が貼られていた。その中には「紅焼肉」という文字があり、姬谭音はそれが師匠・謝游のもとで修行して十年目に自分が書いたものだと明かす。当時、彼女は一年間一人で座り続け、文字を書くことで心を静めていたという。二人が紙を剥がすと、その下から複雑な星の配置図が現れる。それは謝游が作った「牽星図」で、かつて十個だった星の位置が、長い年月を経て百個にも拡張されていた。
源仲が謎を解こうと考える間にも、姬谭音は星図を観察しながら頭の中で計算を進め、ほどなく仕掛けを解いて最後の扉を開く。そこには幻想的な工房が広がり、中央には精巧な「玲瓏屋」の模型が置かれていた。源仲は、最後の条件は本物の玲瓏屋を造ることではないかと考える。姬谭音は身分を隠したまま挑戦しようとするが、いざ手を動かそうとした瞬間、両手が止まってしまう。二人は一度白頭山へ戻り、姬谭音は山中にある『静心録』を探し始める。源仲は彼女の力になれないことを悟り、眉山君や子非と試験中の出来事を語り合う。
第15話
源仲は姬谭音を山下の茶寮へ連れていき、昨日予約していた焼きガチョウと紅焼肉を注文する。二人は芝居を聞きながら、時間と人生の意味について語り合う。源仲は、過ぎ去った時間に執着するよりも今を大切に生きるという考えを語り、その言葉は姬谭音の心に深く響く。彼女は源仲との時間を通じて、自分自身の生き方について新たな気づきを得る。
白頭山へ戻ると、師匠の謝游が「大きな贈り物を用意した」と言いながら、突然源仲を襲撃する。源仲は傷を負って倒れ、眉山君と子非は謝游を激しく非難する。しかし姬谭音は何も言わず、その場を離れる。彼女は師匠に茶を入れ、なぜ源仲を傷つけたのか尋ねる。謝游は、これは復讐であると同時に、源仲が姬谭音とともに歩む資格があるのかを試すためだったと明かす。
さらに謝游は、姬谭音が神へ昇った後、自分がどのような道を歩んできたのかを語る。彼はすでに四つの封印を解いており、最後の一つを解けば、心残りなくこの世を去ることができるという。姬谭音は、師匠の執念が消えれば謝游自身も消えてしまうのではないかと恐れる。それでも謝游は最後の心残りを解いてほしいと願い、姬谭音は恩師への恩返しとして、その願いを受け入れる。
その後、源仲は胸の痛みから目を覚ます。姬谭音の様子から事情を察した源仲は、彼女の気持ちを思いやって何も問いたださない。そして食卓で姬谭音は、師匠・謝游がすでに仙逝したことを皆に告げる。突然の知らせに一同は驚くが、姬谭音は師匠の選択を理解していると語りながらも、別れの寂しさを拭い去ることができなかった。
第16話
石塔は、かつて烏山の「啞女娘娘」が民を教え導くために建てた書閣だった。そこで管理人を務める老包は、一行に啞女娘娘の伝説を語る。源仲は姬谭音こそ伝説の啞女なのではないかと考え、わざと老包の話を疑うような発言をして姬谭音の反応を探る。しかし、その態度に老包は不快感を示す。
その夜、一行は書閣の物置で一夜を過ごす。姬谭音は黙々と本を書き写している老包のもとを訪れ、一緒に写経をする。ところが老包が文字を一つ書き間違えたことで、姬谭音は彼が実は文字を読めないことに気づく。老包は、自分は字を知らなくても本を書き写し続けるのだと語る。書物が傷んで子どもたちが読む本を失わないよう、できるだけ多く写して残しておきたいというのだ。その思いに姬谭音は深く感動し、自分がかつて烏山に閉じ込められていた経験を思い出す。そして、自分こそ伝説の烏山啞女なのではないかと考え始める。一方、源仲は神の存在を人々の願望が作り上げたものだと考え、伝説を信じようとはしない。別れ際、老包から食料と書物を贈られた姬谭音は、その中から『百巧書』を手に取る。馬車の中で本の方法を使い源仲の目の不調を治そうとすると、肌が触れ合い、二人は互いに気まずさを覚える。
第17話
三人が宿へ戻ると、姬谭音は源仲に大量の借用書を渡す。彼女は楼舟を襲った戦鬼の刺客が千麟だとは知らず、源仲に千麟を救ってほしいと頼む。しかし源仲は機嫌を損ね、姬谭音を宿から追い出してしまう。姬谭音は腹を立て、今度は自分が働いた分の給金を払うよう源仲に要求する。
一方、裴九は芸娘のために竈を修理すると申し出たうえ、彼女を妻に迎えるつもりだと周囲に語る。その話を聞いた源仲は心中穏やかではなく、子非に裴九の身元を調べるよう命じる。姬谭音は自分の銀を芸娘に預けて人を助ける一方、裏庭では開山に茶油を分け与える。その純粋な姿を楼上から見つめる源仲の表情には、いつしか優しさが浮かんでいた。
やがて子非は、裴九が橘子湖から来たよそ者で、以前に記憶を失い、町の老捕頭に引き取られた過去があると報告する。源仲は、彼の正体が記憶を失った鹿沉ではないかと推測し、神手の力で記憶を取り戻させようと考える。姬谭音も竹とんぼを使って裴九の行方を探り、二人は廃寺で彼を見つける。源仲は裴九の才能を見込み弟子にしようとするが、逆にからかわれてしまう。さらに武術の勝負を挑み、その戦いから裴九の経脈が塞がっていることを見抜くが、治療の申し出も拒まれる。
第18話
その夜、裴九の家では盛大な宴が開かれ、彼は来月、芸娘と結婚すると皆の前で発表する。源仲を除く一同は酒を酌み交わして祝福し、姬谭音も芸娘のために新しい家具を作ることを約束する。宴を終えて宿へ戻ると、源仲はすでに外で姬谭音を待っていた。源仲は彼女の首根っこをつかんで連れ去り、橘子湖へ向かう。
源仲は姬谭音に護法を頼み、自ら湖へ潜って調査する。水中で魔龍の巨大な骸骨を発見した源仲が岸へ戻ると、姬谭音はすでに眠り込んでいた。酔った姬谭音を背負って宿へ戻る源仲。その背中で姬谭音は夢うつつに「源仲と一緒に家を建てたい」と呟き、源仲は思わず動揺しながらも必死に否定する。
一方、目を覚ました千麟は、弑神の匕首がなくなっていることに気づく。しかし宿の者から、それが芸娘に預けられたと聞いて警戒を解く。源仲は裴九の新居を訪れ、そこに置かれていた烏山啞女の像に目を留める。像には神鞭、鳳凰、乾坤袋という三つの品が描かれており、源仲はそれらをじっと見つめながら、啞女娘娘と姬谭音の関係について考えを深めていく。


















この記事へのコメントはありません。