定風波~神捕、冥(くら)き真実を暴く~ 2025年 全36話 原題:定風波(定风波)
目次
第1話 血の涙を流す功臣の石碑
大亓が中興の時代を迎え、天下が平穏を取り戻す中、皇帝は長年にわたり朝廷に尽くした48人の忠臣を称えるため、紫薇宮に高楼を建て、**「琅華閣」**と名付ける。閣内には功績に応じて臣下たちの名が刻まれ、特に功績の大きかった陸文忠、秦業、樊敬志、沈敝の4人には、功績を讃える姿を刻んだ巨大な碑壁まで用意された。ところが落成式の日、皇帝と百官が見守る中、4人の像から突然、血の涙が流れ始める。不吉な兆しだと騒ぐ礼官に皇帝は激怒し、管理の不手際として礼官や当番の宦官たちを処罰。さらに、その場にいた者全員に事件について口外しないよう厳命する。
しかし、異変はこれで終わらなかった。やがて4人の功臣のうち3人が、相次いで不可解な死を遂げる。陸文忠は救援に向かう途中、馬上で突然、首と胴体を切断される。秦業は自宅で上奏文を書いている最中、突然発生した炎に包まれて焼死。さらに樊敬志は寝室で入浴中、何者かに襲われた痕跡もないまま浴槽で溺死してしまう。そして3つの現場には共通して、血で書かれた不気味な二文字――**「夜煞」**が残されていた。不可解な連続殺人は、朝廷を大きく揺るがす事件へと発展していく。
第2話 死んだはずの功臣が現れる
沈敝が街中で殺されたとの知らせを受け、皇帝は鐘雲赤を厳しく問いただしていた。そこへ蕭北冥が、顔を帽子で隠した従者を連れて殿内へ現れる。皇帝が事件の捜査に失敗した蕭北冥を責めようとしたその時、従者が帽子を脱ぐ。すると、その正体はなんと死んだはずの沈敝本人だった。実は轎の中で殺されたのは、処刑を目前に控えていた極悪な囚人。蕭北冥は囚人を密かに牢から連れ出し、人皮の面具を使って沈敝に見せかけていたのだ。
さらに蕭北冥は、琅華閣で起きた怪異の正体を暴く。碑像が流した血の涙は超常現象ではなく、**「鳳凰蝋」**という特殊な蝋を像の目に塗った仕掛けだった。蝋は蝋燭の熱で溶け、赤く変色して流れ落ちるため、まるで石像が血の涙を流しているように見えたのだ。そして碑像の「血涙」を合図に、夜煞が対応する功臣を殺し、天罰を装っていたことが判明する。仕掛けを施した小宦官はすでに自害していた。皇帝が前三人の死について問いただすと、蕭北冥は冷静に事件現場の痕跡を一つずつ示し、馬上での斬首、焼死、浴槽での溺死という不可解な殺人の謎を次々と解き明かしていく。
第3話 復讐に囚われた女捕吏
悪夢から目を覚ました鍾雪漫は、なんと地下の洞窟に置かれた棺の中で横たわっていた。揺れる蝋燭の明かりが、氷のように冷たい彼女の表情を照らす。目の前には父・鍾雲赤の位牌があり、雪漫の脳裏には父が無残に殺された光景が蘇る。苦しみに耐えきれなくなった彼女は飛刀を壁へ投げつける。そこには蕭北冥の肖像画が貼られており、飛刀は心臓の位置を正確に射抜く。しかも、その肖像にはすでに無数の飛刀が突き刺さっていた。彼女が抱える憎しみの深さを物語る光景だった。
その後、冷淡な表情で街を歩いていた雪漫は、諸葛孔雲に呼び止められる。3年前に起きた**「風波湖惨案」以来、蕭北冥は師匠殺しの「夜煞」として指名手配され、朝廷から高額な懸賞金までかけられていた。一方、かつて皇帝の信頼を得ていた神捕営も事件を境に失脚し、重大事件の捜査は暗偵営へ移されている。特に夜煞事件は最重要案件だった。3年間、蕭北冥を追い続けてきた雪漫に、諸葛孔雲は協力を求めるが、彼女は冷たく拒絶し、「私が望むのは蕭北冥を殺すことだけ」**と言い放つ。かつて無邪気だった少女は、父を失った悲しみと憎しみに染まり、冷酷な女捕吏へと変貌していた。
第4話 花嫁縫い殺し事件の謎
鍾雪漫が事件を追う中、蕭北冥と風清濁は地下洞に閉じ込められていた。二人の会話から、蕭北冥は自分が世間から**「夜煞」そして雪漫の父を殺した仇**だと思われていることを知る。一方、蕭北冥も風清濁の正体を見抜く。彼こそ毒絶谷の「小白龍」であり、師・無双老人の死後、毒絶谷の老臭虫に悪評を流され、江湖から追われる身となったため、身分を隠して神捕営に潜り込んでいたのだ。蕭北冥は互いの秘密を守る取引を持ちかけ、風清濁も蕭北冥が雪漫のそばにいることを隠すと約束する。
一方、雪漫は方天正を訪ね、「新婦縫い殺し事件」を報告せず、遺体まで焼いて証拠を消した理由を問いただす。方天正は夜煞の再出現で民衆が恐怖に陥っており、雪漫を守るためだったと説明するが、彼女は捜査を諦めない。今回の犠牲者はすべて、すでに身請けされていた妓女だという共通点があった。雪漫の執念に押され、方天正は唯一焼却されずに残った遺体の捜査を許可する。雪漫が妓楼で調べると、被害者を興春楼へ売った後、身請けしたのは胡十三だと判明。しかし本人はすでに長く行方不明で、配下も身請けした理由を知らない。ただ、失踪前夜の胡十三が人知れず涙を流していたという証言だけが、事件の新たな手掛かりとして残される。
第5話 偽りの聖女と消えた少女
白装束の女が必死に逃げようとするものの、何者かに捕らえられ、最後には斧で惨殺されるという衝撃的な事件が起こる。事件を追う蕭北冥、鍾雪漫、風清濁の3人は、南越人が行う祭祀の現場へ潜入する。一方、諸葛孔雲は蕭北冥が事件に関与している可能性を疑い、確証はないものの部下に追跡を命じる。蕭北冥は先回りして笠を捨て、追跡をかわすことに成功。3人は仮面を着けて祭祀の場へ入り込み、朝廷の足の不自由な王族の姿と、舞台上で怪しげな儀式を演じる萨達を目撃する。
3人は萨達を追って裏手へ回り、彼を捕らえて事情を聞き出す。すると、萨達たちは「聖女」と称した女性たちを捕らえ、祈祷を口実に金を巻き上げたうえ、最終的には彼女たちを胡十三に売り渡していたことが判明する。しかし、その直後、突然現れた黒衣の覆面男が萨達を救出し、逃走してしまう。手掛かりを得た3人が暗室へ戻ると、そこには大勢の兵を率いた諸葛孔雲が待ち構え、蕭北冥を包囲していた。ところが笠を取ると、中にいたのは別人の童双。諸葛孔雲は罠を疑い追及するが、鍾雪漫は彼の喉を締め上げ、吐血させたうえで、二度と鐘家に勝手に踏み込めば、次は容赦しないと警告する。その後、蕭北冥はかつて自分と雪漫が結婚するはずだった部屋を訪れ、竹林で彼女と再会した日の記憶に思いを馳せる。やがて二人で売られた少女たちの身元を調べると、事件を解く鍵を握る少女――小芙の存在が浮かび上がる。
第6話 景山侯に迫る危機と断崖の死闘
毒が発症し、体力を大きく消耗していた蕭北冥。それでも捜査を続けようとする彼を風清濁が背負って調べを進めるが、蕭北冥はついに意識を失う。そんな中、鍾雪漫と童双は塩鉄場へ向かい、壁に縫い付けられた阿加を発見する。かろうじて息があることを確認した二人は、彼女を急いで治療へ運ぶ。一方、諸葛孔雲は暗偵営を率いて神捕営に乗り込み、夜煞が関係する事件なのになぜ報告しなかったのかと追及する。方首座は、女性一人を殺すために大掛かりな仕掛けをするのは蕭北冥らしくないとして、真の夜煞による犯行ではないと考えていた。
意識を取り戻した蕭北冥は雪漫と事件を整理し、祭祀の場で阿加の行動を目撃しながら止めようとしなかった景山侯こそ真の萨達ではないかと推理する。さらに、これまで阿加だと思っていた人物は実は裁縫師であり、景山侯府に塩鉄場の手掛かりをわざと残していたことも見抜く。それは、捜査陣を景山侯府へ誘導し、景山侯を狙うためだった。3人が急いで侯府へ向かうと、すでに景山侯は殺害されていた。犯人の裁縫師を追うと、彼は崖へ飛び込み姿を消す。その直後、諸葛孔雲が兵を率いて現れ、蕭北冥を引き渡すよう迫る。蕭北冥は崖際に身を隠すが、掴んだ縄が短すぎて届かず、そのまま断崖の下へ転落してしまう。
定風波~神捕、冥(くら)き真実を暴く~ 7話・8話・9話・10話・11話・12話 あらすじ
















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