孤高の花 ~General&I~

孤高の花 ~General&I~

孤高の花 ~General&I~ 33話・34話・35話・36話 あらすじ

孤高の花 ~General&I~ 2017年 全62話 原題:孤芳不自赏  General and I

第33話「張貴妃の悪事、ついに露見――晋王が仕掛けた逆転劇」

東山別院で何侠と対峙する白娉婷は、楚北捷の死を告げられ一度は大きな衝撃を受ける。しかし気丈な彼女はすぐに冷静さを取り戻し、「楚北捷は絶対に死んでいない」と断言する。たとえ司馬弘が白娉婷を憎む理由を持っていたとしても、国家を支える忠臣である楚北捷だけは決して殺さないはずだと信じていた。

何侠は世の中に不死の人間などいないと反論する。楚北捷には皇子暗殺未遂や謀反の疑いがかけられており、その罪だけでも死刑は免れないと言う。そして何侠は、もはや楚北捷という存在を忘れ、自分と共に東山を離れようと白娉婷を誘う。かつてのように冬灼と共に暮らし、琴を奏で、剣を交え、馬を駆る日々へ戻ろうと語りかける。

しかし白娉婷は首を横に振る。そして何侠に一つの賭けを持ちかける。宮中へ使者を送り、楚北捷の生死を確かめる。往復で二日あれば結果が分かるという。もし楚北捷が生きていたなら何侠は軍を引き揚げること。逆に本当に楚北捷が死んでいたなら、自分は何侠と共に去る――。何侠はその条件を快く受け入れる。十五年もの歳月を待ち続けたのだから、あと二日待つことなど苦ではなかった。

一方その頃、天牢に囚われた楚北捷は不吉な夢を見る。炎に包まれた東山別院の中で、白娉婷が助けを求めているのである。飛び起きた楚北捷は胸騒ぎを覚え、何としても東山へ戻らなければならないと決意する。

その頃の東山別院では、白娉婷がこれまでの出来事を改めて整理していた。そしてある重大な矛盾に気づく。以前、醉菊は張貴妃の脈を診た際、妊娠している女性の脈ではないと断言していた。もし張貴妃が妊娠していなかったのなら、突然現れた「皇子」は一体誰なのか。

白娉婷はすべての謎が一本の線でつながるのを感じる。つまり張貴妃は偽の皇子を利用して楚北捷に罪を着せたのだ。皇子が司馬弘の実子でない以上、楚北捷に謀反や暗殺の罪は成立しない。

白娉婷は直ちに楚漠然を呼び寄せ、宮中へ向かわせる。そして司馬弘に対し、張貴妃と皇子の血縁関係を調べる滴血認親を行うよう伝えるのであった。

その一方で東山別院の兵糧事情は厳しさを増していた。食糧不足に苦しむ将兵たちのため、何侠は大量の食料や肉を送り届ける。さらに白娉婷が幼い頃に好んでいた玩具まで差し出す。その心遣いに白娉婷は複雑な思いを抱く。

かつて十五年の情を盾に何侠を縛ってきたのは自分だった。しかし今は逆に、何侠が十五年の思い出を武器に自分を引き寄せようとしている。長い年月の中で二人とも変わってしまったことを、白娉婷は痛感するのだった。

一方、天牢ではついに楚北捷への処刑命令が下される。太監総管が聖旨を読み上げるが、楚北捷は牢の外からでは勅命を受け取れないと言葉巧みに誘導し、牢の扉を開かせる。そして一瞬の隙を突いて脱獄に成功する。

楚北捷はその場に「張氏の野望は終わっていない。陛下、どうかご自愛を」という書き置きを残し、東山へ向かう。

しかし司馬弘はすでに先手を打っていた。楚北捷脱獄の事実を秘匿するとともに、臣牟率いる部隊へ密命を送る。楚北捷を発見した場合は殺してはならず、生け捕りにすること。また東山の状況は一切知らせず、何侠には「楚北捷はすでに処刑された」と伝えよと命じる。

東山を目指した楚北捷は途中で伏兵に遭遇する。相手はかつて共に戦った仲間たちだったため、本気で斬りかかることができない。その隙を突かれ、鉄の檻に閉じ込められ再び捕らえられてしまう。

宮中では司馬弘の体調が急激に悪化していた。吐血した皇帝のもとへ李太医が呼ばれるが、それを見た張貴妃は絶好の機会だとほくそ笑む。彼女はすでに自分が皇太后となり、権力の頂点に立つ未来を夢見ていた。

ところがその夜、張貴妃の前に思いもよらぬ人物が現れる。

なんと司馬弘本人が密かに芳沁殿へやって来たのである。

司馬弘は周囲を退けると、なぜ張貴妃だけが今まで生かされてきたのか分かるかと問いかける。張貴妃は皇子の母だからだと答えるが、司馬弘は即座に否定する。そして鋭い眼差しで、その皇子は本当に自分の子なのかと問い詰める。

さらに李太医との密通についてもすべて把握していることを明かす。後宮という禁断の場所での不義密通が、皇帝の許可なく行われるはずがない。つまり司馬弘は以前から張貴妃を監視し続けていたのだった。

張貴妃の顔色は一変する。

司馬弘は彼女の罪を次々と挙げる。外敵との内通、皇子殺害、忠臣への冤罪、国家転覆の企て――どれも死罪どころか凌遅刑に値する大罪ばかりだった。

追い詰められた張貴妃はついに開き直る。司馬弘を「老獪な狐」と罵り、自分の計画が完璧ではなかったことだけが悔しいと言い放つ。

そして最後に、司馬弘へ最も残酷な真実を突き付ける。

王后は悲しみのあまり亡くなったのではない。

自分が手にかけたのだ――。

張貴妃は王后を自らの手で窒息死させたと告白する。

第33話の見どころ

第33話は、これまで張貴妃が張り巡らせてきた陰謀が一気に崩れ始める転換点となる回です。白娉婷が卓越した知略で「偽皇子」の真相へ辿り着く展開は非常に痛快であり、楚北捷の脱獄劇も緊迫感に満ちています。そして何より見どころは、司馬弘が実はすべてを見抜いていたことが明らかになる終盤の逆転劇です。張貴妃と司馬弘の心理戦は圧巻で、長く続いた宮廷陰謀劇がついに決着へ向かい始めます。また、何侠と白娉婷の十五年に及ぶ複雑な情愛も丁寧に描かれ、主人公カップルの揺るぎない信頼と一途な絆が改めて際立つ見応え十分の一話となっています。

 

第34話 「血染めの東山 ― 奪われた愛と復讐の誓い ―」

張芸児(張貴妃)はついに正体を暴かれ、晋王・司馬弘の前で狂気にも似た笑みを浮かべる。これまで数々の陰謀を巡らせ、王后を殺害し、偽りの皇子を利用して朝廷を混乱させてきた彼女は、自らの罪を隠そうともせず、むしろ司馬家を絶やすことができたと信じて満足げだった。怒りに震える司馬弘は張芸児を激しく叱責し、王后を殺した事実を聞かされると怒りを抑えきれず彼女を打ち据える。しかし張芸児はなおも不敵に笑い続け、自分の復讐が成功したと信じて疑わない。

そんな彼女に対し、司馬弘は一つの真実を告げる。それは楚北捷が実は司馬家の血を引く実弟であり、本名は司馬北捷であるという秘密だった。つまり司馬家の血統は絶えておらず、張芸児の執念深い復讐は完全には成功していなかったのである。その事実を知った張芸児は初めて表情を失い、自らの野望が崩れ去ったことを悟る。死を望む彼女に対し、司馬弘は即座に処刑することを拒み、「自分が死ぬその日まで生きて罪を償え」と言い渡すのだった。

一方その頃、楚漠然は王宮の外で必死の訴えを続けていた。額から血を流しながら何度も叩頭し、楚北捷の無実を証明してほしいと晋王に願い出る。そして張貴妃の妊娠が偽りであることを伝え、滴血認親による真相究明を求めた。司馬弘はすでに全てを把握していたが、自らの計画を遂行するため沈黙を守り続ける。

東山別院では、白娉婷がいつも通り穏やかな時間を過ごしていた。彼女は朝から山へ花を摘みに出かけ、楚北捷の帰還を信じて疑わなかった。何侠はそんな彼女を見て皮肉を口にするが、娉婷は「今日こそ王爺が帰ってくる」と確信していた。花を飾り、酒を用意し、愛する夫との再会を待ち続けるその姿には揺るぎない信頼があった。

やがて宮中からついに正式な知らせが届く。司馬弘は楚北捷の罪を取り消し、無実を認めたのである。そして楚漠然に軍牌を授け、龍虎営へ向かい楚北捷を解放するよう命じた。知らせを受けた楚漠然は歓喜し、急いで救援へ向かう。

しかし運命はあまりにも残酷だった。

何侠のもとには偽の情報が届けられていた。そこには「楚北捷はすでに処刑された」と記されていたのである。さらに白娉婷との二日間の約束の期限も訪れていた。何侠は娉婷を連れ去る決意を固め、軍を率いて別院へ向かう。

一方、娉婷は絶望の中にいた。もし楚北捷が本当に死んだのであれば、自分も生きる意味はない。彼女は毒酒を手に取り命を絶とうとする。しかしその瞬間、お腹の子が力強く胎動した。楚北捷との愛の証である新しい命が、まるで母を呼び止めるかのように動いたのである。

その時、醉菊や守備兵たちが部屋へ駆け込み、娉婷を制止した。彼らはすでに覚悟を決めていた。何侠に白娉婷を渡せば全てが終わる。だからこそ、自分たちが命を懸けてでも彼女を守ると誓う。娉婷は彼らを止めようとするが、醉菊は彼女に薬を飲ませ、一時的に身体を動かせなくしてしまう。娉婷は涙を流しながら、自分のために死地へ向かう仲間たちを見送るしかなかった。

その頃、楚北捷はようやく自由の身となり、龍虎営の将兵を率いて東山へ急行していた。途中で別院が包囲されていることを知り、一刻も早く妻を救おうと馬を飛ばす。しかし何侠軍は圧倒的な戦力で守備兵たちを次々と討ち取り、ついに別院を制圧する。

何侠は白娉婷の部屋へ踏み込み、抵抗できない彼女を抱き上げる。醉菊は娉婷を一人にできないと訴え、自らも同行を願い出る。何侠はそれを許し、娉婷と醉菊を連れて東山を去っていった。

そして楚北捷はついに東山別院へ到着する。

しかし、すべては遅すぎた。

彼の目の前に広がっていたのは、かつて平和だった別院ではなく、無数の亡骸が横たわる惨状だった。仲間たちは皆、白娉婷を守るために命を落としていた。楚漠然は必死に捜索するが、娉婷の姿はどこにもない。

愛する妻は連れ去られ、忠義の兵たちは全滅した。

その光景を前に、楚北捷の胸には悲しみと怒りが燃え上がる。彼は亡くなった将兵たちを弔いながら、涙をこらえて誓う。今日ここで命を落とした者たちは、自分と妻、そしてまだ生まれていない子どもを守るために戦ったのだと。そして彼らの犠牲を決して無駄にはしないと誓う。

「白蘭は我が兵を殺し、我が妻子を奪った。この恨みを晴らさずして、楚北捷は男ではない。」

こうして楚北捷は再び戦いの道へと引き戻される。愛する妻を取り戻すため、そして東山別院で散った仲間たちの仇を討つために――。物語はついに、楚北捷と何侠による避けられぬ最終決戦へ向かって大きく動き始めるのだった。

 

第34話 見どころ

① 張貴妃の陰謀、ついに完全露見

司馬弘の前で張貴妃がこれまで隠してきた罪の数々を暴かれる場面は圧巻です。王后殺害の真相や偽皇子の企みなど、長く続いた陰謀が一気に明らかになり、物語の大きな転換点となります。さらに司馬弘が明かす「楚北捷の本当の出生」も大きな衝撃を与えます。

② 白娉婷の絶望と母としての決意

楚北捷の死を信じ込まされた白娉婷は、生きる希望を失い自害を決意します。しかし、その瞬間に感じた胎動によって思いとどまります。愛する夫との子を守ろうとする母としての強さが描かれた感動的な場面です。

③ 東山別院の壮絶な最終防衛戦

楚漠然や醉菊、そして東山別院の守備兵たちは、圧倒的な兵力差を知りながらも白娉婷を守るため決死の覚悟で戦います。仲間たちの忠義と犠牲は、本作屈指の涙を誘う名場面となっています。

④ 何侠と白娉婷、運命の再会

何侠はついに東山別院へ到達し、白娉婷と対面します。かつて深く愛した女性を前にした何侠の複雑な感情と、楚北捷への想いを貫く白娉婷の姿勢が鮮明に描かれます。二人の過去と現在が交錯する見応えのあるシーンです。

⑤ 楚北捷、怒りの帰還

無実が認められた楚北捷は急ぎ東山へ戻りますが、目の前に広がっていたのは仲間たちの亡骸と消えた妻の姿でした。深い悲しみの中で復讐を誓う楚北捷の姿は、今後の物語の大きな原動力となります。

⑥ ついに始まる楚北捷と何侠の最終対決

愛する妻を奪われ、多くの仲間を失った楚北捷。一方、白娉婷を連れ去った何侠。二人の因縁はもはや和解できない段階へと進みます。第34話は、物語終盤最大の対決へ向けた重要な幕開けとなる回です。

第34話総評

第34話は「陰謀の決着」と「新たな戦いの始まり」が同時に描かれる重要回です。張貴妃の失脚、白娉婷の拉致、東山別院の壊滅、そして楚北捷の復讐の誓いと、終盤へ向けて一気に物語が加速します。涙と怒りが交錯する、シリーズ屈指の重厚なエピソードとなっています。

 

第35話 奪われた愛、迫り来る戦火

東山別院を壊滅させた何侠は、ついに白娉婷を白蘭へ連れ帰ることに成功する。しかし、その勝利は彼が思い描いていたような喜びに満ちたものではなかった。

道中、冬灼は主君に対し、白娉婷を白蘭へ連れ帰った後のことを真剣に案じていた。耀天公主という正妻がいる以上、このままでは朝廷にも大きな波紋が広がる。だが何侠は意に介さず、自分のそばに娉婷がいることこそが最善の結末だと言い切る。彼にとって白娉婷は、幼い頃から抱き続けてきた執着と愛情の象徴であり、その想いは今や理性では制御できないほど膨れ上がっていた。

一方の白娉婷は深い悲しみの中にいた。自分を守るために命を落とした東山別院の将兵たちの姿が脳裏から離れない。さらに楚北捷の生死も分からないままである。もし本当に楚北捷が亡くなったのなら、自分が生き続ける意味はない。東山別院も失われ、家も仲間も失った今、彼女の心は絶望に支配されていた。

そんな彼女に対し、何侠は過去の思い出を語り、かつての関係に戻りたいと願う。しかし白娉婷は冷静だった。人は変わり、過去は戻らない。何侠の中で膨れ上がる欲望こそが彼自身を滅ぼすことになると告げる。その言葉は何侠の胸に突き刺さるが、彼はなおも娉婷への執着を捨てられない。

その頃、何侠一行は河畔で休息を取っていた。そこへ飛照行が現れ、ある重大な情報をもたらす。燕王が前方で伏兵を配置し、何侠を討ち取って白娉婷を奪い返そうとしているというのだ。何侠はすぐにその背後に燕王后の存在を見抜く。燕王と王后はそれぞれ異なる思惑で動いており、宮廷内部でも権力争いが続いていた。

王后は何侠との関係修復を望んでいたが、何侠は敬安王府を滅ぼした過去の恨みを忘れていない。報せへの礼は述べるものの、決して燕王后を信用することはなかった。そして何侠は進路を変更し、燕軍の待ち伏せを回避する。

しかしその結果、伏兵と遭遇したのは楚北捷率いる部隊だった。楚北捷は敵軍を撃退したものの、何侠がすでに別の道を進んでいることを知る。追撃は不可能と判断した彼は即座に方針を変更し、都へ戻る決断を下す。

彼の決意はただ一つだった。

「白蘭を攻める。」

たとえ国境を越え、戦争になろうとも、白娉婷を取り戻す。そのためなら白蘭全土を捜し尽くす覚悟だった。

一方、燕王宮では豪華な宴が開かれていた。国丈は域外から名高い楽師や舞姫を招き、燕王の機嫌を取ろうとする。しかし燕王は終始不機嫌なままだった。王后も不満を隠せず、宮廷内の不穏な空気はますます強まっていく。

その理由は、何侠の奪還作戦が失敗したことだった。派遣した部隊は何侠を捕らえるどころか、楚北捷軍と衝突して損害を受けてしまったのである。

一方、大晋では楚北捷の出兵計画に反対する声が噴出していた。群臣たちは、個人的な感情で戦争を起こすべきではないと主張する。大晋は内乱や桑蚕事件の後始末で疲弊しており、新たな戦争に耐えられる状況ではなかった。

しかし司馬弘は静かに筆を取り、一枚の絵に数筆を加える。そしてその絵を楚北捷へ届けるよう命じる。そこには言葉ではなく、兄として弟へ託す思いが込められていた。

やがて何侠は白蘭へ帰還する。耀天公主は彼に驚くべき事実を伝える。楚北捷は死んでおらず、官位も回復し、さらに三十万の兵を率いて白蘭へ向かっているというのだ。

ここで何侠はようやく悟る。

自分が信じていた楚北捷処刑の情報は、すべて司馬弘が仕組んだ策だったのである。

だが何侠は恐れなかった。むしろ白蘭の軍備は以前とは比較にならないほど強化されている。宮廷闘争で殺せなかったなら、戦場で決着をつければよい。そう考える彼は楚北捷との宿命の対決を待ち望むようになっていた。

そして白娉婷は白蘭の辺境にある別院へ幽閉される。だが彼女には何よりも守らなければならない秘密があった。

それは楚北捷との子を身ごもっていること。

もし何侠に知られれば、その子の命も危険にさらされるかもしれない。白娉婷は醉菊に頼み、鍼治療によって脈を偽装し、医官の診察でも妊娠が発覚しないよう細工を施す。

こうして彼女は愛する人との子を守るため、新たな戦いに身を投じていくのだった。


第35話 見どころ

① 白娉婷を巡る何侠の執着

何侠がすべてを失う覚悟で白娉婷を連れ帰る姿から、愛情と執念が紙一重であることが描かれます。

② 白娉婷の深い喪失感

東山別院の仲間たちを失い、楚北捷の生死も分からない中で苦しむ白娉婷の姿が胸を打ちます。

③ 楚北捷の決意

追撃を断念しながらも、「白蘭を攻めてでも妻を救う」と決意する場面は圧巻です。

④ 燕王宮の権力争い

燕王、王后、国丈それぞれの思惑が交錯し、国際情勢の複雑さが浮き彫りになります。

⑤ 司馬弘の静かな支援

表立っては動かないものの、楚北捷を支える司馬弘の姿に兄弟としての絆が感じられます。

⑥ 白娉婷が守る新たな命

妊娠を隠し通そうとする白娉婷の決意は、今後の物語を大きく左右する重要な伏線となります。

第35話総評

第35話は「喪失」と「決意」が中心となる回です。白娉婷は故郷と仲間を失い、何侠は愛を得ながらも心を得られず、楚北捷は妻を奪われた怒りを抱えて戦争への道を歩み始めます。それぞれの登場人物が後戻りできない場所まで進んだことで、物語は個人の愛憎を超え、国家を巻き込む大戦へと発展していきます。終盤へ向けた重要な橋渡しとなる、緊張感あふれる一話です。

 

第36話 白娉婷、白蘭王宮へ――耀天公主と何侠の静かな駆け引き

何侠は白娉婷を白蘭へ連れ帰ったものの、その存在を公にするつもりはなく、郊外の別院へ密かに匿っていた。しかし耀天公主はすでに何侠の行動を疑っており、帰路の途中で密かに全城へ監視網を張り巡らせる。一方の何侠も別院の警備を強化し、白娉婷の居場所が外部へ漏れないよう厳戒態勢を敷いた。

白娉婷は自身の妊娠を隠すため慎重に行動していた。冬灼に薬を買わせるが、何侠は薬方を確認し、異常がないことを確かめる。とはいえ何侠自身も、耀天がすでに白娉婷の存在に気付いていることを悟っていた。彼にとって耀天は命を救ってくれた恩人であり、公主として支えてくれる存在である。一方、白娉婷は長年忘れられない女性だった。何侠は二人のどちらも失いたくないという欲望を抱え、苦悩する。

その頃、楚北捷のもとには司馬弘から送られた一枚の絵「猛虎下山図」が届けられる。虎の爪には一本の鳳凰簪が描かれており、楚北捷はその意味を即座に理解する。虎は自分、簪は耀天公主を示していた。つまり司馬弘は白蘭の都を直接攻略し、戦争を早期決着させるよう示唆していたのである。

一方、耀天の侍女・緑衣は白娉婷の居場所を突き止める。驸馬府と関係する郊外の別院に白娉婷がいること、さらに病に伏していることを報告した。侍女は何侠の裏切りに憤るが、耀天は意外にも冷静だった。彼女は嫉妬や怒りを表に出さず、「白娉婷は驸馬の客人であり、白蘭の客人でもある」と語る。

やがて耀天は大胆な行動に出る。白娉婷を別院から驸馬府へ移し、自らの監視下に置くことを決めたのである。

白娉婷は妊娠を隠すため、醉菊の鍼治療を受け続けていた。医師が診察しても喜脈は見つからず、水土不服と体調不良による衰弱と判断される。こうして妊娠の秘密は辛うじて守られた。

突然の展開に何侠は戸惑う。耀天が驸馬府へ現れると、彼は白娉婷を「昔の侍女で、身寄りがなく気の毒だから保護しているだけ」と説明した。しかし耀天は怒るどころか笑顔で応じる。

「天下に名高い白娉婷に会える機会を与えてくれたことに感謝する」

そう語る耀天の態度は寛大そのものだった。しかし何侠には、その言葉の裏にある鋭い警告が理解できた。耀天はすべてを知った上で、あえて表立って責めていないのである。

その夜、耀天は宴席を設けるよう命じる。何侠は、これは白娉婷を自分の手で送り出させるための圧力だと悟る。しかし彼はなおも白娉婷を手放すつもりはなかった。

その頃、白蘭朝廷では楚北捷率いる晋軍の進軍が大きな問題となっていた。貴丞相は「一人の女性を巡って両国が戦争するなど馬鹿げている」として、白娉婷を速やかに晋へ返還するよう提案する。しかし耀天はその意見を退けた。

彼女は、晋軍が白蘭を攻めてきた以上、この戦いは避けられないと断言する。そして勝利によって白蘭の威信を天下へ示すべきだと宣言したのであった。


第36話 見どころ

● 耀天公主の器の大きさ

普通なら激怒してもおかしくない状況でありながら、耀天は冷静沈着に対応する。感情ではなく国家と政治を優先する姿が印象的。

● 何侠の執着と葛藤

耀天も白娉婷も失いたくない何侠。彼の欲望と未練がますます大きくなり、後の悲劇を予感させる。

● 白娉婷の妊娠という最大の秘密

醉菊の鍼術によって妊娠が隠される展開は緊張感抜群。もし発覚すれば白蘭宮廷は大混乱となる。

● 司馬弘の「猛虎下山図」

絵一枚で楚北捷に作戦を伝える名場面。司馬弘と楚北捷の深い信頼関係が感じられる。

● 白蘭国内の不穏な空気

貴丞相と耀天の意見対立が鮮明になり、白蘭内部にも大きな亀裂が生まれ始める。


総評

第36話は大規模な戦闘こそないものの、白娉婷・何侠・耀天の三角関係が本格的に表面化する重要回である。特に耀天公主の冷静さと政治的手腕が際立ち、単なる嫉妬深い王女ではないことが描かれている。また白娉婷の妊娠という爆弾を抱えたまま、楚北捷の大軍が白蘭へ迫る状況となり、物語は戦争と愛憎が交錯する新たな局面へ突入する。次回は楚北捷の進軍と白蘭側の迎撃体制が本格化し、運命の衝突が目前に迫る。

 

孤高の花 ~General&I~ 37話・38話・39話・40話 あらすじ

孤高の花 ~General&I~ 各話あらすじとキャスト・相関図

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