長楽曲~白い愛、黒い罪~ 

長楽曲~白い愛、黒い罪~

長楽曲~白い愛、黒い罪~ 31話・32話・33話・34話・35話 あらすじ

長楽曲~白い愛、黒い罪~ 2024年 全40話 原題:长乐曲

第31話 あらすじ

明堂再建を巡る巨額横領事件は、ついに朝廷を揺るがす大問題へと発展した。沈渡は「明堂は太皇太后と先帝の愛の証。だからこそ経費に上限が設けられなかった」と語る。しかし、それが横領を正当化する理由にはならない。太皇太后は激怒し、徹底調査を命じる。顔幸が「何人まで巻き込むのか」と問えば、沈渡は「朝廷全体が震えるほどの数だ」と応じる。

その頃、徐婉が勅命を携え来羅織のもとを訪ねる。彼女の冷ややかな態度に来羅織は怒りを抑えられず、茶碗を握り潰す。太皇太后の視線が自らに向かいつつあることを悟ったからだった。一方、賢王張相沈渡の動きを注視していた。白無常の異名を持つ彼が政略結婚を拒むなど予想外。張相は「太皇太后沈渡を遠ざけ、来羅織を再び取り込もうとしている」と指摘するが、賢王は宮廷の事情がそれほど単純ではないと感じていた。

一方、西域では聖女・素光潘馳が金烏部族の蘭伯を訪ね、失踪した聖女・黛絲の真相を聞き出す。黛絲は本来、情を断ち切り部族に身を捧げるはずだった。しかし、大蒼からの使節に恋をし、秘術を明かしてしまったのだ。言語の才に長けたその男は彼女を巧みに騙し、薬粉による火蛾の制御法を奪い去る。黛絲は瀕死の姿で発見され、自らの愚かさを悔いたという。蘭伯の証言と潘馳の示した肖像画により、男の正体は来羅織であると判明する。

一方の朝廷では、来羅織孫潭の収賄を告発。すでに孫潭は拘束されていた。沈渡は甘南道で孫潭に支えられた経験から「誤解があるはず」と反論するが、太皇太后は沈黙を命じ、議論を断ち切る。

その頃、顔幸は同僚の陸垂垂から感謝されるも、呉主事には「他家の妻は夫を支えるため情報を集めるのに、書類や検視ばかりの者がいるか」と揶揄される。しかし顔幸は「私は沈渡のようにはなれない。ただ邪魔をしないようにするだけ」と答えるのだった。やがて徐想仁が現れ、孫潭の件が刑部に移管されたと告げる。呉主事は狼狽し、その場を逃げ去った。

顔幸は「孫潭は私たちを幾度も助けてくれた、見過ごせない」と訴え、徐想仁と共に牢を訪れる。だが孫潭は「放っておけ、早く行け」と突き放す。恩義と疑惑の狭間で、顔幸の胸は強く揺れ動いていた――。

 

第32話 あらすじ

来羅織顔幸に「何を語り、何を飲み込むべきかをよく考えろ」と冷ややかに忠告する。しかし顔幸は一顧だにせず、毅然とその場を去った。その直後、陸垂垂が帰ろうとすると来羅織が現れ、「なぜ自分を避ける」と問い詰める。陸垂垂は「もし顔幸を傷つけるなら絶対に許さない」と断じ、二人の間に鋭い緊張が走る。

一方、牢に繋がれた孫譚来羅織から「生きたければ、徐想仁が結んでいる江湖の人脈を全て差し出せ」と迫られる。孫譚徐想仁との出会いを思い返す――飢えた子供たちのために盗みを働いた自分を捕らえた男は、実は宮中に忍び込み太皇太后と賭けを交わすほどの侠気を持つ人物だった。彼の才を惜しんだ太皇太后は、かつて盗賊団の首領「異良人」の地位すら与えたという。そんな過去を思い返しながら、孫譚はついに筆を逆手に取り、自ら命を絶った。

陸垂垂顔幸が危うい立場に追い込まれるのではと案じたが、来羅織の動きがなかったことで安堵する。だが御察司から「孫譚が罪を恐れて自害した」との報が届き、顔幸は深く悲嘆に暮れる。徐想仁は「彼が伝えたかったことはすでに君の奏章に記されている。自分を責める必要はない」と慰めた。そこへ沈渡が戻り「宮中で情状酌量を訴えるつもりだったが、一歩遅かった」と悔しげに語る。

その折、潘馳からの報せが届く。甘南道の穀倉は確かに助燃術で焼かれていたが、中は空だったという。さらに、図案として残されていた玉佩が、先帝が太皇太后に下賜した婚礼の品であることを沈渡は指摘する。沈渡は師兄の遺言を思い出す――沈家を陥れた黒幕は、実は太皇太后その人だったのだ。

景林の調査で、半面鬼たちの死因は「十日索」という遅効性の毒であり、全員の体に三角形の針痕が残っていることが判明する。顔幸はかつて調べた芫娘の事件を思い出す。当時は情殺と結論づけられたが、彼女の体にも同じ痕があったのだ。なぜ山奥の女がそんな毒にかけられたのか。沈渡は「芫娘はただの女ではなく、明堂の掃除係でもあり、国師と関わりがあった」と語る。国師の死後、彼に連なる者たちは次々と姿を消した。最後の予言には「鳳凰が九羽の雛を導き天下太平となる」という句の後に、知られざる半句が隠されていたとも囁かれていた。

やがて顔幸太皇太后に呼び出され、莫謙之の臨終の言葉について問われる。顔幸は「沈渡太皇太后に忠誠を誓っている以上、そんな話は信じられない。莫謙之も誰かに欺かれたのだ」と答える。しかし胸中では、なお真実を探ろうとする直感が揺れていた。さらに太皇太后孫譚の件を取り上げ、「そなたは寵愛を得るために孫譚を陥れ、冤罪を着せたのではないか」と鋭く問い詰めるのだった――。

 

第33話 あらすじ

陰謀と忠誠、交錯する宴

太皇太后の前で顔幸は「人は誰しも欠点を抱えている。もし宮廷に誤りがあれば、諫臣として諫める覚悟がある」と告げた。その率直な言葉に太皇太后は満足し、顔幸に宮中を自由に出入りできる通行証を与える。やがて徐婉顔幸を蘇菲の旧居へと案内し、彼女の死は太皇太后の仕業ではなく、故郷に帰れぬ孤独の果てだったと語る。さらに、男尊女卑の社会で太皇太后が背負わねばならぬ苦悩を明かしつつ、顔幸の存在に複雑な思惑を示した。

宮殿を後にした顔幸来羅織と遭遇。彼女の姉・来羅敷を鄞州で見かけたと告げるが、来羅織は「姉は病で屋敷を離れていない」と否定する。沈渡は宮殿の外で顔幸を待ち受け、再会を喜び合う。

一方、陸垂垂は尾行者が江郎行であることに気づき驚愕する。二人は幼き日の縁を思い返す。陸垂垂がかつて金塊を差し出し、「人を縛る生き方ではなく、自らの道を歩め」と語ったことが、江郎行の運命を変えていたのだ。互いの絆を確かめ合った二人は抱き合い、長い時を越えて再び結ばれた。

やがて冬至。賢王主催の宴が華やかに開かれる。沈渡顔幸も参列し、来羅織は姉・来羅敷を伴って姿を現す。酒席で顔幸の才が話題に上り、剣舞を求められた顔幸沈渡の剣を借りて舞いながら来羅敷を挑発。鋭い応酬の末、沈渡が介入し、来羅敷に致命の一撃を与える。驚く一同――来羅敷が武芸に長けた人物だったことが露わとなる。顔幸沈渡は確信する。彼女こそ、かつて対峙した謎の剣士であったのだ。だが来羅織は、姉が過去の傷を隠すため西域の秘薬を用いていたことを暴き、冷然と見捨てて立ち去った。

その後、顔幸沈渡のために料理を用意しようとするが、太皇太后に呼び出される。彼女は「沈渡はお前を心から想っている。大切な人を何より大切にせよ」と諭し、顔幸の胸に深く刻まれる言葉を残した。

だが安らぎは束の間。顔家からの急報により呼び戻された顔幸は、張相と対面する。張相は「沈渡との婚姻の本懐を忘れるな」と迫り、沈府の内情を逐一報告せよと命じる。顔幸は拒みつつも、南方で新たな手がかりを得たと告げる。怒りを募らせる張相の前に沈渡が現れ、「妻を詮索する必要はない。問題があれば私に問え」と断言し、顔幸を伴ってその場を去るのだった。

陰謀渦巻く宮廷と裏社会の狭間で、顔幸沈渡の絆はますます試されていく。

 

第34話 あらすじ

崩れゆく家族の絆、仕組まれた罠

顔幸の実家では、父の強硬な態度に反発した母と兄姉たちが、彼女を必死にかばう。「家族を犠牲にして他人のために尽くすなど間違っている」と声を荒げ、母は顔幸の好物を手ずから作り、温かな思いを託した。顔幸は家族を誘い、穏やかな日差しの下で散歩を楽しむ。恐れる彼らに「沈渡は人を食ったりしない」と笑い、夫と共に餃子を包む姿は、嵐の前のひとときの安らぎに満ちていた。

一方その頃、太皇太后は先帝の肖像画の前で独り言を漏らす。己の歩んできた道に誤りはないと自らを納得させるも、孤独は深く沈殿していた。そこへ徐婉たちが戻り、共に食卓を囲む。太皇太后は、普通の民のように冬至を過ごす温もりに、失ったものの重さを噛みしめるのだった。

その陰で、陸垂垂江郎行は街を巡り、雪だるまを作ってはしゃぐ無邪気な時間を過ごす。しかし、その姿を来羅織が陰鬱な眼差しで見つめていた。二人が去った後、彼は陸垂垂の雪だるまだけを大切に抱え帰り、江郎行の雪だるまは踏み潰す。溶けゆく雪に「自分のものは誰にも渡さない」と呟く来羅織の心は、執着と狂気に支配されていく。

やがて来羅織太皇太后を訪ね、顔幸張相の命で沈渡を監視していると吹き込む。驚く金蔵が思わず顔幸を擁護するが、太皇太后は不機嫌を露わにし、長年政務に口を出さなかった彼が初めて異を唱えたことを咎める。さらに来羅織は、都で流布する童謡が太皇太后の摂政を風刺しており、それが金蔵の新曲に歌詞をつけたものだと告発。動揺する金蔵の弁明も空しく、太皇太后賢王を屋敷に幽閉し、金蔵を御察司に拘束させる。

御察司の手は顔府にも及び、顔幸の母が連行される。必死に助けを求める母の声に駆けつけた顔幸は、父たちが沈黙を守り続ける姿に激怒。「皆が来羅織を恐れるなら、私が救いに行く」と決意を固める。陸垂垂江郎行もそれぞれ彼女を案じて動く中、張相を訪ねた顔幸は「私は太皇太后に直訴できる立場ではない。ただの小役人に過ぎない」と己を律する。張相はその答えに憤るが、同時に顔幸の心に潜む誠実さを悟るのだった。

しかし陰謀の渦は止まらない。帰途についた陸垂垂の前に、来羅織の影が迫る。冷徹な手が、彼女を捕らえて闇へと引きずり込む――。

 

第35話 あらすじ

血に染まる真実、崩れゆく絆

陸垂垂は突然、来羅織に連れ出される。そこには婚礼衣装と結納品が整えられており、来羅織は彼女との結婚を強行しようとしていた。江郎行との婚約を告げる陸垂垂に対し、来羅織は「たとえ結婚していようと離縁すればよい」と迫り、愛を一方的に押し付ける。涙を流す陸垂垂を前に、来羅織は強引さを抑え「お前が心から望む日を待つ」と告げるが、その執着は狂気にも似ていた。

一方その頃、顔幸の母が解放され、顔幸は安堵する。しかしそれは、張相の助言を受け沈渡が上奏文を提出した結果であった。家族の中で唯一声を上げた母の姿に、顔幸は複雑な思いを抱く。だが、事態はさらに悲劇へと進む。楽師・金蔵は街中で晒し者にされ、来羅織の策略で賢王を陥れる冤罪を着せられていた。必死に無実を訴える金蔵は、最後に血書を顔幸に託し、自ら剣を取って命を絶つ。母は衝撃で倒れ、顔幸は怒りと悲しみに震える。

その報を受けた太皇太后は「命を奪えとは決して言っていない」と動揺するが、沈渡は「これは来羅織が好機を狙い金家を陥れたもの」と喝破。太皇太后は調査を内衛府に引き継がせ、来羅織の権限を剥奪した。やがて沈渡のもとに届けられた金蔵の未完の楽譜から、太皇太后は長年寄り添ってきた彼の忠義を思い知り、深い後悔を滲ませる。そして「この件が終われば、ずっと求めてきた答えを与えよう」と沈渡に約束するのだった。

一方、江郎行は必死に陸垂垂を探すが、手掛かりを阻むように来羅織の屋敷に誘い込まれる。そこに現れた徐想仁は、巧みに来羅織を牽制し陸垂垂を救出するが、彼女の行方は闇に消える。実は来羅敷陸垂垂を逃がし、「あの男には永遠に渡さぬ」と誓っていたのだ。

陸垂垂は再会した顔幸たちに、墓地で目撃した不審者が来羅織であり、さらに彼の屋敷で見た冠服に饕餮の刺繍が施されていたと明かす。その頃、徐想仁は単身で来羅織のもとへ冠服を奪いに向かい、沈渡に「もし自分に何かあれば雲雀を託す」と言い残す。ついに来羅織の正体を暴く決定的な証拠が、命を懸けた者たちの手に委ねられようとしていた――。

血に塗られた犠牲、交錯する忠義と裏切り。
そして執念に縛られた愛の果てに待つものは、真実か、それともさらなる悲劇か。

 

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