定風波~神捕、冥(くら)き真実を暴く~ 2025年 全36話 原題:定風波(定风波)
第25話 雷を呼ぶ「雳金」と謎の猟師
母親の墓前にいた蒋義は、ついに捕らえられる。彼はすべてを白状し、重病を患っていた母親の治療費を工面するため、やむを得ず誰かの依頼を受けていたと語る。しかし、事件の経緯を話し終えた直後、蒋義の身に突然落雷が起こり、その場で命を落としてしまう。
遺体を調べた蕭北冥は、蒋義の体内から老臭虫の遺体にも残されていた謎の晶石と同じものを発見する。単なる偶然とは考えられず、これまでの不可解な死亡事件にも共通する仕掛けがあると推測する。童双は、雷を引き寄せる仕掛けや避雷用の銅獣を作れる銅匠「焦爺」なら、この晶石について知っているかもしれないと提案する。
翌日、一行は焦爺を訪ねる。晶石を見るなり、その正体を知っていると答える焦爺だったが、数日前に仕事中の事故で頭に鋼針が刺さり、抜けば死ぬと医師に言われたため、今も苦しみながら生きていた。そこで「鋼針を抜いてくれれば、晶石についてすべて話す」と条件を出す。風清濁は自ら治療を買って出て、高度な医術によって無事に鋼針を抜くことに成功する。
焦爺が語った晶石の名は、「雳金(りきん)」。伝説では、雷が頻繁に落ちる雳山に存在する特殊な鉱物で、雷を引き寄せる性質を持っているという。雷に打たれると彩色を帯びた金石へ変化し、甘く濃厚な香りを放つ。そして雳金が人間の体内に入り込むと、雨の日には12時間以上屋内で過ごさなければならず、外へ出れば雷に打たれてしまうという。落雷によって死亡した後、雳金は結晶化し、耳から外へ排出される。これこそが老臭虫と蒋義の死に共通していた晶石の正体だった。
さらに焦爺は、約一か月前に一人の猟師が武器を作るため訪れたことを明かす。その際、偶然にもその猟師が雳金を使って狩りをしていることに気づいたという。不可解な落雷死を引き起こす雳金を狩猟に利用する猟師――事件の背後に、新たな人物の存在が浮かび上がる。
第26話 海崖の真実を知る男
蕭北冥は諸葛孔雲を「大亓第一の神捕」と持ち上げ、事件の捜査と検視に協力してほしいと頼み込む。諸葛孔雲は渋々ながらも承諾するが、その代わりとして、夜煞を捕らえた暁には自分の馬を引くこと、そして天下に向けて自分が蕭北冥より優れた神捕だと認めることを要求する。
一方、風清濁は馬車の中で老臭虫の遺体を改めて検視する。すると、心臓が異常なほど腫れ上がっていることが判明する。鍾雪漫は、老臭虫が死ぬ前に大量の赤晶を服用していたことを思い出す。赤晶によって一時的に常人離れした力を得られるものの、長期間使用すれば身体に大きな負担がかかり、最終的には命を落とす可能性があるという。蕭北冥は、これこそが神薬がまだ完成していない証拠だと考え、事件の核心を追うためには再び海崖へ向かう必要があると判断する。
その頃、諸葛孔雲は過去の資料を調べ、**呉錐(呉大人)**という人物が参風甲と深い関係を持っていたことを突き止める。呉錐はかつて朝廷の腐敗や時勢を厳しく批判し、皇帝にも何度も進言していた人物だったが、現在は官職を退き、故郷で隠居生活を送っていた。
蕭北冥は自ら呉錐を訪ね、神捕営の捕快であることを明かしたうえで、単刀直入に当時の海崖で何が起きたのかを問いただす。呉錐は一目で蕭北冥の正体を見抜き、彼が蕭北冥であることを認める。しかし、海崖の真実については「死人以外には決して話さない」と固く口を閉ざす。
そして呉錐は一杯の猛毒の薬を取り出す。それを飲めば一刻ほど生きられるため、その間に三つだけ質問してよいという。もし蕭北冥が飲まないのなら、自分が毒を飲んで死ぬと告げる。いずれにしても夜煞に殺されるくらいなら、自ら死を選ぶというのだ。
こうして蕭北冥は、命を懸けなければ聞き出せないほど重大な海崖の真実と向き合うことになる。
















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