向日葵を追いかける太陽

向日葵を追いかける太陽

向日葵を追いかける太陽 5話・6話・7話・8話 あらすじ

向日葵を追いかける太陽 2023年 全24話 原題:当我飞奔向你

第5話 雨の中の迎えと、観覧車に込めた願い

少しずつ距離を縮めていく蘇在在(スー・ザイザイ)と張陸譲(ジャン・ルーラン)。だが、恋が深まるほどに嬉しい出来事だけでなく、不安や誤解、そして心を試される出来事も訪れる。

それでも二人は、互いを思う気持ちによって少しずつ特別な存在になっていくのだった。

一方、顧然(グー・ラン)は相変わらず勘違いの連続だった。

以前から姜佳(ジャン・ジア)が自分に好意を抱いていると思い込んでいた顧然は、ことあるごとに彼女の前で格好をつけていた。

しかしある日、その幻想はあっさり打ち砕かれる。

姜佳が熱い視線を送っていた相手は、自分ではなく演劇部の人気者・沈謙宇だったのだ。

ようやく真実を知った顧然は大恥をかくことになる。

ところが、その後思わぬ展開が待っていた。

姜佳は顧然と沈謙宇が知り合いだと知るや否や、これまでの冷たい態度が嘘のように積極的に話しかけるようになる。

顧然にとっては複雑な気持ちだったが、毎日のように話しかけてくる姜佳の存在が少しずつ気になり始めていた。

そんな中、沈謙宇が顧然をバスケットボールに誘う。

それを知った姜佳は迷うことなく参加を表明し、顧然たちについて行く。

恋する乙女の行動力は時に驚くほど大胆だった。

一方、在在にも忘れられない出来事が訪れる。

その日、彼女は放課後に張陸譲と一緒に帰る約束をしていた。

ところが、英語教師の張先生から試験の採点を手伝ってほしいと頼まれ、急きょ教室へ戻ることになる。

「少しだけだから大丈夫」

そう思っていた在在だったが、作業は思った以上に長引いてしまう。

その頃、陸譲はいつものバス停で待っていた。

最初はすぐに来ると思っていた。

しかし待っても待っても在在は現れない。

気づけば空は暗くなり始めていた。

普段なら誰かを待ち続けるような性格ではない。

けれど、この日は違った。

陸譲は何度も時計を見ながら、その場を離れられずにいた。

そしてついに雨が降り始める。

在在は校舎の下で雨宿りをしていたが、帰るタイミングを失ってしまう。

やがて意を決して校門まで走るが、雨はますます強くなっていく。

そんな時だった。

雨の向こうから、一人の少年が歩いてくる。

張陸譲だった。

傘を持ち、まっすぐ在在のもとへ向かってくる。

その姿を見た瞬間、在在の心は一気に温かくなる。

「もしかして、私を迎えに来てくれたの?」

在在は期待を込めて尋ねる。

陸譲は相変わらず素直ではない。

「たまたまだ。」

短くそう答える。

けれど、在在には分かっていた。

彼が自分を心配して来てくれたことを。

言葉では否定しても、その優しさは十分伝わっていた。

雨の中を並んで歩く二人。

在在の頬には自然と笑みが浮かぶ。

この時間がずっと続けばいい。

そう願わずにはいられなかった。

翌日、嬉しさが抑えきれない在在は、姜佳にお菓子を振る舞う。

さらに昼休みには誰もいない隙を見て、陸譲の机の上にこっそりお菓子を置く。

好きな人に喜んでほしい。

ただそれだけだった。

しかし、その何気ない行動が思わぬ騒動へ発展してしまう。

在在が1組の教室を出るところを、学級委員の葉真欣(イエ・ジェンシン)が目撃していたのだ。

その日の午後、1組で管理していた学級費がなくなったことが発覚する。

葉真欣はすぐに教師へ報告し、さらに「最後に教室から出て行ったのは蘇在在だった」と証言する。

加えて「最近よくお菓子を配っているし、お金の出どころが怪しい」とまで言い出す。

根拠のない疑いだった。

だが状況は在在にとって不利だった。

教務主任から事情を聞かれた在在は言葉に詰まる。

本当は陸譲へお菓子を届けに行っただけ。

しかし、それを説明すれば二人で補習していることまで知られてしまう。

陸譲に余計な負担をかけたくない。

そんな思いから在在は口を閉ざしてしまう。

教員室の空気が重くなったその時――。

突然、張陸譲が現れる。

そして静かに言う。

「彼女は僕にノートを届けに来ただけです。」

その一言で状況は大きく変わる。

在在は驚きながら彼を見つめる。

普段は自分のことを語ろうとしない陸譲が、自ら彼女を守るために動いたのだ。

在在の胸は熱くなる。

一方で噂は簡単には消えなかった。

クラスの中では「本当に蘇在在が盗んだのではないか」という噂が広がり始める。

匿名のメモまで回されるようになり、その内容は陸譲のもとにも届いていた。

在在は平気なふりをしていたが、本当は傷ついていた。

そんな彼女を見ていたのが、陸譲と顧然だった。

その夜、在在は一人で1組のゴミ箱を調べ始める。

何か手がかりが見つかるかもしれないと思ったのだ。

しかしそこで彼女が目にしたのは、意外な光景だった。

陸譲や顧然たちが、自分のために証拠を探していたのである。

誰にも頼んでいない。

それなのに彼らは、自分を信じて動いてくれていた。

在在は胸がいっぱいになる。

翌日も調査は続く。

それでも葉真欣は在在を疑い続け、周囲の不安を煽っていた。

すると顧然と陸譲が一つの提案をする。

「もう一度、自分の机を全部確認してみたら?」

半信半疑で机を調べた葉真欣は、そこで信じられないものを発見する。

なくなったはずの学級費だった。

実は自分で別の場所へしまい込み、忘れていただけだったのである。

教室中が騒然となる。

これで在在の潔白は証明された。

葉真欣は最後まで素直ではなかったが、陸譲と顧然に促され、皆の前で謝罪することになる。

ようやく誤解は解けた。

在在の笑顔も戻る。

そして感謝の気持ちを込めて、在在は友人たちへスイーツを振る舞う。

帰り道。

陸譲と並んで歩きながら、在在は改めて言葉を伝える。

「ありがとう。」

短い言葉だった。

だが、その一言にはたくさんの感謝が込められていた。

陸譲は照れたように視線を逸らす。

しかしその表情は、どこか優しかった。

そして週末。

仲間たちはみんなで遊園地へ出かけることになる。

在在は前日から楽しみで仕方がない。

少しでも陸譲とおそろいになりたくて、可愛らしいカチューシャまで用意する。

園内では写真を撮ったり、アトラクションに乗ったりと楽しい時間が続く。

特に記念写真の撮影では、在在の笑顔が止まらない。

陸譲は相変わらず無表情だったが、その隣にいることを嫌がる様子はまったくなかった。

むしろ彼自身も、その時間を楽しんでいるようだった。

やがて夕方になる。

仲間たちは疲れて休憩するが、最後に残ったのは在在と陸譲だけだった。

二人は観覧車へ乗り込む。

ゆっくりと上昇していくゴンドラ。

街の景色が少しずつ小さくなっていく。

観覧車が頂上へ近づいた時、在在は楽しそうに目を閉じる。

「願い事をしようよ!」

無邪気に言う在在。

陸譲は「そんなもの信じない」とそっけなく答える。

けれど彼の視線は、願い事をする在在から離れなかった。

夕焼けに照らされた横顔。

楽しそうに微笑む姿。

その光景は、彼の心に静かに刻まれていく。

願い事をしないと言った陸譲だったが、その時心の中で何を願ったのか――。

それはまだ誰にも分からない。


【第5話の見どころ】

今回は、雨の中で在在を迎えに来る陸譲の優しさが最大の胸キュンポイント。言葉では否定しながらも、彼女を心配して行動する姿に思わず心を奪われる。

また、学級費紛失事件では、在在を信じて行動する陸譲の姿が描かれ、不器用ながらも真っ直ぐな優しさが際立つ展開となった。

さらに観覧車での二人きりの時間は、青春ラブストーリーならではの甘酸っぱさに満ちている。


【次回への期待】

観覧車の中で過ごした特別な時間は、二人の関係にどんな変化をもたらすのだろうか。

在在の気持ちはますます大きくなり、陸譲もまた彼女の存在を以前より強く意識し始めているように見える。

しかし恋が進展するほど、新たな試練やライバルの存在も現れるかもしれない。

太陽のように明るい在在と、不器用で優しい陸譲。

二人の青春はこれからさらに輝きを増していく。観覧車の頂上で交わされた静かな時間の続きを、次回も見届けたい。

 

第6話 君がくれた優しさと、二人だけの特別な時間

蘇在在(スー・ザイザイ)と張陸譲(ジャン・ルーラン)の補習生活は、少しずつ確かな成果となって表れ始めていた。

以前は英語に苦手意識を持っていた陸譲だったが、在在の熱心なサポートによって成績は着実に向上していた。一方で在在もまた、陸譲から数学や物理を教わることで苦手科目を克服し始めている。

お互いが支え合い、励まし合う関係。

それは単なる勉強仲間という言葉では表せないほど、特別なものになりつつあった。

テスト結果が返却された日、在在は真っ先に陸譲の英語の点数を確認する。

以前より大きく伸びた点数を見た瞬間、まるで自分のことのように喜びの声を上げる。

「すごい! 本当に上がってる!」

目を輝かせながら褒める在在。

そんな彼女を見て、陸譲の表情もわずかに和らぐ。

そして彼もまた在在へ伝える。

「君の数学も上がってた。」

それは在在が最も欲しかった言葉だった。

好きな人に努力を認めてもらえることほど嬉しいことはない。

すっかり上機嫌になった在在は、その場である約束をする。

「放課後、絶対に待っててね。ご褒美をあげるから!」

何を企んでいるのか分からないまま、陸譲は静かにうなずく。

放課後になると、陸譲はわざといつものバスに乗らず、校門近くで在在を待っていた。

本人は理由を認めないだろう。

しかし、彼が在在との約束を大切にしていることは明らかだった。

しばらくして息を切らしながら走ってくる在在。

そして彼女が差し出したのは、小さなウサギのぬいぐるみだった。

「頑張ったご褒美!」

無邪気な笑顔でそう言う在在。

陸譲は少し戸惑いながら受け取る。

表面上は平然としているものの、内心は想像以上に嬉しかった。

さらに帰宅後、そのぬいぐるみに録音機能が付いていることに気付く。

再生ボタンを押すと流れてきたのは在在の声だった。

「張陸譲、英語の成績アップおめでとう!」

明るく弾む声が部屋に響く。

その瞬間、陸譲の口元には自然と笑みが浮かぶ。

誰にも見せないその笑顔は、在在だけが引き出せる特別なものだった。

そんな中、学校では運動会の開催が発表される。

クラス中が盛り上がる中、担任たちは競技の振り分けを始める。

ところが張先生は大胆にも「くじ引きで決めよう」と提案する。

結果、顧然(グー・ラン)は砲丸投げを引き当ててしまう。

まったく興味のない競技に当たり、頭を抱える顧然。

その姿を見た陸譲は珍しく声を出して笑う。

友人をからかう姿は、いつものクールな彼とは少し違って見えた。

その後、在在は陸譲からメッセージを受け取る。

彼の担当種目は100メートル走だった。

在在は負けじと返信する。

「私は1000メートルだから! 絶対に張陸譲より速いもん!」

実際にはまったく比較にならない競技なのだが、そんな会話すら楽しい。

メッセージのやり取り一つひとつが、在在にとっては宝物だった。

ある朝、在在は自転車で登校していた。

すると偶然、犬の散歩をしている陸譲と出会う。

彼の愛犬・酥酥(スースー)は元気いっぱいで、突然飛び出してしまう。

驚いた在在はバランスを崩し、そのまま転倒してしまった。

慌てて駆け寄る陸譲。

幸い大きな怪我ではなかったが、足を痛めてしまっている。

陸譲はすぐに酥酥を警備室へ預けると、自転車で在在を病院へ連れて行くことを決める。

そして後ろに乗せながら言う。

「ちゃんとつかまって。」

在在は遠慮するどころか、しっかりと彼の腰に腕を回す。

突然近づいた距離に、二人とも少しだけ緊張していた。

風を切って進む自転車。

在在にとって、その時間はまるで夢のようだった。

病院で診察を受けた結果、幸い怪我は軽傷だった。

医師から問題ないと言われ、陸譲もようやく安心する。

その病院では偶然にも顧然の父親と遭遇する。

実は彼はこの病院の医師だったのだ。

さらに怪我の知らせを聞いた姜佳(ジャン・ジア)も慌てて駆けつける。

薬を取りに行くため席を外した在在と陸譲。

その間、姜佳は顧然の父親と会話をすることになる。

そこへ偶然やって来た顧然は、二人の会話を聞いて勘違いしてしまう。

「姜佳が病気になったのか!?」

焦った顧然は、なぜか今まで隠していたことを次々と告白し始める。

姜佳のお菓子を勝手に食べたことまで正直に話してしまい、後から自分の勘違いに気付いて大慌て。

そんな二人のやり取りは、まるで漫才のようだった。

帰り道でも二人は口げんかばかり。

それでも一緒に帰る姿は、どこかお似合いに見える。

一方、陸譲は在在を自宅まで送り届ける。

別れ際、在在は真っ先に酥酥の心配をする。

「早く迎えに行ってあげてね。」

その優しさに陸譲も微笑む。

ところが、その日の夜――。

在在の家に再び訪問者が現れる。

ドアを開けると、そこには陸譲が立っていた。

手には温かい腸粉。

昼間、在在が食べたいと言っていたものを覚えていたのだ。

「えっ、わざわざ買ってきてくれたの?」

驚く在在。

陸譲は照れたように視線を逸らす。

その不器用な優しさに、在在の胸はいっぱいになる。

お礼として在在は、自分の大好きなゼリーを彼に渡す。

そして陸譲はさらりと言う。

「しばらく一緒に登校する。」

まるで当然のような言葉だった。

しかし在在にとっては最高のプレゼントだった。

それからの日々。

運動会には出られなくなった在在だったが、その代わり陸譲が毎日のように世話を焼いてくれる。

食べたい物を聞いて届けてくれる。

重い荷物を持ってくれる。

登下校も付き添ってくれる。

在在は幸せだった。

実は足の怪我は思ったより早く治っていた。

それでも彼女は少しだけ治っていないふりを続けてしまう。

好きな人と一緒にいられる時間が終わってほしくなかったからだ。

そんなある日、自転車で送ってもらう姿を父親に見られそうになり、在在は大慌て。

食事中も危うく秘密がばれそうになり、冷や汗をかくことになる。

そして迎えた運動会当日。

生徒たちは様々な競技で盛り上がるが、予想以上の珍プレー続出で会場は笑いに包まれる。

在在は観客席から応援に専念することになる。

担任の林先生からは写真係まで任され、大忙しだ。

そんな中、在在はクラスメイトを大きな声で応援していた。

しかし、その様子を偶然陸譲が目撃する。

彼女が男子生徒を応援しているように見えたのだ。

在在はその視線に気付き、急いで駆け寄る。

「違うの! 今応援してたのは班長だから!」

誰にも頼まれていないのに必死で説明する在在。

そんな自分に気付いて、少し照れてしまう。

だが、それは同時に陸譲のことをとても大切に思っている証でもあった。

そして陸譲もまた、その説明を聞きながらどこか安心した表情を見せる。

二人の距離は、いつの間にか以前よりずっと近くなっていたのだった。


【第6話の見どころ】

今回は在在から贈られた録音付きのウサギのぬいぐるみが象徴的なエピソード。誰にも見せない笑顔を浮かべる陸譲の姿から、彼の心の変化がはっきりと伝わってくる。

また、自転車で病院へ向かうシーンや、腸粉を届ける夜の訪問など、胸キュンシーンが満載。不器用ながらも在在を大切に思う陸譲の優しさが存分に描かれている。

さらに顧然と姜佳のコミカルな関係も大きな見どころとなっている。


【次回への期待】

怪我をきっかけに急接近した在在と陸譲。

二人はまだ恋人ではない。

けれど、お互いを気に掛ける気持ちは日に日に大きくなっている。

そして運動会では、陸譲の中にも小さな嫉妬のような感情が芽生え始めたように見える。

果たしてそれは友情なのか、それとも恋心なのか。

太陽のように明るい在在と、不器用で優しい陸譲の青春は、これからさらに甘く切ない展開へと進んでいく。次回も見逃せない。

 

第7話 君のための一票と、二人だけの台本練習

運動会が終わり、高校生活は再び穏やかな日常へ戻っていく。しかし蘇在在(スー・ザイザイ)にとって、その日常は以前とは少し違っていた。張陸譲(ジャン・ルーラン)との距離は確実に縮まり、お互いの存在が特別なものになり始めていたのである。

運動会の余韻が残る中、姜佳(ジャン・ジア)は競技を終えた後、蘇在在を探して校内を歩き回っていた。

ところが、その途中で憧れの先輩・沈謙宇(シェン・チェンユー)を発見する。

途端に頬を緩ませ、遠くから見つめるだけで幸せそうな表情を浮かべる姜佳。

そんな彼女の様子を見ていた顧然(グー・ラン)は、いつものように茶化し始める。

「そんなに好きなら自分から話しかければ?」

しかし姜佳にはその勇気がない。

すると顧然はその弱みを利用し、「協力してほしいなら俺の言うことを聞け」と半ば強引に取引を持ちかける。

二人は相変わらず顔を合わせれば言い合いばかりだが、その関係は以前よりもずっと自然で親しいものになっていた。

一方、在在は運動会で好成績を収めた陸譲のことを自分のことのように喜んでいた。

陸譲は100メートル走で見事に入賞し、表彰台にも立った。

順位など在在には関係ない。

一位でも二位でも、彼が頑張ったことが嬉しかったのだ。

「すごい! 本当にかっこいい!」

目を輝かせながら賞状やメダルを眺める在在。

そんな彼女を見た陸譲は、突然自分の銀メダルを差し出した。

「これ、あげる。」

予想外の行動に在在は驚く。

それは彼にとって努力の証でもある大切なものだった。

周囲の生徒たちも思わずざわつく。

特に葉真欣(イエ・ジェンシン)は複雑な表情を隠せなかった。

以前から陸譲に好意を抱いていた彼女にとって、その光景は見過ごせるものではなかった。

「どうして蘇在在にあげるの?」

思わず問いかける葉真欣。

すると陸譲は淡々と答える。

「蘇在在が好きだから。」

もちろんそれは“メダルが好きだから”という意味だった。

だが、その言葉は周囲に様々な想像を抱かせるには十分だった。

帰り道、在在はメダルを返そうとする。

しかし陸譲は受け取ろうとしない。

そして突然、彼は在在へ問いかける。

「もしかして、俺のこと好きなの?」

予想もしなかった質問に在在は頭が真っ白になる。

胸が激しく高鳴る。

好き。

その言葉を本人から向けられる日が来るなんて想像もしていなかった。

だが、正直に答える勇気はまだない。

慌てた在在は、

「だってまだ十六歳だもん!」

と意味不明な返事を残し、そのまま逃げるように走り去ってしまう。

残された陸譲は呆れながらも、どこか楽しそうだった。

そんな中、学校では中間試験の成績分析が行われていた。

普通クラスである9組だったが、英語の成績は学年でも上位に入っている。

教師たちはその要因として在在と陸譲の相互学習に注目していた。

張先生と林先生は、二人の勉強法を他の生徒にも共有してもらおうと考え、それぞれのクラスで学習経験を話してもらうことを決定する。

在在は1組で発表を行うことになった。

ところが、その話を聞いた陸譲はどこか落ち着かない。

理由は自分でも分からない。

ただ、在在が他の生徒たちと親しくなることを想像すると、なぜか胸の奥がざわつくのだ。

発表後、多くの生徒が在在へ興味を示し始める。

すると陸譲はさりげなく彼女を呼び出し、

「一緒に帰ろう。」

と声をかける。

それはまるで他の誰にも取られたくないと言っているようにも見えた。

もちろん在在は大喜びだった。

そんなある日、学校では創立記念祭の準備が始まる。

各クラブには出し物が義務付けられ、演劇部も舞台を上演することになった。

主演を決める投票が行われる中、葉真欣は生徒たちへお菓子を配りながら票集めに奔走する。

しかし結果は意外なものだった。

主演に選ばれたのは蘇在在だったのである。

発表を聞いた在在は飛び上がるほど喜ぶ。

大好きな舞台で主役を演じられる。

しかも、もしかしたら陸譲にも見てもらえるかもしれない。

それだけで胸がいっぱいになる。

その後、在在は沈謙宇から投票用紙を見せてもらう機会を得る。

何気なく確認していた彼女だったが、ある一枚を見つけた瞬間、思わず笑顔になる。

張陸譲の投票だった。

そこにはしっかりと「蘇在在」の名前が書かれていた。

帰り道。

在在は嬉しさを隠しきれず陸譲へ尋ねる。

「私に投票してくれた?」

ところが陸譲は平然と否定する。

「してない。」

しかし在在は気付いていた。

陸譲は嘘をつく時、無意識に首筋を触る癖があることを。

思わず笑みがこぼれる。

他の誰が投票してくれたかなんてどうでもいい。

彼が自分を選んでくれたことが何より嬉しかった。

夜になると、在在は舞台の台詞練習を理由に陸譲へメッセージを送る。

「台詞合わせ手伝って!」

だが陸譲は簡単には了承しない。

「模擬試験で90点取ったら。」

いつものように勉強を条件にしてくる。

その後、二人は放課後に補習を行うことになる。

いつも利用しているカフェへ向かったが、その日は臨時休業だった。

すると陸譲は自然な口調で言う。

「じゃあ、うち来る?」

突然の誘いに在在の心臓は大騒ぎになる。

好きな人の家。

しかも二人きり。

落ち着けるはずがなかった。

陸譲の部屋で勉強を始めた在在。

彼が作成した問題を解き終えたものの、結果は85点。

あと5点足りない。

落ち込む在在だったが、その時玄関のドアが開く。

帰宅したのは陸譲の叔父だった。

挨拶しようと振り返った在在は固まる。

なんと相手は担任の林先生だったのだ。

思わぬ事実に在在は大混乱。

慌てて帰ろうとするが、林先生は笑いながら二人を引き止める。

「ちゃんと勉強しなさい。」

むしろ温かく見守ってくれていた。

その後、帰り道で在在は再び台詞練習の話を持ち出す。

すると陸譲は少し考えた後、

「最近よく頑張ってるから、特別に10点加算。」

と告げる。

つまり90点達成ということになる。

ようやく台詞合わせの約束を取り付けた在在は大喜びする。

数日後。

二人は実際に台本を使って練習を始める。

しかも役柄は恋人同士。

向かい合って台詞を読むだけで在在の顔は真っ赤になる。

一方の陸譲も表面上は冷静を装っているが、どこかぎこちない。

そんな二人の様子を見ていた顧然と関放は面白がり、わざと恋愛感情を込めた演技を要求する。

そのたびに二人は照れてしまう。

しかし周囲から見れば、まるで本物の恋人同士のようだった。

練習中には関放の祖母も帰宅する。

事情を知らない祖母は、関放が突然話しかけてきたと思い込んでしまう。

皆で事情を説明し、そのまま簡単な演劇を披露することに。

祖母は楽しそうに笑いながら拍手を送り、部屋は温かい空気に包まれる。

何気ない時間。

しかし在在にとっては忘れられない思い出となっていく。

陸譲と過ごす一つひとつの瞬間が、彼女の青春を少しずつ色鮮やかに染めていた。


【第7話の見どころ】

今回最大の見どころは、陸譲が在在へメダルをプレゼントするシーン。大切な賞を迷わず差し出す姿からは、彼にとって在在がどれほど特別な存在になっているかが伝わってくる。

また、「俺のこと好きなの?」という突然の質問は、これまでで最も恋愛を意識させる場面となった。

さらに創立記念祭の主演決定や、二人きりの台詞練習など、青春ラブストーリーらしい胸キュンシーンが盛りだくさん。照れながらも距離を縮めていく二人の姿から目が離せない。


【次回への期待】

創立記念祭の舞台本番が近づく中、主演となった在在と陸譲の関係はさらに深まっていく。

互いに特別な存在だと感じ始めながらも、まだ誰もその気持ちを口にはできない。

そして陸譲のさりげない嫉妬や独占欲も少しずつ見え始めている。

果たして舞台の練習は二人の恋を大きく前進させるきっかけになるのか。

不器用ながらも優しい少年と、太陽のように明るい少女。

二人の青春純愛物語は、ますます甘く、ときめきに満ちた展開へと進んでいく。次回も胸キュン必至のエピソードが待っている。

 

第8話 文化祭の舞台で輝く恋心、そして二人だけの水族館デート

張陸譲(ジャン・ルーラン)と蘇在在(スー・ザイザイ)の距離は、文化祭をきっかけにさらに近づいていく。

しかしその一方で、お互いを意識する気持ちが大きくなるほど、これまで感じたことのない戸惑いや嫉妬も芽生え始めていた。

恋とは何なのか。

まだはっきりと答えを知らない高校生たちは、少しずつ自分の心の変化に気付き始める。

ある日、蘇在在は担任の林先生から呼び出される。

突然の呼び出しに在在は緊張する。

最近何か失敗をしただろうか。

補習のことが問題になったのだろうか。

様々な不安が頭をよぎる。

ところが林先生の口から出たのは予想外の言葉だった。

「張陸譲を支えてくれてありがとう。」

林先生は、在在が陸譲の英語の成績向上に大きく貢献していることを知っていたのだ。

教師として陸譲を長く見守ってきた林先生だからこそ、最近の彼の変化にも気付いていた。

以前より明るくなったこと。

少しずつ笑顔を見せるようになったこと。

そして誰かを気遣う姿が増えたこと。

その変化の中心に在在がいることを、林先生は理解していた。

思いがけない感謝の言葉に、在在はようやく胸をなで下ろす。

そして改めて、自分が陸譲の力になれていることを嬉しく感じるのだった。

放課後になると、在在はいつものように陸譲との補習へ向かう。

その日、姜佳(ジャン・ジア)は一人で帰宅することになった。

ところが帰り際、クラスメイトからスカートが汚れていることを指摘される。

思春期の少女にとって、それはとても恥ずかしい出来事だった。

どうしていいか分からず戸惑う姜佳。

そんな時、偶然顧然(グー・ラン)と出会う。

助けを求めたい気持ちはあった。

しかし説明するのが恥ずかしくて言い出せない。

すると空気を読まない顧然は、

「俺、急いでるから!」

と言って走り去ってしまう。

取り残された姜佳は肩を落としながら帰路につく。

しかしその途中で思いがけない人物と出会う。

憧れの先輩・沈謙宇だった。

事情を察した沈謙宇は自然に声をかけ、家まで送ることを申し出る。

夢のような展開に姜佳の心は大喜び。

緊張しながらも幸せな帰り道を過ごすことになる。

そして迎えた文化祭当日。

校内は華やかな雰囲気に包まれていた。

演劇部も本番に向けて準備を進めていたが、ここで大きな問題が発生する。

主演を務める予定だった沈謙宇が怪我をして病院へ運ばれてしまったのだ。

開演まで残された時間はわずか。

代役を探さなければならない。

焦る部員たち。

その時、在在の頭に一人の人物が浮かぶ。

張陸譲だった。

彼は以前から在在と何度も台詞合わせをしていた。

役の内容も理解している。

そして何より、在在は彼と一緒に舞台へ立ちたかった。

在在からお願いされた陸譲は少し驚く。

しかし彼女の真剣な眼差しを見ると、静かにうなずく。

こうして突然、陸譲が主演を務めることになった。

舞台裏では別のドラマも繰り広げられていた。

緊張で顔がこわばる姜佳。

初めての大舞台に不安でいっぱいだった。

そんな彼女に顧然は声をかける。

「観客を白菜だと思えばいい。」

相変わらず意味不明なアドバイスだったが、そのおかげで姜佳は少しだけ緊張が和らぐ。

そしていよいよ幕が上がる。

客席には多くの生徒や教師たちが集まっていた。

顧然は客席から仲間たちを見守りながら、スマートフォンで舞台を撮影していた。

舞台が始まると、在在と陸譲の演技は観客を驚かせる。

まるで本当の恋人同士のようだったからだ。

それもそのはず。

二人は普段から一緒に過ごし、何度も台詞練習を重ねてきた。

互いの呼吸や表情を自然に理解している。

舞台の中で見つめ合う姿も、手を取り合う姿も、どこか現実の二人と重なって見えた。

さらに劇中では社交ダンスを踊る場面もあった。

手を取り、音楽に合わせてゆっくりとステップを踏む二人。

会場からは思わず歓声が上がる。

在在の胸は高鳴っていた。

演技だと分かっていても、陸譲とこんなに近くで向き合えることが嬉しかったのだ。

無事に舞台が終わると、会場は大きな拍手に包まれる。

舞台袖へ戻った陸譲は、どこか落ち着かない様子だった。

在在と近い距離で演技をしたことを意識しているのかもしれない。

そんな彼へ在在は笑顔で尋ねる。

「今日の私、可愛かった?」

陸譲はそっけなく答える。

「普通。」

しかしその直後、無意識に後頭部へ手を伸ばす。

それは彼が嘘をつく時の癖だった。

在在はすぐに気付く。

本当は可愛いと思ってくれたのだ。

そう思うだけで幸せな気持ちになる。

一方、関放(グアン・ファン)は撮影した映像を祖母へ見せていた。

本当は自分も主演になりたかった。

そんな複雑な思いを抱えていたが、祖母は優しく励ましてくれる。

その言葉に関放も少し救われるのだった。

文化祭が終わると、在在は学校内でちょっとした有名人になる。

舞台での演技が評判となり、多くの男子生徒が話しかけてくるようになったのだ。

連絡先を聞かれることも増えた。

その様子を見ていた陸譲の心は穏やかではなかった。

誰にも気付かれない程度だが、明らかに機嫌が悪い。

自分でも理由は分からない。

しかし在在が他の男子と話している姿を見ると落ち着かないのだ。

帰り道。

在在はそんな陸譲の様子を察していた。

だからこそ自分から伝える。

「電話番号、誰にも教えてないよ。」

その一言を聞いた瞬間、陸譲の心は少し軽くなる。

もちろん表面上は無関心を装う。

だが内心では安心していた。

在在はやっぱり特別だった。

一方、姜佳は病院へ向かっていた。

怪我をした沈謙宇のお見舞いへ行くためである。

病室の前に立っただけで緊張してしまう姜佳。

そんな彼女を見かねた顧然は先に病室へ入り、

「これ、姜佳が一生懸命作った弁当です。」

と代わりに説明してくれる。

病室を出た後、姜佳は素直に感謝の言葉を伝える。

しかし顧然はなぜか面白くない。

いつものように言い合いをしている方が自然だったからだ。

そんな二人は後日、一緒に出掛けることになる。

ところが以前バスケットボールで負かした相手たちに顧然が絡まれてしまう。

相手は明らかに仕返しをする気だった。

その時、現れたのは姜佳だった。

彼女は迷わず顧然の前に立つ。

「私が守る!」

勇敢に見えたが、本当は喧嘩をするつもりなどない。

次の瞬間、姜佳は顧然の手を掴んで全力で逃げ出す。

突然手を握られた顧然は驚く。

しかし同時に胸が高鳴る。

二人で笑いながら走るその時間は、これまでにないほど楽しかった。

顧然はようやく自分の気持ちに気付き始める。

そして休日。

在在と陸譲は二人で水族館へ出掛ける。

在在はDVカメラを片手に、終始楽しそうに魚の説明をしていた。

しかし実際は知識が曖昧で、魚の名前を何度も間違えてしまう。

ちょうど近くには幼稚園の遠足グループが来ており、先生が正しい名前を説明していた。

在在は顔を真っ赤にする。

それでも陸譲は笑わない。

彼女の間違いを指摘することもない。

ただ優しく見守っていた。

館内を歩きながら、在在はカメラで二人の思い出を記録していく。

魚を見上げる陸譲。

ガラス越しに泳ぐ魚たち。

そして自分たちの笑顔。

どの瞬間も特別だった。

気付けば陸譲も自然に笑っていた。

誰にも見せないような穏やかな笑顔。

それは在在と一緒だからこそ生まれる表情だった。

こうして二人は、水族館で忘れられない一日を過ごす。

それはまるで本当のデートのような時間だった。


【第8話の見どころ】

今回最大の見どころは、文化祭の舞台で急きょ主演を務めることになった張陸譲と蘇在在の共演シーン。

息の合った演技や社交ダンスの場面はまるで本物の恋人同士のようで、二人の距離の近さを改めて感じさせる。

また、文化祭後に在在へ近付く男子生徒たちに密かに嫉妬する陸譲の姿も大きな注目ポイント。不器用な彼が少しずつ恋心を自覚し始めている様子が丁寧に描かれている。

さらに姜佳と顧然の関係も大きく進展し、もう一組の青春ラブストーリーとして見逃せない展開となっている。


【次回への期待】

文化祭を終えたことで、在在と陸譲はこれまで以上にお互いを意識するようになった。

しかし二人ともまだ自分の気持ちを素直に言葉にすることができない。

一方で、陸譲の嫉妬や独占欲は少しずつ表面に現れ始めている。

そして水族館で過ごした幸せな時間は、二人の関係をさらに大きく変えていくかもしれない。

太陽のように明るい少女と、不器用ながらも優しい少年。

青春の恋はゆっくりと、しかし確実に前へ進み始めている。次回はどんな胸キュンの瞬間が待っているのだろうか。ますます目が離せない。

 

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