紅き真珠の詩 2024年 全40話 原題:珠帘玉幕
第26話の見どころ
桓先生の死を巡る事件は、骊龍盗や鄭家を巻き込む大きな陰謀へと発展する。端午は自らを「蘇幕遮」と名乗って囮となり、桓先生の仇を討とうと決意。張晋然は彼女の正体を知りながらも、あえて救いの手を差し伸べることができない。一方、燕子京も端午を守るため、密かに証拠を動かし始める。
第26話のあらすじ
徐之衡が揚州へやって来たのは、張晋然が呼び寄せたためだった。かつて徐之衡は大きな過ちを犯し、その事実を郢王に知られてしまった。死罪を免れるため、彼は莫大な財産を差し出し、もう一度仕える機会を求めた。郢王は、権力にすがって生き延びようとする者を残すべきではないと考えていたが、折しも徐之衡に任せたい仕事が持ち上がる。徐之衡は張晋然の師兄としての立場にも助けられ、死罪を逃れたうえ、自ら揚州の事情に詳しいことを申し出る。そして張晋然の捜査を補佐する巡査使として揚州へ赴くことになった。
しかし張晋然は、徐之衡が桓先生の殺人事件を穏便に処理し、闇に葬ろうとしていることを察していた。自ら各地を巡って調べてきた張晋然は、骊龍盗が密かに財宝を運び出していた痕跡だけでなく、その財宝が隠されていた民家まで発見していた。
桓先生の死は決して単純な殺人ではない。骊龍盗との直接的なつながりがある以上、誰かの都合で事件をもみ消すことはできないと張晋然は言い切る。その言葉を聞いた徐之衡は、張晋然が去った後、表情を一変させる。事件の真相を隠すためなら、邪魔する者を根こそぎ排除することも辞さない様子だった。
張晋然は鄭家への捜査を続ける。鄭家主は一族を挙げて捜査に協力すると約束し、自分たちが疑われるとは考えてもいなかった。一方、鄭五郎は玉小娘を連れて崔十九のもとを訪れる。崔十九は事情を聞くと、今回の事件が鄭五郎を陥れるために仕組まれた罠だとすぐに見抜く。鄭五郎は自分と同じ考えに至った崔十九を「自分の知己」だと感じるが、玉小娘は二人が意気投合する様子に複雑な思いを抱く。幼い頃から育ててきた息子が、自分たちよりも外の女を信頼していることが気に入らないのだった。
そんな中、端午は桓先生が残した帳簿を手に入れる。その中に一枚の絵が挟まっていることに気づき、事件の鍵になるのではないかと考える。
そこへ燕子京が現れ、当時何が起きたのかを明らかにしなければ、端午自身も事件の容疑者として命を狙われる可能性があると忠告する。しかし端午は、今さら自分を利用しようとしているのではないかと怒りをぶつける。越雲岫も意識を取り戻すが、事件について有力な証言はできなかった。
実は鄭四は、すべてを事前に計画していた。鄭五郎を事件の犯人に仕立て上げ、自分が長年憎んできた相手を排除すると同時に、鄭家内部の権力争いにも決着をつけようとしていたのだ。
徐之衡は鄭家主に、事件には鄭四が関与していると告げる。しかしそれもまた、鄭家を自分の身代わりにするための策略だった。徐之衡は意図的に鄭家を追い詰め、追い込まれた彼らが自滅するよう仕向けていた。
さらに白校書が端午を桓先生殺害の犯人として訴えたため、張晋然は端午を逮捕することになる。そして彼は、逮捕された女性が端午、つまり蘇幕遮であることを知る。越雲岫は、姉が絶対にそんなことをするはずがないと訴え、端午が以前とは別人のように変わったのは、これまでにあまりにも多くの苦しみを経験したからだと考える。自分がいなければ端午がこの事件に巻き込まれることもなかったと、越雲岫は自責の念に駆られる。
端午は、自分が手に入れた証拠を燕子京に託し、それを張晋然へ届けてほしいと頼む。張晋然は官職を持つ身だからこそ、この事件を正しく処理できる。燕子京は康琚に命じ、機会を見て証拠を張晋然へ渡させる。
端午は事件の裏に鄭四がいると推測し、鄭五郎のもとを訪れる。鄭五郎は、端午が自分を助けようとすることを不審に思うが、端午は「あなたを助けることは、私自身を助けることでもある」と告げる。
やがて鄭四は、桓先生が生前に残した書画が売りに出されると知って現場へ駆けつける。周囲から「桓先生を裏切った男」と非難される中、鄭四は自分こそ桓先生に捨てられたのだと弁明する。しかし、その背後には端午と張晋然の捜査が迫っていた。
端午は桓先生の仇を討つため、鄭四を追い詰めようとする。鄭四は命乞いを繰り返すが、そこへ張晋然が現れ、彼の言葉をすべて聞いていた。
端午も逮捕されることになる。張晋然は彼女の正体を知っているが、職務上、ここで「端午」と呼ぶことはできない。端午もまた、張晋然を巻き込まないために、自分は最後まで蘇幕遮だと言い張る。二人は互いを思いながらも、あえて距離を置くしかなかった。
第27話の見どころ
端午は桓先生の無念を晴らすため、自ら危険な囮となる。張晋然は彼女の行動があまりにも危険だと案じながらも、証拠だけでは犯人を完全に追い詰められないことを指摘する。公判の場では思わぬ証言が飛び出し、鄭家内部の醜い争いが明らかに。事件を乗り越えた端午は、さらに大きな陰謀の存在を感じ始める。
第27話のあらすじ
張晋然は、蘇幕遮を名乗る端午を前に、胸の内で複雑な思いを抱えていた。自らの命を危険にさらしてまで黒幕を引きずり出そうとする端午の行動は、あまりにも無謀だったからだ。
端午自身も、自分が衝動的な行動に出たことは分かっていた。しかし、桓先生を殺した犯人は周到に証拠を消しており、普通の方法では真相にたどり着けない。だからこそ、危険を承知で自分を囮にするしかなかった。
張晋然は、今ある証拠だけでは犯人を有罪にできないと指摘する。たとえ容疑者を逮捕しても、後になって「端午に脅されてやった」と証言を翻されれば、端午自身が逆に罪を着せられる危険がある。それでも端午は、少なくとも犯人を法の前に引きずり出せるなら、自分がしたことには意味があると答える。
何よりも、桓先生は理不尽な形で命を奪われた。端午は、彼女に最後まで付きまとった「男に裏切られた女」という汚名を晴らし、正しい名誉を取り戻してやりたいと願っていた。そして張晋然に、公の場で裁くことを求める。
一方、鄭五郎は牢にいる鄭四を訪ねる。鄭四は、今回の事件の裏には鄭五郎がいると考え、長年表面化しなかった二人の対立を一気に露わにする。鄭四は、自分も嫡子なのだから家族が見捨てるはずがないと信じていた。
徐之衡は本来、桓先生殺害事件を利用して事態を収拾するつもりだった。しかし端午が事件を公の場へ引きずり出したことで、計画は大きく狂い始める。崔十九もまた、徐之衡の力を利用して燕子京にすべての罪を着せようと動いていた。
公判が始まると、崔十九は鄭五郎に有利な証言をする。一方、白袅は秦慕が受けている苦しみを見かね、燕子京の前に跪いて二人を助けてほしいと懇願する。自分が罪を認めても構わないとまで訴える。
しかし法廷では、白袅が思いもよらぬ証言をする。彼女は鄭四を直接指し示し、事件への関与を明らかにしたのだ。
鄭四は、鄭家が家名を守るためなら嫡子を切り捨てることも厭わないと悟る。自分にはもう生き残る道がないと知った彼は、今度は罪を崔家へ押しつけようとする。崔十九が反論しようとするが、鄭五郎は彼女を制止する。
最終的に白袅も相応の罰を受け、端午と鄭五郎は無罪として釈放される。しかし、この裁判によって崔家はさらに世間から蔑まれることになった。
張晋然は、黒いものは黒く、白いものは白いと信じ、自分は決して権力に屈しないと誓う。だが燕子京は、正しさを貫くその道は決して平坦ではないと警告する。
一方、白袅は秦慕を救い出すことには成功したものの、彼から感謝されるどころか責められてしまう。鄭家では嫡子の鄭五郎が事件に巻き込まれたことで、逆に彼を重用する動きが始まる。これまで家族から軽んじられてきた鄭五郎は、ようやく得た権力を使って自分の存在を認めさせようとする。
端午は助けられた仲間たちの無事を確認し、張晋然に感謝する。その一方で、自分が桓先生を守れなかったことを悔やみ続けていた。桓先生は最後まで自分を守ろうとしてくれた。端午は、来世でもまた彼女と姉妹になりたいと願う。
端午は燕子京を訪ねる。彼が鄭家を追い詰めようとしていることは分かっていたが、鄭家が身代わりを差し出して危機を逃れようとしたことにも気づいていた。二人はなおも距離を保とうとするが、互いの身を案じる気持ちだけは隠せない。
燕子京は、なぜ自分がすべてを黙っているのかを端午に説明しようとはしなかった。自分がいなくなった後も、端午が安全に暮らせるようにすること。それだけが彼の願いだった。
やがて鄭四は牢獄の中で命を落とす。張晋然は徐之衡に激しく抗議するが、徐之衡は動じず、師弟として張晋然に余計な騒ぎを起こさず手を引くよう促す。
そんな中、桓先生の侍女が庭で誰かが紙銭を燃やしていることに気づく。まるで、死んだはずの桓先生を弔うかのように――。
第28話の見どころ
桓先生の死をきっかけに、明鏡台はかつてない危機に直面する。白袅の言葉に薛娘子たちの心も揺らぎ、ついには株を手放そうとする者まで現れる。店を守ろうと奮闘する端午を支えるのは、越雲岫や樱桃たちだった。孤立しながらも、端午は明鏡台を決して諦めない。
第28話のあらすじ
白袅は桓先生の死を悼むふりをしながら、薛娘子たちの前で意味深な言葉を口にする。桓先生はすでに亡くなり、蘇幕遮こと端午は権力を持つ鄭家を敵に回した。鄭家は今回の事件で大きな損害を受け、嫡子まで失いかけている。そんな鄭家が、明鏡台をこのまま放っておくはずがない――。
薛娘子は白袅の言葉を素直には信じなかったが、不安の種は心の中に残る。途中で端午から離れるのは気が引けると思いながらも、これから先も明鏡台に関わり続けてよいのか、心が揺れ始める。
白袅が家に戻ると、弟は酒に溺れ、その顔には大きな傷が残っていた。自分が経営する白浄堂も客足が途絶え、白袅の明鏡台への恨みはさらに強くなっていく。彼女は明鏡台に必ず大きな災いが訪れると考え、裏で人を動かし始める。
翌日、明鏡台では早くも騒ぎが起きる。店内にわざと騒ぎを起こす者たちが現れ、越雲岫が捕らえようとしても、相手は後ろ盾があることをほのめかして全く恐れない。さらに男たちは明鏡台へ押しかけ、店の女性たちをわざとからかい始める。
そこへ桓家の者たちまで現れ、桓先生が残した財産を明鏡台が私物化していると訴え、彼女の遺品を返すよう要求する。燕子京もその様子を見守り、桓家が鄭家に利用されていることを察する。
端午は正面から反論する。桓先生は生前、家族から見捨てられ、すでに頼れる身内などいなかった。だから今さら家族を名乗って財産を取り戻そうとするのはおかしいと訴える。しかし周囲の人々は端午の言葉を簡単には信じず、明鏡台に何か隠されているのではないかと疑い始める。
さらに薛娘子たちも、明鏡台の株を手放したいと申し出る。彼女たちは自分たちは力のない歌妓にすぎず、世の中を漂う浮草のような身だからこそ、自分たちの利益を考えなければならないと語る。
端午は、彼女たちが今日ここへ来たのは株を売るためだと理解する。明鏡台はもう続けられないのかもしれない――端午の心にも絶望が広がる。
しかし樱桃だけは、端午のもとを離れようとしなかった。何があっても明鏡台を一緒に経営すると言い、端午を支える。鄭五郎もその様子を見ながら、端午の強情な性格を少しずつ変えてやろうと考える。
端午はこれまで自分を支えてくれた人たちが、危機に陥った途端、利益を優先して離れていく現実に深く傷つく。越雲岫はそんな姉の姿を見て、少しでも力になりたいと考える。
そこで越雲岫は、自分が得意とする玉器の知識を生かして市場へ出向く。彼女が丁寧に彫刻した玉はたちまち商人たちの注目を集め、上質な品として評価される。越雲岫は、明鏡台もきっと再び立ち上がれると端午を励ます。
端午にとって明鏡台を作った理由は、単に商売で成功するためだけではなかった。これまで踏みにじられてきた人生の中で、自分の力で生きられることを証明し、最後まで意地を貫くためでもあった。
張晋然も端午のもとを訪れる。彼は今回の殺人事件にはまだ隠された真相があると感じており、崔家だけが犯人だとは考えていなかった。
端午は、ただ明鏡台を揚州に根付かせたかっただけなのに、気づけば数え切れないほどの敵を作ってしまったと打ち明ける。張晋然もまた、京から揚州まで追ってきた事件が、多くの人間の利益や巨大な権力に触れていることを明かす。果たして自分は、京へ戻った後も今の信念を貫けるのか――彼自身も不安を抱えていた。
端午は、それでも地位より真実のほうが大切だと語る。張晋然は彼女に、自分を兄と思って何かあれば頼ってほしいと約束する。
その頃、鄭五郎は燕子京が前朝の残党なのかと父親に尋ねていた。鄭父は過去の因縁を息子に語り、崔家はかつて道を誤ったが、自分たちは正しい道を歩ませると宣言する。そして鄭五郎に、骊龍盗を利用するよう命じる。
一方、高手は樱桃を連れて明鏡台を離れることになる。二人とも端午たちとの別れを惜しむが、それぞれが自分の選択をしなければならない時が来ていた。
第29話の見どころ
崔十九は鄭五郎を利用して燕子京を追い詰めようと動き、鄭家と骊龍盗の思惑が交錯する。燕子京は敵の罠にかかり、重傷を負って端午のもとへ逃げ込む。そこで康琚から、端午が最も知りたかった小虾米の死の真相が明かされる。誤解に気づいた端午は、燕子京への思いを再び見つめ直す。
第29話のあらすじ
崔十九は、かつての男勝りな姿から一転し、鄭家で鄭五郎のために食事を作り、ときには彼に助言を与えるようになっていた。しかしその心の奥には、崔家を再興し、家族の仇を討ちたいという強い思いが残っている。
崔十九は鄭五郎に、燕子京を一気に捕らえるための機会を作ってほしいと頼む。鄭五郎もそれを受け入れ、端午のもとへやって来て金を要求する。
端午は、必要な時には姿を隠しておきながら、金が必要になると自分を追い詰めてくる鄭五郎に怒りを覚える。しかし鄭五郎は、明鏡台はすでに赤字なのだから、端午には交渉する資格もないと冷たく言い放つ。端午は相手が今日、自分を追い込むつもりで来たのだと察し、あえて動じずに立ち向かう。
一方、康琚は市場で不審な二人組が手紙を交換している姿を目撃する。後を追った康琚は、その人物たちが骊龍盗とつながっていることを突き止める。
燕子京も、骊龍盗が揚州まで入り込んでいると知り、この街がすでに安全ではないことを悟る。端午がこの地で生き残るには、他の店にはない独自の商品が必要だった。
揚州には宝飾品が数多く出回っている。だからこそ、ありふれた品ではなく、明鏡台だけが作れるものを生み出さなければならない。端午は新たな商品開発に乗り出す。
しかし鄭五郎が明鏡台から完全に手を引いたことで、店はさらに苦しくなる。端午は、もはや後戻りできないと覚悟を決め、追い詰められた状況を逆に力へ変えようとする。
その頃、燕子京は骊龍盗の手掛かりを追っていた。ところが、敵の姿を確認する間もなく罠にかかってしまう。訓練された敵に取り囲まれ、燕子京たちは次々と仲間を失っていく。燕子京自身も矢を受け、重傷を負う。
康琚は、揚州には燕子京たちの命を狙う者が数多くいると判断する。このままでは全員が殺されてしまう。そこで唯一頼れる場所として、端午のもとへ向かう。
端午は負傷した燕子京を見ると、これまでのわだかまりも忘れて急いで店の中へ運び込む。燕子京が無事に逃げたと知った崔十九は激しく動揺し、ここまで来た以上、最後まで戦い抜くしかないと考える。
鄭五郎もすでに後戻りできないことを悟り、崔十九の求めに応じて徐之衡へ助けを求める。
徐之衡らが現場へ到着すると、燕子京を追い詰めたと思った矢先、張晋然まで姿を現す。さらに端午は張晋然と親しげに振る舞い、風邪をこじらせたので医者に診てもらうところだと芝居を打つ。
鄭五郎は、端午が自分たちを欺くために張晋然を利用していることを察するが、すでに計画は失敗していた。徐之衡に対して頭を下げ、事態を収めようとするしかない。
その後、張晋然は端午に、小虾米が命を落としたあの襲撃事件について重要な事実を伝える。あの時、商隊には敵が紛れ込んでいたという。
端午は、燕子京が自分に何かを隠していると確信する。そして康琚は、もはや隠し続ける意味はないと判断し、ついに真実を打ち明ける。
あの時、燕子京たちは骊龍盗を誘き出そうとしていた。しかし先に敵が動き、端午を狙って矢を放った。燕子京は端午を殺すためではなく、敵の矢を撃ち落とすため、自分の剣を使って端午の胸を射抜いたのだった。
そして小虾米や曹大たちを殺した真犯人は、雷雳だった。
真実を知った端午は、これまで自分が燕子京を恨み続けてきたことが、すべて誤解だったと気づく。心の中にあった憎しみが崩れ、彼女は言葉を失う。
一方、鄭五郎は父親から責められる。しかし彼は自分だけが悪いとは思わず、敵を一人殺したくらい何が悪いのかと反発する。
意識を取り戻した燕子京が目を覚ますと、すぐそばに端午がいた。無意識に手を伸ばそうとする燕子京。しかし、なぜ自分を助けたのかと端午に問われ、彼は答えようとしない。
端午もまた、燕子京が自分に隠していたことを問いただす。しかし彼が何も語ろうとしないのを見ると、端午はただ微笑み、それ以上は追及しなかった。
崔十九は燕子京が生きていることを知り、顔色を変える。さらに鄭五郎は、父親からも見捨てられ、自分を支えていると思っていた崔十九からも利用されていた可能性に気づく。
燕子京は康琚に、端午がすでに真実を知ったことを聞かされ、動揺する。康琚は、これ以上端午に嘘をつき続ける必要はないと考えていた。
崔十九は端午に、燕子京を共通の敵として手を組もうと持ちかける。しかし端午はそれを拒絶する。崔十九は、その反応から端午の心がすでに変わったことを悟る。
張晋然も燕子京を訪ね、自分は法に従って行動するだけで、罪のない人間をむやみに殺すつもりはないと告げる。
燕子京は傷ついた体を起こし、亡くなった家族のもとへ向かう。そして、小虾米たちの前で静かに手を合わせるのだった。
第30話の見どころ
燕子京は小虾米たちの死を悔やみながらも、端午のそばで過ごせる残りの時間を大切にしようとする。端午は彼を明鏡台に置くことをほのめかし、二人の距離は再び縮まり始める。一方、鄭五郎と崔十九の関係には亀裂が生じ、明鏡台も資金難に直面する。新たな琉璃職人との出会いが、端午に再起の道を示す。
第30話のあらすじ
燕子京もまた、亡くなった小虾米たちのもとで静かに手を合わせる。彼らが端午にとって、珍珠場を逃げ出した後に出会ったかけがえのない仲間だったことを、燕子京もよく知っていた。そして自分に関わったことで、その大切な人々まで命を落としたことに、深い罪悪感を抱いていた。
康琚はすべて骊龍盗の仕業なのだから、自分を責めすぎるなと慰める。しかし燕子京は、もちろん自分も苦しいが、端午は自分以上に小虾米たちの死を悲しんでいるはずだと考える。康琚は、時間が経てば傷も少しずつ癒えると励ます。
そんなある日、端午は燕子京のために自ら麺を作る。料理をする端午の姿を見つめながら、燕子京はしばし見とれてしまう。自分の病が治ったら、ここを離れるつもりだと告げる燕子京に、端午は何も答えない。
端午が慣れた手つきで麺を作る姿を見て、燕子京はこれまで食べたどんな料理よりもおいしいと語る。
やがて端午は、もし燕子京が揚州から姿を消したら、周囲の人々はどうするのかと尋ねる。燕子京はその言葉の意味を察する。
端午は、燕子京を明鏡台に置くことを考えていたのだ。
しかし端午はそれ以上何も言わず、その場を立ち去る。康琚は、端午の言葉に燕子京が隠しきれないほど喜んでいることに気づく。二人の邪魔をしないよう、そっとその場を離れる。
一方、鄭五郎は白袅を利用して燕子京を捕らえようとする。白袅は、鄭家ほどの大きな家が、自分たちのような小さな商売人から何かを奪う必要があるのかと疑問を抱く。弟にも、余計なことをせず店をきちんと経営するよう忠告するが、彼を止めることはできなかった。
鄭五郎の心には、家族に認められなかった幼少期の記憶が残っている。父親は自分を何度も欺き、蘇幕遮にも騙された。そして今では、最も身近な存在だった崔十九まで自分を利用していたことに気づき、深く傷つく。
崔十九は、眠っている鄭五郎を殺す機会を得る。しかし、最後の瞬間になっても手を下すことができなかった。
その頃、薛娘子たちは明鏡台へやって来て、出資した金を返してほしいと申し出る。越雲岫は騒がないように彼女たちを制止する。
端午は、今すぐ全員に返す現金はないと正直に告げる。その代わり、三年以内に返済するという借用証を書こうとする。
すると薛娘子たちは迷うことなく書類に署名し、明鏡台を信じる姿勢を見せる。端午はその思いに胸を打たれる。
さらに樱桃と高手は、馮五娘のもとから宝飾品や資金を受け取って戻ってくる。馮五娘は自分が持っているものをすべて端午に託していた。端午はその厚意に深く感謝する。
そこへ張晋然が端午を訪ねてくる。燕子京は二人が親しげに話している姿を見ると、明らかに面白くない様子になる。
燕子京は端午と張晋然の間に割って入るように咳をし、張晋然も負けじと咳を返す。二人の間に挟まれた端午は困り果て、結局、自分が食事を用意すると言ってその場を収める。
端午は、秦阿翁という揚州でも有名な琉璃職人に目をつける。秦阿翁は過去に多くの苦難を経験した人物だった。端午が彼の作品を売り出すことができれば、協力してもいいと告げられ、端午は新たな商機を見いだす。
しかしその頃、燕子京の店が偽物を販売していると訴えられる。店主は必死に無実を訴えるが、状況は厳しい。
端午は今回の騒ぎも燕子京が仕掛けたのではないかと疑う。一方、燕子京は最近の張晋然の動きもどこか不自然だと感じていた。
それでも端午の表情は、以前より明るくなっていた。燕子京が明鏡台に留まる可能性が生まれたことで、彼女の心にも少しずつ余裕が戻っていた。
その一方で、鄭五郎と崔十九の関係は完全に冷え切っていた。鄭五郎は、崔十九が家族を再興するためなら自分さえ裏切るのだと感じていた。
鄭五郎はついに瑧郎閣を手に入れる。崔十九はその知らせに驚きながらも、燕子京の死体を実際に見たわけではないことが気にかかる。誰も動きを見せないこと自体が罠なのではないかと疑うが、鄭五郎に慰められ、これが本当に勝利なのかもしれないと思い始める。
しかし、その裏では白袅が自分の計画がまたも失敗したことに怒りを募らせていた。明鏡台と燕子京を巡る争いは、まだ終わってはいなかった。


















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