長相思 シーズン1

長相思 シーズン1&2

長相思 シーズン1 26話・27話・28話・29話・30話 あらすじ

2023年 シーズン1 全39話 原題:長相思(ちょうそうし)

第26話の見どころ

毒に苦しんでいた玱玹は、小夭の看病によって回復するが、二人の関係を見つめる涂山璟の心にも、嫉妬や葛藤が渦巻いていた。小夭は涂山璟との思い出を大切にしながらも、相柳との交流を深めていく。一方、涂山璟は兄との過去を断ち切れず、婚約解消も思うように進まない。小夭をめぐる三人の思いがすれ違う中、玱玹もまた妹の恋愛に複雑な感情を抱いていた。

第26話のあらすじ

玱玹は眠っている小夭に口づけしようとするが、思いとどまり、そっと彼女の頬に触れる。その気配に気づいた小夭は目を覚まし、兄の体調を心配する。体内の毒がすっかり消えたことを確認すると、小夭は心から喜び、以前約束したお礼を忘れないよう念を押す。

外へ出た玱玹は、涂山璟が定期的に小夭へ酒を届けていることに気づき、理由を尋ねる。しかし、小夭ははっきりと答えず、酒を一口飲んでみせるだけだった。彼女の返答を聞いた玱玹は、表情を取り繕ってその場を離れる。

その後、小夭は涂山璟のもとを訪れ、清水鎮で過ごした懐かしい日々を振り返る。二人は一緒に歩きながら、それぞれの立場や現在の境遇について語り合う。やがて荒れ果てた茅葺きの家を見つけた小夭は、その素朴な雰囲気を気に入り、いつか涂山璟と一緒にここで暮らしたいと話す。権力争いから離れ、二人だけで過ごす未来を思い描く小夭にとって、そこは心安らぐ場所に思えた。

一方、辰荣馨悦は兄の赤水丰隆に、玱玹が女性にうつつを抜かしていることを注意してほしいと頼む。しかし赤水丰隆は、玱玹は今後も周囲と駆け引きをしながら大事を成し遂げる人物だと考えていた。妹が玱玹との結婚を望んでいることは理解しているものの、彼の女性関係にまで口を出すべきではないと諭す。それでも辰荣馨悦は、愛する人がほかの女性と親しくすることを受け入れられずにいた。

赤水丰隆は山頂で玱玹と会い、持参した酒でもてなす。玱玹は自分を助けようとする彼に感謝し、二人は協力関係を深めていく。その頃、小夭は涂山璟と再び兄のことを話していた。涂山璟は兄の涂山篌を憎みながらも、幼い頃に互いを支え合って生きてきた記憶があるため、簡単には割り切れない。兄を殺して問題を解決することにも、ためらいがあった。小夭はそんな彼の気持ちを理解し、わざとからかってみせる。照れる涂山璟を見た小夭は、ついに自分から思いを伝え、二人は長い時間を一緒に過ごす。

二人の親密な様子を知った玱玹は、嫉妬を覚えながらも、妹に軽率な行動を取らないよう注意する。辰荣馨悦も小夭と一緒に過ごす機会を利用し、玱玹との距離を縮めようとするが、小夭の視線は涂山璟に向けられていた。部屋に相柳の姿を見つけた小夭は、すぐに彼を外へ連れ出す。

二人きりになると、小夭は防風家の人物が死の間際に残した言葉について相柳に話す。その話を通じて、相柳は親子の深い情愛について考えさせられる。だが、小夭が相柳と親しげに話しているところへ涂山璟がやって来る。二人の距離の近さを目にした涂山璟は、強い不快感を覚え、剣を返すとその場を離れてしまう。

一同が戻った後も、小夭と涂山璟の間には気まずい空気が漂う。二人の様子を察した玱玹は、妹を連れてその場を離れ、兄として彼女を守ろうとする。しかし、小夭を大切に思うからこそ、彼女の恋愛を素直に見守ることはできずにいた。

第27話の見どころ

涂山璟は防風意映に婚約解消を申し出るが、彼女は納得せず、二人の関係はさらにこじれていく。小夭も涂山璟への思いを断ち切れずにいたが、嫉妬から相柳を利用してしまい、彼の心を傷つける。一方、涂山璟は何者かの襲撃を受け、危険な状況に陥る。小夭は彼への愛情を再確認し、十五年待つという約束を交わすのだった。

第27話のあらすじ

涂山璟は人払いをし、防風意映と二人きりで話し合う。防風意映は彼の話が自分にとって都合の悪い内容だと察し、帳簿の確認を理由に席を立とうとする。しかし涂山璟は彼女を引き止め、これまで涂山家のために尽くしてくれたことには感謝しているものの、結婚だけは気持ちを偽って続けられないと告げる。今後は兄妹として接し、婚約解消の後には義兄妹の契りを結んだことを大荒に知らせたいというのだ。

防風意映は婚約解消を拒む。涂山璟はすでに心に決めた人がいると明かし、どうか自分の願いを受け入れてほしいと頭を下げる。防風意映は怒りをあらわにし、彼の言葉を信じようとしなかった。涂山璟は、世間では女性のほうが厳しく責められがちなことを理解しており、非難は自分がすべて引き受けるつもりだと説明する。さらに、祖母が防風意映を孫娘として迎えれば、赤水氏や西陵氏、鬼方氏も防風家に便宜を図ることになると約束する。しかし防風意映は納得せず、その場を立ち去る。

一方、相柳は小夭を連れて焼き肉を食べに行くが、いざ会計となると金が足りない。小夭が払おうとするものの、相柳はそれを拒む。店員から皮肉を言われた小夭は、相柳が怒らないよう店員を追い払う。相柳が玉佩を質に入れようとすると、小夭は思わず笑い出す。いつも余裕たっぷりの相柳が金に困っている姿は、彼女には意外で面白かった。

その頃、涂山璟は祖母から、防風意映と先に結婚するよう求められる。自分の申し出を受け入れたかのように見せながら、実際には婚約解消を認めるつもりがなかったのだと気づいた涂山璟は、そこまでして結婚を強いられるのなら、いっそ結婚しないと決意する。

涂山璟は玱玹を訪ね、小夭に会いたいと頼む。玱玹がなぜ手紙を送らないのかと尋ねると、涂山璟はすでに何度も送ったが、返事がないのだと答える。玱玹は、小夭の気を引くために自分を利用するなと釘を刺す。

一方、相柳は小夭の弓術を試し、合格すると別の弓を選ばせる。小夭が弓を選んでいると涂山璟に出くわす。涂山璟は、小夭と相柳が親しげにしている姿を見て心を痛めながらも、相柳を「二哥」と呼んで挨拶する。さらに、防風意映の見事な弓術を目にした小夭は、涂山璟は幸せ者だと皮肉を込めて褒める。そして、相柳が自分のために弓を買ってくれたとほのめかし、涂山璟の嫉妬を誘う。

小夭の意図に気づいた相柳は、彼女が自分を涂山璟への当てつけに使ったことに腹を立てる。小夭も自分の行動を反省し、慌てて追いかけて謝罪する。そばにいた小さな狐が涂山璟のために取りなすような様子を見せても、小夭は簡単には心を動かさないと言い張る。そこへ玱玹がやって来ると、狐を捕まえて脇へ追いやってしまう。

玱玹は、小夭が毒を料理に使い、まるで美食のように扱っていることにあきれる。その後、男装した小夭は相柳と食事をし、自作の毒を差し出す。相柳はまったく動じず、料理を食べるように毒を口にする。小夭は相柳の怒りが解けたと感じ、引き続き弓術を教えてほしいと頼む。しかし相柳は清水鎮へ戻るつもりだと告げる。小夭は、これからも防風邶の姿でいてほしいと願うが、相柳は何も答えずに去ってしまう。

防風意映は、涂山璟を殺さなければ自分が笑いものになると焦り始める。涂山篌は、祖母も疑い始めている今、殺害を急ぐべきではないと止める。しかし防風意映は、涂山璟さえ死ねば祖母が自分を涂山篌に嫁がせるはずだと考えていた。涂山篌は彼女の危うい考えにあきれ、しばらく冷静になるよう求める。

その後、涂山璟は道中で襲撃され、矢を受けて重傷を負ったと伝えられる。知らせを聞いた小夭は、急いで彼のもとへ向かう。ところが、実際に傷を負っていたのは涂山璟の傀儡だった。小夭は、会おうとしなかったのは彼に腹を立てていたからだと打ち明ける。涂山璟は彼女の気持ちを確かめ、二人は十五年後まで待つという約束を交わす。

小夭は涂山璟に、必要なときには非情になることも大切だと諭す。一方、涂山篌は寝台に横たわっているのが本物の涂山璟ではないと見抜き、彼の不自然な沈黙に疑念を抱く。防風意映は涂山篌に申し訳なさを感じるが、彼は彼女を責めなかった。

赤水丰隆は玱玹に、小夭と会う機会を作ってほしいと頼む。玱玹は家柄もよく、身元にも問題のない赤水丰隆なら小夭にふさわしいと考えるが、小夭は彼が玱玹に似ているため、自分には合わないと感じていた。

さらに玱玹が密かに兵を養っていることを知った小夭は、兄の身を案じる。玱玹は、小夭に自分のために無理をしてほしくないと告げる。二人が守りたいものは同じでも、それぞれが背負う事情は複雑さを増していた。

第28話の見どころ

辰荣馨悦は小夭と親しくなろうと気を配り、兄の赤水丰隆にも彼女の好みに合う贈り物をするよう助言する。一方、小夭と涂山璟は互いの思いを確かめ、ついに唇を重ねる。玱玹は小夭への愛情を隠しながら辰荣馨悦との関係を取り繕うが、彼女の心が涂山璟に向いていると知り、嫉妬を募らせていく。その頃、相柳は命を狙われ、血まみれになりながら戦っていた。

第28話のあらすじ

辰荣府では、辰荣馨悦が小夭を迎え、玱玹から彼女を窮屈にさせないよう頼まれたと説明する。そこで小夭のために独立した庭を用意したのだった。やがて赤水丰隆が贈り物を持って現れるが、差し出したのは小さな瓜が二籠。小夭は反応に困り、辰荣馨悦も兄の不器用さにあきれる。

辰荣馨悦は兄を部屋へ連れていき、心を寄せる女性に贈り物をするなら、相手の好みや身分にふさわしい品を選ぶべきだと助言する。赤水丰隆は理解したつもりになり、小夭を誘って賭け骰子をしながら酒を飲もうとするが、辰荣馨悦はまたしても頭を抱える。兄が小夭と親しくなろうとしても、友達のような関係で終わってしまうのではないかと心配し、贈り物は自分が選ぶことにする。

小夭は辰荣馨悦が用意した化粧品を見ても、使い方が分からないと率直に話す。辰荣馨悦は自ら化粧を教えると申し出る。その会話の中で、辰荣馨悦がかつて西炎城で暮らしていたことが分かり、小夭は彼女の家族が抱える複雑な事情を察する。辰荣馨悦は、皇権を恐れた両親が赤水から離れて暮らしていたこと、成長してから親の苦労を理解できるようになったことを語る。小夭もその気持ちに共感し、二人は少しずつ打ち解けていく。

赤水丰隆は涂山璟について、彼は権力争いに関心がない人物だと考えていた。涂山璟もそれを否定しないが、玱玹は彼の本心を見極めきれずにいた。一方、辰荣馨悦は小夭から贈り物を受け取り、彼女との友情を喜ぶ。そして、涂山璟がしばらく辰荣府に滞在すると知らせる。

小夭は、辰荣馨悦が防風意映をあまり好んでいないことに気づく。辰荣馨悦は、防風意映は表向きこそ涂山璟に尽くしているように見えるが、実際には彼を愛していないのではないかと語る。かつて大雪が降った冬、男たちが狩りに出かけた際、足の不自由な涂山璟は同行できなかった。それにもかかわらず、防風意映は彼のそばに残らず、ほかの男たちと狩りに出かけたという。辰荣馨悦はその行動から、防風意映が涂山璟ではなく、涂山家の権勢を求めているのだと見抜いていた。

赤水丰隆は涂山璟に、小夭は一見近寄りがたいが、本当は優しい人だと話す。ところが涂山璟は、小夭が赤水丰隆と親しげにしている様子を見ると、複雑な気持ちを抱く。玱玹も小夭の様子を探っており、赤水丰隆と兄妹のように接していると聞いて安心するが、涂山璟が滞在していると知ると表情を曇らせる。

赤水丰隆は小夭を楽しませようと芸を披露し、彼女を笑顔にする。しかし、小夭の心にいるのは涂山璟だった。彼女は皆の前で涂山璟に口づけするが、赤水丰隆は自分の術が小夭を押したのだと勘違いし、二人の関係に気づかない。小夭はさらに山歌を歌い、涂山璟は彼女との約束を思い出しながら、幸せそうに笑う。

その頃、相柳は何者かに追われ、全身を血に染めながら戦っていた。辰荣馨悦は小夭に、男性は女性の足に魅力を感じることがあると教える。また、涂山璟は琴の腕前が優れているものの、過去の負傷によって演奏できなくなったのだと話す。小夭は彼に琴を教えてもらいたいと思うようになる。

赤水丰隆は涂山璟に、小夭が自分を好きになる可能性はあるかと尋ねる。涂山璟は彼女が自分を好いていないと答え、赤水丰隆が積極的に近づこうとすることにも難色を示す。小夭も辰荣馨悦の話を思い返しながら、涂山璟への思いを深めていた。

一方、玱玹は辰荣馨悦からの誘いを受け、彼女の気持ちに応えるふりをする。しかし、小夭が涂山璟のために歌ったと知ると、いたたまれずに席を立つ。

その後、小夭は涂山璟と二人きりになり、なぜ会いに来てくれなかったのかと問いただす。涂山璟は、実は彼女の姿をこっそり見に行っていたと告白する。二人は手を取り合い、小夭は涂山璟の足を治せないかと考える。だが涂山璟は、傷そのものよりも、小夭が自分をどう思っているかのほうが大切だと語る。小夭は彼の傷跡に口づけし、涂山璟も彼女に口づけを返す。突然のことに小夭は戸惑い、恥ずかしさを隠せなくなるのだった。

第29話の見どころ

玱玹は中原で兵力を集めようとするが、赤水丰隆が突然帰郷し、計画に狂いが生じる。一方、小夭と涂山璟は穏やかな時間を重ね、離れていても互いを思い続ける。そんな中、小夭は辰荣馨悦の宴で罠にはまり、結界に閉じ込められたうえ、正体不明の何者かに襲われる。小夭の身に迫る危険を、誰もまだ知らなかった。

第29話のあらすじ

玱玹は山上で、西炎王から告げられた「今のお前には小夭を守れない」という言葉を思い返していた。そこへ赤水丰隆が現れ、兵の募集を心配しているのだろうと声をかける。自分が赤水へ戻り、勇猛な兵士たちを連れてくると申し出る赤水丰隆に、玱玹は驚く。食糧庫が襲われたばかりで、轵邑城も警戒態勢にある今、帰郷するのは危険だと考えたからだ。玱玹は、小夭のそばにいてほしいと頼み、赤水丰隆もそれを了承する。

一方、阿念は父の皓翎王から、玱玹が辰荣馨悦と親しくしていると聞き、深く傷つく。皓翎王は、玱玹が辰荣馨悦と結婚しなくても、いずれ別の女性と結婚するのだと諭す。阿念はそれなら自分も夫を選びたいと言い出し、皓翎王は喜んで外甥に相手探しを頼む。しかし外甥が阿念の気難しい性格を指摘すると、皓翎王は鋭い視線で黙らせるのだった。

涂山璟は相柳に呼び出され、荷物を清水鎮まで運ぶよう命じられる。相柳は小夭を引き合いに出して涂山璟に圧力をかけるが、涂山璟は小夭が相柳に負っている恩を返すためだと受け止める。相柳は苦笑しながらも、胸の内に複雑な思いを抱えていた。

小夭は涂山璟から琴を教わり、一緒に演奏しようと誘う。過去の傷が原因で琴を弾くことに抵抗を感じていた涂山璟だが、小夭に励まされ、再び琴に向き合う。二人は小夭が琴を奏で、涂山璟が彼女の姿を描くという、穏やかな時間を過ごしていた。

その頃、皓翎王は阿念が夫を選ぶ様子を見に行きたいと思いながらも、娘が気まずく感じるのではないかと気にかけていた。阿念は相手を選ぶことにもあまり真剣ではなく、皓翎王は複雑な気持ちになる。

玱玹は赤水丰隆が相談もなく赤水へ戻ったことを知り、彼の不器用さに腹を立てる。一方、辰荣馨悦は小夭の琴の音を聞き、その演奏をひどいものだと感じながらも、彼女が涂山璟と親しくしていることに不満を募らせる。西炎王は小夭に贈り物をしようと考えていた。

やがて涂山璟は、小夭に翌日青丘へ帰ると告げる。小夭は別れを惜しみ、二人はなかなか手を離せずにいた。涂山璟の馬車が遠ざかっていくのを、小夭は姿が見えなくなるまで見送り続ける。

涂山璟の侍女は、小夭が主人を深く気遣っていることに気づいていた。雪が降ると涂山璟の足が痛むことを察し、薬を用意してくれる小夭の細やかな心遣いを、防風意映は一度も示したことがなかった。侍女は、小夭こそ涂山家の夫人にふさわしいと感じる。涂山璟もその話を耳にし、車窓から外を見つめるのだった。小夭は涂山璟が残した手紙を読み、次に会える日を心待ちにする。

新年を迎え、西炎では西炎王が孤独な時間を過ごす一方、青丘では華やかな祝宴が開かれていた。しかし涂山璟は宴を楽しむ気になれず、一人静かな場所で小夭を思っていた。相柳もまた、将兵たちが喜ぶ姿を見つめ、自分の犠牲やこれまでの行動には意味があったと感じながら、胸の苦しさを抱え続けていた。

一方、玱玹の二人の叔父は、食糧庫の事件で処罰を受けずに済んだことを喜んでいた。新年の祭祀も任されたが、辰荣の反乱軍が残る限り安心できないと考えていた。そこへ沐斐が訪れ、涂山璟が玱玹と親しくしていることを報告する。

その頃、小夭は辰荣馨悦の従姉妹が開いた宴会に参加する。梅園を歩いていた小夭は、結界に閉じ込められてしまう。木の蔓が生き物のように動き、次々と襲いかかってきた。小夭は足を負傷しながらも必死に逃げ続ける。やがて蔓は何者かの命令を受けたかのように動きを止めるが、周囲から狼の遠吠えが響き渡る。姿を現した狼たちに囲まれ、小夭は恐怖に震えるのだった。

第30話の見どころ

小夭は宴の最中に仕掛けられた罠にはまり、沐斐から命を狙われる。彼女を守ろうとする玱玹、涂山璟、相柳は、それぞれ異変を察して必死に捜索するが、小夭は瀕死の状態に陥ってしまう。相柳は自らの命を削る覚悟で小夭を救おうとし、玱玹もまた、妹を生かすために大きな決断を下す。小夭をめぐる三人の思いが、悲痛な別れへとつながっていく。

第30話のあらすじ

狼の群れに囲まれた小夭は、毒を使って抵抗するものの、狼たちには効果がなかった。匕首で応戦して一頭を倒すが、別の狼が襲いかかり、彼女は深い傷を負う。痛みに耐えながら助けを求める小夭の前に、ついに沐斐が姿を現す。

沐斐は、小夭の父である赤宸に一族を皆殺しにされたと語り、彼女を恨んでいることを明かす。小夭は、自分は赤宸とは関係がなく、皓翎王の娘だと必死に訴える。しかし沐斐は聞く耳を持たず、小夭の両手を釘で貫き、苦痛を与え続ける。小夭が何度否定しても、沐斐は復讐心を捨てず、家族の無念を晴らすために彼女を殺そうとする。小夭は抵抗を続けるが、ついに命の危機に陥った。

その瞬間、相柳は小夭の身に危険が迫っていることを察知し、飛禽に乗って彼女のもとへ急ぐ。玱玹もまた、突然胸騒ぎを覚えていた。父が戦死したときと同じような不安を感じた彼は、何としても小夭を連れ戻し、命を守るよう命じる。だが、心配を抑えられず、自らも捜索へ向かった。涂山璟も小夭の危機を感じ取り、彼女を救うために急ぐ。

先に小夭を見つけた涂山璟は、力なく吊るされた彼女を見て愕然とする。小夭には生気がなく、呼びかけても反応しない。涂山璟は必死に霊力を注ぎ込むが、彼女の意識は戻らなかった。自分が家柄や立場にこだわっていたために小夭を危険にさらしてしまったと悔やみ、彼女を失うくらいなら一緒に死にたいと考える。

玱玹も小夭を探し続けるが、途中で何者かに襲われ、気を失ってしまう。その後、駆けつけた人々は、小夭と涂山璟が固く抱き合っている姿を発見する。玱玹が意識を取り戻すと、全身に傷を負った小夭が運ばれていた。小夭が死んだと告げられた玱玹は、到底その事実を受け入れられず、深い悲しみに打ちひしがれる。

相柳もまた、傷だらけになりながら小夭のもとへ駆けつける。彼女の危機を感じたときから胸を引き裂かれるような痛みに襲われていた相柳は、目の前の小夭を見て苦しみを募らせる。玱玹は医師たちに霊力を注がせ、何とか小夭を救おうとするが、辰荣馨悦が到着したため、感情を押し殺して振る舞わなければならなかった。医師たちから治療は難しいと告げられ、辰荣馨悦も動揺する。

相柳は辰荣山へ強引に乗り込み、玱玹と直接対面する。全身に傷を負いながらも小夭を救いに来た相柳は、自分なら彼女を助けられると告げる。玱玹はその言葉に望みを託し、相柳を小夭のもとへ通すことにした。

ただし、相柳は小夭を救うには長い時間が必要になると説明する。玱玹は妹を手放すことに耐えがたい思いを抱くが、彼女が生き返る可能性が少しでもあるなら、何でもすると心に決める。彼は不安を押し殺し、相柳に小夭を託した。そして、決して彼女を傷つけないよう警告する。

相柳は、玱玹が小夭を傷つけなくても、いずれ辰荣軍を滅ぼそうとするのではないかと反論する。玱玹は相柳の遠慮のない物言いに、かえって彼の人柄を感じ取る。小夭が相柳と親しくしていた理由も、少し分かったような気がした。

相柳は小夭の治療に必要な貴重な薬材を求める。玱玹はすぐに承諾するが、相柳は権力があれば薬さえ容易に手に入るのだと皮肉る。玱玹は、本当に権力があればこれほど何もできずに苦しむこともなかったと、苦い思いをにじませる。相柳は、西炎王でさえ自分を思いどおりに動かすことはできないと告げ、玱玹と取引を交わす。玱玹は、小夭さえ救ってくれるなら何でも約束すると答えた。

玱玹は相柳が密道から逃げられるよう手配する。相柳は、小夭を連れていく以上、彼女の信頼を裏切ることはしないと告げ、彼女を抱えてその場を去る。玱玹は二人の姿を見送りながら、妹との別れを惜しむ。その後、玱玹は小夭の身代わりを用意し、本物の小夭がいなくなったことを隠そうとする。

玱玹は小夭が襲われた事件を調べ、犯人を見つけたら自らの手で始末すると決意する。一方、涂山璟は小夭を失った悲しみから生きる気力をなくしていた。玱玹は、彼が小夭を心から愛していたことを認め、薬で命をつなぐよう命じる。赤水丰隆も青丘へ涂山璟の状況を伝えるが、涂山璟は自ら命を絶とうとするほど絶望していた。

相柳は小夭を海底へ連れていき、必死に治療を始める。自分の胸を刺して得た心の血を小夭に与え、彼女の意識を呼び覚まそうと、言葉をかけ続ける。小夭を救うために、相柳もまた自らの命を削る覚悟を決めていた。

 

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