大奉打更人(だいほうだこうにん)-正義の銅鑼と王朝の闇- 2024年 全40話 原題:大奉打更人
第5話の見どころ
監正から贈られた謎の刀を手にした許七安は、打更人の首領・魏淵と接触する。一方、雲鹿書院では「劝学詩」を巡って二人の大儒が争うほど、許七安の詩才が注目を集める。だが周家の監視は続いており、許七安は戸部侍郎・周顕平の弱点を探るため、教坊司の花魁・浮香へ接近する。
第5話のあらすじ
監正から刀を贈られた許七安は、それが単なる贈り物ではなく、自分への警告や試験なのではないかと警戒する。試しに刀を抜いてみると、刀は突然ひとりでに飛び出し、まるで意思を持つかのように彼のもとへ戻ってきた。
その後、許七安は打更人の首領・魏淵と出会う。宋卿から許七安について聞いた魏淵は、彼がただ者ではないことを感じ取る。宋卿も「面白い人物だ」と評価し、もし別の道に進んでいれば、いずれ史書に名を残していたかもしれないと語る。
その頃、監正、魏淵、長公主・懐慶、雲鹿書院の院長らも、ある一首の詩について話していた。彼らが耳にした詩は非常に優れていたが、院長によれば作者は名のある文人ではなく、長楽県の一介の快手だという。高名な人物たちは、その意外な事実に驚きを隠せない。
一方、許七安と許新年は雲鹿書院へ向かうため馬に乗っていた。道中も二人は軽口を叩き合いながら進み、許七安は馬では遅すぎると不満を漏らす。
書院に到着すると、張慎と李慕白は許七安の訪問を大いに喜ぶ。許七安は家の女たちが周家から狙われていることを考え、彼女たちを一時的に書院へ避難させられないかと相談する。雲鹿書院にはそのような前例はないものの、過去には皇族が身を寄せたこともあるため、二人の大儒は方法を考える。
その代わり、二人は許七安に「劝学詩」を二十首作るよう求める。許七安は快く引き受けるが、許新年は二十首もの詩を本当に書けるのかと驚く。
そこで許七安は現代で覚えていた古詩を思い出し、何とか二十首を書き始める。ただし、彼が覚えているのはどれも前半部分だけだった。完成した詩を見た李慕白は、半分しかないことを問題にせず、自分たちで続きを補うと評価する。
ところが二人の大儒は、その詩をどちらが受け取るかで激しく争い始める。ついには取っ組み合いになるほどの騒ぎとなり、院長まで駆けつける。二人が「詩を巡って争っている」と知った院長は、四品の君子ともあろう者が名利を捨てられないのかと厳しく叱責する。二人はさすがに反省し、詩を独占することを諦める。
帰宅途中、許新年は兄のやり方に感心していた。最初から詩を全て渡さず、半分だけ渡すことで、大儒たちに詩を独占させず、それでいて家族の避難先も確保したと思ったのだ。しかし許七安は、本当に古い書物から覚えただけで、単純に半分しか記憶していないのだと説明する。許新年は改めて兄に感謝する。
ところが帰宅した許七安たちは、周家の者に尾行されていることに気づく。許平志は周辺の警戒を強めるよう手配する。食事の席では、許七安が許玲月と李茹に贈った装飾品を渡し、二人を喜ばせる。
許新年は、雲鹿書院が拡張募集を行っているため、二人の妹にも入門の機会を与えたと話す。しかし自分だけでは二人を守りきれないため、李茹にも一緒に行ってほしいと頼む。李茹はすぐに了承するが、それが周立の件を心配してのことだと察する。
許七安もその通りだと認める。李茹は二人の娘を守ることを約束し、許平志と許七安には家のことを気にせず戦うよう背中を押す。また、家に残した金があるので、必要なら使っていいとも伝える。
その後、許平志は周立を尾行した結果を報告する。周立は人目につかない屋敷へ入り、そこには数人の使用人と一人の女性がいたという。さらに周立は教坊司の花魁・浮香と親しい関係にあることも分かる。許七安は、浮香のもとに周立の秘密や弱点につながる情報があるのではないかと考える。
しかし家族全員が教坊司へ行った経験はない。そこで許七安が一人で乗り込むことになる。書生を装って教坊司へ向かったものの、入るには金が必要だった。
すると街中で投壺の賞品を懸けた店を見つける。許七安は三本の矢をすべて命中させるが、賞品として渡されたのは小さな鏡だった。金や銀が欲しいと訴えるも、店主は規則だからと応じない。
そこへ一人の家丁が現れ、許七安にある頼みを持ちかける。投壺で菩提珠を取ってくれれば六百両を支払うというのだ。許七安は迷わず依頼を引き受け、見事に成功。こうして教坊司へ入るための金を手に入れる。
ようやく教坊司へ入った許七安だったが、しばらくすると、なぜか許新年と許平志まで姿を現す。こうして周立や浮香を探るはずだった教坊司で、許家の男三人が鉢合わせするという思わぬ事態が起こる。
第6話の見どころ
周立を追い詰めるため、許七安は意外な人物・張雲鷹を利用した大胆な策に出る。玉石の小鏡を使った奇策によって周家を窮地に追い込む一方、許七安の行動は打更人の目にも留まっていた。やがて魏淵から打更人への加入を誘われ、人生の新たな扉を開くことになる。
第6話のあらすじ
教坊司で鉢合わせした許七安、許新年、許平志は、互いに「自分は遊びに来たわけではない」と弁解し合う。これまで三人とも教坊司には行かないと言っていたため、顔を合わせたこと自体が気まずい。しかし、それぞれ浮香から情報を得るために来たのだと説明し、何とかその場を取り繕う。
この日の教坊司では対句を披露する催しが行われていた。現代で覚えていた古詩を利用してこれまで何度も危機を切り抜けてきた許七安だが、自分で対句を作ることには自信がない。許新年たちも同様で、隣の公子が見事な対句を書いて浮香に選ばれそうになると、許七安は焦り始める。このままでは浮香から情報を聞き出すことができない。
そこで許七安は、とっさに「疏影横斜水清浅、暗香浮動月黄昏」という名句を記す。梅を詠んだ有名な詩句だが、そこには「浮香」という名を巧みに連想させる意味も込められていた。浮香はその趣向を気に入り、許七安を自分のもとへ招く。
二人きりになった許七安は、これほど多くの客に慕われている浮香なら、身請けを希望する者も多いのではないかと尋ねる。しかし浮香は、教坊司の女性は金さえ払えば自由になれるわけではないと語る。そこで許七安は、戸部侍郎の息子である周立なら身請けも難しくないのではないかと探りを入れる。
ところが浮香は、周立には文才がなく、好意を抱いてはいないと答える。そのうえで、昨年の元宵節に起きた出来事を教える。周立がある女性を気に入った際、同じ女性に武威侯の次男・張雲鷹も目をつけ、二人が激しく争ったというのだ。
許七安はこの話から、周立と張雲鷹の対立を利用できると考える。家へ戻ると許新年たちに事情を話し、張雲鷹を周立とぶつける策を提案する。しかし張雲鷹は武威侯の息子であり、簡単に連れ去ることなどできない。昼間なら人目につき、夜なら警備が厳しい。
そこで許七安は、以前手に入れた玉石の小鏡に目をつける。まず許平志を実験台にして小鏡を使うと、許平志の姿は鏡の中へ吸い込まれ、戻ってきた後にはその間に何が起きたのか全く覚えていなかった。これなら誰にも気づかれず張雲鷹を移動させられる。
翌日、計画を実行する。許平志が張雲鷹たちの注意を引いている隙に、許七安は密かに馬車へ忍び込み、玉石の小鏡を使って張雲鷹を吸い込むことに成功する。その後、許七安と許新年はわざと周囲に聞こえるように会話し、まるで周立が張雲鷹を誘拐したかのような状況を作り上げる。さらに監禁場所の警備を意図的に緩くしておき、張雲鷹が自力で逃げ出せるよう仕向けた。
計画は見事に成功する。逃げ出した張雲鷹は、自分を誘拐したのは周立だと訴え、武威侯は怒りのあまり武装して宮中へ赴く。そして皇帝に公正な裁きを求める。この騒動は長公主・懐慶の耳にも入るほど大きな事件となった。
一方、周立は刑部や大理寺などを次々と移送されることになる。許平志は周立の動向を追いながら情報を集めるが、あまりにも騒ぎが大きくなったため、詳しい事情を聞く余裕もない。牢に入れられた周立自身は意外にも落ち着いていた。いざとなれば誰かを身代わりにすればよく、その候補として許七安を利用すればいいと考えていた。
その頃、許七安は司天監の宋卿を訪ねていた。宋卿は人間と馬を融合させる方法を研究しており、許七安はそれが生物学的に不可能だと指摘する。種が異なるため生殖隔離が存在するという現代の知識を説明し、さらに詳しい方法を教える代わりに、宋卿が欲しがる知識と交換することを提案する。宋卿も許七安との「等価交換」の関係を理解する。
やがて捜査は決着し、周立と父親の周顕平はともに流刑となる。許家を脅かしていた大きな障害が取り除かれたのだ。
しかし許七安は、ここに留まり続ければ許家を巻き込んでしまうと考え始める。そこで江南へ行くことを決意する。旅立つ前には、宋卿に約束していた知識をまとめた秘伝書を渡し、宋卿を大いに喜ばせる。
さらに許七安は采薇と協力し、司天監でオークションを開催する。現代の知識を利用した品々を出品することで大きな利益を上げ、許七安はその一部を采薇にも分ける。
いよいよ旅立とうとした許七安は、宋卿から「懐慶長公主が司天監へ学びに来る」と聞かされる。ただし予定より二日早いという。司天監を出た許七安は、その直後に一人の女性と出会う。それが二公主・臨安公主だった。
しかし許七安は、彼女こそが自分が会うはずだった懐慶長公主だと思い込んでしまう。ここから、思わぬ勘違いが始まろうとしていた。
第7話の見どころ
臨安公主を懐慶公主と勘違いしたまま、許七安は思わぬ人物に忠誠を誓ってしまう。一方、彼の大胆な行動を陰から見守っていた打更人は、その才覚と信念を試すことに。魏淵が仕掛けた試験を乗り越えた許七安は、ついに打更人の一員として認められる。
第7話のあらすじ
司天監では、許七安が去った後に臨安公主が訪れる。宋卿は臨安公主の相手をすることになり、内心ではかなり怯えていたが、皇族相手に拒むこともできない。臨安公主は金属ナトリウムの精製に挑戦するものの、実験は失敗。最後には司天監を爆発させてしまう。
宮へ戻った臨安公主を待っていたのは母・陳貴妃だった。司天監を爆発させたことが皇帝の耳に入れば大変なことになると叱責される。陳貴妃は、同じ皇子であっても懐慶を妹に持つ太子は周囲から高く評価される一方、臨安の存在によって自分まで叱られることが多いと嘆く。臨安は反省し、今後はきちんと努力すると約束する。
しかし、実験中に負った臨安の手の傷に陳貴妃が気づくことはなかった。
一方、許七安のもとへ二人の打更人が現れ、彼を連行する。許七安は金を渡して事情を聞こうとするが、二人は賄賂を受け取ることを拒否し、「何を聞かれても認めないように」とだけ忠告する。
連れていかれた先には、楊大人と南宮倩柔が待っていた。楊大人は、許七安たちが張雲鷹を誘拐し、周立に罪を着せたことをすでに把握していた。許七安は最初こそ何も知らないと否定するが、楊大人は打更人が以前から人を密かに張りつかせ、彼らの行動をすべて監視していたと明かす。
許七安は驚く。しかし、すべて見られていたにもかかわらず、なぜ打更人は自分たちを止めなかったのかと考える。そこで、周顕平の政敵が打更人だったのではないかと推測する。南宮倩柔はそれを認め、彼らも以前から周顕平を倒す機会を探していたため、許七安の行動は結果的に彼らの助けになったのだと説明する。
楊大人は、今回の一件そのものが許七安に対する試験だったと語る。自分の信念を貫けない人間なら、今の立場にはいられなかったというのだ。そして許七安を打更人へ迎え入れたいと申し出る。
配属先として示されたのは、楊大人か南宮倩柔のどちらかだった。南宮倩柔は、自分なら部下をしっかり鍛え、数年後には後継者にできると語る。一方、楊大人は南宮倩柔が毎日のように鞭を振るっていることを皮肉り、「そんな者の衣鉢を継いで何になる」と笑う。
許七安は悩んだ末、楊大人についていくことを決める。税銀事件の際、自分に戴罪立功の機会を与えてくれた人物への恩を忘れないためだった。
その後、朱広孝らに連れられて打更人の正式な試験を受けることになる。現在の許七安はまだ練精境であるため、腕力ではなく知恵が試される。出された問題に対し、許七安はわずか三息で答えを導き出す。
続いて「問心」の試験が始まる。許七安は朱広孝たちに連れられ、何層もの場所を通過していく。そこには歴代の打更人や功労者たちの像が並んでいた。しかし許七安は彼らのことを知らず、敬意を示して跪こうとはしない。
四層を通過しても一度も跪かなかった者は「十悪不赦」の人間と見なされ、凌遅刑に処されると告げられ、許七安はさすがに動揺する。慌てて跪こうとするものの、何度試しても身体が動かない。形だけで跪こうとしても、心から敬意を抱いていないためだった。
朱広孝たちは許七安を六層へ連れていく。そこは魏淵が用意した別の試験だった。許七安は考え抜いた末、ここまで跪かなかった者をさらに試すことで、その人物の本当の心を見ようとしているのだと理解する。
そこで許七安は、民の暮らしや天下の安寧について自分の考えを記す。その答えを読んだ魏淵は満足し、許七安に最高評価となる「甲上」を与える。
こうして試験を終えた許七安は、正式に打更人への道を歩み始める。楊大人は李玉春に許七安を任せたいと頼むが、李玉春は簡単には了承しない。そこで楊大人が自分の従姉妹に話すと言うと、李玉春は妻を恐れていることもあり、すぐに引き受けるのだった。
第8話の見どころ
打更人として正式に採用された許七安は、練気境へと成長し、家族を驚かせる。だが憧れの打更人になったからといって楽な日々が待っているわけではなく、結局は大量の巻宗整理を任されることに。そんな中、妖物出現の知らせが届き、許七安は初めて実戦へ向かう。
第8話のあらすじ
洗髄池で修練を終えた許七安が戻ってくると、楊砚と李玉春はその早さに驚く。李玉春はまだ時間がかかると思っていたが、許七安はすでに修練を終えていた。楊砚は、これから許七安が李玉春のもとで行動すると伝える。許七安は、以前事件の捜査で出会った打更人が李玉春だったことを思い出す。
一方、懐慶公主は許七安の試験結果を確認していた。そこへ臨安公主が現れ、自分が推薦した人物の評価を見せる。結果は「乙上」。さらに太子もやって来て、懐慶が推薦した人物の評価を確認する。
懐慶が見せた評価は、なんと「甲上」だった。
臨安は驚きを隠せない。自分が推薦した人物より、懐慶が推薦した人物のほうがはるかに高い評価を得ている。それが許七安だとは、この時点ではまだ知らない。
許七安自身は打更人になれたことを大喜びし、意気揚々と帰宅する。許新年は、江南へ行くつもりだった兄が戻ってきたことに驚く。許七安は考え直した結果、やはり家族のそばにいたいと話す。
ところが家へ戻った許七安を待っていたのは、叔父と叔母が彼の住んでいた小さな屋敷を売ろうとしている光景だった。許平志と李茹は慌てて「売るのではなく、貸すだけだ」と弁明する。
そして許平志は、許七安がすでに練気境へ進んでいることに気づく。どうやって修練したのかと驚く許平志に、許七安は洗髄液を使ったと説明する。さらに打更人へ加入したことも明かし、許平志は息子にそんな大きな機会が訪れていたことを初めて知る。
許七安が身につけている打更人の牌を見た許平志は、誇らしげにそれを眺める。長公主に推薦されたと聞いた許新年は、以前の「劝学詩」がきっかけではないかと推測する。あの日、詩会の場には長公主もいたはずだった。
許七安は、許新年なら大人物たちの好みを知っているのではないかと考える。今後は相手の好みに合わせて詩を作れば、より有利に立ち回れるからだ。許新年は皇族や有力者について知っている範囲で説明する。
かつて打更人を目指していた許平志も、息子が入れたのなら自分にも可能性があるのではないかと期待する。そこで許七安は、試験で出された知恵比べの問題を父に出す。しかし許平志は問題の意味すら理解できず、あっさり敗北する。
その頃、太子は臨安公主を訪ね、菓子を持ってくる。最初は食べないと言っていた臨安だが、結局は我慢できずに口にする。太子は詩会への参加について話し、臨安に無理をしないよう忠告する。臨安は表面上は従うものの、太子の言葉には別の意味があると感じる。
兄妹で力を合わせるため、自分も外へ出て人材を集めたいと考えた臨安は、邸宅の外で才子たちを集めることを決意する。
翌朝、許七安は新しい打更人の衣装に着替え、銅鑼まで身につけて家族に自慢する。しかし許新年たちは朝食に夢中で、兄の晴れ姿をほとんど見ていない。
打更人の拠点へ向かった許七安は、朱広孝たちから仕事について説明を受ける。しかし最後に連れていかれた場所は、見覚えのある巻宗整理の部屋だった。打更人になったにもかかわらず、結局また書類仕事をさせられることになり、許七安は大いに落胆する。
数日間帰宅しない許七安を心配した許平志が様子を見に行こうとしたところ、ようやく許七安が帰ってくる。しかし朱広孝たちは大量の巻宗まで持ってきており、許平志も「練気境になったのだから、今度は窓をもっと頑丈にしておく」と冗談めかして言う。
そんな中、近隣で妖物が発見されたとの知らせが入り、許七安たちの班が討伐に向かうことになる。ようやく巻宗から解放された許七安は、采薇と一緒に馬車へ乗り込む。宋廷風たちは二人の親しげな様子を見て、許七安が司天監の人間ともすっかり親しくなっていることに驚く。
許七安にとって、打更人としての初めての本格的な任務が始まろうとしていた。
















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