扶揺

扶揺(フーヤオ)~伝説の皇后~

扶揺(フーヤオ)~伝説の皇后~ 1話・2話・3話・4話 あらすじ

扶揺(フーヤオ)~伝説の皇后~ 2018年 全66話 原題:扶揺

以下、これまでと同じ形式で作成いたします。


第1話の見どころ

奴隷同然の身分で生きる少女・扶揺が、自らの運命を切り開こうと禁断の修行に挑む姿から物語は幕を開けます。彼女を密かに支える燕驚塵との淡い想い、門派内の身分差による対立、そして太淵国で勃発する王位簒奪という激動の政変が同時進行し、壮大な世界観が一気に描かれます。扶揺が偶然救った王族の青年との出会いは、彼女自身も知らない宿命へとつながる重要な第一歩となり、今後の展開への期待を大きく膨らませます。


第1話あらすじ

はるか昔、五洲大陸は凶悪な魔王・帝非天によって滅亡寸前まで追い込まれました。人々は絶望の淵に立たされますが、穹蒼の長老・長青子が聖なる力を持つ「玄霊真葉」を用いて帝非天を封印し、五洲にはようやく平和が訪れます。しかし帝非天は完全に滅びたわけではなく、その力の一部は「五色石」となってこの世に残されました。そして今、その五色石を宿す一人の少女の存在によって、再び世界が危機を迎えようとしていました。

穹蒼では長老が弟子に重要な使命を授けます。玄霊真葉に選ばれたその弟子だけが五洲を救える存在であり、五色石を宿す少女を見つけ出さなければ再び世界は滅びると告げられるのでした。

場面は太淵国・玄元山へ移ります。雪山の中で目隠しをした少女・扶揺は、玄元派の試練に果敢に挑んでいました。目標は玄元派の紋章を手に入れること。彼女は素早い身のこなしで番兵を次々と倒し、あと一歩で目的を果たそうとしますが、不意を突かれて崖下へ落とされてしまいます。

扶揺は幼い頃から玄元派で育ちましたが、才能がないと見なされ、正式な弟子として認められることはありませんでした。最下層組織である玄幽部へ送られ、雑用や掃除をする下働きとして暮らしています。それでも彼女は決して希望を失わず、いつか実力で身分を変えたいと願い続けていました。

そんな扶揺に唯一優しく接してくれるのが、玄元派一の実力者であり掌門の息子でもある燕驚塵です。彼は人知れず扶揺へ武術を教え、彼女もまた燕驚塵を深く尊敬し、密かな恋心を抱いていました。今回扶揺が禁じられた五行密室へ忍び込んだのも、強くなるために武術を盗み学ぼうとしたからでした。

しかし密室で待ち受けていたのは、燕驚塵に想いを寄せる弟子・裴瑗でした。彼女は扶揺を目の敵にしており、門規を破った罪で掌門へ突き出そうとします。侍女の阿烈も加わって扶揺を責め立てますが、扶揺は持ち前の機転を利かせ、縄を使って断崖絶壁から見事に脱出するのでした。

山の麓では偶然燕驚塵と再会します。追いついた裴瑗は扶揺の罪を訴えますが、燕驚塵は冷静に話を収め、扶揺を逃がします。その姿に扶揺は改めて彼への想いを募らせます。

この日は玄元派最大の祭祀大典が行われる日でした。しかし玄幽部の者には参加資格すら与えられていません。それでも祭りを見たい扶揺は、同じ下働きの小七から青い弟子服を借り、正式な門弟になりすまして式典へ潜り込みます。

祭壇では掌門・燕烈が弟子たちを前に、八年に一度開催される「畋斗賽」の開催を宣言します。この大会は身分に関係なく成人した門弟なら誰でも参加でき、優勝者には英雄として太淵国へ仕える栄誉が与えられます。扶揺は玄幽部には参加資格すらない現実を嘆きますが、叔父のような存在である周叔に見つかり、小七とともに式典から連れ戻されてしまいます。

厳しく叱られながらも、周叔は結局扶揺を見捨てることはできません。彼女に酒を買いに山を下る仕事を任せ、その成長を陰ながら見守るのでした。

一方その頃、太淵国の王都・昆京では王朝存亡の危機が迫っていました。病に伏した国王・軒轅韌は世子・軒轅斎へ、王位を狙う国公・斉震を討つよう命じます。しかし斉震は秘術によって王の会話を盗み聞きしており、その夜ただちに反乱を決行。宮廷は血に染まり、世子・軒轅斎は命を落とします。斉震は自らが王位を奪う瞬間を国王に見せつけようと、あえて国王だけは生かしておくのでした。

玄元派でもこの政変は話題となります。燕驚塵は友人でもある軒轅斎を救いたいと考えますが、父・燕烈は武林の門派は朝廷争いへ関わるべきではないと諭し、迫る畋斗賽で優勝することだけを考えよと命じます。

その頃、酒を運ぶ途中だった扶揺は、何者かに追われ傷ついた青年と出会います。彼は王族の一人・軒轅旻であり、「どうか命を救ってほしい」と助けを求めます。扶揺は迷わず彼を荷車へ隠しますが、裴瑗が仕掛けていた罠によって馬車は横転。軒轅旻の居場所は敵に知られてしまいます。

軒轅旻は斉震の養子・雲痕のもとへ連行されます。冷酷な雲痕は即座に処刑を命じますが、まさに命を奪おうとしたその瞬間、斉震から「生かしておけ」という新たな命令が届きます。かろうじて命をつないだ軒轅旻の存在が、やがて扶揺と五洲全土の運命を大きく動かしていくことになるのでした。

 

第2話の見どころ

扶揺の前に再び現れた謎の青年の正体が、五洲の命運を左右する天権国の皇太子・長孫無極であることが明らかになります。一方、燕驚塵は玄元派の未来を背負う立場と扶揺への想いとの間で苦悩し、裴瑗との縁談を受け入れようと決意。信じ続けてきた相手が別の女性と並ぶ姿を目にした扶揺は深く傷つきます。宿命を秘めた二人の出会いと、切ない初恋の終わりが交錯する、物語の大きな転機となる一話です。


第2話あらすじ

国公・斉震は、捕らえた軒轅旻を新たな世子として擁立する計画を着々と進めていました。軒轅旻は表向きこそ頼りない放蕩者として知られていましたが、斉震は彼が王位を継ぐ存在として利用できると判断し、王都へ迎える準備を始めます。しかし、養子である雲痕はその正体に疑念を抱いていました。軒轅一族だけが使える御水術を操るとはいえ、それだけで本物の王族とは断定できないからです。

斉震もまた完全には信用していませんでした。それでも軒轅王家の血筋がほぼ絶えた今、他に代わる存在はいません。さらに五洲には古くから「王族を皆殺しにして王位を空位にしてはならない」という掟があり、もし国王・軒轅韌まで殺してしまえば、太淵国そのものが消滅し、王権は宗主国・天権へ返還されてしまいます。そのため斉震は国王を生かしたまま、軒轅旻を傀儡の世子として利用しようとしていたのでした。また、幻生殿の殿主・非煙からの情報が届くまでは、軒轅旻を王都へ入れることも禁じ、慎重に計画を進めるのでした。

その頃、玄元派では扶揺が罰として洗濯を命じられていました。そんな彼女のもとへ小七が慌てて駆け込み、玄幽部で飼われている豚の小白が瀕死の状態だと知らせます。扶揺は小白を家族のように可愛がっており、命を救うため禁足地の崖にしか咲かない薬草・百芝蘭を採りに向かいます。

険しい断崖をよじ登り、ようやく百芝蘭へ手を伸ばしたその瞬間、一人の青年が横から現れて薬草を奪い去ります。それは以前助けた軒轅旻――実は長孫無極でした。事情を知らない扶揺は薬草を返すよう迫り、泥沼の中で激しい争いになります。しかし武術では無極が圧倒的に勝り、扶揺は追い詰められてしまいます。

それでも扶揺は持ち前の機転を発揮し、蔓を利用して無極だけを泥沼へ閉じ込めることに成功します。身動きが取れなくなった無極は、百芝蘭と引き換えに助けるよう持ちかけ、扶揺もこれを了承します。しかし、ようやく岸へ上がった無極は約束を破り、百芝蘭を持ったまま立ち去ってしまいます。今度は扶揺自身が泥沼へ落ちてしまい、悔しさを噛みしめるのでした。

一方、玄元派では掌門・燕烈が息子の燕驚塵へ、まもなく開催される畋斗賽の重要性を説いていました。大会には五洲中の名門や権力者が集まり、優勝すれば玄元派の名声は大きく高まります。燕烈は息子に必ず優勝するよう命じると同時に、身分違いである扶揺への想いを断ち切るよう諭します。燕驚塵もまた門派の将来を考え、「扶揺は玄幽部の下働きに過ぎない」と自らに言い聞かせ、父の期待に応える決意を固めるのでした。

そこへ玄元派を訪れた斉震は、八年に一度しか姿を現さない神器・渾天方鼎を目にし、畋斗賽を見届けることを決めます。その裏では各地の勢力が王都の混乱を静観していましたが、斉震はむしろ混乱によって敵味方を見極められると余裕を見せていました。

その頃、百芝蘭を持ち帰った無極は、親友であり名医でもある宗越のもとを訪れます。宗越は百芝蘭から作った丹薬を無極へ飲ませ、その力によって御水術はさらに強化されます。そしてここで衝撃の事実が明かされます。軒轅旻を名乗る青年の正体は太淵王族ではなく、宗主国・天権国の皇太子・長孫無極だったのです。

無極は穹蒼の術で軒轅旻になりすまし、戦を起こさず各国の混乱を収めるという密命を帯びていました。しかし斉震の疑いは完全には晴れておらず、それを払拭するため命懸けで百芝蘭を取りに行ったのでした。

一方、泥まみれになって玄幽部へ戻った扶揺は、周叔に叱られながらも着替えを済ませ、宴席で給仕を務めることになります。宴では無極があえて無知で頼りない世子を演じ、斉震の警戒心を和らげていました。

そこへ燕驚塵と裴瑗も姿を現します。裴瑗は自分が斉震の姪であることを公言し、その場にいた燕烈たちは驚きを隠せません。斉震は聡明で武芸にも優れた燕驚塵を気に入り、裴瑗との縁談を本格的に考え始めます。

酒を運んできた扶揺は、宴席で無極の顔を見て驚きます。以前自分が助けた青年とは別人であることに気付き、この世子が偽物だと察したのです。無極は正体を見破られることを恐れ、とっさに扶揺を侍女として叱責し、更衣を口実に彼女を連れ出します。

二人きりになると扶揺は部屋の仕掛けを利用して乾坤鎖で無極を拘束しますが、その程度では彼を止めることはできません。そこへ雲痕が現れたため、無極は扶揺と即興で芝居を打ち、互いに言い争うふりをして疑いをかわします。その鮮やかな機転に扶揺も思わず感心するのでした。

後日、周叔は無極から贈られた貴重な霊薬を扶揺へ渡します。その薬のおかげで小白は一命を取り留めます。宗越は高価な薬を惜しげもなく与えた無極の行動に驚き、彼が特別に気に掛ける少女とは一体どんな人物なのか興味を抱くのでした。

やがて周叔から、燕驚塵と裴瑗の縁談が進んでいることを聞かされた扶揺は耳を疑います。信じられない思いで玄正部へ駆け込みますが、そこで目にしたのは桃林を並んで歩く二人の姿でした。裴瑗が燕驚塵の髪を優しく整える様子を見た扶揺は言葉を失います。燕驚塵も彼女に気付きながら、門派の未来と権力を選び、引き止めることはしませんでした。扶揺は胸を引き裂かれるような思いを抱えたまま、その場を静かに立ち去るのでした。

 

第3話の見どころ

扶揺は燕驚塵との恋に自ら終止符を打ち、自分の力だけで未来を切り開く決意を固めます。一方、何者かの策略によって畋斗賽への出場者に仕立て上げられた扶揺は、命懸けの試練へ挑むことに。彼女を守ろうとする燕驚塵と、それを利用して扶揺を葬ろうとする裴瑗の思惑が交錯する中、長孫無極もまた扶揺への興味を深めていきます。少女が自らの運命へ立ち向かう覚悟を決める、物語の大きな転換点となる一話です。


第3話あらすじ

扶揺を襲おうとした上古神獣・呲鉄の前に、長孫無極が颯爽と現れます。無極は迷うことなく神獣へ立ち向かい、鋭い身のこなしで急所を突き、暴れ狂う呲鉄を一瞬で気絶させます。その実力を目の当たりにした扶揺は驚きを隠せません。

無極は呲鉄が太古から伝わる神獣であり、間もなく玄元派の者たちが捜索に訪れると判断します。余計な争いを避けるため、二人はその場を離れることにしました。扶揺が無極の正体について問い詰めることはありませんでしたが、別れ際、「仮面を長くつけ続けていると、本当の自分が誰なのか忘れてしまうものよ」と意味深な言葉を残します。その言葉は無極の胸に深く刻まれ、彼は思わず笑みを浮かべるのでした。

その頃、玄元派では呲鉄が檻を破って逃げ出したことが判明し、掌門・燕烈は門弟たちへ直ちに捜索を命じます。

一方の扶揺は、一人草原で燕驚塵との思い出を振り返っていました。幼い頃から自分を支え続けてくれた彼への想いは、簡単に断ち切れるものではありません。そこへ燕驚塵本人が現れ、自らの胸の内を語り始めます。

彼は裴瑗との結婚を望んでいるわけではなく、玄元派を発展させるためには斉震の後ろ盾がどうしても必要なのだと説明します。そして扶揺への愛情は今も変わらないと告げ、「昆京へ一緒に来てほしい。妾として迎え、奴隷の身分から解放して幸せに暮らそう」と申し出ます。

しかし、その言葉は扶揺にとって何より残酷なものでした。彼女が求めていたのは唯一無二の愛であり、誰かと分け合う関係ではありません。「好きな人とは一生一人だけを愛し合いたい。」そう告げた扶揺は、きっぱりと申し出を断ります。

燕驚塵は理想だけでは生きていけないと反論します。結婚は愛情だけで決まるものではなく、家門や未来を守るための政治的な選択でもあると語り、扶揺が現実を理解していないと責め立てます。しかし扶揺は涙をこらえながら別れを告げ、自ら背を向けて歩き出すのでした。

その様子を偶然耳にしていたのが裴瑗でした。侍女・阿烈に扶揺と燕驚塵が密会していると知らされ、怒りに駆けつけた裴瑗は、二人の会話をすべて聞いてしまいます。燕驚塵の心に扶揺が今なお存在していることを知った裴瑗は激しく嫉妬し、怒りの矛先を阿烈へ向けると同時に、扶揺を完全に消し去る決意を固めます。

その夜、黒衣の人物が密かに扶揺の部屋へ忍び込み、眠る彼女の指先を針で傷つけ、その血を奪います。

翌朝、八年に一度の畋斗賽の出場者名簿が神器・渾天方鼎に映し出されます。そこには本来参加資格すらない玄幽部の扶揺の名前が刻まれていました。出場登録には本人の血が必要であり、扶揺の指先に残る小さな傷跡がその証拠となります。何者かが彼女を陥れるため、勝手に登録していたのでした。

畋斗賽は命を落とす者も珍しくない過酷な大会です。燕驚塵は名簿を見た瞬間、事情も聞かず扶揺を激しく叱責します。しかし扶揺は自分は登録していないと訴えます。それでも燕驚塵は聞き入れず、「お前が出場すれば、私はお前を守るため試合に集中できなくなる」と言い放ちます。

その言葉を聞いた扶揺は、自分がただの足手まといとしてしか見られていなかったことに深く傷つきます。そして「もし私が本当に戦うなら、誰にも頼らない。あなたに迷惑はかけない」と静かに言い放つのでした。

裴瑗はすぐさま燕烈を訪ね、この機会を利用して扶揺を始末すべきだと進言します。扶揺の実力では第一関門すら突破できず、事故死として処理できると考えたのです。燕烈も玄元派と斉震一派との縁談を何より重視しており、その提案を受け入れます。

さらに燕驚塵も父のもとを訪れ、扶揺の出場資格を取り消してほしいと願い出ます。しかし燕烈は、すでに登録された以上は玄元派の規則に従わせるべきだと拒否します。そして「扶揺はただの下働きに過ぎない。命を落としても惜しくはない」とまで言い放ち、息子には裴瑗との婚姻だけを考えるよう命じます。

一方、扶揺を幼い頃から見守ってきた周叔は、酒を酌み交わしながら彼女へ山を下りて逃げるよう勧めます。しかし扶揺は、自分一人が逃げれば玄幽部のみんなが罰せられることを知っていました。だからこそ唯一残された道は畋斗賽で生き残ることしかないと語ります。

周叔は彼女の未熟な武術では到底勝ち目がないと心配しますが、扶揺は「これが私の運命なら受け入れる」と強い意志を示します。その瞳には、もはや迷いはありませんでした。

その頃、長孫無極は一人静かな部屋で扶揺の姿を思い返していました。身分に縛られず、恐れず真っすぐ生きる彼女の姿は、無極の心に少しずつ特別な存在として刻まれ始めていました。

試合前日、燕驚塵は再び扶揺のもとを訪れ、先日の言葉を謝罪します。そして試合では自分のそばを離れず、必ず守ると約束します。しかし扶揺の心はすでに決まっていました。「生死は天に任せるだけ。もうあなたに守られるつもりも、関わるつもりもない。」そう静かに告げる彼女の姿に、燕驚塵は何も返すことができませんでした。

そして迎えた畋斗賽当日。第一関門は封印された上古神獣を再び封じ込める「神獣封印」の試練でした。参加者たちは宵淼術を使う青組と鎮魂気を使う赤組に分かれます。しかし扶揺はどちらの術も学んだことがなく、どの組からも受け入れを拒まれてしまいます。

孤立する扶揺を見かねた燕驚塵は、自ら青組へ迎え入れ、「私の後ろについて来い」と手を差し伸べます。やがて地宮の封印が解かれ、眠っていた神獣が目覚めようとしていました。扶揺の過酷な戦いが、いよいよ幕を開けるのでした。

 

第4話の見どころ

第一関門で神獣を従えた扶揺は一躍英雄となりますが、その活躍は燕烈や裴瑗の嫉妬を招き、さらなる陰謀へ巻き込まれていきます。絶体絶命の危機に陥った扶揺を救うのは、またしても長孫無極でした。一方で燕驚塵との関係には決定的な別れの時が訪れ、扶揺は誰にも頼らず自分の力だけで運命を切り開く覚悟を固めます。試練を重ねるごとに強く成長していく扶揺の姿が印象的な一話です。


第4話あらすじ

畋斗賽第一関門の地宮では、封印から解き放たれた上古神獣・呲鉄が猛威を振るい、玄元派の弟子たちは次々と追い詰められていました。扶揺は仲間たちを救うため、自ら囮となって呲鉄を引きつけます。狭い地宮の中を縦横無尽に駆け回り、その素早い動きで神獣の注意を自分へ集中させるのでした。

扶揺が危険にさらされる姿を見た燕驚塵は、迷うことなく彼女のもとへ駆け寄ります。身を挺して扶揺をかばい、自分一人で呲鉄を食い止めようとします。しかし扶揺はその一瞬の隙を見逃しませんでした。燕驚塵の肩を踏み台にして大きく跳躍すると、首輪を神獣の首へ投げつけ、そのまま急所を正確に突きます。

誰も予想しなかった大胆な一撃は見事に成功し、暴れ狂っていた呲鉄は静かに従いました。観戦していた者たちは皆驚愕し、最下層の下働きだった扶揺が神獣を手懐けたという事実に騒然となります。

試練を終えた弟子たちが地宮から姿を現す中、燕驚塵は扶揺を守った際の傷で苦しんでいました。一方、扶揺は自ら従えた呲鉄にまたがり堂々と現れ、その姿は誰よりも輝いていました。

その場にいた長孫無極は、扶揺が宴で給仕をしていた侍女であることをあえて口にします。燕烈は内心穏やかではありませんでしたが、世子である無極の前では笑顔を崩せず、取り繕うしかありませんでした。

玄幽部へ戻った扶揺は仲間たちから英雄として迎えられます。小七は憧れの眼差しを向け、皆が喜びに沸きます。しかし周叔だけは浮かない表情でした。彼は扶揺へ「今日のお前は目立ちすぎた。燕烈のような人物が、このまま黙っているはずがない」と忠告します。

扶揺もこれからさらに厳しい試練が待ち受けていることを理解していました。しかし、「ここまで来た以上、もう後戻りはできない」と静かに語り、どんな困難にも立ち向かう覚悟を新たにします。

一方、玄正部では裴瑗が燕驚塵の傷の手当てをしていました。燕烈は息子が扶揺を守るために負傷したと知ると激怒し、扶揺が二度と玄正部へ足を踏み入れることを禁じます。もし命令に背けば厳罰に処すと宣言し、扶揺との関係を完全に断ち切ろうとするのでした。

そんな中、長孫無極は飼っている小さな鼠を連れて玄幽部を訪れます。そして扶揺へ「晶水凝露」という貴重な薬を手渡しました。この薬は呲鉄の毒にも効く特別な霊薬でした。

扶揺は突然の贈り物に戸惑い、なぜ自分へここまで親切にするのか問いかけます。しかし無極は冗談を交えながらはぐらかし、「いつか仮面を外す日が来れば、私が誰なのか分かる」とだけ告げます。その謎めいた言葉に、扶揺はますます彼の正体が気になっていくのでした。

玄幽部へ戻った扶揺は、無極との出会いを何度も思い返します。最初は腹立たしい相手だったはずなのに、危険な時には必ず助けてくれる彼への印象は少しずつ変わり始めていました。

その矢先、玄正部から燕驚塵の血に染まった衣服が洗濯物として届きます。扶揺は彼の傷が思いのほか重いことを知り、心配のあまり玄正部へ向かいますが、門前で追い返されてしまいます。

それでも扶揺は諦めません。夜になると密かに玄正部へ忍び込み、剣の稽古をしていた燕驚塵へ晶水凝露を差し出します。「あなたが傷ついたのは私のせい。これだけは受け取って」と頭を下げる扶揺。そして「もう二度とあなたを危険に巻き込まない。私ももう会いには来ない」と静かに別れを告げます。

燕驚塵はもう一度やり直したいと引き止めますが、扶揺の決意は揺らぎません。そのまま立ち去ろうとした瞬間、玄正部の弟子たちが彼女を取り囲みます。

実はこれも裴瑗が仕組んだ罠でした。扶揺が玄正部へ忍び込むよう誘導し、門規違反の現場を押さえたのです。

扶揺は大殿へ連行されます。燕烈は無断侵入だけでなく、高価な薬瓶を盗んだという濡れ衣まで着せます。扶揺は薬は人から譲り受けたものだと説明しますが、贈り主の名だけは決して明かそうとしませんでした。

燕烈はその態度を利用し、玄元派最大の法宝「無念の鏡」に扶揺を閉じ込めるよう命じます。無念の鏡は数百年間、一人として生還者がいない死の結界でした。裴瑗は扶揺が必ず命を落とすと信じ、鏡の外でその報せを待ちます。

鏡の中へ足を踏み入れた扶揺は、たちまち全身を凍てつく寒気に包まれ、氷の壁へ封じ込められてしまいます。意識が遠のくその時、突然長孫無極が現れ、扶揺を抱きかかえて脱出させます。

無極は扶揺が極寒に耐えられたことに驚きます。本来なら命を落としているはずの寒気にも耐え抜いた彼女の身体には、自分でも知らない特別な力が眠っていることを感じ取るのでした。

やがて扶揺が無事に後山で発見されたという知らせが届き、裴瑗は怒りに震えます。一方、目を覚ました扶揺へ周叔は、「無念の鏡から生還した者を再び罰することはできない」という玄元派の掟を教えます。これで燕烈も表立って扶揺を処罰できなくなりました。

度重なる迫害を受けながらも、扶揺の心は折れていませんでした。彼女は畋斗賽を最後まで戦い抜き、自分自身の力で未来を切り開くと誓います。周叔も説得を諦め、黙って彼女を送り出す決意を固めるのでした。

第二関門を前に、燕烈は競技内容を発表します。今回は二人一組で行動し、生死も勝敗も運命を共にするという過酷な試練でした。裴瑗は燕驚塵と迷わず同盟を結びます。

翌朝、周叔は長年使い続けた焼火棒を扶揺へ託します。それは武器であると同時に、父親代わりとして娘を送り出す精一杯の思いでもありました。扶揺は「必ず生きて帰る」と約束し、試合会場へ向かいます。

しかし燕烈は密かに弟子・阿辰へ命じ、試合が始まったら扶揺を見捨てるよう指示していました。さらに競技開始直前、燕驚塵は最後の説得を試みますが、扶揺は「私はもう誰にも頼らない」と静かに断ります。

その頃、長孫無極の侍女たちは主人の姿が忽然と消えていることに気付きます。斉震へ知られることを恐れながら必死に捜索を始めますが、無極はすでに扶揺の運命を見届けるため、密かに動き始めていたのでした。

 

扶揺(フーヤオ)~伝説の皇后~ 5話・6話・7話・8話 あらすじ

扶揺(フーヤオ)~伝説の皇后~ 各話あらすじとキャスト・相関図

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